鎌倉ものがたりの原作漫画を紹介!作品の魅力とネタバレあらすじまとめ

「鎌倉ものがたり」は西岸良平が「まんがタウン」で連載中のミステリー漫画作品です。2017年の12月には堺雅人主演で原作とオリジナルエピソードを混ぜ合わせた実写映画も公開されています。ミステリー小説作家で主人公の一色正和が、妻の亜希子と怪事件を解決していきます。舞台は神奈川県鎌倉市ですが、人間と魔物と妖怪が共存している不思議な世界です。他のミステリー作品とは少し違った「鎌倉ものがたり」の魅力について、原作漫画と映画の違いも交えながらご紹介していきます。

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目次

  1. 鎌倉ものがたりの原作漫画を徹底調査!
  2. 鎌倉ものがたりとは?
  3. 鎌倉ものがたりの原作漫画のあらすじをネタバレ紹介!
  4. 鎌倉ものがたりの作品の魅力とは?
  5. 鎌倉ものがたりの原作漫画と映画を比較!
  6. 鎌倉ものがたりの主要登場人物を紹介!
  7. 鎌倉ものがたりの原作漫画まとめ!

鎌倉ものがたりの原作漫画を徹底調査!

「鎌倉ものがたり」は「三丁目の夕日」の作者でもある西岸良平が描く人情あり、怪談ありのミステリー作品です。物語の中に流れるほのぼのとした日常感と魔物や妖怪が生み出す非日常が不思議とマッチングしている作品で、読者に不思議な懐かしさを思わせます。今回は「鎌倉ものがたり」について原作漫画の魅力についてあらすじや実写映画との比較も交えながらご紹介していきます。

鎌倉ものがたりとは?

「鎌倉ものがたり」は最初「漫画アクション」という雑誌で1984年2月9日に連載開始して、2000年8月22日号まで連載していました。その後「まんがタウン」で2000年の12月5日号から再連載が始まりました。2011年1月号で連載300回を迎えています。第38回日本漫画家協会賞大賞受賞作品でもあり、非常に長期間連載されていることからも、読者に長年愛され続けている作品だということがわかります。

作者は「三丁目の夕日(夕焼けの詩)」で大ヒットした西岸良平です。西岸良平はほのぼのとした日常表現とどこか懐かしさを思い出させるような懐古的な表現が持ち味といえるような作品です。代表作といえる「三丁目の夕日」でも「鎌倉ものがたり」でもその持ち味が生きており、どちらの作品も実写映画化されて大人気ヒット作品となっています。

原作漫画と映画の関係

「鎌倉ものがたり」は2017年12月に実写映画化されており、主人公の一色正和は堺雅人、妻の亜希子は高畑充希が演じています。そのほかにも堤真一や中村珠緒など実力派の役者が多数参加している作品で、映画も非常に高い評価を受けている大人気ヒット作品になりました。映画では原作のエピソードをいくつか改変したものとオリジナルエピソードを合わせており、台本が非常によくできていると評判になりました。

映画版「鎌倉ものがたり」のあらすじを一部ネタバレすると、正和と亜希子の結婚生活の始まりから描かれています。時に夫婦喧嘩をしたり、家に貧乏神が住み着いたりするという珍事件が起きる中、ある日妻の亜希子が霊体になってしまい、体を見失ってしまいます。霊体になって現世にとどまるためには夫である正和の寿命を削らなければいけないことを知った亜希子は、置手紙を残して黄泉へと向かってしまうのです。

手紙を読んで、亜希子が自分のもとを去ったことを知った正和は、亜希子を連れ戻すために黄泉へと向かいます。黄泉では自身の両親と再会して今まで思い悩んできた秘密の真相を知るなど、様々なことを乗り越えて亜希子のもとにたどり着きます。天頭鬼に求婚を迫らる亜希子を救い、黄泉から逃げ出そうとしますが天頭鬼は邪魔します。そこで貧乏神からもらったあるものが二人を救い、無事帰れるというのが大まかなあらすじです。

映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」公式サイト

鎌倉ものがたりの原作漫画のあらすじをネタバレ紹介!

