あしたのジョーの最後・最終回は?ホセとの戦いや真っ白な灰になったその後を考察

「あしたのジョー」はボクシング漫画の走りでありながら最高傑作であると評されています。ボクシング漫画の範疇をも飛び越えて「死ぬまでに一度は読んでおきたい漫画」とまで言われることも多いです。今年2018年は「あしたのジョー」連載開始50周年です。ここでは「あしたのジョー」の最後・最終回を紹介します。「ジョーはパンチドランカーになった」「ジョーは死んだ」など様々な憶測を呼んだ伝説的な最後・最終回を考察することで「あしたのジョー」の魅力に迫っていきます。

あしたのジョーの最後・最終回は?ホセとの戦いや真っ白な灰になったその後を考察のイメージ

目次

  1. あしたのジョーの最後や最終回が知りたい!
  2. あしたのジョーの作品情報
  3. あしたのジョーの登場人物
  4. あしたのジョーのあらすじ
  5. あしたのジョーは最後どうなった?最終回を紹介!
  6. あしたのジョーは死んだ?パンチドランカー説など考察
  7. あしたのジョーの最後を作者のちばてつやがどう考えている?
  8. あしたのジョーの最後や最終回まとめ

あしたのジョーの最後や最終回が知りたい!

ボクシング漫画のパイオニア的作品である「あしたのジョー」はこのジャンルの最高傑作であるとよく言われていますが、さらには「死ぬまでに一度は読んでおくべき漫画」とまで称されることもあります。最終回が伝説となっていることも言及されています。何故「あしたのジョー」がそこまでの評判を呼ぶのでしょうか?「あしたのジョー」という作品の魅力は果たしてどこにあるのでしょうか?

「あしたのジョー」の大きな魅力のひとつであると言われているのが、その最後・最終回についてです。戦後漫画史に残る作品との絶大な評価を得ている「あしたのジョー」の主人公である矢吹丈は最終回で非常に印象的な最後を迎えているのです。「ジョーはパンチドランカーになった」「ジョーは死んだ」など連載50周年を迎えた現在まで論議を呼んでいます。ここでは「あしたのジョー」の最後・最終回を考察し、その魅力に迫ります。

「あしたのジョー」連載50周年記念サイト

あしたのジョーの作品情報

「あしたのジョー」は「週刊少年マガジン」に1968年1月1日号から1973年5月13日号まで連載されました。原作者は高森朝雄(梶原一騎の別名)で作画はちばてつやが行っていました。連載開始時期から大きな反響を呼び、同誌に連載されていた「巨人の星」と並んで週刊少年マガジンを少年誌ナンバーワンの地位に押し上げた看板作品として知られています。

その反響は社会的レベルまでに至ったと言われており、主人公矢吹丈のライバルであった力石徹が物語中死んだ時には架空の人物にも関わらず寺山修司の劇団天井桟敷が中心となって葬儀が行われ、多くのファンが参列し話題となりました。またよど号ハイジャック事件の犯人が「われわれは明日のジョーである」という声明を出したこともありました。あしたのジョーの社会的影響を窺わせるエピソードだと言われています。

「あしたのジョー」は積極的なメディアミックスが行われた作品であることもよく知られています。1970年と1980年の2度テレビアニメ化されたことは大変有名です。1970年・2011年には実写映画化されています。2011年版の主演が山下智久だったことは話題になりました。この他にも舞台化・ゲーム化・CM化など様々なメディアに取り上げられ、名作としての地位を不動のものとしているのです。

あしたのジョーの登場人物

ここでは「あしたのジョー」の登場人物を紹介します。主人公ジョーやライバル力石の他にも魅力的なキャラクターが多いと言われている「あしたのジョー」にはどのようなキャラクターが存在するのでしょうか?

