メアリと魔女の花はジブリじゃない?スタジオポノックや監督についてまとめ

『メアリと魔女の花』は2017年に公開された、米林宏昌監督によるアニメーション映画です。『メアリと魔女の花』の制作はスタジオジブリではなく、スタジオポノックという会社です。ジブリ映画だと思っていた人や、スタジオポノックを知らなかった人も多いのではないでしょうか。この記事では、『メアリと魔女の花』を制作したスタジオポノックと米林宏昌監督について、映画の見所を交えてご紹介していきます。

メアリと魔女の花はジブリじゃない?スタジオポノックや監督についてまとめのイメージ

目次

  1. メアリと魔女の花のスタジオポノックが気になる!
  2. メアリと魔女の花とは?
  3. メアリと魔女の花の制作はジブリじゃない?スタジオポノックとは?
  4. メアリと魔女の花の監督はだれ?
  5. メアリと魔女の花とジブリ作品を比較!似た部分はある?
  6. メアリと魔女の花はジブリ制作じゃない!スタジオポノックだった!

メアリと魔女の花のスタジオポノックが気になる!

『メアリと魔女の花』を制作したのはスタジオポノックという会社です。作画や映画の雰囲気から、スタジオジブリを連想する人も多く、「ジブリじゃないの?」と疑問を抱く人も少くないのではないでしょうか。

『メアリと魔女の花』では、ジブリを連想させる演出や作画がとても多く見られます。この記事では、「ジブリだけど、ジブリじゃなかった!」長編アニメーション作品『メアリと魔女の花』と、映画を制作したスタジオポノックについて、ご紹介していきます。

『メアリと魔女の花』公式サイト

メアリと魔女の花とは?

『メアリと魔女の花』のあらすじをご紹介します。叔母の住む田舎へ引っ越してきた主人公メアリは、テレビもつかない家で退屈な日々を過ごしていました。優しい叔母や家政婦さんの手助けをしようと、積極的にお手伝いを買って出るメアリでしたが、その度に失敗を繰り返してしまいます。

隣に住んでいるゼベディさんの花を折ってしまったり、落ち葉を掃除するつもりが逆に散らかしてしまったり、挙句にはその姿を同じ年頃の少年ピーターに見られ、笑われてしまいます。何事も上手くいかず、一人外で昼食を食べていると、そこに一匹の黒猫が現れます。

メアリが黒猫に愚痴をこぼしていると、黒猫は森の方へと走っていきます。メアリが黒猫を追いかけると、黒猫の色が灰色に変わりました。メアリは不思議な猫の正体が気になって、夢中で猫を追いかけます。

メアリは猫を追いかけてさらに森の奥へと進みます。そこには二匹の猫がいました。色が変わったと思った猫は、最初から二匹いたのです。色が変わる猫の謎が解けたメアリでしたが、今度は青く光る不思議な花を見つけました。

メアリは、その花が「夜間飛行」という名前で、7年に一度しか咲かない珍しい花だと、隣に住む庭師ゼベディに教わります。また二匹の猫たちは、それぞれティブとギブという名前で、ピーターの家に住む猫だといいます。

メアリは叔母に届け物を頼まれ、ピーターのもとを訪ねます。街角で偶然出会ったピーターに届け物をしっかり渡すことが出来たメアリでしたが、ピーターからティブとギブの姿を見かけなくなったという話を聞き、二人はティブとギブを探します。

二匹の猫を探す道中、ピーターの失言に腹を立てたメアリは、一人で森の中へと入っていきます。霧が立ち込める森はとても危険で、ピーターはメアリを止めようとしましたが、メアリは全く聞く耳を持ちません。

メアリは森の入口でティブの姿を見つけます。ティブは口に何かをくわえたまま、森の奥へと入っていきます。メアリがティブを追いかけてさらに進んでいくと、そこにはツタの絡まったほうきがありました。その時、突然ティブはくわえていたものをメアリの方に放り出しました。

ティブがくわえていたのは一輪の夜間飛行の花でした。メアリはそれを受け取りましたが、勢いあまって花を潰してしまいます。すると花はドロドロした液体を流し、突然、眩い光がメアリの身体を包みます。やがてその光はメアリの手に吸いこまれていきました。

するとメアリが持っていたほうきが突然動きだし、メアリとティブを乗せて空高く飛び上がります。ほうきはメアリの意志とは関係なく飛び続け、森を抜け、やがて雲を突き抜けて、遥か上空まで飛び上がりました。

雲の上に広がる世界に目を奪われ、ほっと一息ついたのも束の間、今度は目の前に巨大な積乱雲が現れました。ほうきは勢いよく積乱雲の中へと飛び込んでいきます。そして次にメアリが目を開いたとき、そこには雲の上に浮かぶ壮大な大地が広がっていました。

