2019年05月02日公開
2019年05月02日更新
伊藤潤二のうずまきのあらすじと魅力は?トラウマレベルのグロ怖いホラー漫画?
ホラー漫画界のプリンス・伊藤潤二の代表作の1つ『うずまき』のあらすじと魅力を紹介していきます!『富江』シリーズなどでも知られる伊藤潤二の『うずまき』は、独特の世界観で不気味さを醸し出しており、トラウマレベルのグロ怖さが繊細なタッチで描かれていますので、ホラーやサスペンス好きの方は楽しめる事間違いなしです!また今回は、伊藤潤二の他の代表作も紹介する事で、ホラー漫画家・伊藤潤二について深くまで触れていきます!
目次
伊藤潤二のうずまきとは?
伊藤潤二のプロフィール
『うずまき』の原作者である伊藤潤二とは1990年代から活動している日本のホラー漫画家です。岐阜県出身で1963年7月31日生まれの2019年現在55歳で、保育園児であった5歳の頃からホラー漫画にハマりだした事で自身も描くようになり、専門学校卒業後に『第1回楳図かずお賞』に『富江』を投稿し、入賞した事でデビューを果たしました。デビュー当時は歯科技工士としても働いていましたが後に漫画に専念するために退職しました。
怪談トークを得意とし、霊感タレントとしても活動している稲川淳二とは『ホラー界のダブルジュンジ』と称される事が多くあります。しかし、デビューは稲川淳二の方が先輩で、『第1回楳図かずお賞』で伊藤潤二の作品を審査した1人でもあります。伊藤潤二の漫画の作風としては、ホラーというジャンルの中に様々な特色を取り入れており、自身がお笑い好きという事もあって時には笑えるような要素も取り入れているという事です。
また、伊藤潤二は2006年にアマチュア漫画家に盗作されるという騒動があり、『月刊ホラーM』で行われた『第19回ホラーM新人まんが大賞』で『期待賞』を受賞した作品が、伊藤潤二の代表作の1つ『なめくじ少女』の物語内容に酷似していた事で、賞が取り消されたというものでした。そんな伊藤潤二は2006年にイラストレーターの石黒亜矢子と結婚し、2019年現在は2人の子供の父親となっています。
ホラー漫画・うずまきの作品情報
うずまきの概要
『うずまき』は伊藤潤二が『週刊ビッグコミックスピリッツ』の1998年7号から連載を開始したホラー漫画作品で1999年39号まで続き、単行本は全3巻発売されています。芸術作品や様々なシンボルにも使われるうずまきという形の神秘性をテーマにした作品で、うずまきに魅力された人間達が次々とおかしな怪奇現象を起こしたり巻き込まれたりしていくという非常に独自性の強い作風によって読者達の興味をそそりました。
うずまきは実写映画化も
『うずまき』は映画版も制作され、2000年2月から『富江 replay』と同時上映されました。主演は初音映莉子で、他にも大杉漣や阿部サダヲといった豪華キャストが出演しています。初音映莉子はもともと伊藤潤二作品の大ファンであり、『うずまき』に出演後も『首吊り気球』や『押切』などといった伊藤潤二の原作漫画の映像化作品に出演していきました。
伊藤潤二のうずまきのあらすじネタバレ
あらすじネタバレ①父親の奇行
黒渦町に住む女子高生・五島桐絵は、とある日の登校中に元同級生で現在は隣町の高校に通っている恋人・斎藤秀一の父を見かけます。秀一の父はカタツムリを見つめながらじっとしており、話しかけても黙ったままです。不思議に思いながらも桐絵はその場から立ち去りました。その後、桐絵は秀一に会って秀一の父の様子が変だった事を話します。
秀一によると、父はこの黒渦町の何かのせいで最近おかしくなってしまったのだという事で、一緒に町から逃げ出そうと桐絵を誘ってきます。桐絵は何かの冗談かと思いましたが、秀一の父はうずまきに魅了されており、仕事にも行かずにうずまき模様のものを収集するようになっていました。秀一の父のうずまきへの異常な執着は日に日に増していき、自分の目の回転や舌の形でうずまきを表現するようになっていきました。
そしてある日、秀一の父は樽のようなものを注文して取り寄せたあと姿を消しました。秀一と母が家中を探し回っていると、書斎に秀一の父が取り寄せた樽がポツンと置いてあります。秀一がその樽を開けると、体中をうずまきにして死んでいる父の姿がありました。この話を聞いた桐絵は、なぜ樽に秀一の父が入っていたのか理解できませんでしたが、秀一は父が自らをうずまきにするために樽に入ったのだという事を確信していました。
あらすじネタバレ②巻き込まれる桐絵と秀一
秀一の父が死んでから数日経つと、黒渦町の人間達も次々とうずまきに魅了されていっただけでなく、様々な怪奇現象が起こるようになっていきました。人間がカタツムリになってしまったり、そのカタツムリを『美味い』と言って食べる人が現れるなど、現実では考えられない異常な事ばかりです。桐絵と秀一はこの怪奇現象に巻き込まれていき、精神的に追いやられていきますが、秀一はどんな事があっても桐絵を守り通しました。
