【PLUTO（プルートゥ）】アトムは死亡して復活？プルートゥとの戦いや最後を考察

この記事では、『PLUTO（プルートゥ）』に登場する高度に発達したロボットのアトムにスポットを当てます。これから、アトムの強さや死亡して復活した経緯、そして「地上最大のロボット」と「プルートゥ」の違いを比較していきますが、まずはその前に『PLUTO（プルートゥ）』の作品情報をお届けしましょう。最初に作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと続きます。

『PLUTO（プルートゥ）』は、浦沢直樹による漫画作品で、手塚治虫の『鉄腕アトム』の一部を原作としています。この作品は、2003年から2009年まで小学館の「ビッグコミックオリジナル」で連載され、2022年10月28日からは電子書籍として配信されています。

『PLUTO（プルートゥ）』は、その優れたストーリーテリングと芸術性で高い評価を受けており、第9回手塚治虫文化賞マンガ大賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第41回星雲賞コミック部門など、数々の賞を受賞しています。また、宝島社の「このマンガがすごい!」2006年版オトコ編の1位、フリースタイルの「このマンガを読め!2005」の1位にも選ばれています。

2023年2月時点で、『PLUTO（プルートゥ）』の累計発行部数は1000万部を突破し、その人気は絶大です。さらに、2023年10月にはNetflixでWebアニメ版が配信され、その世界観をより多くの人々に届けています。

人間とロボットが共存するこの時代に、世界中で驚異的な強さを持つロボットが次々に壊される事件が起こります。物語の主人公、ドイツの警察ロボット・ゲジヒトは、自身を含む7つの高性能ロボットがターゲットにされていることを知り、真相の究明に乗り出します。そして、事件の背景に謎の強さを持つロボット、プルートゥが関わっていることを突き止めました。

アトムは、本作『PLUTO（プルートゥ）』の原作である手塚治虫の『鉄腕アトム』のエピソード「地上最大のロボット」では主人公でした。本作でもゲジヒトの死後に彼の精神を引き継ぐ形で物語の主役に据えられています。

アトムは世界最高水準のロボットの一員であり、第39次中央アジア紛争では平和維持活動に参加しました。彼は自らがアイドルのように扱われることに違和感を覚えながらも、戦地では平和の象徴として歓待を受けました。現在は家族と一緒に日本のトーキョーシティーに住み、学校にも通っています。

人間とロボットが共存するこの時代に、世界中で最高の強さをもつロボットが次々に壊される事件が起こります。物語の主人公、ドイツの警察ロボット・ゲジヒトは、自身を含む7つの高性能ロボットがターゲットにされていることを知り、真相の究明に乗り出します。そして、事件の背景に謎のロボット、プルートゥが関わっていることを突き止めました。

アトムは、元々、天馬博士により彼の息子トビオをモデルにして製造されました。しかし、完璧すぎる性格が天馬の意図とはかけ離れており、亡くなった息子の代替にはなりませんでした。その結果、アトムはサーカスに売られ、娯楽の対象と見なされるようになりました。それでもなお、アトムは世界有数の強さを持つロボットであり、最高水準の人工知能（テンマ型人工頭脳）を備えていると評されています。

漫画『PLUTO（プルートゥ）』は、人間とロボットが共生する未来社会を描いており、そこでは世界最先端のロボットが次々と壊される事件が発生します。その凶悪犯罪のターゲットとなっていたアトムは、他のトップクラスのロボットや警察と連携して犯罪者を追い詰めます。捜査が進む中で、アトムたちだけでなく、ボラー調査団の元メンバーである科学者たちも同時に命を狙われていることが判明します。

かつて、中央アジアにはダリウス14世が統治するペルシア帝国という専制国家がありました。自らを世界の指導者と位置づけているトラキア連邦大統領は、ペルシア帝国に大規模破壊ロボットが存在すると主張し、調査団を送り込みました。それがボラー調査団で、そのメンバーの中には、アトムと親交の深いお茶の水博士も含まれていました。

ボラー調査団の懸命の調査でも、大規模破壊ロボットは発見されませんでした。しかし、その直後にペルシア帝国と他の国家との間で第39次中央アジア紛争が勃発しました。第39次中央アジア紛争では、世界最高レベルのロボット7体のうちアトムを含めて6体が平和維持部隊として参戦しました。結局、ペルシア帝国は敗北を喫しました。先に起きたロボット破壊事件は、この第39次中央アジア紛争と深く結びついているようでした。

