2018年11月10日公開
2018年11月10日更新
魔法使いの嫁のカルタフィルスの正体と目的をネタバレ!強さや呪いについて考察
ヤマザキコレによる人気漫画『魔法使いの嫁』。現在、単行本は10巻まで刊行されており、アニメ化などのメディアミックスも展開されております。この『魔法使いの嫁』の魅力となるのが主人公・羽鳥チセやエリアス・エインズワース、また敵キャラとして登場するカルタフィルスなどの個性的なキャラクターたちです。本記事ではカルタフィルスに焦点を当て、その正体や目的についてのネタバレ考察を行なっていきます。
目次
魔法使いの嫁のカルタフィルスの正体と目的をネタバレ紹介!
このネタバレ記事では人気漫画・魔法使いの嫁で敵キャラとして暗躍する、不老不死で正体不明の魔術師・カルタフィルスについてその正体や目的についてのネタバレ考察を行なっていきます。魔法使いの嫁の物語の中でカルタフィルスは危険な敵キャラではありますが物語が進みその正体がだんだんと明かされていくと、魅力を感じるようになるファンも多かったようで人気のキャラクターでもあります。
魔法使いの嫁はどんな作品?
魔法使いの嫁は現在10巻まで刊行されている大人気漫画です。スレイ・ベガ(夜の愛し仔)として生まれたことで、生まれつき人ならざるものを見ることのできる主人公・羽鳥チセは孤独の中で自暴自棄となり、人身売買オークションに商品として自身の身を委ねます。そのチセを「買った」のが人外の魔法使い・エリアス・エインズワースです。
エリアスはチセを自分のお嫁さんにするつもりだと言います。これがタイトルの魔法使いの嫁につながります。魔法使いの嫁、としてエリアスがチセを迎え入れたことで孤独に生きていた2人は共に生活することで互いに心を通わせていき、徐々に周りに信頼できる仲間たちも増えていきます。魔法使いの嫁の原作漫画は現在学院編に突入しさらなる盛り上がりを見せています。
この魔法使いの嫁のネタバレ記事で注目するカルタフィルスが物語に初登場するのはウルタールの澱みの原因についての回想シーンです。その後、澱みを魔術師・レンフレッドを脅迫して回収させようとしていたことも判明しますがこの目論見はチセとエリアスによって破られます。その後もブラック・ドッグの回収を目論んだり、ドラゴンの子どもを連れ去ったりするなど物語の重要なシーンに関わってきます。
ウルタールの澱みとは?
ウルタールの澱みとは、猫の集う街「ウルタール」の池に存在する猫たちの怨念を取り込んだ澱みのことです。この地の猫の王は代々自分の命をかけてこの澱みを池に縫い止めてきました。この澱みの核は、かつて、病弱な妻を助ける薬を作るために多くの猫を殺した青年とその薬を飲んで死んでしまうこととなった青年の妻の魂でした。
実はこの薬の作り方を青年に教えた魔術師がカルタフィルスでした。カルタフィルスの目的はもちろん実験です。利用され、多くの猫を殺し、さらには愛する妻までも手にかけてしまった青年は残った猫たちによって殺されこの澱みとなってしまいました。この澱みをレンフレッドを利用して回収しようとしていたカルタフィルスですが、澱みはチセの力によって浄化され、カルタフィルスの目的は達成されませんでした。
魔法使いの嫁のカルタフィルスとは?正体や目的をネタバレ紹介
魔法使いの嫁に登場するカルタフィルスの正体について考察するために、彼のプロフィールについて簡単に整理してみましょう。彼には、カルタフィルス、ヨセフ、彷徨えるユダヤ人(Wandering Jew)と3つの呼び名があります。また、年齢は2000歳以上と推測されますが不老不死のため、正確な年齢は不明です。身長148cm、体重48kgと小柄な体型です。また、アニメ版声優は人気声優の村瀬歩さんが務めています。
カルタフィルスの別名「さまよえるユダヤ人」や「ヨセフ」は魔法使いの嫁ネタバレ考察ではとても重要な点になります。ここからは彼の名前に注目して考察を進めていきます。
さまよえるユダヤ人とは?
「彷徨えるユダヤ人」というのは聖書に登場する人物のことです。魔法使いの嫁の物語にはカルタフィルスの他にも聖書をモチーフとしたキャラクターや設定が数多く登場します。
カルタフィルスは処刑場に向かうイエス・キリストに石を投げたために、その罰として不死の呪いを受け不老不死の身体となったとされています。この聖書に登場する彷徨えるユダヤ人が魔法使いの嫁のカルタフィルスの正体ということなのでしょう。実際、ウルタールの澱みの元となる事件が起こったのはかなり昔のことですが、回想の中の彼は今と全く同じ見た目をしていることから不老不死であることは間違いありません。
ヨセフとは?
