ブラックジャックの名言集！感動の名場面・エピソードを画像付きで紹介

「漫画の神様」手塚治虫が生涯描いた作品は約700タイトルにも及ぶと言われています。膨大な作品群の中には傑作も多く「火の鳥」「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」「リボンの騎士」「陽だまりの樹」「アドルフに告ぐ」などが代表作であると評されています。その傑作の中でとりわけ人気が高く、連載終了35年以上を経過してもファンを増やし続けている手塚作品が「ブラックジャック」です。

「ブラックジャック」は医療漫画のパイオニアにして最高傑作と呼ばれています。何故これほどまでに「ブラックジャック」はファンの厚い支持を得ているのでしょうか?ここではブラックジャックのかっこいい名言・名場面・名セリフを画像付きで紹介します。「ブラックジャック」における綺羅星の如き人気エピソードからの名言・名場面・名セリフを画像とともにお楽しみください。

「ブラックジャック」は1973年から1978年まで週刊少年チャンピオンに連載されました。連載終了後も人気は衰えることなく復活を望む声が多かったために同誌に1979年から1984年まで不定期掲載されました。また、後に同誌に連載された「ミッドナイト」にもブラックジャックがセミレギュラーとして登場していることから「ミッドナイト」をブラックジャックの外伝的作品だと論じている人もいます。

「ブラックジャック」医療漫画のはしりとも言える作品です。医師免許を持っていないが天才的な技術を駆使する外科医ブラックジャックを狂言回しとして、患者やブラックジャックの身の周りの人物との関わり合いを描きました。長編作品が主流となっていた漫画作品において一話完結を主体としたドラマ作りは却って読者の目には新鮮に映り、ジワジワと評価を高めていき今日では手塚治虫の代表作品のひとつと位置付けられています。

全身にツギが当ててあり、全身黒尽くめの服装という異彩を放った外見、天才的な技術を持っているが法外な手術料を患者に要求したり、時には人情家の一面を見せる内面を持ったブラックジャックは魅力的なキャラクターと言われており、それ故に漫画以外でも実写化・アニメ化・舞台化・リメイク漫画化が幾度となくなされていて、新しいファンを獲得し続けています。

ここではブラックジャックの名言・名場面・名セリフを画像付きで紹介します。ブラックジャックの大きな魅力のひとつであると言われているこれら名言・名場面・名セリフを紹介することでブラックジャックが何故人気があるのかを浮き彫りにしていきます。

第12話「畸形嚢腫」からの画像で、あまりにも有名なピノコの誕生シーンです。ピノコはもともと畸形嚢腫として双子の姉の体内にいました。ブラックジャックが嚢腫を摘出した後足りない部分を合成繊維で補ってピノコを人間として誕生させたのです。連載当初はホラー要素が強いと言われていた「ブラックジャック」ですが、その中でも特にその要素が強く一度見たら忘れられないインパクトを与えた画像と評されています。

「お前は人間になりそこなった肉体のクズだ」「おれの手で組み立てて人間に仕立ててやるぞ」「おまえはさいわい脳から心臓から手足までぜんぶそろっているんだ」「たりない部分はこうして合成繊維でつくってやったこれとあわせれば…」セリフのひとつひとつに強烈なインパクトがあると言われています。ブラックジャック中屈指の名場面と評されています。

第17話「灰色の館」からの画像です。名セリフ・名場面を紹介します。ブラックジャックはとある洋館の女家主から大やけどを負った彼女の兄の整形手術を依頼されました。整形手術を何度か繰り返しているうちにブラックジャックは兄の後頭部に何かでひどく殴られたような傷跡を発見しました。その傷は女家主が負わせた傷だったのです。