矢吹丈

「あしたのジョー」の主人公は矢吹丈です。仲間たちからは「ジョー」と呼ばれています。ボクサーになるまではケンカ屋として施設の脱走を繰り返し、ある時東京のドヤ街へと流れ込んできました。そこで丹下段平にボクサーとしての素質を見出されますが、本人は乗り気でなく詐欺行為を働いて逮捕され特等少年院送りになってしまいます。

特等少年院でジョーは後にライバルとなる力石徹と出会い、彼がボクサーであることを知ると彼に勝ちたい一心でボクシングにのめり込んでいき、出所後プロボクサーとなりました。階級はバンタム級です。力石との運命の一戦後ボクシングに行き詰ってしまい、一時はドサ回りのボクサーにまで身を落としますが、不屈の精神でカムバックを果たしました。

その後東洋太平洋チャンピオンとなりWBC世界ランキング4位まで登りつめました。粗野で暴力的な性格である反面お調子者の部分も持っており飄々とした態度を取ることもあります。しかし本質は人情家で仲間思いであり、弱者の味方でもあります。その振り幅の大きさがキャラクターとしての大きな魅力とも言われており、ファンが多い一因とも言われています。

力石徹

ジョーの永遠のライバルと言われているのが力石徹です。ライバルとして互いに認め合った存在です。特等少年院で脱走を企てたジョーを制止したことがライバル関係の始まりでした。もとはウェルター級のプロボクサーでしたが野次を飛ばしたファンを殴ったことで少年院送りとなりました。院内では模範囚でした。院内でジョーとボクシングの試合を行ったことがジョーにボクサーとしての道を歩ませることとなりました。

出所後はフェザー級のプロボクサーとして復帰し連戦連勝でしたが、ジョーとの決着をつけるためにバンタム級への過酷な減量を行いました。そうして臨んだジョー戦では壮絶な死闘の末にジョーをトリプルクロスカウンターのアッパーで勝利しましたが、過酷な減量の影響とジョーのテンプルへの一撃が影響して死んだのでした。

無愛想でキザですが、冷静で洞察力に優れさらには度量も大きい力石は非常に人気の高いキャラクターでした。当初は少年院内だけのライバル設定だったためちばてつやは力石を大男に描きました。しかし、その人気ゆえその後もライバルとして試合することになったために過酷な減量描写をしたエピソードは非常に有名です。様々な偶然が必然となって「あしたのジョー」が名作となっていったのだとも言われています。

丹下段平

丹下段平はジョーのトレーナーです。ジョーのボクサーとしての素質を見抜いて必死にジョーをボクシングへと勧誘しました。かつては強豪プロボクサーでしたが左目の怪我の影響で引退後はトレーナーに転じました。事務経営に失敗してドヤ街へ流れ着き、酒に溺れ日雇い労働者として荒んだ生活をしていました。

ジョーとの出会い後には改心し、少年院送りとなったジョーに通信教育の形でボクシングの基礎を叩き込みました。ジョーと西の出所後は2人を一人前のプロボクサーにするべく、そして自分自身もトレーナーとして再起するために丹下拳闘クラブを創設し、ジョーと西と手を取り合いながら、時にはぶつかり合いながら2人を育てていきます。

マンモス西

ジョーの友人として公私共に彼を助けたのがマンモス西です。ジョーと西は少年鑑別所で出会い、その時は部屋のボスでしたがジョーと拳を交えたことと、同じ日に特等少年院送りになったことで友情が芽生えていきました。出所後はジョーとともに丹下拳闘クラブに入りミドル級ボクサーとして始動しましたが、拳の骨折を機に引退し、副業で勤めていた乾物屋林食料品店に本格的に就職しました。

白木葉子

「あしたのジョー」のヒロインが白木葉子です。日本有数の財閥である白木家の令嬢です。財閥でボクシングジムを運営していることがきっかけでボクシング界と関わることとなり、所属選手である力石の売り出しに尽力します。一方でジョーとは彼が起こした詐欺事件の被害者となったことで裁判所が初対面の場所でした。ジョーがボクサーとなったことで彼とも関わっていきますがソリが合わず喧嘩することがほとんどでした。