「鎌倉ものがたり」のあらすじをネタバレすると、人間と魔物や妖怪が共存している場所である神奈川県鎌倉市が舞台です。そこに住んでいるのが主人公である一色和正と妻の亜希子です。一色和正はミステリー小説作家であり、地元の鎌倉警察の特別課である通称心霊捜査課の特別顧問でもあります。和正は亜希子とともに日々起きる不思議な事件を解決していきます。

13話「鬼婆」

漫画「鎌倉ものがたり」の2巻に収録されている13話では、現実でも存在する鎌倉の名所である銭洗弁天に関する話があります。あらすじをネタバレすると、一色家の隣にはケチで有名なお婆さんが住んでいました。お婆さんは裏で高利貸しもやりながら、電気もほとんどつけずにお金を使わない質素な生活をしてお金を貯めることを生きがいにするようにして生活していました。

亜希子はそんなお婆さんでも、時折おすそ分けなどを届けに行ったりしていました。そんなある日、おばあさんが突然亡くなってしまいます。身寄りのないお婆さんかと思われましたが、遠い親戚などの縁者が集まりお葬式をします。葬儀の後、遺産目当てで集まった親族が家を荒らしていると、死んだはずのお婆さんが鬼になって生き返り、自分のお金を守るために親族を皆殺しにしてしまうのです。

自分のお金を守った後、鬼になったお婆さんは生前お金を貸していた人間のもとをめぐって、借金の回収を行おうとします。その最中、鬼になったお婆さんを止めるため警察がお婆さんを包囲します。主人公である正和はそこである考えがひらめき、警察の代わりにお婆さんの相手を名乗り出ます。お婆さんに向き合った正和はお婆さんにあるものを振りかけて、おかねへの執念を祓って鎮めることができました。

そのあるものをネタバレすると、銭洗弁天の聖水だったのです。銭洗弁天の聖水でお金を洗うと金運が上がるという言い伝えがあるとともに、お金への執念を取り払う力もあるのではないかと正和は予想していたのです。無事その予想が当たり、鬼になったお婆さんを鎮めることができたのでした。「鎌倉ものがたり」ではあらすじに沿って自然に名所の紹介などをすることもあります。

94話「誘拐魔」

「鎌倉ものがたり」の94話である「誘拐魔」という話は、ある意味「鎌倉ものがたり」らしい世界観の物語といえます。あらすじとしては、小学生の間で噂になっているワニ男という誘拐魔がいました。ワニ男は一人になった子供を誘拐しようと追いかけるのですが、ミッキーマウスという言葉を繰り返し口にするといなくなるという特徴があるのでした。

物語の中ではすでに2人の子供が被害にあっており、目撃者が犯人の特徴をワニっぽい男だったと証言したことにより、このうわさが広まったのでした。しかし、実は被害にあった2人の子供というのは間違いで、1人は離婚後にきた新しい母親になじめずに家出をした女の子、もう一人は遊んでいるうちに倉庫に閉じ込められて帰れなくなってしまった男の子というだけでした。

しかし、その真相が明らかになる前に警察は一度ワニ男を発見して、確保しようとして失敗しているのです。誘拐されたと思われた子供が誘拐されていなかったのだとしたら、確保に失敗したワニ男は何者だったのでしょう。そこである仮説を立てた正和は行動を起こします。そして、満月の夜に大仏の前に現れたワニ男にペプシコーラをかけることで溶かして退治することができたのです。

ワニ男の真の正体は、子供たちのうわさ話と恐怖心から生まれた幻影の怪物だったのです。それに気づいていた正和は、新しい噂として「満月の夜に大仏の前に現れる」「ペプシコーラで溶けて消える」という噂を子供たちに流したのです。ワニ男は噂から生まれた幻影であるため、新しい噂で設定が追加されたのでした。現実でもありそうな噂話の誤解トリックと妖怪のようなファンタジーが混ざった面白い物語の一つです。