ある日、お茶の水博士の住まいを一人の男が訪れました。その男は自分をペルシア王国のロボット軍団を創り出したゴジ博士と名乗り、アトムとロボット破壊事件の主犯格、ロボット・プルートゥを戦闘させようと提案しました。お茶の水博士は、自分を人質にすることは無意味だと反論しますが、ゴジ博士は別の人質がいると告げました。その人質とは、お茶の水博士の孫、隆史のことだったのです。

ゴジ博士は、プルートゥを隆史の家に送り、同時にアトムもそこに向かわせようと計画していました。お茶の水博士がゴジ博士にその行動の理由を尋ねると、ゴジ博士はペルシア王国を破壊した世界への報復だと語りました。その間に、お茶の水博士の家に警察とアトムが駆けつけました。お茶の水博士は時間を稼いでいたのです。

状況が変わり、ゴジ博士は逃走を図ります。アトムは、隆史のペットである犬型ロボットからの警報を受信し、自身の妹であり高性能なロボットであるウランが隆史のもとに向かっていることを知らせます。さらに、アトムがウランと隆史を守るために彼らの家に向かったのですが、そこでアトムとプルートゥが相まみえることになりました。

プルートゥは気象を制御するロボットであるため、アトムは大きな竜巻との戦いを強いられます。アトムはウランを家の地下室に避難させることに成功しますが、自身はものすごい強さの竜巻に巻き込まれてしまいます。竜巻が収まった後、ウランは外に出てきます。そこにはもはや動かないアトムの姿がありました。アトムはプルートゥに敗北し死亡してしまいました。

アトムの死亡は世界中のニュースで報じられ、アトムの創造者である天馬博士にも一報が伝えられました。天馬博士は死亡した息子の代わりにアトムを生み出しましたが、息子とは全く異なる性格のアトムを失敗だと言い、アトムが死亡しても悲しむ様子は見せませんでした。しかし、実際には天馬博士はアトムの死を深く悼んでいたのです。

ここからは、アトムの復活や最後の戦いを解説していきます。天馬博士は、死亡したアトムの再生を試みます。天馬博士は以前、完璧なAIを構築した経験がありましたが、そのロボットは一度も動き出すことはありませんでした。そのロボットには世界の総人口に匹敵するパーソナリティがプログラムされているため、それをシミュレートするには膨大な時間が必要であり、実際に作動することはないと天馬博士は説明しました。

天馬博士は、そのロボットを動かすためには、「怒り、悲しみ、憎悪」などの感情を注入することが必要だと述べました。つまり、アトムを復活させるためには、アトムのAIに感情を注入すれば良いと天馬博士は考えました。そこで天馬博士は、アトム復活に向けてゲジヒトの記憶が記録されたデータを取り寄せます。

ゲジヒトはユーロポールのロボット刑事であり、アトムと同じ世界最高水準のロボットで、ロボット破壊事件の調査中に死亡しました。ゲジヒトは、過去に人間に対する憎悪を抱き、感情に任せて人間を殺害したこともありました。天馬博士は、「憎悪」を経験したゲジヒトの記憶をアトムに注入します。その結果、博士の言う通り、アトムは目を覚まし復活を遂げたのです。

復活したアトムでしたが、日本の科学省で厳重に監督されていました。アトムからは感情が読み取れず、AIが正常に機能しているかどうかわかりませんでした。アトムは、突然紙とペンを要求し、特定の数式を書き始めました。その数式は、反陽子爆弾の製造方法でした。反陽子爆弾は地球を破壊するほどの力を持つ爆弾です。憎しみを抱いたロボットが生み出せば、人類を滅ぼす武器となり得るものです。

やがて、アトムは、ようやく復活できたのに科学省から逃亡してしまいました。すぐにお茶の水博士はアトムの追跡に乗り出します。雨が降りしきる中、やっとお茶の水博士が追いついたとき、アトムはこう言いました。「もう心配いりません、お茶の水博士…」アトムは、ここでようやく我に返ったのでした。