力石の死後は白木ジムの会長となりました。ボクシングを諦めかけたジョーに対して死んだ力石への贖罪を果たせと口では言いましたが、内心ではジョーを励ましていたのです。その後もジョーや第三者にはわからない形でジョーをサポートしていきます。ジョーがパンチドランカーになったのではないかと真っ先に気づいたのも彼女でした。

葉子はジョーにパンチドランカーの症状が現れてからはジョーにボクシングを辞めさせるべく奔走します。彼女はジョーを愛していたのでした。しかし、その想いは届きましたが受け入れられずジョーはホセ・メンドーサが待つ世界タイトルマッチへの最後のリングへと向かいました。葉子はおそらくジョーの最後となるであろう試合を間近で観て、一度は逃げ出しますが戻って心の底から応援したのでした。

チビ連

ドヤ街に流れ着いたジョーのプライベートでの心の支えとなっていたのは彼が「チビ連」と親しみを込めて呼んでいた子供たちでした。サチ・キノコ・太郎・ヒョロ松・チュー吉・トン吉・チビ・ゴンタたちです。みんなジョーのことを兄貴分として慕っていました。詐欺事件にも協力しました。捕まったジョーの面会にも何度も出向き、出所後もジョーを慕い続けました。

チビ連は原作者梶原一騎ではなく作画のちばてつやが創作したキャラクターであることはあまりにも有名です。デビュー当時は少女漫画作品を多く描き、貧しいキャラの奮闘記を得意としていたちばてつやが原点に返ったような温かみのあるキャラクターを脇役に配置したことで「あしたのジョー」の世界観は大きく広がりを見せて大人気の一因になったとも言われています。

林紀子

「あしたのジョー」のもう1人のヒロインが林紀子です。ジョーと西のバイト先となった林屋のひとり娘で、紀ちゃんの愛称で店の看板娘となっています。初対面の時ジョーが葉子と見間違えたほどの美人で、明るく優しい性格です。その明るさでジョーと西を支えます。当初はジョーに想いを寄せていましたが、ボクシングに命懸けでのめり込んでいくジョーを諦めて林屋の店員となった西と付き合い結婚したのでした。

紀子もちばてつやが創作したキャラクターであることはよく知られています。葉子と紀子をジョーとの関わりの中で上手に対比させたことが「あしたのジョー」の人間関係を深いものにしたという評価が多いです。紀子は結局ジョーを諦めて西と結婚しましたが、結婚式でジョーのスピーチの後に紀子が浮かべた表情は愛する者と結ばれなかったこととジョーの相手は葉子であることを悟った諦念である名シーンとも言われています。

カーロス・リベラ

力石が死んだ後、ジョーのライバルの1人となったのがカーロス・リベラです。「無冠の帝王」「ベネズエラの戦慄」の異名を持ち反則を巧みに交えた試合をする強豪ですが、その強さゆえに対戦を避けるボクサーも多く、それを避けるために日本ではワザと弱い風を装って次々と強豪ボクサーを倒しました。

カーロスは葉子がジョーを再起させるために招聘したボクサーでした。ジョーはカーロスの底知れぬ強さに惹かれ、カーロスはジョーに自分と同じ野生を感じました。スパーリングとエキジビジョンマッチを経て遂に2人は後楽園球場で合いまみえました。「世紀の一戦」と称された試合は互いの野性味が剥き出しとなり、終いには2人とも反則技を繰り出しノーコンテストとなりましたが、大観衆は熱狂しました。

カーロスは帰国後ホセ・メンドーサのバンタム王座に挑戦しましたがわずか1ラウンドで敗れました。その後はパンチドランカーとなってしまい、引退しました。フラフラと日本にやって来てジョーと金竜飛の試合に紛れ込んだところをジョーに見つかり葉子に保護されました。ジョーはパンチドランカーとなったカーロスにそう遠くない自分の未来を見たのだという意見も多いです。

