【マイホームヒーロー】麻取義辰は延人の父親！最後は自ら腹を刺して死亡？

この記事では、『マイホームヒーロー』の主人公・鳥栖哲雄が殺害した延人の父親、麻取義辰を特集します。突然愛する息子を殺された麻取義辰の取った行動や最後の結末などについて考察していきますが、まずは『マイホームヒーロー』の作品情報をお届けします。最初に『マイホームヒーロー』の作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと進みます。

「マイホームヒーロー」は、山川直輝原作、朝基まさし作画のクライム・サスペンス漫画です。2017年26号から講談社の週刊ヤングマガジンで連載が開始され、第2部終了後に一時期休載もありましたが、その後再開し現在は第3部が連載中となっています。

『マイホームヒーロー』の単行本は、ヤンマガKCスペシャルから19巻まで刊行され、累計275万部以上を売り上げました。さらに、2022年6月には手塚プロダクションによるテレビアニメ制作が発表され、2023年4月2日から6月18日までTOKYO MXなど複数のチャンネルで放送されました。

鳥栖哲雄は、47歳のサラリーマンで大の推理小説マニアです。ある時、愛する娘・零花が恋人・延人からDVを受けていることを知った哲雄は、推理小説で得た知識を駆使して延人の身辺調査を行います。その結果、延人が零花の母（哲雄の妻）の実家の財産を狙って娘に近づいたこと、さらには驚くべきことに、過去2人の女性を暴行・殺害していた事実が浮かび上がってきたのです。

ここからは、メインテーマである『マイホームヒーロー』の麻取義辰の話題に移ります。麻取義辰は、主人公・哲雄と同じく47歳の中年男性で、半グレ集団の詐欺の首謀者として知られています。さらに、零花の恋人・延人の父親でもあります。幼少期から親の教えを忠実に守り、勉強一筋に励んでエリート街道まっしぐらの人生を歩んできました。

しかしながら、ずっと勉強ばかりしてきたこともあり自分の家族との接し方も分からず、妻や息子・延人との良好な関係を築くことができませんでした。次第に延人は非行に走り、少年院に送られる事態になります。それが原因で妻とも破局し離婚へとつながりました。義辰は生きる目標を見失い、一流企業での仕事を辞め、町の工場で働きながら生計を立てるようになりました。ある日、そんな彼のもとに問題の人物が現れるのです。

消息不明の息子・延人を捜していた麻取義辰は、ついに鳥栖哲雄の元にたどり着きます。そして、麻取と哲雄は激しい戦いを繰り広げることに至ります。はたして、麻取は最後に死亡してしまうのでしょうか？

結論から言いますと、麻取義辰は最後に死亡します。彼の死亡シーンが描かれているのは、『マイホームヒーロー』の6巻の46話です。哲雄との激闘の最中に、麻取は腹を包丁で突き刺して自ら命を絶つのです。

この記事における主役・麻取義辰は、死亡という衝撃の最後を遂げます。それでは、次に麻取義辰が死亡するまでの経緯を詳しく見ていきましょう。

鳥栖哲雄は、麻取延人が使用していたSNSの裏アカウントの内容を解明するために、延人の通っていたバーに足を運びます。そして、そこで麻取という男性と出会うのです。彼は一人で酒を飲んでいました。お互いの素性を知らないまま、哲雄と麻取は会話を始めます。

麻取は、「自分の息子が危害を被った場合、家族ごと加害者を討つ」と語りました。この言葉によって、哲雄は麻取が延人の父親であることを知ります。同時に、麻取も哲雄が偽名を使っていることに疑念を抱きました。

延人の捜索を継続していた麻取義辰に、間島恭一から電話が掛かってきました。恭一は、哲雄から延人殺しの濡れ衣を着せられていたのです。彼は、麻取義辰に対し哲雄が零花のマンションで延人の命を奪ったことを告げました。その上で、ALSライトを用いて零花のマンションを調査すれば、重要な証拠が見つかるはずだと断言したのです。