復活し我に返ったアトムは、ロボット破壊事件で命を落とした、自分以外の６体のロボットの墓地を訪れ、哀悼の意を表しました。その後アトムは、最後の戦いの場所となったトラキア連邦のエデン国立公園へと向かっていきました。

プルートゥを製作し、ロボット破壊事件を引き起こした犯人は、かつて天馬博士が開発したロボットでした。天馬博士は、そのロボットにアブラー博士の死の直前の最後の記憶を注入しました。アブラー博士はペルシア王国の科学者で、第39次中央アジア紛争で最後には家族と共に命を失ってしまいました。

アブラー博士が抱いていた世界への憎悪の記憶を注入されたロボットは、アブラー博士とゴジ博士の人格を有していました。そして、プルートゥやボラーというロボットを製作し、世界への報復を始めたのです。犯人のロボットはボラーのAIに侵入し、反陽子爆弾を持ってエデン国立公園へと向かっていきました。

エデン国立公園の地下には膨大なマグマの貯蔵庫が存在しています。ボラーは、そこで最後に反物質爆弾を起爆することで人類の殲滅を企てています。アトムはこれを阻止するため、エデン国立公園へと急行しました。そこではプルートゥが彼を待ち構えており、二人の最後の対決が幕を開けました。

初回の戦いではプルートゥが勝利しましたが、再生したアトムはプルートゥ以上の強さの憎悪を抱き、プルートゥを圧倒します。憎悪に駆られたアトムはプルートゥを破壊しようとします。ところが、その時、アトムに過去のある記憶がフラッシュバックしました。それは、アトムに注入されたゲジヒトの最後の死の瞬間の記憶でした。ゲジヒトは、人間を憎悪に駆られて殺してしまった過去と必死に対峙していました。

ゲジヒトは死の直前、最後に遺言のような言葉をつぶやきました。「憎悪からは、何も生まれないよ…」その記憶が甦ったアトムと、それが伝わったプルートゥは突然戦いを止め、二人で抱き合うと泣き始めました。二人とも、自分が涙を流す理由を理解していませんでした。ただ、ゲジヒトの願いに従い、憎悪に駆られて争うことを止めたのです。

アトムとプルートゥは、戦いを止めて和解しました。アトムは、ボラーを制止するために単独で地下深くへと進みます。地下のマグマの貯蔵庫でアトムはボラーを見つけました。アトムは反陽子爆弾の解体を試みます。しかし、アトムの推算によれば、爆弾を解体する前にアトムの体が溶けてしまいます。現実的に爆弾の解体は不可能でした。その時、プルートゥがアトムの支援に駆けつけたのです。

アトムの体が持たないと判断したプルートゥはアトムを地上へと投げ出し、一人で爆弾の解体を試みます。最終的に、反陽子爆弾は爆発し噴火が起こりますが、プルートゥの能力によりマグマは凍結し、人類の絶滅は回避されました。プルートゥの自己犠牲により、世界は救われました。雪が積もる中、アトムは駆けつけたお茶の水博士らと共に、憎しみが消え去る日を願い、物語は終幕を迎えました。

『プルートゥ』に登場するアトムの強さや原作との比較をしていきましょう。アトムは、天馬博士が製作した世界最高峰のロボットのです。天馬博士は、亡くなった自身の息子、トビオの代役としてアトムを生み出しますが、前述のようにアトムとトビオの性格は大きく異なっていたため、アトムを愛することができず、結局アトムをサーカスに売却してしまいます。その後、アトムは新たな親のもとで妹ウランと生活しています。

漫画『プルートゥ』でアトムは、世界最高水準のロボットが狙われる破壊事件に巻き込まれます。アトムは世界最先端のAIを搭載しており、物語の中で最も人間に近い存在となります。一般的に、ロボットは人間の感情を完全に理解することはできず、人間の模倣をすることで感情があるように見せかけており、ちなみに嘘をつくこともできません。

しかし、アトムは初めから人間と同等の感性を持っており、何度か感情を高ぶらせることがありました。ゲジヒトの憎しみを注入されて復活した後は、完全に人間と同じ心を持ち、嘘をつくことも可能になりました。原作の鉄腕アトムと同様に、足から出すジェット噴射の強さで空を飛ぶこともできます。