鎌倉ものがたり最新34巻「鎌倉ミッション」

2018年10月時点で、原作である「鎌倉ものがたり」の漫画は34巻まで発売されています。今回は原作漫画の最新刊である34巻のあらすじを一部ネタバレを交えながらご紹介しましょう。今回ご紹介するのは「鎌倉ミッション」という物語です。この物語で中心となる人物は主人公である一色正和ではなく、某国の秘密諜報員であるアンドロドロ・タコスとなっています。彼はとある目的で鎌倉にやってきたのです。

アンドロドロ・タコス秘密諜報員は専門が暗殺や破壊工作といった、非常に危険な仕事を生業としている裏家業の人間です。腕の立つスパイとして重宝されています。しかし今回は比較的簡単なミッションとして、ドーピング薬であるドロナワと手に入れるために来日しました。アンドロドロ・タコス秘密諜報員はドーピング薬ドロナワを手に入れるため、鎌倉市にやってきます。

アンドロドロ・タコス秘密諜報員は店番をしていたおばあさんに話を聞いたところ、お店にはドーピング薬ドロナワは置いていないとのことでした。しかし、おばあさんの話によると魔界に存在するということがわかります。そこでアンドロドロ・タコス秘密諜報員は魔界に入り込みました。その時魔界では、現実世界のオリンピックならぬ、魔界ゴリリンピック鎌倉大会が開催されていたのです。

そこでアンドロドロ・タコス秘密諜報員は、魔界ゴリリンピックの組織委員会のメンバーに捕まってしまいます。そしてどういうわけか、魔界ゴリリンピックのメインイベントでもあるコーカスレースに参加することになってしまいました。コーカスレースとは物語「不思議の国のアリス」でも登場する円形のコースを走る続けるというレースです。魔界ゴリリンピックでは魔聖火の周りを走るというものでした。

ただし、魔界ゴリリンピックのコーカスレースはレースといっても名ばかりで、走っても歩いてもよし、ゴールはなく順位もありません。さらには競技時間もしっかり決まっているわけではなく、てきとうになっているという非常に緩い設定になっています。ただ、コースになっている魔聖火の炎には不思議な力があり、憎しみや争いの心を友情や信頼に変える魔力があるのです。

アンドロドロ・タコス秘密諜報員はもちろんのこと、アンドロドロ・タコス秘密諜報員の情報をかぎつけて追ってきた警視庁の木崎も魔聖火の不思議な力に影響されます。そうして、本来は交じり合うことがなかったであろう二人の間に友情が生まれます。諜報員と警察官という二度と会わないであろう二人の奇妙な友情やアンドロドロ・タコス諜報員の生きる目的などが描かれ、読者はついほろりと来てしまうような結末になっています。

鎌倉ものがたりの作品の魅力とは?

「鎌倉ものがたり」には作者である西岸良平が描く独特の雰囲気が流れており、読者は不思議とその雰囲気に引き込まれていきます。また、普通のミステリー作品とは異なり、現実にある世界を舞台にしているものの、魔物や妖怪が人間と共存しているため、リアルな日常感だけではない非日常的な感覚も味わえます。今回は「鎌倉ものがたり」の魅力について、様々な観点からご紹介していきます。

日常とミステリーの融合!