間島恭一はさらに話しを続けます。期限内に延人殺しの真犯人が見つからなければ、窪たちが手当たり次第に犯人をでっち上げ、それを麻取に引き渡して”賞金”をだまし取るつもりだと暴露しました。麻取は恭一の話の裏を取るため、零花のマンションへ向かいます。そしてALSライトでマンションの室内を照らした結果、ライトは多量の血痕を浮かび上がらせました。麻取は、恭一の言う通り延人がここで殺されたと確信したのです。

やがてクローゼットに隠れていた哲雄が姿を現し、麻取の前で「私が犯人です。自首します」と謝罪しました。しかし、麻取は哲雄と彼の家族全員を殺すと脅し、窪に連絡しようとします。父親として、また家長として家族を守りたい哲雄は、麻取に立ち向かい、遂に激しい戦いが始まりました。

愛する息子を失った麻取と、家族を守りたいと願う哲雄は、互いに傷つきながらも激しい格闘を続けます。麻取は哲雄の首にロープを巻き付けて殺そうとしましたが、哲雄は見事にそれを阻止します。すると、麻取は発作的に包丁を手にし、自らの腹を刺したのです。愛しい延人を亡くし、何もかもが無になったと感じた麻取は、どうせ死ぬのであれば最後に哲雄に罪をなすりつけようと考えていました。

近隣住民からの通報を受け、警察が現場に駆けつけてきました。しかし、哲雄は警察官に気づかれないように麻取の口を抑え、何とかその場をやり過ごします。やがて、麻取はその場で息を引き取りました。哲雄はレンタカーを借りて麻取の遺体を山へと運び、そこで捨てることにしました。

さらに、麻取のマンションの契約を解除し、最後に彼の荷物を片付けるなど、証拠隠滅を手際よく進めます。平凡なサラリーマンだった哲雄が、家族を守るためとは言え再び殺人を犯したのです。

ここからは、麻取義辰の正体や過去を探っていきます。麻取は半グレ組織に属し、非常に巧妙な詐欺師です。弁護士事務所のスタッフから弁護士まで、さまざまな役を演じてターゲットをだまし、金銭を騙し取っていきます。年間で億単位の収益を上げていると言われ、半グレ組織のリーダーである窪も麻取の詐欺師としての才能を高く評価しています。

窪は、行方不明になった延人を見つけるよう麻取に指示します。そして、麻取はついに延人の死の真相に辿り着くのです。それは、延人を殺害した鳥栖哲雄と出会った瞬間でした。

麻取義辰の過去については、『マイホームヒーロー』の6巻44話にて詳細が描かれています。彼は官僚の父親と私立高校教諭の母親という堅実な家庭で育ち、何不自由なく暮らしていました。ただ、両親は仕事で忙しく、幼稚園の頃から麻取には塾や家庭教師が付けられることになりました。学校を含めると、麻取の勉強時間は1日16時間にも及んだそうで、それが幼少期から大学まで続いたということでした。

麻取義辰は大学を卒業後、一流企業に就職します。そして、両親の勧めでお見合いの末に結婚しました。しかし、妻が妊娠しても麻取は妻や生まれてくる子供に愛情を抱くことができなかったようです。やがて延人が生まれますが、麻取自身が親から愛情を注がれていなかったため、親としてどのように接するべきかわかりません。親子の間にコミュニケーションはほとんどありませんでした。

延人は道を踏み誤り、犯罪に手を染めて少年院に送られてしまいます。やがて妻とも離婚した麻取は、一人ぼっちになっていきました。これまで親が用意した人生のレールの上を歩み、家庭を築き、そして家族を支えるために頑張ってきたつもりでしたが、自分には何も残っていないことに気づかされます。

その後、麻取は会社を辞め生きる意味を見失いながら、日銭を稼ぐ生活を送るようになりました。しかし、やがてそんな彼に転機が訪れるのです。

ある日、半グレ組織のリーダーで、暴力団「間野会」に所属する志野が麻取に声をかけました。詳細は不明ですが、志野は麻取の経歴に惹かれ、彼の詐欺師としての才能を感じ取ったようです。志野は「もっと利益のある仕事ができる」、「前にやっていた仕事の10倍の収入が得られる」と甘い言葉で囁きます。さらに、「愛する息子が自分自身を成長させてくれる」と巧みな言葉で麻取をその気にさせました。

