2018年05月07日公開
2018年05月07日更新
リアルの15巻発売日・最終回は?車椅子バスケ漫画のあらすじと名言も紹介
『リアル』は障害者という重いテーマを主軸に、三人の男たちが等身大の葛藤や試練にぶつかっていく現実を描いた青春群像漫画です。作者の井上雄彦は世界的に有名な『スラムダンク』を手掛け、本作でも漫画を通じて読者の胸に突き刺さる名言を沢山散りばめています。ですが、リアルは14巻を発売してから長期休載に入っています。一刻も早い再開、15巻や最終回が望まれます。今回はそんな名作『リアル』の主要登場人物のこれまでのあらすじや名言をピックアップしつつ、15巻の発売時期やどんな最終回を迎えるのか考察していきます。
目次
漫画「リアル」の魅力
漫画「リアル」とは
リアルとは週刊ヤングジャンプで連載中の井上雄彦によるスポーツ漫画です。現在は14巻まで刊行しており、累計発行部数は1000万部を突破し、日本のみならず海外でも高い評価を得ている作品です。
心や体に傷を持った男たちの向き合うREALな人間ドラマ
本作は3人の男たちが病気、事故の加害者、事故の被害者と立場や原因は違いますが、様々な理由によって心や体に大きな傷を負ってしまい、その事で生じる困難なREAL(現実)を乗り越えていく人間ドラマが特徴です。同時に、障碍者スポーツやバスケ、プロレスといった競技に関する現実も掘り下げているスポーツ漫画としての側面もあります。
今回はそんな青春群像劇のキャラクターたちのこれまでのあらすじを振り返りつつ、心に響く名言、そしてまだ発売されていない15巻から最終回までの予想などをしていきます。
漫画「リアル」戸川 清春のあらすじと名言
これまでのあらすじ
戸川清治は父親への反抗心から始めた短距離走で全国大会決勝にまで出場できるほどの選手でした。しかし、その決勝中に病気が悪化してしまい右ひざ関節から下を切断する事になってしまいます。当初はショックからひきこもりになりますが、車イスバスケと出会った事で前を向く決意をします。
胸にタトゥーを入れ、ひたむきな向上心から強くなるも、我が強くチームメイトとも衝突してしまい一度はチームを離れてしまいます。その途中で出会った野宮の、障害者という事を気にせず中身で判断する姿勢に感化されチームに変革を起こそうと決意します。
キャンプを経て協調性を身に着け、チームを引っ張るエースとしての貫禄を身に着けます。その姿を見たチームメイトにもやる気が生まれ、チームは活性化します。目標としていたトーナメントに繰り上げ出場が決定します。
作中の名言
「俺は何度もチームを壊してきた。ほんとのことを言えば、もうあの経験はしたくない。変わりたい。変わろう」エゴイストな戸川が様々な経験を経て自分を省みた末に出た本心です。ここから彼とチームメイトたちの関係が変化していく重要なシーンです。人は本気で変わりたいと思えば変われるのだと伝えています。
15巻から最終回までの予想
チームの雰囲気も良くなり、トーナメントへの出場権も手に入れた事で順風満帆となっています。このまま走り抜ければいいのですが、それはまだ分かりません。
漫画「リアル」野宮 朋美のあらすじと名言
これまでのあらすじ
強面の顔とは裏腹の陽気な性格の持ち主で、バスケに真摯に向き合う好青年です。しかしチームメイトの高橋による後輩へのイジメを知り暴力を振るってしまい、バスケ部から追い出されてしまいます。暇を持て余した彼はだんだんと荒れていき、ナンパした女の子を乗せたバイクで事故を起こしてしまいます。
出典: http://mlog.xyz
野宮は無事でしたが同乗していた山下夏美は下半身不随となってしまいます。この事に罪悪感を抱いている時に戸川と出会い、自分を変えようとします。夏美への責任から彼女の元へ足しげく通い、バイトを始めます。しかし、粗暴な性格が災いして解雇、あるいは会社が倒産といった目に遭います。
そんな中、大好きだったバスケのプロの世界に飛び込もうと決めて、プロチームのトライアウトに挑みます。特訓のかいもあって最終選考まで残りますが、結局落選。トライアウトを受けたチームの試合を見に行くと、トライアウト仲間は全員落選し、ライバル視していた男のプレーに圧倒されてしまいます。そして自分が悔しいと思う気持ちを失っている事に愕然とします。
心に響く名言
「今いる場所がつまんねえ職場だろうと、俺の道であることに変わりはねえ。俺のゴールにどうやってつながるかは知らねえが、いつかつながることだけは確かだ。」望んで得た環境じゃないとしても、その道を歩いた先に何か待っている信じて歩くと決意したシーンです。人生は不確かではありますが、それでも一歩歩いてみようと思う、勇気が出る言葉です。野宮朋美の言葉は時として心に深く訴えかけます。
15巻から最終回までの予想