原作漫画である「鎌倉ものがたり」の最大の特徴として、どこかほのぼのとした日常の空気感とミステリーの空気感を違和感なく一つの世界に表現しているという点があります。これを可能にしているのが、「鎌倉ものがたり」の漫画世界にどことなく流れている昭和のにおいです。「鎌倉ものがたり」で描かれている昭和の雰囲気は、日本家屋などの建物や人々のファッションとして漫画に表現されています。

日本古来より伝えられている妖怪や魔物などの魔の世界観がうまく物語の世界に溶け込んでいます。「鎌倉ものがたり」の中の人々の生活と、妖怪や魔物などの魔の世界が絶妙な距離感で描かれており、作中で起こるミステリーは人災の場合もあれば、妖怪の仕業などによる場合もあります。たとえば、夜中に一人で道を歩いていると狐に化かされてしまったり、食べ物を粗末にすると食べ物の怨霊に脅かされたりします。

「鎌倉ものがたり」は人々の安定した暮らしに対する喜びと、妖怪や魔物の仕業にするような不可思議なことに対する畏怖と親しみが、自然と表現されている作品です。日本の古き良き昭和の時代の空気感が漫画の中で表現されており、それが人と魔物や妖怪という奇妙な関係をつないでいます。昭和の時代を知らない人ですら、どこか不思議な懐かしさを感じる独特の雰囲気が流れている漫画なのです。

神奈川県鎌倉市という現実に存在する場所を舞台にしながら、実際には見られない魔物や妖怪がいる魔界のような不可思議な世界もあるため、読者は遠いようで近い不思議な世界観に引き込まれていくでしょう。原作漫画である「鎌倉ものがたり」は、絵柄も相まってか日常とミステリーが自然と融合した作品になっています。実写映画版「鎌倉ものがたり」でも、最新のCG技術などを駆使してうまく表現できているでしょう。

人間関係!

「鎌倉ものがたり」のもう一つの魅力に一色正和と亜希子の夫婦生活をはじめとした、鎌倉で繰り広げられる様々な人間関係の模様があります。正和と亜希子の夫婦関係でいえば、基本的にはたがいに愛し合っていますが、時にやきもちを焼いたり、時に亜希子が正和のことをじじくさいなどと文句を言ったり、相手の機嫌を取ろうとして失敗してしまうなど、様々な夫婦の生活模様が見られます。

原作漫画の「鎌倉ものがたり」に登場する人たちの一番の特徴は、人間も妖怪も魔物も本当に悪い人物というのがほとんど存在しません。「鎌倉ものがたり」で描かれているのはほのぼのとした日常だけでなく、人々の善意や厚意といったプラス方向の気持ちが表現されています。どのキャラクターも本当に悪そうな人がおらず、みんな誰かのことを思いやって行動しています。それらの行動の連鎖が物語としてきれいに紡がれています。

「鎌倉ものがたり」には他の妖怪や魔物が登場するファンタジー作品とは異なり派手さはあまりないかもしれませんが、日常感があふれるほのぼのとした雰囲気や心温まる優しさなどが表現されており、読んでほっこりしたり癒されたりする人が多いでしょう。絵柄もどこかほのぼのとしたタッチのため作品によくマッチしており、「鎌倉ものがたり」のキャラクターが事件を通してどこか前向きに明るく生きていく姿が描かれています。

電車と名所旧跡の魅力

「鎌倉ものがたり」の作者である西岸良平は有名な鉄道ファンでもあり、代表作である「三丁目の夕日」や「鎌倉ものがたり」の中でも、湘南電車や江ノ島電鉄を登場させています。また、「鎌倉ものがたり」では現実の神奈川県鎌倉市に連動させて、実在の名所旧跡を紹介しながら、それにまつわるエピソードを描いていることもあります。現実とフィクションを自然と一体化させている要因の一つといえるでしょう。

鎌倉ものがたりの原作漫画と映画を比較!