次に、アトムの「地上最大のロボット」と「プルートゥ」を比較し、違いを明確にしてみましょう。両者を比較すると、アトムの描かれ方や活動にいくつかの違いが見られます。両者を比較した時の最も大きな違いは、物語の中盤でアトムがプルートゥに敗北し死亡するところです。原作の「地上最大のロボット」では、アトムとプルートゥは接触しますが、最終的な対決は行われません。

両者を比較した場合、アトムが一度死亡したことで後の復活も起きでいます。さらにアトムに憎悪の感情を持たせることで、その後のアトムとプルートゥの和解が成立しました。また、「地上最大のロボット」と比較すると『プルートゥ』ではアトムがより人間らしくなっています。原作と比較すると顔立ちだけでなく衣装も人間と同じで、アトムとわからないかもしれません。原作と比較してロボットはさらに人間に近づきました。

ここで、アニメ『PLUTO（プルートゥ）』でアトムを演じた声優、日笠陽子（ひかさ・ようこ）を紹介します。日笠陽子は、1985年7月16日神奈川県生まれの女性声優・歌手で、現在はフリーランスとして活動しています。

高校を卒業した後、日笠陽子は洋裁の専門学校に通いながら、声優の勉強をするために日本ナレーション演技研究所に入所しました。本科生の時には、「無料新人育成オーディション」に合格し特待生に選出されました。そして、2006年以降は、フリーになるまでの間アイムエンタープライズのメンバーとして活動しています。

2007年に、テレビアニメ『スケッチブック 〜full color’s〜』で根岸みなもを演じ、アニメ声優界にデビューしました。そして、2010年7月に放送された『世紀末オカルト学院』で神代マヤの役を務め、初めてアニメの主役を演じました。同じ年に、『けいおん!』の中で結成されたユニット「放課後ティータイム」が、第4回声優アワードの歌唱部門で賞を獲得しました。

次に、アニメ『PLUTO（プルートゥ）』でアトムの声岡を担当した、声優・日笠陽子の主な出演作品や担当キャラを紹介します。

• けいおん！（秋山澪）
• ハイスクールD×D（リアス・グレモリー）
• ダンガンロンパ（霧切響子）
• IS＜インフィニット・ストラトス＞（篠ノ之箒）
• SHAMAN KING（麻倉葉）
• キングダム（羌瘣）
• はたらく細胞BLACK（白血球（1196））
• 呪術廻戦（庵歌姫）
• 鴨乃橋ロンの禁断推理（雨宮）
• シャングリラ・フロンティア（アーサー・ペンシルゴンほか）

ここまで『PLUTO（プルートゥ）』のアトム特集をお届けしてきましたが、最後にアトムに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、『PLUTO』のアニメ版アトムが可愛いというツイートです。漫画版のアトムよりも可愛くてかっこよく、ずっと素敵だといいます。不思議な体験だったようです。

続いて紹介するのは、アニメ『PLUTO（プルートゥ）』は画作りに力が入っていると評価するツイートです。「原作のアトムがこんなに立派になって」と感無量になったようでした。

最後に紹介するのは、アニメ『PLUTO』が原作『鉄腕アトム』の忠実な再現と評するツイートです。特に、原作の単なる模倣にとどまらないアトムの人間味の描写を評価しているようでした。

この記事では、「【PLUTO（プルートゥ）】のアトムは死亡して復活？」と題して、アトムの強さやプルートゥとの戦いと最後を解説するとともに、アトムの「地上最大のロボット」と「プルートゥ」の違いを比較考察してきました。

『PLUTO（プルートゥ）』に登場するアトムは、ロボット工学の権威である天馬博士が開発した世界最高峰の知能や強さを持つロボットです。原作と比較した場合の違いは、プルートゥとの戦いでアトムは死亡しますが、その後の復活に際して天馬博士はアトムに憎悪の感情を注入しました。

これにより、アトムはプルートゥとの最後の戦いに臨み、最後は殺し合いをやめて涙を流しながら和解しました。原作と比較した場合、アトムの強さは感情を獲得してより人間に近づいたことにあります。原作である鉄腕アトムの「地上最大のロボット」と「プルートゥ」を比較した場合の違いもそこにありました。『プルートゥ』では、原作に比較して強さはそのままにアトムはより人間らしくなっていました。