女家主の兄は暴君でことあるごとに妹に暴力を振るっていました。耐えられなくなった彼女は発作的に壷で兄の頭を殴り、死んだと思って焼却炉で焼いたら息を吹き返したのでした。手術で動け、喋れるようになった兄は呪いの言葉を吐いて妹をバーナーで焼き、館に火を点けました。この惨状を受け、辛くも脱出に成功したブラックジャックが言ったセリフが小見出しのものです。人間の業の深さを思い知らされる名言だと言われています。

第36話「しずむ女」からの画像です。このエピソードはオリジナル新書版少年チャンピオンコミックスの4巻にしか収録されていませんが、OVAアニメ化されています。ある工場が流した廃液にまみれた魚を食べた近隣住民が足の関節をおかされて歩けなくなってしまう難病になってしまい、その中の1人ヨーコという知的に障碍を抱えた少女とブラックジャックとの触れ合いを描いた物語です。

ヨーコは公害病で歩けない上に知的に障碍を抱えた状態で周りからも馬鹿にされています。彼女は魚を取ることが唯一の特技で、彼女の手術を買って出たブラックジャックに親愛の情を示します。手術は無事に成功しますが逸ったヨーコはブラックジャックの為に魚を取りに海へと出てしまい、術後間もないことで溺れ死んでしまいました。

ヨーコの遺体を見つけたブラックジャックは「ヨーコこんど生まれたらきれいな海で泳げよ…」というセリフを呟きました。そこには手術後間もないヨーコを1人で海へと行かせてしまった悔恨と、孤独者として生きている自分に対して純粋な気持ちを向けてきたヨーコに対する感謝の念が表されていると感じているファンも多いです。切なくて美しいエピソードだと言われています。

第43話「誤診」からの画像です。名場面・名セリフを紹介します。ブラックジャックの同窓生でとある病院の院長が膵臓炎を腹膜炎と誤診したことから患者の容態が変わってしまい、院長がそれまでバカにしていたブラックジャックに手術を依頼しました。その場で院長が誤診を行っていたことが発覚したのです。

手術は成功しましたが、患者の治療を任されていた伊東先生が院長の意に背いたとのことで病院を解雇されました。もともと院長とソリが合わなかった伊東先生はブラックジャックの家を訪れて弟子入りしたいと懇願しました。それを断った時に小見出しのセリフが出ました。無免許で金にがめつく、周囲から嫌われている自分のように若い人間にはなってほしくない彼の思いが伝わる名セリフだと言われています。

第50話「めぐり会い」から名場面と名セリフを画像付きで紹介します。ブラックジャックは医局員時代に後輩の如月めぐみを好きになりました。しかし、外見にコンプレックスを持っていて医局内でも誰とも交流しないブラックジャックはめぐみに対してもつっけんどんな態度を取り続けました。めぐみも夜暴漢に襲われそうになったところをブラックジャックに救われたことをきっかけに彼を愛し始めていました。

ブラックジャックとめぐみがお互いの愛を確かめ合おうとする間もなく、悲劇が2人を襲いました。めぐみが子宮がんにおかされてしまったのです。かなりの重症で子宮と卵巣を全摘出しても助かる見込みは低かったのです。ブラックジャックは医局の猛反対を押し切り1人でめぐみの手術に踏み切ったのです。そこで彼は初めてめぐみに愛の告白をしました。めぐみもそれを受け入れ2人はキスを交わしました。

手術は無事に成功しました。これ以降めぐみは男性として生きる決意をし、船医となり世界を航海することになりました。ブラックジャックとめぐみの恋愛は悲恋に終わりましたが、2人の交わした愛の瞬間は永遠であるとブラックジャックは言いました。ブラックジャックが恋心を抱いた数少ない名場面であり、名セリフであると高い評価を得ています。

ブラックジャックの名セリフ・名シーンを第61話「針」から紹介します。ブラックジャックの手術を受けた患者が点滴中に地震が起き、その際に注射針が折れて腕の静脈へと入ってしまったのです。針は血流とともに流れて行きます。心臓へ針が到達してしまったら大惨事が起きてしまいます。ブラックジャックは手術で針を取り出す選択をしました。