映画版「鎌倉ものがたり」は原作漫画の中のいくつかのエピソードを抽出し、エピソードによっては改変も加えて台本にしています。また、オリジナルのエピソードも加えられています。ここでは、「鎌倉ものがたり」の原作漫画と映画の違いについて、あらすじのネタバレ等も交えながらご紹介していきます。

19のエピソード

映画版「鎌倉ものがたり」では、原作漫画から19のエピソードを抽出して、そこにオリジナルエピソードである黄泉の国への亜希子奪還編を加えた再構成した物語で出来上がっています。映画版「鎌倉ものがたり」で収録された物語は、原作エピソード集として漫画の上下巻になって発売されています。映画版では原作漫画と同じエピソードもあれば、映画用に原作を改変しているエピソードもあります。

「あこがれの街」「納戸の中でドッキリ」「江ノ電沿線殺人事件」などのエピソードは「鎌倉ものがたり」の原作漫画とほとんど同じ内容で映画に反映されたエピソードでした。原作漫画の「まぼろしの駅」で登場した黄泉行の電車は映画版では亜希子を黄泉から救うために登場したり、「夜の市」に登場した夜市も映画で表現されていました。幽霊契約についても映画版では原作漫画よりも重要な設定として用いられました。

比企の契り

原作漫画「鎌倉ものがたり」の「比企の契り」で出てきた設定も映画版「鎌倉ものがたり」で重要度が高くて、映画の一つのメッセージとして大々的に取り上げられていました。あらすじをネタバレすると、一色正和と亜希子は前世でも夫婦であり、生まれ変わってもまた出会って愛し合う関係でい続けているというものです。生まれ変わっても愛し合う永遠の愛に感動した方も多かったのではないでしょうか。

一色家の秘密

「鎌倉ものがたり」の原作漫画で「一色家の秘密」というエピソードがあります。あらすじをネタバレすると、亜希子が納戸で見つけてきた原稿が原因で正和と亜希子は夫婦げんかをしてしまいます。正和には亜希子に秘密にしていることがあったのです。それが見つけてきた原稿の作者である甲滝五四朗は母の浮気相手であり、正和はその二人の間に生まれた子である可能性が高いというものでした。

最終的には、その秘密を亜希子と共有することで仲直りしました。さらに、その真実は学者である父が隠れて作家業をするための名前が甲滝五四朗だったというだけで、浮気していたわけではなかったというものでした。映画版「鎌倉ものがたり」では、正和の両親が黄泉の国に住んでいるという設定も追加されて、原作漫画のエピソードよりも重要度の高い話になっていました。

貧乏神

「貧乏神」のエピソードも原作漫画から少し設定か変更されており、映画版「鎌倉ものがたり」では重要度が高くなった物語です。物語の流れのあらすじは原作と同じなのですが、貧乏神から譲り受けた器が変更されていました。物語のネタバレすると、ある日一色家に貧乏神が住み着いてしまうのです。正和は貧乏神が住み着くとどんどん貧乏になってしまうため迷惑だと思い追い出そうとします。

しかし、妻の亜希子は正和と打って変わって優しくもてなしたのです。亜希子のもてなしに呆れが隠せない正和でしたが、亜希子は正和と一緒にいられるならそれでいいという程度でした。最終的には貧乏神がほかに懲らしめたいと思う人物ができ、家を出ていくことになりました。貧乏神は自分を優しくもてなしてくれた亜希子のことがたいそう気に入り、茶碗を交換するというのが物語のあらすじです。

映画版「鎌倉ものがたり」でもあらすじはほとんど変わりませんでした。ただし、好感した茶碗の設定が漫画バンド映画版で変わっていたのです。原作の漫画では貧乏神が亜希子に渡した茶碗はただの高値の骨とう品というだけだったのですが、映画版「鎌倉ものがたり」ではその茶碗は神様の道具の一つであり、映画のラストシーンでは正和と亜希子を救う重要なアイテムになりました。

身体を無くした男

「身体を無くした男」のエピソードは原作漫画では正和の高校時代の友人である柳生十平に降りかかる災いでした。しかし、映画版「鎌倉ものがたり」では対象が亜希子に代わっています。あらすじをネタバレすると、魔物が経営するバーで泥酔した柳生の体に幽霊が憑りついて、柳生が霊体になってしまうというものでした。漫画では何気ないエピソードでしたが、映画版ではストーリにかかわる重要な設定になりました。

魔界転生

「魔界転生」のエピソードは漫画では全く別のキャラクターが対象だったのに対し、映画版では正和の担当編集である本田健一になっていました。そもそも、担当編集である本田は原作漫画と映画版で設定が大きく異なっている印象です。あらすじをネタバレすると映画版では寿命で亡くなってしまったため、魔物に生まれ変わって家族を陰ながら見守る存在になりました。

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鎌倉ものがたりの主要登場人物を紹介!

