【俺だけレベルアップな件】カルテノン神殿とは何？3つの掟の意味や元ネタは？

俺だけレベルアップな件の中でも重要な要素になっているのがカルテノン神殿です。この記事ではカルテノン神殿について、ネタバレありでまとめて紹介していきます。

カルテノン神殿が登場する俺だけレベルアップな件は、元は韓国のwebトゥーンとしてカカオページで連載された小説です。カカオページ内で漫画化も行われた外、外伝なども展開されるなど人気を集めた作品になっています。2016年から2018年まで全14巻で展開された俺だけレベルアップな件は、その後日本で舞台設定などを日本人向けに変更しながら、カカオジャパンが運営するピッコマで掲載されることになります。

ピッコマ内でも高い人気を獲得した俺だけレベルアップな件は、ピッコマの看板作品として扱われ、累計閲覧回数が5億回を突破するほどになっています。2022年にはピッコマの連載が終了していますが、2024年にはアニメ化が行われるなどもしています。

数十年前、突如現世界と異次元を結ぶ通路『ゲート』が出現します。同時期、超常的な能力を持つ覚醒者『ハンター』が出現するようになり、ハンター達は、ゲート内のダンジョンに挑むことでモンスターを倒し、大きな対価を獲得していました。最低ランクのEランクの中でも『人類最弱兵器』と呼ばれる水篠旬は、高額な母親の治療費を稼ぐべく、挑む度に重傷を負いながらもハンターを続けているのでした。

カルテノン神殿は、俺だけレベルアップな件のプロローグで登場した特異なダンジョンです。それまでE級の中でも最底辺とされていた主人公水篠旬が、『自分だけレベルアップする能力』を手に入れるきっかけになったダンジョンであり、物語の序盤と終盤に登場した重要な施設になっています。その難易度は最高難度と言われるS級とされています。

カルテノン神殿は、カルテノン神殿内の石版に書かれた3つの掟を守ることで達成ができるというものになっています。その掟の1つ目が『神を敬（ケイ）せよ』というものです。この掟の意味は、非常に単純で、行動により示すことができます。単純に頭を一定の高さより低くしてしまえばいいのです。仮にこれを破ってしまうと、神の巨人像によってレーザーで消滅、つまり即死することになってしまいます。

ここで重要なのは、あくまでもこの掟は、行動的なものを示しているだけで、精神的な敬いを持てという意味ではないということです。実際の行動的にも、敬って頭を下げるという図式ではありますが、ただ怯えて頭を下げているだけとも見える形になっています。

カルテノン神殿2つ目の掟は『神を讃えよ』です。讃えよとは文字通り『神を賛美する歌』を指しています。実際、現実世界における宗教にもそれぞれに音楽の概念は存在してるほどです。賛美歌といえば、キリスト教プロテスタント派の言葉ではありますが、そもそもカルテノン神殿がどの宗教の建物なのかは不明です。

結果的に、この2つ目の掟の意味は、神殿の外苑にいる像を上手く動かすことで、楽器を持つ像に演奏させ、何も持たない像に歌わせるという図式を取ることでクリアとなります。

3つ目の掟は『神を信仰せよ』というものです。このクエストは、タイマーを思わせる青い炎が消えるまでの間、神を信じることができるかを問われます。視線を外すと近づいてくる巨人像達の中に残り続けることを問われるのです。像は5つあり、この時点で残っているのは6人でした。つまり5人がそれぞれに像を見続けることで、像を停止させ続けることができます。全員が協力すればクリアは難しくないものでした。

しかし、ここで問われているのは精神力です。ここまでの間に、ハンター達には、巨人像の圧倒的な強さ、自分達ではどうあっても太刀打ちできないことを嫌というほど味わわされていました。そのような中で像に囲まれた中に残り続けるというのは並大抵の精神力ではできません。実際に1人のハンターが逃げ出してしまったことでさらに驚異的な事実が明らかになります。

なんと、逃げ出したハンターは無事に逃げ出すことに成功。さらに、ハンターが逃げ出したことでカルテノン神殿のドアが少し閉まってしまいました。この事実に、残った5人のハンターのうち2人も逃げ出してしまいます。これで残ったのは3人、5つある像を見続けることはできなくなってしまうのでした。

