【外見至上主義】磯野聡の過去が壮絶？ホステル解散の経緯や穂乃果と子供について解説

この記事では韓国漫画『外見至上主義』に登場する、哀しい過去を持つ男子生徒・磯野聡を特集します。これから、ホステル解散の経緯など磯野聡の壮絶な過去にスポットを当て、穂乃果や子供についても解説していきますが、まずは『外見至上主義』の作品情報をお届けしましょう。最初に『外見至上主義』の作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと続きます。

『外見至上主義』は、韓国の漫画家T.Jun（パク・テジュン）によるWeb漫画です。この作品は、韓国国内では2014年11月からNAVERが運営するウェブトゥーンで公開されています。登場人物の「外見」に焦点を当てた漫画なのですが、バトルシーンが頻出し、学校のいじめ問題やYouTuberのストーキング被害といった社会問題も取り入れられています。そうしたこともあり、韓国ではすぐさま人気に火が付きました。

また、日本では、XOYによる日本語翻訳版の無料配信を経て、現在はLINEマンガにて日本語版が提供されています。日本語版では、物語の舞台が韓国から日本に変更されたり、登場人物の名前も日本人名が使用されている点が特徴です。

その後、2018年には、KADOKAWAにて『外見至上主義』のコミックス化が行われ、『外見至上主義シリーズ』として出版されました。そして、2022年にはこの漫画を原作としたアニメが制作されNetflixにて配信されました。原作者であるT.Junは、『外見至上主義』の創作に当たって、日本の漫画『今日から俺は!!』と『闇金ウシジマくん』を参考にしたことを明かしています。

長谷川蛍介は、容姿を理由に高校で酷いイジメに遭っている生徒です。やがて蛍介は現在の生活を捨て、転校を決意します。ところがある朝のこと、目覚めると自分がイケメンに変わっていることに気づくのです。ただしその変身は日中のみで、夜になると元の顔に戻ってしまいます。しかし、この出来事で蛍介の生活は一変します。昼間はイケメン顔で通学し、夜になると元の顔でバイト先に向かうという、二重生活が始まったのです。

ここからは、この記事のメインテーマである磯野聡（いその・さとし）の話題に移ります。磯野聡は、主人公・長谷川蛍介が通う才源高校の美容学科1年生です。美容学科の中でただ一人の男子生徒であり、そのため同じ学科の女子たちに可愛がられています。しかし、美容師としての腕前は決して良いとは言えず、前髪すら上手く切ることができません。また、髪の色を頻繁に変えるのも彼の特徴のひとつです。

周囲には秘密にしているのですが、高校生なのに実は幼い娘がおり、一人で子育てをしています。また、喧嘩の腕っぷしはかなり強く、4つあるギャングチームの１つである「ホステル」のヘッドを務めています。

ここからは、磯野聡の壮絶な過去を詳しく解説していきます。まず、磯野聡の家庭環境からになります。聡は両親と3人暮らしの家族で育ちます。しかしながら、幼い頃の家庭環境は悲惨そのもので、聡は父親のDVにより苦しめられる母親の姿が今でも目に焼き付いています。その後、母親のストレスは頂点に達し、「かくれんぼ」という名目で聡にも暴力が向けられるようになります。

やがて、母親は辛さに耐えきれなくなり、聡を一人残して姿を消してしまいました。その後、父親は新しい母親、つまり義母を連れてきて、一緒に住むことになります。その義母には聡と同じぐらいの年齢の2人の娘がおり、いきなり家族は5人に増えました。義母は、前妻の子である聡をあまり可愛がらず、些細なことでも叱りつけました。

義母は、根拠のない話をして聡を洗脳しようとします。例えば、「女の子と話すだけで妊娠し子供ができる」あるいは、「女の子と同じ部屋にいると子供ができてしまう」といった荒唐無稽な作り話です。さらに、唯一の味方であった実父が亡くなると、義母は新しい夫（義父）を連れてきます。

この頃から、聡は血の繋がりのない邪魔な子供として扱われるようになりました。外出は許されず食事も満足に与えられなくなったのです。聡は孤独と飢えに苦しみます。生きるために裸一貫で家を出るしかなくなりました。子供時代の聡は、このように悲惨な生活を余儀なくされました。