「鎌倉ものがたり」では人間が魔物や妖怪と共存しているという設定が存在しているため、登場しているキャラクターも人間、魔物、妖怪問わず個性的なキャラクターが多いです。それぞれのキャラクターの性格や特徴なども「鎌倉ものがたり」の魅力の一つといえるでしょう。今回は「鎌倉ものがたり」の中でも主要人物に絞ってネタバレも交えながらご紹介していきます。

一色正和/堺雅人

一色正和は「鎌倉ものがたり」の主人公で、神奈川県鎌倉市に住んでいるミステリー作家です。原作漫画では女性から人気のあるハンサムな男性として紹介されています。ミステリー作家としての一面だけでなく、地元の鎌倉警察署に秘密裏に設立されている特捜課、通称心霊捜査課の特別顧問でもあり、人間による事件だけでなく、妖怪や魔物がかかわる怪事件の解決にもかかわってきた凄腕の一面もあります。

ミステリー作家であるため、どことなくミステリアスな雰囲気も醸し出している正和ですが、普段は着物や浴衣などの和装でいることが多く、非常に多趣味でアウトドア派な一面もあります。お休みの日は妻の亜希子と散歩やドライブに出ることもあり、食通でもあるため二人でおいしいご飯屋さんにデートに行くこともあるようです。基本的にギャンブルは嫌いですが、パチンコだけはやるようです。

昔ながらの人間気質なところがあり、機械の扱いが苦手なアナログ人間でもあります。冷房も苦手なようで、一色家にはエアコンがなく、毎年猛暑に悩まされているようです。連載開始してすぐのころは、小説家にもかかわらずファックスも家にないような状態でしたが、最近では正和がスマホを操作しているような描写もあるようで、年がたつにつれて多少簡単な家電類もあるようです。

ミステリー作家としての特徴は、心理トリックを好んで、道具や装置を使うような機械トリックを嫌う傾向にあります。一部ネタバレにもなりますが、漫画の中の世界での正和の代表作は「由比ヶ浜殺人事件」や「名探偵一色亜希子」シリーズなどがあります。漫画の中でドラマ化やイベントなどもされており、ある程度読者から人気のあるミステリー作家として知られているようです。

原作漫画のネタバレになりますが、作中では魔界の世界でも正和の作品は人気があります。ただし、ミステリー小説としてではなく、なぜかユーモア小説として人気があるようで、魔界の文学賞受賞経験もあるほどです。ただし、作家本人である正和としてはユーモア小説としてとらえられていることが疑問であり、若干不満を感じているようでもあります。

本職がミステリー小説作家ということもあり、地元の鎌倉警察などからの事件解決依頼もあります。特に魔物や妖怪がかかわるような超常的な難事件の依頼が多いようです。自身の小説のネタに困っている時には、あえて事件に首を突っ込むこともあります。様々な事件にかかわってきた経歴から、人魔問わず狙われることがありますが、正和自身の強さと運で大事に至ったことはありません。

漫画の中ではミステリー小説作家で、文学的知識が深い優男風に描かれている正和ですが、実は武道も嗜んでいます。特に剣道の腕はすさまじいものがあり、三段の腕を持ち、剣道に対して誇りを持っていることがうかがえます。漫画の中で人や妖怪を相手にするときの基本的な武器としては木刀を用いますが、強敵相手には魔物を倒す不思議な力があるといわれている鬼薙の剣を使います。