ある意味、最も予想の付かないキャラです。バスケへの情熱を失い、体も丸くなっていく事への諦めを持ってしまい、夢を諦めそうになっています。このまま本当に諦めてしまうのか、それとももう一度夢へと走り出すのか、岐路に立っています。
漫画「リアル」高橋 久信のあらすじと名言
これまでのあらすじ
父親の影響でバスケに嵌っていましたが、その父親が母との対立によって家を出た事をショックに感じて屈折した性格に成長してしまいます。周りの人間を自分よりも下の人間だとランク付けし、目障りな後輩をいじめて退部に追い込むなどしていました。ですが、交通事故に遭い、下半身不随となってしまいます。
今まで自分が見下してきた底辺の人間になったと嘆き、人生に悲観していましたが、周りの人間との出会いによって徐々に更生していきます。特にリハビリ施設で一緒だったプロレスラーの白鳥加州雄の姿に強い影響を受けて、前を向くきっかけを貰います。
そして戸川とは別の車イスバスケチームに参加を決意します。最初は自在に車イスを操る為にボールに触らない地道な特訓を続けていきます。外野からのちょっかいや、仲間とバスケを楽しむなんて気持ちは持っておらず、ただ頂点だけを目指して牙を研ぎ澄ませて行きます。
心に響く名言
「5年後、あるいは10年後。あとからふり返った時、あの日からすべてが変わったと思える。そんな日がある。今日がその日だ。」それまで生涯を言い訳に色々な事から目を背けていた高橋が、前を向こうと決めた物語上でも重要な瞬間です。
15巻から最終回までの予想
高橋は車イスバスケのプレイヤーとして研ぎ澄まされて行きます。チーム内での役割を理解し、車イスを自在に操れるようになれば、周りの度肝を抜かすプレーを見せるはずです。
漫画「リアル」白鳥 加州雄のあらすじと名言
これまでのあらすじ
日本一のヒール(悪役)と呼ばれたプロレスラーでしたが、バイク事故によって脊髄を損傷してしまいます。高橋とはリハビリ施設で同室となり、本来なら無理な「歩く」という目標に対して期限を定めてまで挑戦するというタフネスぶりを発揮しています。
出典: http://mlog.xyz
元々、望んでヒールになった訳でなく、経営戦略として止む無くヒールにされてしまい、ファンから罵詈雑言や自分の夢とのギャップから酒に溺れる様になってしまいます。妻と娘には逃げられてしまい、脊髄損傷という重傷を背負ってしまい、残ったのはプロレスラーとしての自分だけです。
プロレスラーとしての自分を棄てないために、1年のリハビリを経て見事リングに立ちます。しかし、その体はロープに掴まって立つのが限界です。タッグを組んだ相棒の協力もあり、無事に復帰戦をやり切った白鳥の姿に高橋は車イスバスケにチャレンジするようになります。
心に響く名言
「わかってるさ。経験ある、こんな状況。何もできない存在としての自分。どうすべきか知ってる。口をとじて、ただ脚を…じゃねえ 腕を動かせ!!いつか必ずやってくる…「できるようになる」瞬間まで」苦しいリハビリに折れそうになる自分へ向けた叱咤の言葉です。今がどれだけ苦しくても、最後までやり抜くことの大切さが伝わってきます。
15巻から最終回までの予想
白鳥はプロのリングに戻ったとはいえ、まだ全快ではありません。彼の頑張る姿は高橋にとっても励みになるため、これからも互いに影響を与えながら頑張っていくはずです。
漫画「リアル」安積 久美のあらすじと名言
これまでのあらすじ
戸川の幼馴染で、友達以上恋人未満の関係です。病気によって右足を失い絶望から周りを遠ざけてしまった戸川の元へと通い続ける心優しい子です。その優しさに触れる事で戸川は救われて行き、前を向けるようになったことから、彼の良き理解者でもあります。
車イスバスケを始めた戸川のサポートのためマネージャーを務めていましたが、成長していく戸川を見ているうちに自分も成長を求めてイギリスに留学します。
心に響く名言
「誰よりも速い韋駄天だから。君に置いていかれないように、君にふさわしいように」幼馴染として戸川を支えてきたからこそ、彼の成長に置いて行かれそうな寂しさを感じた一言です。これを境に自分の成長を考える様になり、留学を決めます。
15巻から最終回までの予想
イギリスに留学した安積は、戸川の事を強く意識しています。それは戸川も同じで、最終回までに日本に戻ってきたら二人の関係も前進するはずです。
漫画「リアル」山下 夏美のあらすじと名言
これまでのあらすじ
野宮にナンパされバイクに同乗した事で事故に遭い、下半身不随となった被害者です。長野県のリハビリセンターでリハビリしている時に、見舞いに来た野宮に対して自分の心情をぶつけます。
それがきっかけとなり野宮と友人関係を築くようになり、落ち込む彼にアドバイスを与えるようになります。幼少期の頃から漫画を描くことが好きで、現在は漫画家を目指して挑戦中です。