ブラックジャックは尋常ではない猛スピードで手術を行い、針を取り出そうとしますが結果的には針を見失ってしまい、手術を中止せざるを得ませんでした。4、5日後に患者の容態と手術の中止が気になってムシャクシャしているブラックジャックのもとに病院から電話が入りました。なんと静脈から入った注射針が動脈を伝ってもとの腕から出てきたというのです。

ブラックジャックはこの話冒頭に理解者の1人山田野先生から「人間のからだをあなどるときっとしっぺがえしをくらうぞ」と忠告されていました。もしかしたらブラックジャックの心のどこかに慢心があったのかもしれません。今回のケースはその慢心を突かれた形です。そこから出た「くそーっ」というセリフはブラックジャックが全知全能の医者では決してなく、失敗も多々するのだということを読者に提示したのだと評されています。

第62話「ちぢむ!」よりブラックジャックの中でも人気の高いと言われている名セリフ・名場面を画像付きで紹介します。アフリカのとある国で身体が縮んで死んでいく奇病が発生し、戸隠先生から依頼を受けたブラックジャックは原因究明と奇病になってしまった戸隠先生の治療に臨みます。しかし、病気の原因をつきとめることは全くできず時間のみが空しく経過し、戸隠先生もどんどん縮んでわずか30cmの身長となってしまいました。

ブラックジャックは草食動物であるシマウマの群れが奇病にかかって死んでいるシマウマの肉をむさぼり食べているのを見てヒントを得て、奇病に対する免疫血清を作りました。しかし、ブラックジャックの健闘も空しく戸隠先生は亡くなりました。ブラックジャックは己の無力さから生じた怒りを天にぶつけます。その名言はブラックジャックのテーマを超えた医療全体のテーマであると論じている人もいます。

第78話「地下壕にて」からの画像です。名場面・名セリフを紹介します。とある社長が自社ビルを新築しました。しかし、彼は以前ブラックジャックの手術を受けており手術料5千万円を高いという理由で支払わず、取立てに来た彼に対してしても「証文がなければ払わない」と踏み倒しにかかったのです。そんな中自社ビルのお披露目で事件が起きました。ブラックジャック、社長、見物人ら6名が地下壕に閉じ込められたのです。

6人が地下壕にいることは外部に知られていないので脱出する術がありません。ブラックジャックが自分の指を使い、壁の裏のコードを探し出し、コードを切断して脱出に成功しました。彼が作業している時に見物人が口々に助かるならいくらでも金を出す的なことを言いました。皆脱出後に発言を翻しました。それを見越したブックジャックが言い放ったセリフは皮肉の効いた名場面だと言われています。

ブラックジャックの名セリフ・名シーンを第81話「宝島」より紹介します。ある日ブラックジャックはチンピラ集団に拉致監禁されてしまいました。ブラックジャックが稼いだ大金のありかを話させて大金を強奪しようと企んでいたのです。ピノコにも危険が及んでしまうと察知したブラックジャックはチンピラたちをある無人の小島へと案内しました。

ブラックジャックはお世話になった看護婦のために無人島を買い取ってそこに看護婦の墓を立てていました。自然保護も同時に行っていました。稼いだお金の一部はそうしたことに使っていたのです。そうと知らないチンピラたちは墓を荒そうとしてハブに噛まれました。助けを懇願するチンピラたちにブラックジャックは「死ね」と言い放ち小見出しのセリフへと繋がります。彼の非常な一面が出た名場面と言われています。

ブラックジャックの名言・名場面を第99話「友よいずこ」から画像付きで紹介します。ブラックジャックは幼い頃に不発弾の未処理による爆発事故に母親とともに巻き込まれました。瀕死の重傷を負った彼は後に恩師となる本間丈太郎の手術によって奇跡的に回復しました。その際に顔の皮膚の植皮手術を受けましたが、急遽別な皮膚が必要となり手術が頓挫しそうになりました。

