【マイホームヒーロー】鳥栖哲雄はどんな主人公？過去や歌仙との出会い・結婚は？

鳥栖哲雄は、漫画「マイホームヒーロー」の主人公で、ある男を殺害してしまったことから、半グレ組織に目を付けられる羽目に陥ります。中年の平凡なサラリーマンとして物語に登場した鳥栖ですが、実際のところどのような人物なのでしょうか？

この記事では、鳥栖哲雄の過去や歌仙との出会い、そして結婚などをネタバレ解説していきますが、その前にまずはマイホームヒーローの作品情報をお届けします。最初に作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと進みます。

「マイホームヒーロー」は、山川直輝が原作、朝基まさしが作画を担当したサスペンス漫画で、週刊ヤングマガジン（講談社）で2017年26号から連載中です。単行本はヤンマガKCスペシャルから20巻まで発売され、2023年3月現在の累計発行部数は275万部を超えています。さらに、2022年6月には手塚プロダクションによるテレビアニメ化が発表され、2023年4月からTOKYO MXなどで放送されました。

鳥栖哲雄は、推理小説に熱中する47歳のしがないサラリーマンです。妻や娘と親子3人で暮らしていましたが、娘の零花がマンションで一人暮らしを始めると幸せな生活が一変します。零花が彼氏の麻取延人からDVを受けているというのです。愛する娘を守るため、哲雄は行動を起こします。推理小説で培った知識を駆使し調査した結果、延人が零花の母、つまり哲雄の妻の実家の財産狙いで零花に近づいていたことを突き止めます。

ここからは、メインテーマであるマイホームヒーローの主人公・鳥栖哲雄（とす・てつお）の話題に入っていきます。最初に哲雄のプロフィールを紹介します。

鳥栖哲雄は、旧姓を苗場といい、現在はおもちゃメーカーの営業職で働くサラリーマンです。年齢は、物語開始時47歳で、現在（第三部）では54歳になっています。常日頃からミステリーのネタをノートに書きとめ、趣味として推理小説を執筆しています。度々ネット上に作品を投稿し、同じ趣味を持っている人々との交流を楽しみにしていました。家族との会話では、普通「うん」と答えるところを「おん」と言う口癖があります。

鳥栖哲雄は、高校時代に両親を交通事故で亡くしています。大学時代は演劇サークルに所属し、脚本執筆を担当していました。サークルには後に結婚する歌仙も在籍していました。哲雄は、歌仙を「あんな（酷い）家」から守り、束縛から解き放つために結婚を決めたといいます。早くに両親を失ったので、家族への愛情は人一倍深く、特に娘を溺愛しています。毎年誕生日に娘からもらうプレゼントを大切にコレクションしているのです。

ある日、娘が付き合っていた男（麻取延人）からDVを受けていることを知り、男を殺害してしまいます。そして、推理小説の執筆過程で得た知識を駆使し、半グレ組織に知られないよう死体を処理する偽装工作を図ります。しかし、結局組織にバレて拉致され、頭皮を剥がれるなどの拷問を受けてしまいます。さらに、口封じのために敵対組織の構成員の死体の解体を強要されるなど、哲雄の身には次々と災難が降りかかりました。

ここからは、鳥栖哲雄の過去を一つひとつネタバレ解説していきます。苗場哲雄（鳥栖哲雄）は、警察官の父親のもとに生を受けました。父親は正義感に溢れ、律儀な性格をしていたそうです。幼い頃から、哲雄は刑事もののドラマや小説を読むことを好む少年でした。

父親は交番で勤務する警察官でありながら、哲雄に次のような話をしたそうです。現実の世界では、ドラマのように必ずしも正義が勝利するわけではなく、警察が完全に信頼できる組織であるわけでもない。しかし、交番で勤務する警察官は、市民の頼れる存在となり、市民に寄り添った仕事をすることができるのだと、父親は語ったとのことです。当時はまだ子供だった哲雄にとって、父親の話を完全に理解するのは難しかったようです。

続く過去のネタバレですが、鳥栖哲雄が高校1年生の頃、両親は高速道路での衝突事故に遭遇し、そのまま命を落とします。事故現場では、父親の手に発煙筒が握られていたことから、おそらく後続車に対して警戒を促すために行動していたと推測されます。

事故に巻き込まれたのは、勤務時間外での出来事でした。プライベート時間であったにもかかわらず、警察官としての役目を果たそうとしていたのです。哲雄は最後まで職務に忠実だった父親の姿勢に誇りを感じています。

過去のネタバレ、3つ目は葬儀を取り仕切った人物に関することです。鳥栖哲雄の両親の葬儀の準備は、父親の元部下である安元浩司という警察官が引き受けました。「マイホームヒーロー」の第6巻50話の一シーンになります。安元は哲雄の父に深い感謝の念を抱いており、恩に報いるため哲雄の代わりに葬儀の手配を行ったのです。その後、安元は刑事になり、25年ぶりに哲雄と再会する機会を得ます。

その後、かつて哲雄が麻取義辰の遺体を埋めた山で大雨による土砂崩れが発生します。再会時、安元は哲雄の言動に違和感を覚え、哲雄に対して疑いの目を向けるようになりました。