聡は家を飛び出し、その後、悪い大人たちによって金儲けに利用されます。転売のために発売日前から寒い店舗の前で長時間並ばされたり、また養子縁組の制度を悪用し不正な方法で金を巻き上げるといった犯罪的行為に加担させられたのです。聡は養子になる際、わざと変わった行動を起こして養親からキャンセルされるよう仕向けます。相手都合によるキャンセルなので、仲介業者は契約金を返還する必要がなく丸儲けとなります。

聡は悪事に巻き込まれながら、町から町へと移り住む生活を送っていきます。ある時、偶然聡は、かつてレジャー施設だった大きな廃墟を見つけ、一晩を過ごすことにします。ところが、その廃墟には先住者がいたのです。その先住者とは花宮芹那という女性でした。

花宮芹那は、月明かりの差し込む静かな”我が家”へ足を踏み入れました。次の瞬間、彼女の目に飛び込んできたのは、聡とネコのライアンが一緒に眠っている光景でした。

その後、聡は芹那にぞっこんの澤渡元弥や彼の仲間の太郎、そしてエリカと出会います。そこに穂乃果や王獒春が加わり、みんなで楽しいひとときを過ごしました。穂乃果と王獒春を除くと、みんな家族のいない独りぼっちでした。家族を求めていた者同士、互いに絆を深め友情を育んでいきました。

みんなが楽しい時間を共有する中で、お金に関する問題が浮上してきました。聡は車上荒らしを行い、王獒春は女性に変装して財物を奪って何とか生活費を稼ぎます。聡たちは芹那には言わずに非合法な方法で金を稼いでいました。

ある日、「偶然空き家を見つけた」という王獒春の提案で、空き巣をすることになりました。しかし、その空き家というのが何と王獒春の実家だったのです。両親に見つかった上、厳しく叱責される結果となりました。この出来事を知った芹那は、ショックを受け嘆き悲しみました。

その頃、東エリアには「バッグドア」というギャングチームがあり、四大クルーの候補となっていました。ある時、そのチームのヘッドの東郷辰郎が、聡に因縁をつけてきました。強さには定評のある東郷でしたが、相手が悪すぎました。荒ぶる聡を前にして怖気づいた東郷は、尻尾を巻いて逃げ出します。四大クルー入りを心待ちにしていた譲は、震えながら戻ってきた東郷に異変を感じ取りました。

東郷の見っともない姿を目にして、譲はホステルの磯野聡に関心を寄せます。そして、四大クルーの統合を画策している神谷ヨハンと、西エリアを主導する「ビッグディール」のNo.2・東郷太嗣と共にホステルに向かいました。譲とヨハン、そして東郷の3人は、目的こそ異なるものの、東エリアのホステルが邪魔だという点では一致し、協力して行動することにしました。

その結果、聡と元弥、太郎、そしてエリカとの壮絶な乱闘が展開されますが、結局は聡たちの敗北に終わります。しかし、聡の強さやカリスマ性、そして頭の回転の良さに驚いた譲は、彼の所属するホステルをバッグドアの後継チームとすることにします。こうして、ホステルは東エリアのまとめ役となったのです。

その後ホステルは、他のチーム同様、譲へお金を献上しなければならなくなります。家族を守るため、聡は譲の指導の下で様々なスキルを学び、足の付かない犯罪形態である「分散型組織」の構築を進めていきます。しかし、そんな中で、聡はずっと彼に好意を抱いていた穂乃果と一夜を共にすることになりました。

一方、野生の本性を持つ聡が気に入っていた王獒春は、穂乃果に対し「なぜあの女はいつも邪魔をするのだろう？」、「あいつがいると聡は弱気になる」と思うようになりました。聡と穂乃果が一夜を共にしたことを知った王獒春は、聡が穂乃果をだまして犯罪に巻き込んでいるとして警察に通報します。

その時、王獒春の通報を受け担当した警察官というのが、何と穂乃果の母親だったのです。こうして、全ての事実が明るみに出てしまいます。聡たちによるホステルでの家族ごっこは終焉を迎え、仲間は散り散りになっていきました。