雲の上に浮かぶその地には、「エンドア大学」という魔法使いが通う学校がありました。魔法使いだけが入学することを許されたエンドア大学には、メアリのような普通の人間が立ち入ることは禁じられていました。もし自分が魔女ではないと知られてしまったら、自分ではない別のものに変身させられてしまうといいます。メアリは自分が魔女の新入生ということにして、エンドア大学に入学することになります。

「夜間飛行」は別名、魔女の花と呼ばれる、かつて魔女の国から盗まれたという禁断の花でした。メアリがほうきに乗れたのも、エンドア大学の生徒ですら使えない高度な魔法を使うことが出来たのも、全ては魔女の花の力によるものでした。こうしてエンドア大学に入学し、天才的な魔法使いとなったメアリでしたが、その力の効力は一夜限りのものでした。

メアリはひとまず家に帰ることが出来ましたが、その力が魔女の花によるものであることが校長のマダムにばれてしまい、魔女の花を追い求めていたマダム、そして魔法科学者であるドクターの思惑に巻き込まれていきます。咄嗟についてしまった一つの嘘から、ピーターまでも巻き込んでしまうことになったメアリは、残された一本のほうきと共に、勇気を出してもう一度エンドア大学へと向かうのでした。

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メアリと魔女の花の制作はジブリじゃない?スタジオポノックとは?

『メアリと魔女の花』の制作はスタジオポノック。「ジブリじゃないの?」と思った人も多いのではないでしょうか?実のところ、スタジオポノックとスタジオジブリには、とても深い関係性があったのです。ここからは、『メアリと魔女の花』を制作した、スタジオポノックについてご紹介していきます。

スタジオポノックとは?

スタジオポノックの代表取締役を務めるのは、元スタジオジブリ所属の西村義明さん。高畑勲監督作品の『かぐや姫の物語』や、米林宏昌監督作品の『思い出のマーニー』のプロデューサーとしても有名です。

スタジオポノックで活躍するスタッフの多くは、スタジオジブリ出身です。スタジオジブリは2014年に、宮崎駿監督の引退などをきっかけに、制作部門が解体されました。スタジオジブリでプロデューサーを務めていた西村さんは、米林監督と共にスタジオポノックを設立しました。制作部門の解体により、スタジオジブリを離れることになった幾人かのアニメーターが、現在スタジオポノックで活躍しているのです。

スタジオポノックの「ポノック」とは?

スタジオポノックは英語で「STUDIO PONOC」と表記されます。ポノックの由来は、クロアチア語の「深夜0時」を意味する「ポノック(PONOC)」から、「新たな一日のはじまり」という意味を込めてつけられました。

スタジオポノックを設立した西村義明さんと米林監督は、スタジオジブリのようなアニメーション作品を、もう一度新たに作っていこうという気持ちを込めて、スタジオポノックと名付けたと言われています。

『メアリと魔女の花』はスタジオポノックの第一作!

そんなスタジオポノックが制作した、長編アニメ映画の第一作が『メアリと魔女の花』です。『メアリと魔女の花』を制作したスタッフの8割がジブリ作品に携わった経験を持つ人材と言われています。

スタジオポノックを設立した西村義明さんは、ジブリの伝統を繋いでいくことや、ジブリで培ったものを残していきたいということを語っており、その意志は『メアリと魔女の花』にも強く現れているのではないでしょうか。

これだけ多くの制作スタッフがスタジオジブリ出身ということもあり、スタジオポノックには、スタジオジブリの血が受け継がれていると言っても良いでしょう。『メアリと魔女の花』が「ジブリだけど、ジブリじゃなかった!」という意味がお分かりいただけたのではないでしょうか。

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メアリと魔女の花の監督はだれ?

『メアリと魔女の花』の監督は米林宏昌さん。米林監督と言えば、元スタジオジブリ所属で、ジブリの中でもっとも上手なアニメーターとも言われていました。『メアリと魔女の花』が「ジブリじゃないの?」と思う人が多いのも無理はありません。

米林監督の代表作

スタジオジブリでは麻呂の愛称で親しまれていた米林監督。米林監督は1996年にスタジオジブリに入社してから、アニメーターとして、主に宮崎駿監督作品に参加しました。宮崎駿監督とのエピソードも多く、『崖の上のポニョ』では大迫力の魚群を描き、宮崎駿監督を唸らせたと言います。

その後、2010年には宮崎駿監督から『借りぐらしのアリエッティ』の監督を託され、自身初となる長編作品の監督に就任しました。また、2014年には2本目の監督作である『思い出のマーニー』が公開されました。

メアリと魔女の花とジブリ作品を比較!似た部分はある?

