アニメサクラクエストの聖地巡礼！モデル・舞台となった富山県南砺市とは？

サクラクエストはP.A.WORKS制作によるオリジナルアニメで、2017年4月より全25話放送されました。P.A.WORKSは本社が富山県南砺市にあり、石川、富山、福井など北陸を舞台にしたアニメをこれまで手掛けてきました。本記事ではP.A.WORKSがお仕事シリーズの第三弾として制作したサクラクエストの舞台となった富山県南砺市をご紹介します。

かつて、バブル期に一時的な盛り上がりを見せた「チュパカブラ王国」を擁する間野山市がありました。しかし、現在は住民の高齢化が進み、商店街もシャッター通りと化してしまいました。そんな町に、田舎から上京し短大の卒業を間近に控えた「田舎嫌い」の主人公、小春由乃が軽い気持ちで町興しの代表「国王」として一年間務めることになりました。

小春由乃を含め、様々な理由から間野山に来ることになった女子たちが、観光協会のお仕事を通じて成長し、変化していく1年間の物語それがサクラクエストです。

実際の風景などをふんだんに入れたアニメは数多くありますが、サクラクエストは風景はもちろん、地方の過疎化の問題であったり、地元住人の心情などがリアルに描かれた作品です。また、それぞれの問題が一筋縄ではいかないものであり、すっきり解決！といった形にならないこともあります。サクラクエストは南砺市という地方に拠点を置くP.A.WORKSならではの凄さが伝えられる作品です。

サクラクエストの舞台である南砺市は富山県の南西部に位置しており、富山県富山市はもちろん石川県の金沢市や岐阜県の飛騨市などに接する自然豊かな山間の地です。しかし、近年の人口減少で南砺市も実際に観光や地域振興が必須となってきており、南砺市側からの要請でサクラクエストの架空の都市である間の山市と姉妹都市となりました。

サクラクエストの舞台の中心地富山県南砺市城端駅へは、東京駅から北陸新幹線で2時間15分ほどで新高岡駅に着きます。新高岡駅からは在来線の城端線で城端駅方面の電車に乗り、終点の城端駅へたどり着きます。大阪駅からは特急サンダーバードで金沢駅、金沢駅から在来線の場合は北陸本線高岡、富山方面へ向かい、高岡駅で城端線の城端駅方面へ向かいます。また、金沢駅からは新幹線で一駅で新高岡駅にたどり着きます。

しかし、南砺市は公共交通機関が非常に少なく、サクラクエストの聖地巡礼や観光をする場合は公共交通機関よりも自家用車で向かうか富山駅でレンタカーを借りるなどをするのがおすすめです。高速道路では、東海北陸自動車道の五箇山IC、福光ICなどで下りると主要な観光地や市の中心部に近いです。

サクラクエストにおいてたびたび出てくる重要な舞台、「桜池」ですが、現実に聖地として存在しています。それが南砺市立野原東にある桜ヶ池公園自然の森です。アニメ内では「みずち祭り」が行われるための神輿が池に沈んでいることによる一連のドラマがありましたが、実際に見てみるとさらにサクラクエストでの情景が浮かんでくるかもしれません。

アニメでは桜池は池としての役割を重要視して描かれていましたが、実際の桜ヶ池公園はただの池と公園ではなくドリンク、軽食があるお店やバーベキュー場、さらに湖畔のキャンプ場や宿泊ができるコテージがあり、レジャー施設として利用できます。

エアコン、テレビ、トイレ、ユニットバスなどを兼ねそろえた非常に便利な施設で、自然の中でありながら快適なレジャーが楽しめます。

個人、団体それぞれに対応したバーベキュー場があります。さらに雨の日でも雨天用バーベキュー場があるので天気の心配をせずに安心して利用できます。

桜ヶ池湖畔にあるキャンプサイトです。トイレは管理棟にありますが、夜間は使用できません。入浴などはクアガーデンという温浴施設があるのでこちらを使うことができます。

サクラクエストでたびたび登場する施設のもう一つが間の山駅であり、こちらは実際には南砺市是安にあるJR城端線の終着駅城端駅があります。駅ということで、サクラクエストでは出会いと別れのエピソードの中心地として機能していました。

城端駅は2面2線を有する地上駅で一日の乗車人員258人といたって普通のローカル駅です。しかし、駅舎内はかつてP.A.WORKSが制作したアニメ「true tears」のポスターが飾られています。また、true tearsのファンの要請から、交流ノートが設置されています。