本間先生は見舞いに来たブラックジャックの同級生たちに皮膚の提供を願い出ました。しかし、皆に拒否されてしまいました。そんな中唯一申し出てきたのがハーフのタカシだったのです。ブラックジャックは治った後タカシの協力に感謝し、皮膚の色が違っていることも受け入れ再手術を受けずに過ごしていました。彼はタカシを捜す旅に出ました。

タカシはアフリカのアルジェにいましたが、過激な自然保護グループに所属しており、ブラックジャックに手紙を出し、おそらく二度と会えないと伝えました。帰国したブラックジャックはテレビのニュースでタカシが暗殺されたことを知り、タカシの皮膚を形見として今後も再手術しないことを誓ったのでした。ブラックジャックのルーツの一部がわかる名場面だと高評価されています。

ブラックジャック第100話「古和医院」から名言・名場面を紹介します。ブラックジャックは山家村にある古和医院へやって来ました。バスの中で居合わせたバセドー氏病の少女が気になったことと、無医村でたった一人開業している古和先生に興味を持ったからです。ブラックジャックと古和先生は対面を果たしますが、彼の勧めで手術をしたバセドー病少女の容態が急に悪化しました。

少女のこれまでの治療法に誤りがあったのです。ブラックジャックは迅速に指示を古和先生に与えて、少女は一命を取り留めました。そして彼は古和先生が自分と同じモグリの医者であることを見抜いたのでした。しかし、それは軽蔑心からではなく無医村と寄り添って医療活動をしている古和先生に対して尊敬の念を抱いたからこそ出た言葉だったのです。

ブラックジャック第193話「ある老婆の思い出」からの画像です。名場面・名言を紹介します。ニューヨークのとある病院の看護婦メアリは帰宅途中に倒れている妊婦を見つけました。偶然車で通りかかったブラックジャックは子宮破裂と診断し、メアリの病院へと運びます。しかし、手術を担当できる外科医がたまたまおらず、ブラックジャックが買って出ることとなったのです。

母子ともに危険な状態ですがブラックジャックの驚異的な手腕で2人とも助かりました。しかし、無免許医師が執刀したことで彼は病院長から警察に突き出されてしまいました。釈放されたブラックジャックがメアリに言ったセリフが小見出しのものです。この言葉に突き動かされたメアリは病院を辞め、助かった赤ちゃんの乳母になりました。50年後その赤ちゃんはアメリカ大統領となっていました。

ブラックジャックの名言・名場面を画像付きで紹介します。第201話「助けあい」からの画像です。ブラックジャックはとある国で女性を襲った殺人の疑いをかけられて警察から拷問を受けていました。そこに彼のアリバイを証明する為に蟻谷という日本人商社マンがやって来て、おかげでブラックジャックは釈放されました。彼は自分のためにわざわざ引き返して来てくれた蟻谷に深く感謝しました。

帰国後蟻谷は会社の政治家への闇献金事件に巻き込まれて、責任を背負わされて瀕死の重傷を負いました。それを知ったブラックジャックは札幌まで駆けつけ、会社の妨害もはねのけて蟻谷を手術で救いました。会社に命をつけ狙われる可能性を知った彼は蟻谷に整形手術を行い、別人として生きる道を作り出しました。

ブラックジャックはその生い立ちや人生で他人との関わりを無意識に避ける傾向にあると言われています。また、他人に優しくされたことも少ないようです。それ故蟻谷の善意が身に沁みたのではないかと言う人も多いです。スピード違反を犯したり、病院を買い取ったりとブラックジャックが蟻谷を救う為取った行動は常軌を逸したものでしたが、セリフにある通り彼には異国で取った蟻谷の行動が嬉しかったのです。