あらすじネタバレ③集大成の3巻
出典: https://festy.jp
漫画『うずまき』の最終巻である3巻になると、黒渦町の建物はうずまき状に形を作り、中には溶けて繋がった人間達が住むようになりました。竜巻が常に巻き起こり、人の形を失った人間達が多くはびこっているという、以前の面影など全く残っていない黒渦町でしたが、桐絵と秀一はなんとか生きながらえていました。気力も体力も限界に近付いていた桐絵と秀一は、トンボ池に石造りの螺旋階段を見つけた事で降りてみる事にします。
しかし、階段の途中で桐絵が生き残っていた人間に襲われ、それを庇った秀一が落ちて行ってしまいます。螺旋階段は果てしないほど奥深くまで続いていましたが、桐絵は秀一を助けるために急いで階段を降り続け、やがて小さな光が見えてきました。そして桐絵が辿り着いた場所は、うずまき状の建築物が怪しい光を放ちながら広がる大空洞で、地面には身体がうずまきになってしまった人々がその光を見つめていました。
地面の人々は少しずつ石化しながら遺跡と同化しつつあり、完全に石化した人間の中には桐絵の両親の姿もありました。桐絵はその中から秀一の姿を見つけ出しますが、秀一は瀕死の状態です。秀一によると、この遺跡は一定の周期で黒渦町に住む人々を誘惑しており、遺跡の一部としているという事でした。そして自分にはもう逃げる力は残っていないため、桐絵に一人で逃げるように秀一は言います。
すると桐絵は、自分ももう限界のため秀一と一緒にここに残ると言って秀一を抱きしめます。そして抱き合った2人は地面の人々のようにうずまきの1つとなっていくのでした。以上が伊藤潤二の代表作『うずまき』のあらすじネタバレになります。
伊藤潤二のうずまきの魅力
うずまきの魅力①読者を引き込む怪奇
少しずつうずまきに飲み込まれていく呪われた町・黒渦町では、謎の力にによって人々が死や人外の生物への変化などといった怪奇に巻き込まれていきます。読者はあらすじでネタバレした物語の結末まで、うずまきの正体が分からずに読み進める事になりますが、間違いなくうずまきに力によって不可解な出来事ばかりが起こるため、『なぜ?』の連続となります。
また、作中には様々な種類の怪奇が登場し、多くの人間達がそれぞれの怪奇体験をしていく事になりますが、桐絵と秀一はそれを見届ける物語の語り手としての役割が強くなっています。2人は巻き込まれていく人々を助けようとしながらもどうする事も出来ず、自分達も少しずつ巻き込まれていきます。この主人公2人がどのような結末を迎えるのかという興味も、『うずまき』に憑りつかれたように読み進めてしまう魅力となっています。
うずまきの魅力②ペンタッチ
伊藤潤二による『うずまき』のペンタッチは、繊細で美麗でありながら、古臭さを全く感じさせないものとなっています。そしてなぜか昭和のような懐かしさも感じてしまう絵柄によって読者を物語に引き込んでいく不思議な魅力を持っています。その確かな画力は説得力を生み出し、作中でどんなにつじつまが合わない出来事が起きても妙に納得してしまいます。
さらに『うずまき』には桐絵をはじめとして様々な女性が怪奇に巻き込まれていきますが、美しい女性画に定評のある伊藤潤二のペンタッチは『うずまき』でも健在で、色っぽくて艶っぽい女性キャラを見ているだけでも引き込まれるものがあります。物語構成もさることながら、他に類を見ない独自の魅力を持つ伊藤潤二のペンタッチによって、『うずまき』を奇妙で魅力的な作品へと仕上げています。
うずまきの魅力③うずまきの意味
うずまきはありとあらゆるところに存在しています。生命の基盤となっているDNAも螺旋状に形成され、星々もうずまき状に宇宙を回転しています。また、料理をする時にスープをかき混ぜる事もうずまきを作り出しているなど、我々の手の届かない場所から日常までうずまきは存在しているのです。伊藤潤二はこのうずまきの持つ神秘性に着目し、不思議な魅力を持つホラー漫画作品を生み出しました。
伊藤潤二のうずまき以外の代表作一覧
伊藤潤二の代表作①『富江』シリーズ
『富江』シリーズは伊藤潤二の最も有名な代表作といっても過言ではない漫画作品です。あらすじは、絶世の美女である謎の美女・富江に魅了される男達が愛情や怒り、嫉妬という感情によって富江を殺したい欲望に駆られ、実際に殺してしまいますが、富江は何度でも蘇って男達の前に再び現れるというものです。富江は真っ二つにして殺した場合は2人になって蘇り、切り刻んだ場合は無数の富江が生まれます。