心に響く名言
山下の名言はこちら。「すべてなくしたと思ってたけどひとつだけ残ってた。いやたぶん事故の前からもともとひとつだけだったのかも。あたしが自信持てるのこれだけなんだ。だからもう…笑いたい奴は笑えって」幼い頃の夢だった漫画家への覚悟を固めるシーンです。自分の夢を誰かに笑われようとも、突き進むという強い気持ちが感じられます。山下の強い覚悟とガッツが感じられる言葉です。
15巻から最終回までの予想
山下の夢は漫画家になる事です。そのために出版社に持ち込みに行き、手酷くやられてもへこたれずに再チャレンジするガッツがあります。きっとその努力が実って最終回までにデビューするはずです。
漫画「リアル」花咲 満のあらすじと名言
これまでのあらすじ
高橋と同じリハビリ施設の入所者です。プロレスが大好きで、実は白鳥の大ファンでもあります。信号待ちをしていた所を酔っ払い運転の車にひかれてしまい半身不随となりましたが、独特な性格もあってそれを受け入れています。
幼少期から他人とうまく打ち解けられず、卑屈になっていた所を白鳥の活躍に勇気づけられていました。実名でファンレターを送る勇気が出せず偽名で送っていましたが、それが白鳥の辛い時期を支えていて、復帰戦後に本人から感謝の言葉を送られました。
心に響く名言
「この人だって空飛べるわけじゃない。人間の限られた能力の中でどれだけあがけるか。それによって―、9秒台で走る人間だっているってことだよな。空は飛べなくともね」リハビリ施設にてテレビを見ていた花咲が高橋に向けて言った名言です。自分の出来る範囲の中で、どれだけ努力するかが重要だと教えてくれます。本当の友人だからこその言葉です。
15巻から最終回までの予想
花咲は高橋にとって本当に信頼できる友人の一人です。同じリハビリ施設で過ごし、白鳥を応援したことで絆は深まっています。車イスバスケの選手として試合に出る高橋の事を一生懸命応援するでしょう。
漫画「リアル」15巻の発売日は?
リアル15巻は絶望的?
リアル15巻いつ読めるんだろう。
— しらす (@_shi_rasu) May 3, 2018
どこまでも泥臭い、大人な青春漫画であるリアルですが、記事執筆時点では14巻まで発売中です。主人公格の三人にそれぞれ転機が訪れ、特にプライドの高かった高橋が遂に車いすバスケに参加するという節目の巻です。ここから三人の道が交わっていくと思われていましたが、それから三年、新刊のしの字もありません。
漫画「リアル」の作者はどんな人
リアルの作者はスラムダンクの作者
日本のバスケ漫画といえばスラムダンクですが、リアルの作者井上雄彦が手掛けています。井上雄彦は漫画だけでなくイラストレーターとしても活躍し、スポーツを通じて若者などを支援する活動を続けています。
漫画は描かなければ新刊は出ません。井上雄彦はこの数年間、リアルの話を描いていません。他紙で書いているバカボンドという作品も物語が最終回に向けて進みだした所で止まっています。リアル、バガボンドのファンは首を長くして続きを、そして最終回を待っています。
15巻が出ないのは作者が病気説
漫画の休載というとハンター×ハンターが有名です。あちらは作者が長い時間作業できないという理由から長期休載を挟みつつ連載しています。となると井上雄彦も病気か体調不良かと思いますがどうやら違うようです。Twitterで健在ぶりをアピールしています。内容は雑多で、漫画に関する事は一切語りません。
漫画「リアル」の15巻発売時期を予想
発売日どころか連載再開のニュースもありませんが、リアルの15巻がいつ頃発売されるのか、2つのヒントから迫ってみましょう。
ヒント①単行本未収録のエピソード
現時点で最新刊の14巻は2014年に発売され、84話まで収録されました。ヤングジャンプに最後に掲載されたのも実は84話です。つまり、雑誌で発表されたエピソードは全て単行本に収録されています。
ヒント②連載ペースは月に一話
ヤングジャンプは週刊誌ですが、リアルは月一で連載していました。単行本は一冊当たり6話収録されるので、単行本が発行できるまで単純に計算して最低半年は必要です。そこに修正やら表紙決めなどが入るともう少し時間がかかります。
結論:15巻が発売する時期は!
以上のことからリアル15巻が発売されるのは最速でも2018年12月以降となります。現時点でリアルが再開するという話を聞かないので、この予想は時間が経つにつれてずれ込んでいきます。
漫画「リアル」は試練と困難に挑む注目すべき作品!
身体障害者という重いテーマと、等身大の現実を見事に融和させた名作「リアル」。今回紹介したのはリアルのほんの一部だけです。もしも興味を持たれたのなら、ぜひ手に取って読んでみて下さい。きっと共感できるはずです。そして、一日でも早く15巻が発売されるのを期待して待ちましょう。