ブラックジャックの名言・名場面を画像付きで紹介します。第223話「もらい水」からの名セリフです。東北にある手瀬間胃腸病院の院長の母親は病室の1室を部屋としてあてがわれていますが、病室が満室になると外に出てもらっています。その間は知り合いの所を泊まり歩いているのですが、次第に疎まれてきました。ブラックジャックは偶然老婆を車に乗せますが、老婆は途中にある山小屋に泊まると言って車を降りてしまいました。

翌日の早朝、東北一帯を大地震が襲いました。ブラックジャックが山小屋に駆けつけると老婆が意識不明の重体となっていました。彼は車で手瀬間病院へと運びました。そこで院長とその妻は自分の母親は知り合いの所に泊まっているのではなく、野宿していたことを知りました。ブラックジャックは老婆の手術を買って出ますが、院長は拒否します。彼は一千万円で老婆を病院へ引き渡すと告げました。

ごねる院長に対してブラックジャックは「私なら母親の値段は百億円つけたって安いもんだがね」と言い放ちます。ブラックジャックは老婆の手術自体は無償で行うと言っています。母親に対してどのような感情を抱いているのかをブラックジャックと院長との対比で上手に表現してみせたと評するファンも多く、名エピソードとして知られています。

「ブラックジャック」の登場人物で極めて高い人気を誇っているのが公私ともにブラックジャックの優秀なパートナーであるピノコです。畸形嚢腫から誕生したというショッキングな登場をしたキャラクターですが手塚治虫が描く女性キャラの可愛さを見事に受け継いだ外見やブラックジャックへの一途な愛情、舌足らずな喋り方など魅力的な部分が多く、不動の人気であると言われています。

ここではピノコの名言や名場面を画像付きで紹介します。ピノコの魅力と「ブラックジャック」という作品全体の魅力に至るまで考察していきます。

ブラックジャック第13話「ピノコ愛してる」よりピノコの名言・名場面を紹介します。畸形嚢腫から取り出されて人間として生まれ変わったピノコは当初より命の恩人であるブラックジャックに一途な愛情を捧げます。しかし、他人から愛情を受けることに慣れていない彼は冷たくあたります。そんな時交通事故で内臓破裂を起こした子供が運ばれてきました。子供の腎臓は2つともダメで一刻を争う状況でした。

子供の父親は金にがめつく値段交渉をしている間に子供は亡くなりました。助けられなかったことで父親は罵詈雑言をブラックジャックに浴びせて帰りました。ピノコは何故自分の腎臓を使わなかったのかと問いました。彼はピノコに冷たくしますが、彼女のことを大事に思っていたのです。そのことがピノコにも伝わって、ラストシーンで「ピノコね先生愛ちてる」と呟きました。

ブラックジャック第80話「ピノコ・ラブストーリー」からピノコの名言を画像付きで紹介します。ピノコが誰かにラブレターを書いている様子を窺おうとしたところピノコは頬を赤らめて「らめ!!みちゃ」と抵抗しました。

ブラックジャックは近所の男の子に対してのラブレターだと思い込んでいましたが、物語のラストで実は自分宛に書かれたものであることを知りました。ピノコの可愛さが全開になった回としてファンの間でも評価されています。

ピノコの口癖として有名な言葉が「アッチョンブリケ」です。両手で頬を押しながら「アッチョンブリケ」と言うピノコがとても可愛いという高評価を得ています。しかし、毎回「アッチョンブリケ」と言ってたわけではなくここぞという時に使われています。それでも印象に残っている人が多いところにピノコとこの言葉に魅力があると言う人も多いです。

「アッチョンブリケ」が初登場したのは第88話「報復」です。ここでピノコはアッチョンブリケが自分が作った造語であることを告白しています。更にこの回で早くも両手で顔を押し付けるポーズで「アッチョンブリケ」と言っており、初登場の時点でフォーマットが完成されているのは流石漫画の神様手塚治虫の面目躍如だと評されています。

第188話「肩書き」での「アッチョンブリケ」を紹介します。一説には「アッチョンブリケ」は「鉄腕アトム」のシールがおまけに付いていた「明治マーブルチョコレート」のCMに出ていた子役上原ゆかりがCM中で言っていた「アップリケ」をもじったものではないかと言われています。