ここまで、『メアリと魔女の花』がジブリに似ている理由を解説してきました。ここからは、実際に『メアリと魔女の花』の劇中に出てくる、「ジブリじゃないの?」と思わず勘違いしてしまうようなシーンについて、ご紹介していきます。

メアリのキャラクター

主人公のメアリは魔法使いではありませんが、魔女の花を見つけたことによって、一時的に魔女の力を使えるようになります。とくに劇中ではほうきに乗って空を飛ぶシーンが度々見られますが、「魔女」や「ほうき」から、宮崎駿監督によるジブリ作品『魔女の宅急便』を思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。

『魔女の宅急便』では主人公キキの相棒である、ジジという黒猫が登場しますが、『メアリと魔女の花』にも、ティブという黒猫が登場します。

メアリが本当の魔女ではなく、ティブは使い魔ではないため言葉を話すことが出来ないなど、細かい違いはありますが、どことなく『魔女の宅急便』と似ているようにも思えます。

猫を追いかけて森の中へ

メアリは色が変わる不思議な猫を夢中で追いかけ、どんどん森の奥へと入っていきます。草木を掻き分け森の中を進んでいく様子は、まるで『となりのトトロ』で見た"不思議な出会い"を思い出しませんか?

雲の上に浮かぶエンドア大学

エンドア大学があるのは、雲の上に浮かぶ、魔法使いしか立ち入ることの出来ない地です。メアリは魔女の花を見つけ、ほうきに乗って空を飛び、このエンドア大学へ辿り着きますが、天空に浮かぶこの学校は、まるで『天空の城ラピュタ』のようです。

危険な階段

エンドア大学の正門へ向かうため、メアリは崖の階段を上ります。恐る恐る階段を上っていくメアリの姿は、『千と千尋の神隠し』で釜爺のところへ向かうため、危険な階段を下りることになった千尋の姿と似ています。

校長マダムとメアリを追う魚の魔法

エンドア大学の校長であるマダム・マンブルチュークの登場シーンでは、噴水の水がマダムの姿になり、メアリの前に現れました。また、マダムがメアリを追って放った魔法は魚の姿をしており、これらの水に関連するシーンは『崖の上のポニョ』で見た魚の群れや、水の表現を連想させます。

科学者ドクターと蜘蛛型の乗り物

エンドア大学の教師で魔法科学者であるドクター・デイは、蜘蛛の様な形の乗り物にのってメアリ達を追いかけます。この特徴的な丸眼鏡は『千と千尋の神隠し』に登場した「釜爺」の姿に似ています。

魔女の家

メアリはほうきに導かれて、赤毛の魔女の家へ辿り着きます。メアリが赤毛の魔女の家に着くと、ランプが出迎えてくれます。『千と千尋の神隠し』で銭婆の家を訪れた千尋たちを出迎えたのも、銭婆の使いであるランプでした。

メアリを助けてくれた動物たち

メアリは、マダムとドクターに捕まっていた動物たちを助け出します。メアリがほうきに乗れなくなったとき、恩返しをするようにメアリを乗せて走るシカの姿は、『もののけ姫』に登場する「ヤックル」の姿と重なります。

ジブリを連想させるシーンが多い

このように、『メアリと魔女の花』ではスタジオジブリ、宮崎駿作品を彷彿とさせるシーンが多く見られます。「ジブリじゃないの?」と疑問に思う人や、「ジブリじゃないなら、ジブリのパクリじゃないか!」と思ってしまう人が多いのも無理はありません。挑戦ともオマージュとも取れる表現ですが、そこには長い間スタジオジブリで成長してきた米林監督ならではの、強い意志が隠されているのではないでしょうか。

『メアリと魔女の花』のエンドロールでは、「感謝」という言葉と共に、「高畑勲、宮崎駿、鈴木敏夫」の3人の名前が表記されています。これは米林監督から、スタジオジブリを支えてきた3人に対するメッセージなのかもしれません。

ここまで、『メアリと魔女の花』に見られるジブリ作品に似ているシーンをご紹介してきましたが、他にもジブリを連想させるシーンが幾つもあります。既に映画をご覧になった方も、もう一度映画を見て、『メアリと魔女の花』に込められたジブリの伝統を探してみてはいかがでしょうか。

メアリと魔女の花はジブリ制作じゃない!スタジオポノックだった!

いかがでしたでしょうか?ジブリのようでジブリじゃない、スタジオポノックとその第一作、『メアリと魔女の花』についてご紹介しました。ジブリじゃないのにジブリ作品だと感じてしまうのは、ジブリのプロデューサーだった西村義明さん、そして米林監督が率いるスタジオポノックが、スタジオジブリの血を引き継いでいたからでした。

『メアリと魔女の花』には、スタジオジブリを思い起こさせる幾つものシーンが散りばめられています。そこにはアニメーション業界のこれからを思う、米林監督の意志が秘められているのかもしれません。長編アニメ映画の新しい時代を築く、スタジオポノックのこれからに注目です!

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