ここからはカルタフィルスのもう一つの名前「ヨセフ」に注目しての考察です。彼は「カルタフィルス 」という呪われた名前を忌み嫌い、自身では「ヨセフ」と名乗っています。では、この「ヨセフ」という名前は何なのでしょうか。
カルタフィルス(ヨセフ)の過去
実は彼はかつて「ヨセフ」という名の墓守りの少年でした。ヨセフは墓守りという仕事、またその出自ゆえに周囲の村人からは迫害されていました。そんな中、ヨセフは墓守の仕事の途中で全身が朽ちた少年(青年?)を見つけて助け、看病をするために家に連れ帰ります。これが、彼、つまりヨセフの悲劇の始まりで、このヨセフが助けた人物こそがカルタフィルス でした。
カルタフィルスから頼りにされたことで必死になって看病を続けるヨセフですが、カルタフィルスの症状は一向によくなりません。むしろ、生きているのが不思議なくらいでした。それでも、最初のころはカルタフィルスの症状が良くなったら2人で一緒にこの村から逃げよう、という一心でヨセフはカルタフィルスの看病を続けていました。
しかし、村人たちからの扱いやカルタフィルスの怪我が一向によくならないことにヨセフはだんだん焦りと苛立ちを覚え始めます。そして遂にヨセフは、カルタフィルスの症状が良くもならない、でも「死なない」ということにも気が付きます。そしてヨセフはカルタフィルス と「一緒になる」ことを選び、2人は融合します。
融合というよりもヨセフがカルタフィルスを取り込む形になったのかもしれませんが、この辺りの描写は曖昧で詳細は不明です。しかし、この融合により、ヨセフはカルタフィルスの受けていた「不死の呪い」までも共有してしまうこととなり、「カルタフィルス」として「生きたまま朽ちていく苦しみ」を味わいながら永久に2人で彷徨い続けることとなるのです。
おそらく融合後のカルタフィルスの主人格はヨセフが近いと思われますが、記憶も共有しているので人格も融合してしまっているのかもしれませんね。この融合の影響か、身体が朽ちていくことによる影響かはわかりませんが、カルタフィルス自身は呪いを受けた時のことを覚えていないようです。そのため覚えてもいない行為への罰として呪いを受け、永久に苦しみ続けなくてはいけないことに理不尽さと怒りを感じています。
カルタフィルスの目的は?
カルタフィルスは「生きたまま朽ちて行く苦しみから解放される」ために行動しているのだそうです。これは一体どういうことなのか、魔法使いの嫁のストーリーとともに考察していきたいと思います。
カルタフィルスの目的を魔法使いの嫁のストーリーとともにネタバレ解説!
生きたまま朽ちていく苦しみから解放されるため、丈夫な身体を求めて様々な材料を試すカルタフィルスはドラゴンの子どもに目をつけます。2匹のドラゴンがさらわれたため、管理人のリンデルは学院に協力を呼びかけ、チセとエリアスもドラゴン救出に参加することとなります。チセは自身が以前オークションに出たツテを利用し、さらわれたうちの1匹のドラゴンがオークションに出品されることを突き止めます。
出品されたドラゴンを買い戻そうとするチセたちですが途中でドラゴンが恐怖から暴走をし始めてしまいます。暴れるドラゴンを落ち着かせることに何とか成功するチセですが、それによりチセはドラゴンの呪いを受けることとなり、腕が変形してしまいます。また、ドラゴンの呪いはチセの寿命を縮めることになります。
エリアスとカルタフィルスは2人ともステラを利用します。そのことでエリアスはチセの逆鱗に触れ、チセは自らカルタフィルスの元へと行ってしまいます。そしてチセは、カルタフィルスから互いの腕を交換する取引を持ちかけられます。チセは「死ぬ呪い」を、カルタフィルスは「死ねない呪い」を受けているため相性が良いようです。チセは取引に応じざるを得ず、まず眼球の交換をさせられます。
眼球の交換の後、カルタフィルスの「嫌がらせ」によって自分の過去の記憶を辿ることになるチセですが、チセは母親との記憶を思い出したことで、これから先も生きていく決心をすることができます。その記憶の中でカルタフィルスの見た目をした真っ黒な人物とチセは出会います。
彼は自分のことをカルタフィルスにかけられた呪いと祝福そのものだと言います。彼はチセ自身が生きることを望むのなら、チセを生かすための祝福になろう、とチセに言います。その対価として何をすれば良いのかとチセが彼に問いかけると「たすけて」という声が聞こえてきます。目を覚ましたチセは、カルタフィルスの過去と目的を知るために今度はカルタフィルスの記憶に自ら飛び込みます。