第90話「シャチの詩」よりピノコの名言を紹介します。ブラックジャックの開業第一号患者は人間ではなくシャチでした。怪我をして砂浜に流れ着いたシャチを治療したのです。シャチはトリトンと名づけられましたが、トリトンは近くの漁場を荒らしたり、漁師の子供を襲ったりしてシャチ狩りの対象となり深手を負いました。

トリトンはブラックジャックと遊んだ入り江に姿を見せ治療を要求しましたが、彼は拒否しました。数日後トリトンはその入り江で死んでいました。その思い出話を聞かされたピノコは小見出しのセリフを言ってブラックジャックを慰めます。ピノコの母性が出た名言だと言われています。

第185話「六等星」からピノコの名言を紹介します。本心を隠していつも他人から誤解されいるブラックジャックとその傍に寄り添う自分とを星に例えて表現しています。「シャチの詩」のセリフと同じくピノコの母性が前面に出た名言だと評されています。

ブラックジャックには主要登場人物以外にも名言や名シーンが多いといわれています。ここではその他の登場人物の名言や名シーンを画像付きで紹介します。

第29話「ときには真珠のように」からブラックジャックの恩師である本間丈太郎が彼に語りかけた明言です。危篤になった本間先生をブラックジャックは救えませんでした。悲嘆にくれる彼に本間先生の思念が君のせいではないよと言いたげに語りかけました。ブラックジャックという作品の核とも言える名言でありファンの心にも強く残っていると言われています。

第33話「獅子面病」からブラックジャックに息子の手術を依頼した警部が彼が医師免許を取れないと知った時に叫んだ言葉です。この言葉も医療というものの本質を突いたものだと評されています。

第62話「ネコと庄造と」より。がけ崩れで脳底に障害を持ちネコを家族だと思い込む庄造がブラックジャックの手術で完治し、土地を離れる時それまで家族として慕ってきた猫たちに対して行った言葉です。障害がなくなっても家族として過ごした日々をどこかで覚えているのではないかと思わせる名言と言われています。

第89話「おばあちゃん」より。母親が必死に自分の病気を治した治療費を払い続けていたことを知った息子が脳溢血で倒れた母親を救うために治療費3千万円を要求したブラックジャックに言った言葉です。母親と子供の関係性を美しく捉えた名言としてよく知られています。

第56話「ふたりの黒い医者」より。安楽死活動を行い、命を救おうとするブラックジャックとは対をなす存在であるドクターキリコが初登場回で言った一言です。ブラックジャックとドクターキリコとの関係性がよくわかる名言だと言われています。

第177話「死への一時間」より。ドクターキリコが患者が助かった際に言った一言です。ドクターキリコも決して単純に安楽死ビジネスをやっているわけではなく、ヒューマニストの一面も持っていることを表した名言として評価が高いです。

第199話「終電車」より。ブラッククイーンの異名を取る女医鈴木（旧姓桑田）このみがブラックジャックに向けて言った言葉です。このみはブラックジャックが惚れた数少ない女性の1人ですが、ここではもう過去のことだとこのみの思いを拒絶しました。男女関係の機微を繊細に描いたエピソードとして知られています。

第194話「二人三脚」より不良グループに入って親不孝ばかりしていた少年がブラックジャックの手術を受け、亡くなった父親の骨を移植されたことを知って言った言葉です。手塚治虫には珍しい父と息子の親子関係を感動的に描いたエピソードとしてファンの間で人気が高いと言われています。

「ブラックジャック」の名言・名場面を画像付きで紹介しました。ファンの方はもちろんこれから「ブラックジャック」を読んでみたいと思われている方も是非参考にされてください。漫画の神様手塚治虫の代表作に触れることで手塚治虫作品という巨大なバビロンへの入り口とされてください。