仲間たち皆が離れ離れになった状況で、穂乃果の妊娠が発覚します。聡に会いたいと切望する穂乃果は、行方を知る人物、王獒春に頼み込み聡と連絡を取ってもらうことにします。

穂乃果の依頼を受け、王獒春は聡に会って心の内を聞き出すことにします。王獒春が2人の架け橋となって、連絡を取り合うことになりました。しかし、それは、聡が以前の無気力な状態に戻らないための王獒春による巧妙な作戦だったのです。

王獒春は穂乃果と聡の間に入って携帯メールを受け取るのですが、相手に渡す前にメールの内容を改ざんし、2人の仲を引き裂こうとします。やがて、王獒春の思惑通りに聡と穂乃果は仲たがいし、以降再び顔を合わせることはありませんでした。その後、穂乃果は無事に子供を出産しますが、間もなくして穂乃果は亡くなってしまいます。おそらく、看護師たちの目をかいくぐって自ら命を絶ったのでしょう。

聡は穂乃果の死の知らせを受け、通夜の場に駆け付けます。そこで聡は穂乃果の母親から面罵されます。穂乃果の母親は、「聡が穂乃果に子供を堕ろせ」と言ったと明かします。しかし、それは真実ではありませんでした。実際には、メールで聡になりすました王獒春の仕業だったのです。

この出来事によって、元弥や芹那たちから「最悪」と罵られ、聡はまたしても全てを失ってしまいました。最後に、ホステルに顔を見せた聡は、「かくれんぼしよ？」と呟き、その後行方が分からなくなります。穂乃果との間に生まれた娘・恵那を連れての失踪でした。

ここからは、失踪後の磯野聡についてネタバレ解説していきます。磯野聡は、その後も才源高校美容学科1年生として学生生活を送っていきます。『外見至上主義』の第179話「星降る子育ての日々」と第180話「星降る子育ての日々 (2)」には、流星と瑞希が迷子の赤ちゃんを見つけるエピソードが描かれています。

そこでは、2人の名前「りゅ・・うせい」と「み・ずき」から、その赤ちゃんは「りゅみ」と呼ばれています。様々な騒動に巻き込まれながらも奮闘する、2人の育児の様子が描かれているのです。最後は、赤ちゃんを警察に届けることになるのですが、流星が別れの寂しさから涙を流すなど、愛情あふれるほのぼのとしたエピソードになっています。

その後、「りゅみ」の親が警察署に姿を現します。感情を抑えきれずに取り乱していました。しばらくすると、赤ちゃんと再会できたことに胸をなでおろしながら、「よかった…恵那」と呟きました。実は、この「りゅみ」こそが、磯野聡が育てていた恵那だったのです。こうして、全てのエピソードがつながり完結しました。

ここまで『外見至上主義』の磯野聡特集をお届けしてきましたが、最後に磯野聡に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、磯野聡がかっこいいという方のツイートからです。かっこいいと思った理由は、王獒春（わんごうしゅん）が穂乃果を騙したことを誰にも言わなかったからだそうです。磯野聡が穂乃果のように命を落とすことを心配をし、最後の一言を呟いているようでした。

続いて紹介するのは、『外見至上主義』を読み進めるにつれ、磯野聡の評価が変わったと言う方のツイートからです。磯野聡の過去編では最高に好きなキャラになったそうです。

こちらも、磯野聡の変貌ぶりに驚いている方のツイートになります。『外見至上主義』の重要キャラになるとは思わなかったとのことですが、所々でスポットライトが当てられるなど伏線はあったようです。

この記事では、「『外見至上主義』の磯野聡の過去が壮絶？」と題して、ホステル解散の経緯など磯野聡の過去や穂乃果と子供のその後について解説してきました。

複雑な家庭で育った磯野聡は、やがて家を飛び出し花宮芹那の家に転がり込みます。そこで、澤渡元弥や穂乃果たちと出会い、後の人生に大きな影響を与えることになります。その後、様々な出来事や紆余曲折を経て、磯野聡は娘・恵那の父親として新たな人生への一歩を踏み出していくこととなりました。