こうして、麻取は暴力団組織に入り、”人間として成長するために”詐欺師という道を選んだのです。延人が少年院から出所する頃、麻取は組織の中心的存在となっていました。そして、コネで延人を組織に加入させました。それ以降、麻取は息子・延人を溺愛するようになったのです。

ここで、アニメ『マイホームヒーロー』で麻取義辰役を演じた声優の三木眞一郎を紹介しておきましょう。三木眞一郎（みき・しんいちろう）は、東京都出身・1968年3月18日生まれの男性声優です。現在は、81プロデュースに所属し活動しています。

次に、声優・三木眞一郎の経歴について解説します。少年の頃から声優を夢見て、声優こそが自分の進む道だと確信していた三木ですが、周囲からは「儲からない」という理由で反対されていたと言います。

声優になるべく81アクターズスタジオに入学した三木は、第1期生として同スタジオを卒業します。そして、声優事務所・81プロデュースへ直接電話で志願したものの、最初は断られてしまいました。それでも諦めず、事務所に履歴書を送った結果、研究生のオーディション案内が送られてきたとのことです。

オーディションに見事に合格した三木は、分からないことがあればすぐに講師に質問しに行く姿勢を貫いたそうです。その結果、本来3年かかるはずの課程を2年で終え、さらには研究生にもかかわらず声優の仕事を得ることもできました。

そして、アニメ『ダッシュ!四駆郎』の神崎操役で声優デビューを果たしたのです。以降、アニメ・洋画吹き替えなどで活躍し、2010年には第4回声優アワード「助演男優賞」、2014年には第8回声優アワード「富山敬賞」をそれぞれ受賞しました。

次に、アニメ『マイホームヒーロー』の麻取義辰役の声優・三木眞一郎の主な出演作品や演じたキャラを一覧で紹介します。

• ポケットモンスター（コジロウ）
• キャプテン翼J（若林源三ほか）
• 銀魂（坂本辰馬ほか）
• 機動戦士ガンダム00（ロックオン・ストラトスほか）
• アラジン（アラジン）
• 鬼滅の刃（竈門炭十郎）
• BLEACH（浦原喜助）
• 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST（ロイ・マスタング）
• 薄桜鬼（土方歳三）
• 銀河英雄伝説 Die Neue These（ワルター・フォン・シェーンコップ）

ここまで『マイホームヒーロー』の麻取義辰特集をお届けしてきましたが、最後に麻取義辰に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、アニメ『マイホームヒーロー』で哲雄と麻取の闘いを観た方の感想からです。両者を演じる声優の迫真の演技に家族を思う熱い気持ちを感じながらも、クズ息子への愛情を示す麻取義辰には感情移入しにくいようでした。

続いて紹介するのも、麻取義辰と哲雄を演じる声優の演技を賞賛するツイートからです。家族を思う父親の愛情や悲哀、狂気と言った感情までリアルに表現されていたそうです。

最後に紹介するのは、麻取義辰の性格を論じるツイートからです。麻取は、極端に走りやすく極限まで突き詰める傾向のある「体癖9種」に当てはまるのだそうです。

ここまで、「『マイホームヒーロー』の麻取義辰は延人の父親！」と題して、麻取の正体や過去、そして死亡に至るまでの経緯について詳しく解説してきました。

山内義辰は、延人の父親であり哲雄と同じく47歳です。半グレ組織でスゴ腕の詐欺師として活躍していました。一方で、麻取は親の愛情を知らずに勉強ばかりして育ち、結婚して子どもが生まれても、親としての接し方が分かりませんでした。

ある時一人ぼっちになった麻取は、半グレ組織のトップ・志野にスカウトされ、組織に加入することになります。そして、愛する息子の命を奪った哲雄との格闘を通じて、彼は自分には何もないと悟り、最後は自害し死亡することに至りました。