金竜飛

東洋太平洋チャンピオンとしてジョーの前に立ちはだかったのが金竜飛です。韓国出身のプロボクサーで精密機械のように冷静な試合運びで確実に相手を仕留めるジョーとは間逆のタイプです。それには彼の生い立ちが関係していました。金は朝鮮戦争の折、自分の父親を父親とは知らずに殺してしまい、死んだ父の食料を奪ったのです。

不幸な生い立ちから精密機械と称される冷酷なボクシングスタイルを会得した金ですが、メンタル面に異常をきたしているらしく、試合後はずっと手を洗い続けていたり、大量の血を見ると死んだ父を思い出して発作を起こしたりするのです。

ホセ・メンドーサ

ジョーの最後の敵として立ちはだかるのが最強のバンタム級世界王者として名高いホセ・メンドーサです。メキシコ出身です。世界中から「コンピューター付きファイティングマシーン」や「キング・オブ・キングス」と称えられ、畏れられています。紳士的な性格ですが、カーロスをコークスクリューパンチでパンチドランカーにしてしまうなど冷酷な一面も持ち合わせています。

ジョーは自身の最後のライバルとしてホセ・メンドーサに照準を合わせました。対戦に至るまで様々な挑発行為に出ますが、ホセはそれを受け流して王者の貫禄をアピールします。遂に2人の対戦は日本武道館で実現へと漕ぎ着けましたが、ジョーはメンドーサの超一流のテクニックに裏打ちされた強さを目の当たりにすることとなったのでした。

しかし、メンドーサも倒しても倒しても起き上がってくるジョーに対して次第に恐怖を感じるようになりました。世紀のタイトルマッチは壮絶な最後を迎えることになるのでした。

あしたのジョーのあらすじ

ここでは「あしたのジョー」のあらすじをネタバレで最後まで紹介します。漫画史に残る名作であるとの声も多い「あしたのジョー」とはどのような物語なのでしょうか?最終回・最後まで目が離せない展開と言われている「あしたのジョー」のあらすじをお楽しみください。

ドヤ街にやって来たジョー

東洋の大都会と呼ばれるマンモス都市東京。その大都市東京のかたすみに存在するドヤ街にある日一人の若者がやって来ました。男の名は矢吹丈。丈はドヤ街中の公園で丹下段平と出会います。程なくして丈はドヤの若者たちと悶着を起こして喧嘩となります。粗暴で喧嘩っ早い丈はあっという間にチンピラをやっつけてしまいました。その様子を見て段平はジョーにボクシングをやることを勧めます。

「あしたのジョー」あらすじを最後まで紹介します。今は身を持ち崩していますがかつて段平はプロボクサーでした。目の傷がもとで引退した後はジム経営をしていましたが時流に合わず閉鎖に追い込まれたのでした。丈は段平の申し出を受けたふりをして影で悪事を働くようになりました。前日の乱闘で知り合った子供たちチビ連とともに恐喝・脅迫・窃盗・横領などあらゆる悪事に手を染めてしまっていたのでした。

ジョー特等少年院送りに

「あしたのジョー」のあらすじを最後まで紹介します。段平に内緒で悪事の限りを尽くしてきた丈ですが、ついに警察に捕まってしまいました。マスコミを利用した詐欺事件を起こしたのです。堪忍袋の緒が切れた段平は丈とチビ連が立てこもっていた廃墟へ乗り込み丈をボクシングテクニックでノックアウトして警察に引き渡しました。丈が連行された後自分の希望が失われてしまい段平は号泣したのでした。

鑑別所送りになった丈はそこで西と出会います。大部屋のボスだった西と丈はその場で喧嘩をし丈が勝ちました。丈は段平が送ってきたはがきに書いてあったジャブの打ち方を練習していたのです。丈の心にボクシングへの情熱が芽生えた瞬間でした。その後裁判が行われ丈は特等少年院送りとなりました。裁判所で丈は美しい少女を見ました。彼女の名は白木葉子。丈の詐欺事件の被害者でした。2人は運命の出会いを果たしたのです。