カルテノン神殿での描写は、どことなく宗教観を感じさせ、何か元ネタがありそうなものです。しかし、これらには元ネタは存在せず、3つの掟の言葉も全て、原作者の創作によって誕生したものだと考えられています。そもそも『カルテノン』という言葉自体が少なくともメジャーな宗教の中のいずれにも登場していないのです。宗教以外にもカルテノンという言葉は存在しておらず、元ネタと呼べるものは存在していないと考えられています。

エピソード的に元ネタになるものは存在しないカルテノン神殿ですが、ルテノン神殿という名前に関しては、ギリシアのアテネにあるパルテノン神殿が元ネタなのではないか、と考察されています。パルテノン神殿はギリシア神話の女神アテナを祀る神殿で、古代ギリシアの建築を現代にまで伝える重要な文化財として世界遺産にも指定されるものになっています。このパルテノン神殿がカルテノン神殿の元ネタなのではないか、と考察されているのです。

ただ元ネタと言われる理由は、あくまでも名前の響きによるもので、パルテノン神殿にまつわるエピソードがこのカルテノン神殿の掟などに繋がっているわけではありません。日本語で書くと頭文字1つしか代わりませんし、英語表記してもほぼ差がない状態で描かれるのです。このことからカルテノン神殿の名前の元ネタはパルテノン神殿なのではないか、と考察される結果になっています。

カルテノン神殿は、俺だけレベルアップな件において、重要な役割を果たした存在ですが、その登場は偶発的とも言えるものでした。元々、主人公水篠旬を含む、このパルテノン神殿に挑戦したメンバーは、D級のレイドに集まったメンバーだったのです。リーダーを務める馬淵こそC級であるものの、外の参加者のランクも高いものではない状態でダンジョンに挑むことになりました。

カルテノン神殿のダンジョンは、2重ダンジョンという特異な形式でした。端的に言ってしまえばダンジョンの中に別のダンジョンへの入口がある状態だったのです。本来、このような場合は、ハンター協会に連絡し、指示を仰ぐ必要があります。しかし、この時の参加メンバーの中には、報酬が減ることを嫌ってこのまま進むことを提言する者がいました。結果的に多数決を取り、2重ダンジョンにそのまま挑むことになったのです。

ハンター達が進んでいくと辿り着いたのがカルテノン神殿でした。神殿の中には石像が並んでおり、それぞれに武器や楽器を保持しています。そして神殿内にあった石板に描かれていたのがカルテノン神殿の掟でした。当初は意味不明だったルーン文字で描かれていた掟を読み終えるとカルテノン神殿の扉が閉じてしまいます。なんとか逃げ出そうとしたハンターは殺され、残されたハンター達は石像の戦いを強いられることになるのです。

しかしこの石像は1体、1体が非常に巨大で人間の何十倍もの大きさがあります。例え1体だけに集中できる状況でも勝つことは難しいものでした。それが何十体といるような状態だったのです。

石像達が動きだす中、水篠旬は石像達の攻撃には規則性があることに気づきます。そしてこの攻撃の規則性には、掟が影響していると考えて掟を読み解こうと試みるのでした。犠牲者を出しながらなんとか2つ目までクリアすることはできましたが、その時点で水篠旬は既に足に重傷を負ってまともに動けない状態になっていました。そして3つ目の掟も内容を読み解くことには成功します。

しかし、それはハンターの性質とは対極に位置する行動をする必要がありました。ハンターは本質的に自身で全てを完結させることが理想とされるのですが、他者を頼り待つという条件はハンターの精神状態では到底叶えることができないものです。結末的には、主人公の水篠旬を残して全員が離脱、水篠旬は巨人像を1体でも撃破しようと試みますが、吹き飛ばされてしまいます。

吹き飛ばされた、水篠旬は、運良くカルテノン神殿の祭壇に乗ることになります。そのような状況でまともに動くこともできない水篠旬は、『死にたくない』と強く願いました。これにより、『シークレットクエスト条件クリア』と表示、プレイヤーになるという選択を選ぶと意識を手放した水篠旬は、次に目を覚ました時には病院のベッドの上、という謎な結末を迎えることになったのです。