ミステリー小説としてある程度ですが売れていて、顔をイケメンで知識も深い、戦えば強いといったいいところばかりの主人公正和ですが、弱点ももちろんあります。弱点のネタバレをすると、正和は極度の高所恐怖症なところがあります。また、大学生時代は漫画研究会に所属していたことからも、漫画家を志望していた時代もあったようですが、絵はあまりうまくないようです。

映画版「鎌倉ものがたり」の主人公である一色正和を演じたのは、俳優の堺雅人です。ネタバレすると、本作は監督である山崎貴の肝いりで、企画段階から主役の正和役は堺雅人ありきで動いていました。実際に堺雅人はシリアスとコミカルの両方を緩急のある演技でうまく演じ分けていて、知的な雰囲気を持ちつつアクションもこなせる俳優としてピッタリな配役だったといえるでしょう。

一色亜紀子/高畑充希

一色亜希子は「鎌倉ものがたり」のヒロインで、主人公である正和の妻です。正和との出会いは、出版社のアルバイトとして正和の家に訪れたのが最初でした。作中では正和と12歳差であるため実際に若いのですが、さらに童顔であるため妻というより親子や兄妹、お手伝いさんにみられることが多いです。漫画のネタバレをすると、亜希子が小学生に扮するシーンがあるのですが、違和感がないと描かれているほどです。

少女漫画とディズニーアニメが好きという女の子らしいかわいい趣向をしており、漫画の中でも美人で描かれています。漫画の一部をネタバレすると、異性に惚れられたり、迫られたりするエピソードもあるほどです。しかし、亜希子の正和に対する愛情はとても深く、作中でもアツアツで惚気のような表現が多数描かれています。そのため、正和以外の異性に迫られたりしても決して応じることのない一途な性格をしています。

性格としてはおっちょこちょいで、人生経験が不足している若さゆえの無知さを持っている面もありますが、短大生時代は卒論のテーマとして「平家物語」の研究をしていたこともあり、漫画の中でもいまだに研究しているシーンが描かれるなど、知的な一面も見せます。また、演劇部に所属していた経験もあるためか、演技は人並み以上にできるところがあり、作中でも活躍しているシーンがあります。

映画版「鎌倉ものがたり」の一色亜希子役を演じたのは、女優の高畑充希です。NHKの連ドラでブレイクしたのをきっかけに、ドラマや映画で幅広く活躍している女優です。亜希子役の演技は注意が必要で、下手な演技をするとただのぶりっ子な嫌味キャラに見えてしまう可能性がありましたが、高畑充希の演技力のおかげで可愛くて魅力あふれるキャラクターに仕上がりました。

鎌倉ものがたりの原作漫画まとめ!

いかがだったでしょうか?今回は西岸良平作の「鎌倉ものがたり」について、漫画のあらすじや映画のあらすじの紹介と比較も交えながらご紹介してきました。漫画版では魔物や妖怪が人と共存しているという特殊な設定ながらも、どことなく作中に流れる昭和の雰囲気によってまとめられているのが「鎌倉ものがたり」の魅力です。ほのぼのとした日常の中に、魔物や妖怪といった非日常がうまく溶け込んだ面白い作品となっています。

映画版「鎌倉ものがたり」では、漫画で描かれたエピソードをいくつか抽出し、一部改変することで夫婦愛を一つのテーマにした素晴らしいストーリーに仕上げられていました。それぞれのエピソードに加えられた改変も、原作では何気ない小話だったものが、正和と亜希子の夫婦関係に関係するよう絶妙に書き換えられており、優れた台本だったという評価が多かったものです。

原作漫画である「鎌倉ものがたり」は2018年10月現在でも、「まんがタウン」にて好評連載中の作品で、コミックスとしては34巻まで発売されています。映画版「鎌倉ものがたり」は2017年12月に上映されているため、すでにDVD化されています。漫画版では日常とミステリーがうまく融合した独特の雰囲気とプラス方向の人間関係が、映画版では正和と亜希子を中心とした夫婦愛が魅力の作品ですので、よかったらぜひ一度ご覧ください。

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