ライバル力石徹との出会い

「あしたのジョー」あらすじを最後まで紹介します。ジョーと西は同じ日に特等少年院に入所しました。西はおとなしくしていましたがジョーは早くも院内で問題を起こし続けます。ジョーは脱走を企てていました。脱走のチャンスを懸命に窺っていました。そんなある日ジョーに段平のはがきを届けにきた郵便係がいました。彼が後にジョーの最大のライバルとなる力石徹だったのです。

ジョーは豚小屋の豚を暴れさせることに便乗して脱走することを思いつき実行に移しました。ジョーの計画はあと一歩のところで阻まれました。力石がパンチで豚の群れを鎮めたのです。脱走が失敗に終わったジョーは力石に怒りをぶつけますがクロスカウンターで返り討ちに遭いました。これ以降ジョーは打倒力石のためにボクシングへとのめり込んでいきます。

少年院内ボクシング/ジョーと力石の激闘

「あしたのジョー」のあらすじ紹介です。特等少年院には白木葉子が毎週日曜日慰問にやって来ていました。力石は出所後白木財閥が経営するジムに所属しプロボクサーとして再デビューする予定でした。ジョーは葉子のやることなすことが気に入りません。自分をノックアウトした力石に対しても同様です。彼は慰問公演の場で葉子と力石を罵りました。その場で大喧嘩になるところを止めたのは葉子の許可を得て院内に入った段平です。

段平はジョーと力石の喧嘩の決着をボクシングで行うことを提案しました。2人ともそれを了承し、白木家がリングや道具を提供することで1週間後の日曜日にジョーと力石のボクシング対決実現の運びとなりました。プロボクサー力石とボクシングを始めたばかりのジョーでは実力に歴然たる差がありました。ジョーは力石のパンチで何度もダウンを奪われました。誰もがジョーの敗北を確信したその時奇跡が起きました。

力石がとどめをさすべく踏み込んだストレートに対してジョーがクロスカウンターを叩き込んだのです。2人とも気を失い、試合は引き分けとなりました。この試合は観客(受刑者)の感動を呼び、西を含めた受刑者たちもボクシングへとのめり込んでいきました。また、ジョーと力石との間にも奇妙な友情が芽生えることとなりました。

その後受刑者内でのボクシングトーナメント戦が行われ、そこでジョーと力石の再戦が実現する予定でしたが、力石の出所が早まったことで立ち消えとなりました。ジョーと力石の決着戦はジョーの出所後に持越しです。ジョーはプロボクサーの道を歩むことを決意していました。

ジョープロボクサーデビュー、そして力石戦へ

力石は出所後白木ジムよりフェザー級のプロボクサーとして再デビューしました。連戦連勝を重ねてその年のフェザー級新人王にも選ばれました。一方のジョーも力石に遅れて出所後西とともに丹下拳闘クラブの所属ボクサーとなりました。丹下ジムは紆余曲折を経てライセンスの交付がなされ、ジョーと西もプロテストを合格し、プロボクサーとしての道を歩み始めました。

ジョーは同じバンタム級の新人王であったウルフ金串と対戦しました。ジョーはトリプルクロスカウンターでウルフ金串の顎を砕いて勝利しました。その結果ウルフは引退に追い込まれました。そして、それを見た力石はついにジョーとの試合を行うことを決意しました。

力石の過酷な減量

力石はジョーとの対戦を控えて減量に挑みました。ジョーの階級バンタム級での対戦を望んだからです。しかし、フェザー級からバンタム級への減量はあまりにも無謀でした。力石は食事どころか水すらも飲まない常軌を逸した過酷な減量を行ったのです。

ある日力石はついに減量を我慢することができずに水を求めてジム内を暴れ回ります。そこに葉子が現れ力石に白湯を渡そうとしますが、正気に戻った彼は申し出を断り、再び過酷な減量へと身を投じるのです。最後まで力石は減量を耐え抜いて成功したのです。

ジョー対力石最後の試合、その行方は?