結果的に、シークレットクエストの意味も、そのクリア条件も明かされないままという形でこのエピソードは結末を迎えており、その後の物語が展開されることになります。

その後、病院にて水篠旬もカルテノン神殿の結末がどのようになったのかが描かれます。このカルテノン神殿のダンジョンから生存したのは水篠旬も含めて6名です。３つ目の掟の時点で生存していたハンター達であり、先に脱出したハンターがハンター協会に通報、協会が編成したランクの高い部隊がカルテノン神殿に到達した時には、カルテノン神殿の祭壇に水篠旬が倒れていただけという状態でした。

その場には、神を象った石像も、その他の石像も一切残っていなかったのです。水篠旬自身、何が起こったのか分かりませんでしたが、水篠旬だけに見える『システム』だけが残されるという、これまた意味が分からない結末を迎えています。ハンター協会としても、謎の存在として位置づけるしかない結末を迎えるのでした。

ここまでネタバレしたように、あくまでも水篠旬は特殊な条件でカルテノン神殿を生存しただけで正規の方法でクリアしたわけではありません。カルテノン神殿はクリアされた扱いにはなっておらず、実は残っていたことが、俺だけレベルアップな件のあらすじの終盤で明らかになります。再登場のきっかけになったのはシステムを与えられレベルアップした水篠旬がレベル100に到達したことでした。

システムからカルテノン神殿の入口の鍵を渡されることになるのです。レベル100になった水篠旬は、ハンターランクは最底辺のEランクから最高峰のSランクに到達。その強さは文字通り別人になっていました。水篠旬は、カルテノン神殿、そしてシステムの設計者が、カルテノン神殿の石像の1つ、石板を持つ石像だと見抜くと、彼を倒すべく戦いを繰り広げることになります。

ここからは既に俺だけレベルアップな件を視聴している人の、感想をネタバレありでまとめて紹介していきます。カルテノン神殿は、俺だけレベルアップな件の中でも重要な要素になっています。ただ世界観的にはまだまだ分からないことが多くなっており、その状態ですら感じる絶望感がヤバいといわれる結果になっています。カルテノン神殿の結末的に、より絶望感が強く、謎めいた存在だったとする声が多くなっているのです。

ただカルテノン神殿のエピソード、特に掟の攻略法に関しては意味が分からなかったとする感想もあります。特にカルテノン神殿のエピソードは、プロローグとも言えるエピソードだけに、まだ読者に世界観などもしっかり把握してもらう前だったということも影響しているとされているのです。ただその意味の分からなさが却って不気味で絶望感を強めたという感想も見られる結果になっています。

その結末が謎めいた形だっただけに、カルテノン神殿が再び登場したのには非常に熱くなったという感想も多くなっています。主人公の変わるきっかけだった場所であったこと、正規の方法でクリアしていないことなどを考えるとどこかで再登場するだろうと予想はされていましたが、その再登場の仕方までが良かったとされる結果になっています。

カルテノン神殿が登場する序盤と終盤のシーン。この2つはいずれも俺だけレベルアップな件の中でも重要であると同時に、派手な戦闘シーンなどもあり、名シーンであるともされています。それだけに、アニメ化が発表された際には、アニメでカルテノン神殿のエピソードを見るのが楽しみという声が多くなっており、特に序盤のカルテノン神殿の絶望感がどこまで表現されるか気になるとされていました。

俺だけレベルアップな件のカルテノン神殿は、物語の重要な施設であり、序盤に登場した後、終盤にも登場した施設です。主人公水篠旬の覚醒のきっかけでもあり、その演出はかなり絶望感が高いとされていました。物語の面白みであるレベルアップする前段階でのエピソードなので、圧倒的な強さこそないものの、それでも知恵を絞ってなんとか生き残ろうとする姿が良いという感想もあるほどになっています。

その一方で、カルテノン神殿の掟などは、1度見ただけではその意味などが分からないとする声も多くなっています。結末的にも序盤の段階ではカルテノン神殿とはなんだったのかが描かれることはなかったため、終盤での再登場には胸が熱くなったと言われる結果になりました。まだ俺だけレベルアップな件を見ていない人は、カルテノン神殿にも注目しながら視聴してみましょう。