また、城端駅から南砺市の主要観光地である五箇山まで路線バスが出ているので、どうしても公共交通機関で来ないといけない方も観光できるようになっています。

城端は越中の小京都と呼ばれ、古い町並みが現在も残っています。その街並みは国道304号線を城端駅から五箇山方面に5分から10分ほど歩くと見えてきます。お寺やクラフト雑貨ギャラリー、お土産屋さん、商店街等をぶらり散歩して楽しむことができます。

桜ヶ池公園や城端駅などがあり、南砺市はサクラクエストの舞台として十分に魅力的ですが、サクラクエストの聖地として以外にも南砺市には楽しめる場所があります。それが五箇山の合掌造りです。

五箇山は合掌造りの建物が立ち並び、のどかな山村風景が広がります。合掌造りとは雪深い地域で雪による建物倒壊、雪下ろしの作業効率アップなどを目的として作られました。非常に急な勾配の屋根が手のひらを合わせたように設置されており、迫力があります。

五箇山の中でも、相倉(あいのくら)集落と菅沼集落が1995年に世界遺産に登録されました。日本を代表する文化遺産として人気があり、多くの観光客が五箇山の合掌造りを見に来ています。

菅沼集落に隣接したところに宿泊施設があります。合掌造りの家屋での滞在で昔の生活文化を感じることができます。囲炉裏の間がついた合掌造りを借りることができ、生活に欠かせない炊事用品、冷蔵庫、電子レンジ、風呂、トイレが完備されており非常に贅沢な空間となっています。また、自分自身で渓流魚のイワナを焼いて食べることができます。

合掌造りの家屋の中で、季節の料理を楽しむことができます。コースは郷土御膳と報恩講午前の二種類あります。郷土御膳には、ごはん・蕎麦・天ぷら・岩魚の塩焼き・豆腐煮物・山菜盛り合わせ・山菜胡麻和がついてきます。報恩講御膳には煮物など豆を主とした料理が並びます。いずれも税抜き2500円で楽しめます。また、ほかにオプションでクマ汁やイワナ寿司なども頼めますので、ぜひ予約の際に聞いてみましょう。

五箇山民謡講習、民謡鑑賞といった五箇山ならではの伝統体験やイワナつかみ体験、キャンプファイヤー、カヌー体験など自然体験もできます。

P.A.WORKSの本社が富山県南砺市にあることから、サクラクエスト以外にも多くの作品が北陸を舞台にしたものとなっています。ここでは南砺市から車で30分から45分ほどで行ける聖地巡礼スポットをご紹介します。ただし富山県と石川県の県境は非常に高勾配な山がひしめく山道です。迫力のあるダムがあったり、山の木々が美しいですが、安全に気をつけて下さい。特に冬季は雪が1m以上積もり、道がふさがれる可能性があるのでお勧めできません。

Angel Beats!は感動的な作品として、アニメファンに大人気となりました。アニメのエピソードは基本的に高校で進みますが、その舞台となったのは金沢市の中でもサクラクエストの聖地南砺市との境に近い金沢大学角間キャンパスです。OPでみられる風景のほとんどが金沢大学に行くとみられます。特に印象的なのは大きな橋ですが、金沢大学ではアカンサスインターフェースという橋があり、非常に酷似しています。

花咲くいろははP.A.WORKSのお仕事シリーズの第一弾として放送されました。ストーリーは基本的には主人公が従事することとなる温泉で進みますが、その舞台がこちらも金沢市の中でも南砺市との境に近いところにある湯涌温泉です。湯涌温泉郷には数種類の旅館があり、温泉施設もあります。また、花咲くいろはで登場したシーンがふんだんにみられ、楽しむことができます。

また、湯涌温泉ではアニメが放送された2011年から毎年、アニメ中に出てくるお祭り「ぼんぼり祭り」を行っています。例年1万人以上が来場する大規模な祭りで、本祭以外にも地元の学生のアンサンブルや楽器奏者による演奏などイベントも多数あります。

以上のように南砺市は、桜ヶ池公園や城端駅といったサクラクエストの聖地はもちろんそれ以外にも世界遺産である五箇山などがあり観光地としての機能が充実しています。また、近隣の金沢市にもP.A.WORKSの作品の舞台があり、サクラクエスト以外のP.A.WORKSの作品も同時に楽しむことができます。

サクラクエスト聖地巡礼の際は、地元の方に迷惑をかけることはしてはいけません。また、金沢大学はアカデミックな施設であり、許可なく内部に入ったりすることがないように気を付けてください。ルールを守ってサクラクエストに出てきたことを思い出しながら気持ちよく聖地巡礼をしましょう！