「あしたのジョー」のあらすじ紹介です。ついにジョーと力石の対決が行われました。バンタム級の減量を成功させた力石の身体は痩せさらばえていましたが、動きは変わっておらずジョーも苦戦します。

2人の打ち合いは第6ラウンドまで続きましたが、6ラウンドの途中から力石もジョーもノーガードの状態でただ睨み合うばかりの状況となりました。焦れた観客の野次に反応したのはジョーでした。第8ラウンドジョーは勝負に出ました。ダブルクロスカウンターを狙いましたが力石にかわされ、逆にトリプルクロスカウンターのアッパーを食らってダウンしてしまいました。そのまま10カウントゴングを聞き、勝負は力石の勝ちでした。

試合後力石はジョーと握手を交わそうとしましたが、倒れてそのまま控え室へと運ばれました。同じく控え室に戻ったジョーは負けたことよりも力石と心行くまで闘えたことへの満足感でいっぱいでした。そこにマスコミが慌ててやって来ました。「力石が死んだ」という情報を伝えに来たのです。

ジョーはその場で嗚咽し、死んだ力石の前ではただ無言のジョーでした。ジョーにとって最大の試練が訪れようとしていました。死んだ力石を乗り越えてボクサーとして大成できるかどうかの瀬戸際に立たされることとなったのです。

力石の亡霊にうなされるジョー

力石の死後、ジョーは重度のイップスに陥ってしまいました。対戦相手のボディーしか打てなくなってしまったのです。無理に顔面を打とうとすると嘔吐してしまうのです。プロボクサーとしては致命的な欠点を背負ってしまったジョーに段平は引退を勧めますが、ジョーはそれを断って地方をドサ回りするボクサーへと堕ちて行くのでした。

ジョーの再起

白木葉子はジョーの再起を願っていました。ジョーの知らないところで「無冠の帝王」「ベネズエラの戦慄」の異名を取るカーロスリベラを招聘しました。カーロスは日本で3戦し全勝しました。ジョーはカーロスの秘めた強さと野生を感じ彼と対戦したいという気持ちが湧き上がりドサ回りを辞めて東京に戻り葉子とコンタクトを取りました。

ジョーはカーロスのスパーリングパートナーを努め、その後2度のエキジビジョンマッチを戦い抜きました。特に2度目の対決は後楽園球場に4万人近くの大観衆を集めました。ジョーはカーロスと心行くまで殴り合いを楽しみました。それはジョーが力石の亡霊から解き放たれたことを意味していました。カーロスは帰国後ホセ・メンドーサの王座に挑戦しますが1ラウンドKO負けで引退へと追い込まれました。

ジョー、東洋チャンピオン獲得!/パンチドランカーの兆候

続けてジョーは東洋チャンピオンの金竜飛に挑みますが、彼の身体は成長期を向かえておりバンタム級に留まることは不可能な状態でした。しかし、彼は死んだ力石と同じように常軌を逸した減量を行って永久にバンタム級で生きる決意をしていました。
 

過酷な減量を成功させたジョーは「精密機械」とあだ名される金竜飛とのタイトルマッチに挑みました。冷静沈着な金の攻撃に苦しめられましたが、死んだ力石のことを思い出しながらハードヒッティングを繰り返して見事勝利し東洋太平洋チャンピオンに輝きました。しかし、長年打たせるボクシングを実践してきたジョーの身体はパンチドランカーになりつつあったのです。

ジョー、最後のリングへ

ジョーはその後マレーシアのボクサーハリマオを東洋王座の防衛線で下し、WBC世界ランキング4位へと登りつめ、バンタム級チャンピオンであるホセ・メンドーサとの世界王座に挑戦することとなりました。一度はこの一線を実現するべく動いていた葉子ですが、ジョーのパンチドランカーの症状に気づき、試合当日日本武道館の控え室に現れジョーに引退するように懇願しました。

ジョーは葉子に言われるまでもなくパンチドランカーの症状を自覚していました。何もかも覚悟の上でホセ・メンドーサとの一戦に臨むのです。葉子はジョーに対する愛を伝えてまで制止しようとしましたが、ジョーはそれを静かに振り切り、葉子に感謝の言葉をかけて、最後の闘いへと身を投じました。物語は衝撃的な最終回を迎えようとしていました。

あしたのジョーは最後どうなった?最終回を紹介!