カルタフィルスの過去を見ることでその正体と目的を知ったチセは、駆けつけたエリアスたちとともにカルタフィルスを救うために動き始めます。最終的に自分を攻撃させることでカルタフィルスを捕まえ、得意の子守唄のような魔法でカルタフィルスを眠りにつかせ、決着をつけます。
この時に受けた傷の影響で、チセもしばらく目を覚まさないのですが、その間に再び黒いカルタフィルスと会い、彼からカルタフィルスの呪い=「生かす呪い」とドラゴンの呪い=「殺す呪い」をチセの中で折り合いをつけたから今すぐ命がどうこうなることはない、普通の生き物と同じだ、と告げられます。
カルタフィルスはこの後、チセとエリアスの家にある井戸のようなものの中で眠りにつくことになりました。学院側には内緒でチセとエリアスが匿っているようです。どうやら、完全に眠り続けているわけではなく、たまに起きてチセに話しかけたりしているようです。
チセとカルタフィルスは仲が良いわけではありませんが、核心をつくようなことを言うこともあるので、今後も魔法使いの嫁のストーリーには絡んできそうです。これからはもしかしたらチセの味方のような存在になってくるのかもしれません。敵としては脅威でしたが、味方になったらこれ以上ない力になってくれそうです。ただ、様子を見る限り、基本は寝ていて今後は積極的に関わってくることはなさそうです。
魔法使いの嫁のカルタフィルスの強さと呪いをネタバレ解説!
前の項目では魔法使いの嫁のカルタフィルスの正体と目的についてネタバレ考察をしてきました。この項目ではカルタフィルスの受けた呪いや強さについての考察をしていきます。
カルタフィルスの受けた呪いとは?
魔法使いの嫁に登場するカルタフィルスは不老不死の身体を持っていますが、それは彼が望んだものではなく、罰として受けた呪いによるものです。つまり、彼は「死なない」というより「死ねない」ため、常に生きたまま朽ちていく苦しみを味わっています。実際に、彼自身はヨセフと名乗り、呪われた名前であるカルタフィルスと呼ばれると激昂します。
その「死ねない」苦しみから解放されることが魔法使いの嫁のストーリー中のカルタフィルスの最大の目的です。彼自身の口からも「苦しみ無く生きる」ことを目的に行動していることが明かされています。そのためにウルタールの澱みやブラック・ドッグ、ドラゴンを使って朽ちない丈夫な身体を作ろうとしています。彼の操るキメラはその実験の過程でできたもののようです。
カルタフィルスはどれくらい強い?
強力なキメラを操り、自身は魔術を使うことができ、さらには不死の身体を持つカルタフィルスは魔法使いの嫁の登場人物全員の中でもトップクラスに強いです。レンフレッドに銃で頭を撃ち抜かれた際にも脳を再生して死にませんでした。
また、倫理観が欠如しており、自身が救われるために他を踏みにじることに対して一切の躊躇もないため彼の存在は脅威となっています。カルタフィルスは自分が生きていくために他者を踏みにじることについては「それが生き物のあり方だ」と考えているようです。
ただ、長い間生きたまま身体が朽ちていく苦しみを味わい続けていることもあり、精神的にはかなり不安定な一面があります。突然怒り始めたり、支離滅裂な発言をする様子も描かれています。カルタフィルスと呼ばれるなど、「不死の呪い」に関連することに他人から触れられると激昂する様子からもそのことは伺えます。
魔法使いの嫁のカルタフィルスの正体と目的をネタバレ紹介まとめ!
以上が魔法使いの嫁に登場するカルタフィルスの正体と目的についてのネタバレ考察になります。魔法使いの嫁の物語の中では脅威として描かれていたカルタフィルスでしたが、彼の正体と目的が明らかになることで物語が大きく前進する重要なキャラクターでした。特にチセにとっては、カルタフィルスとの出会いは自分を振り返り、前に進んでいくきっかけとなりました。
カルタフィルスとチセの関係は呪いが対になっている以外にも、カルタフィルスが他者を顧みないのに対し、チセが自分を顧みないことでどちらも周りを傷つけてしまう、というような真逆のようで似ている点がありました。魔法使いの嫁という物語にとって重要な、そして魅力的なキャラクターとして描かれていたカルタフィルスですが、今後も魔法使いの嫁のストーリーに絡んで活躍してくれることを期待しましょう。