作品のタイトルにもなっている富江はヒロインであり黒幕という立ち位置で、魅了された男達が墜ちていく様を描いています。しかしこの富江に魅了された男達の狂気も読者に恐怖感を与えており、富江という美しい女性を自分のものにしたいという感情によって富江を殺し、それを邪魔する他人まで殺すようになっていきます。自分の美しさをひけらかす傲慢な富江、嫉妬や妬みに狂う男達の感情が『富江』の怖さです。
また、『富江』は映画やドラマなどで何度も映像化されています。富江役をはじめとしたキャスト陣も作品ごとに変わり、1999年に公開された映画第1作目『富江』の富江役は菅野美穂、2011年に公開された映画『富江 アンリミテッド』の富江役は仲村みうが務めています。ちなみに『富江 アンリミテッド』は今までの映画作品の中でも最も原作に近い内容で制作され、残虐描写が多く存在するためR-15指定+となっています。
伊藤潤二の代表作②『ギョ』
『ギョ』は伊藤潤二が『週刊ビッグコミックスピリッツ』で2001年から連載を開始した漫画作品で、奇形の魚によって悩まされる人々の行動や感情を描いています。あらすじは、沖縄旅行にやってきた忠と恋人の華織がスキューバをして楽しみ、その最中に弾丸のようなスピードで泳ぐ魚を見かけてからというもの、陸上でもその魚を見るようになってしまうというものです。
2012年にはアニメ化もされており、伊藤潤二の漫画作品の中で記念すべき初のアニメ化となりました。当初は30分の短編映像として制作予定でしたが、最終的には70分のボリュームで作られる事になりました。ちなみに、原作では忠が主人公となっていますがアニメ版では華織が主人公となっているため、それによる多くの変更点が存在しています。
伊藤潤二の代表作③『伊藤潤二自選傑作集』
『伊藤潤二自選傑作集』は伊藤潤二が2015年に発表した漫画作品の傑作集で、伊藤潤二の初期の短編名作が多く収録されています。『首吊り気球』や『ファッションモデル』をはじめ、不快度100パーセントとなって読者から苦情も来た事のある奇作『グリセリド』など、これだけで伊藤潤二ワールドを満喫出来るおすすめの1冊となっています。
伊藤潤二の代表作④伊藤潤二の猫日記 よん&むー
『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』は2008年に発表された伊藤潤二ファンにはたまらない実話エッセイ本で、伊藤潤二の愛猫『よん』『むー』と伊藤潤二の絡みをコメディチックに描いています。伊藤潤二のホラー漫画タッチで、思わず笑ってしまうコメディを見る事が出来ます。
伊藤潤二のうずまきに関する感想や評価は?
衣装の方はというとね。。スカートはこんな感じ。
— 深海魚すばる (@shinkaigyo0526) October 21, 2017
はい、ホラー漫画スカートだぞ! うずまきの各シーンをスカートにしたよ!安室ちゃん大好きスカートの時の応用。あの時よりは綺麗に作れたと思う。先日ロジウラちゃんと作りました#カワサキハロウィン #カワハロ #伊藤潤二 #うずまき pic.twitter.com/GQ2exzH366
『うずまき』が大好きだという伊藤潤二ファンの中には、ヒロインである五島桐絵のフィギュアなどの作品を創作する方も少なくありませんが、ツイッターの画像にあるようにホラー漫画スカートを作ったというファンもいます。原作漫画の名シーンが散りばめられたもので、伊藤潤二作品の女性読者はつい欲しくなってしまいます。
そしてこれは、伊藤潤二先生の「うずまき」ではない‼️#水木しげるロード #伊藤潤二 #うずまき pic.twitter.com/DjHnG3u3PT
— ガモツ 4月21-22日境港 (@DrGamotsu) August 26, 2018
漫画『うずまき』は、うずまきが秘める神秘性を漫画化した作品ですが、ファンの中には漫画『うずまき』が好きな事から日常で見かけたうずまき模様をツイッターに上げるという方もいます。意外な場所にうずまきが潜んでいる事も多く、様々なうずまきの写真を撮ってファン同士で楽しんでいるようです。
漫勉観るの楽しみ~(・∀・)♪
— ゆぅこ (@tathikoma69) March 9, 2017
伊藤潤二作品では私はやはり
『うずまき』なのだっ#漫勉#伊藤潤二#うずまき #NHK
伊藤潤二作品の中でも『うずまき』が1番好きだというファンは少なくありません。『グロ』『怪奇』『美少女』といった伊藤潤二漫画の特徴をふんだんに取り入れている『うずまき』は、これからも伊藤潤二を代表する作品として君臨し続けます。
伊藤潤二のうずまきのあらすじと魅力まとめ
伊藤潤二による漫画作品『うずまき』のあらすじをネタバレを含みながら紹介し、魅力なども解説してきましたがいかがだったでしょうか?他にも『富江』や『ギョ』といった奇作を生み出しているホラー漫画家・伊藤潤二の漫画作品は、これからも恐怖とシュールなギャグでファンを楽しませてくれる事でしょう。