ここでは「あしたのジョー」の最後・最終回を紹介します。パンチドランカーの症状を抱えながらジョーは最強のチャンピオンであるホセ・メンドーサに対してどのように挑んでいったのでしょうか?そして「あしたのジョー」はどのような最終回を迎えたのでしょうか?

ホセ・メンドーサと最後の激闘!

「あしたのジョー」の最終回を紹介します。ジョーとホセ・メンドーサのバンタム級世界王座戦は激闘に次ぐ死闘となりました。序盤は圧倒的なメンドーサペースで進みましたが、ジョーはダウンを喫しても立ち上がりメンドサーへと向かっていきました。ホセは次第にジョーに恐怖を感じるようになってきました。

最終回紹介です。ジョーは片目の視力を失いながらも尻上がりに調子を上げていきました。自身のパンチも次第にホセと同じコークスクリュー気味になっていき、ホセをKO寸前まで追い詰めましたがそこで15ラウンド終了のゴングが鳴り、勝敗は判定へと縺れ込みました。

最後は真っ白な灰になった

「あしたのジョー」の最終回紹介です。ジョーはボクシングをやることで「燃えつきたい」「真っ白な灰になりたい」と言っていました。パンチドランカーになろうが死んだ状態になろうがそのような気持ちだったのです。最強のチャンピオンホセとの試合はまさにその場でした。判定はホセに上がりジョーは敗れてしまいました。しかし、そこには真っ白に燃え尽きたジョーの姿があったのです。

あしたのジョーは死んだ?パンチドランカー説など考察

ここでは矢吹丈のその後について考察していきます。「ジョーは死んだ」「ジョーはパンチドランカーになった」など様々な説が出ましたが、本当にジョーは死んだのでしょうか?ジョーはパンチドランカーになってしまったのでしょうか?

あしたのジョー死亡説は読者の憶測?

ラストシーンは真っ白に燃え尽きたジョーの姿です。このシーンを見て衝撃を受けた読者は多いと言われています。そして「ジョーは死んだ」「ジョーはパンチドランカーになってしまった」と様々な意見が乱れ飛ぶこととなりましたが、物語があのラストシーンで終わっているので「死んだ」も「パンチドランカーになった」も読者の憶測に過ぎないと言われています。但し、パンチドランカーへの兆候は見られていました。

あしたのジョーの最後を作者のちばてつやがどう考えている?

「あしたのジョー」の最終回のラストシーンを作画家のちばてつやが考え出したエピソードは非常に有名です。「死んだ」「パンチドランカーになった」という説が今でも流れています。連載開始50周年を迎えた今ちばてつやは最終回をラストシーンをどのように考えているのでしょうか?

読者の判断に委ねたい

ちばてつやはインタビューで次のように答えています。「少し下を向いて俯いているジョーを見て、大人はジョーが燃え尽きて死んでしまったんだと理解して、子供たちは、ジョーはただ目をつむって休んでいるだけで、明日はまたサンドバッグを叩いて世界タイトルを目指すんだろうな、と考えられるように描いたんです」つまり、ジョーのその後は読者の判断に委ねられていると言われているのです。

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あしたのジョーの最後や最終回まとめ

「あしたのジョー」はボクシング漫画というジャンルを飛び越えて漫画史に残る大傑作であるとの評価がなされている金字塔的作品です。衝撃的な最終回まで息もつかせぬ展開で「死ぬまでに一度は読んでおきたい作品」とまで言われています。この記事を読んで興味を持たれた方は是非ご一読ください。

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