過去のネタバレの最後は、哲雄の祖父に関することです。両親を失った哲雄は、祖父に引き取られることとなります。そこから、寡黙な祖父との2人暮らしが始まりました。哲雄の祖父は年金生活者であり、また体調が悪かったことから「自立するためには強くならなければならない」と哲雄に語っていたそうです。

1年後、その祖父もこの世を去ります。死亡手続きや葬儀など、必要なことは全て哲雄が一人で行い、誰の助けも借りることはありませんでした。哲雄は助成金を受けて高校に通うこともできましたが、自立し強くなりたいという気持ちが勝り、高校中退という道を選択します。アルバイトでお金を貯め、自力で大学へ進学する決意を固めたのです。

ここまで、苗場哲雄が高校を中退し、自ら大学へ進む覚悟を固めるまでの過去の経緯について説明してきました。ここからは、鳥栖哲雄と歌仙との出会いや結婚についてネタバレ解説していきます。20歳になった哲雄は、山岳地帯に位置する群馬県のガソリンスタンドで働き始めます。大学進学のためにお金を貯めるつもりだったのです。

ガソリンスタンドでは比較的暇な仕事が与えられ、哲雄には小説を書いたり勉強をする時間的余裕ができました。そして21歳になったある日、仕事を終えようとしていた哲雄の前に、若く美しい女性が現れます。彼女は名前を鳥栖歌仙といい、外の世界との交流を求めてそれまで住んでいた村を抜け出してきたということでした。

歌仙は、哲雄の働くガソリンスタンドまで山を4つも越えてやってきたということでした。自動販売機やお金についての知識もなく、車がガソリンで動くことも知らないようでした。彼女の住む村には、そうした文明の利器が存在しなかったからです。

また、外部の人間は悪い存在なので接触したり話をしたりしないよう、村の宗教組織にくぎを刺されていました。さらに、村内の学校では、教育は村が作成した教科書や経典に基づいて行われていると歌仙は説明しました。

哲雄は歌仙の話を聞くうちに、彼女の住む村全体がカルト宗教的要素を持っているのではないかと感じます。歌仙は、彼女の父が教祖をしている宗教団体で、オガミメと呼ばれる巫女のような仕事を強制されていたのです。しばらくすると、村の用心棒である鳥栖次郎という男が現れ、歌仙をそのカルト宗教に染まった村へ連れて帰ってしまいました。

哲雄は、歌仙から助けを求めるシグナルを感じ取ります。そこで念入りに村の場所を調べた上で、ついに村への潜入に成功します。村には水道も電気も通っておらず、田畑にはトラクター1台ありません。村人たちは昔ながらの原始的な生活を営んでいました。

村への潜入後、哲雄は歌仙と再会するのですが、その時彼女の体に無数の傷跡が残っているのに気付きます。歌仙は村を逃げ出した罰として暴行を受けていたのです。

歌仙は、自分がオガミメという偽りの仕事に就いていることに嫌悪感を覚えると哲雄に訴えます。さらに、哲雄が進学する予定の大学に自分も行きたいという願望も告げました。しかし、そこに村の用心棒が現れたため、しかたなく哲雄は退散します。哲雄は、歌仙を救おうという思いが単なる自己満足に過ぎず、現実には実行不可能であることを理解していました。

鳥栖哲雄はその後、懸命に働いて資金をため、都内の公立大学に進学します。彼は演劇サークルに所属し、脚本担当として活躍することになりました。アルバイトで入学費用を貯めていた期間が長かったため、哲雄は同級生よりも3歳年上になっていました。

哲雄が3年生に進級した時、演劇サークルの部室に突然鳥栖歌仙が姿を現しました。彼女は「大学卒業後は宗教団体の掟に従う」という条件で4年間だけ自由を手に入れ、哲雄と同じ大学への入学を果たしたのです。そして、彼女もまた演劇サークルで活動することになりました。

歌仙は、幼少期から父親が教祖を務めるカルト宗教の教団で、亡くなった人々の魂が憑依している演技を行ってきました。その成果もあり、彼女の演技は素晴らしいものでした。彼女は素直な性格と美しい容姿を備えており、ますます多くの人々を惹きつける存在となっていきました。

哲雄の卒業が近づいた頃、歌仙は彼に向かって「あの村には戻りたくない」と率直に心情を吐露します。村のカルト宗教に帰依していなかった歌仙は、村の外に出て生活することで村の異常さをより深く理解するようになっていました。さらに、彼女は「哲雄さんと結婚したい」とまで口にします。

一度は歌仙の告白を断る哲雄でしたが、演劇サークルの卒業公演が終わった後、一転して歌仙に「結婚しよう」とプロポーズしました。こうして、哲雄と歌仙は結婚の約束を交わすこととなったのです。

2人が一緒に生活を始めた直後から、ピンポンダッシュや哲雄が働く会社に対する根拠のない抗議電話、さらには部屋へ不法侵入した上、歌仙の父親が教祖を務める宗教団体の経典を置いていくなど、教団からの嫌がらせが始まりました。哲雄と歌仙は夜も寝られないほど追い詰められていきました。

哲雄の我慢は限界に達します。彼は、歌仙を連れて村に結婚の挨拶に向かうことにしました。しかし、歌仙の父で宗教団体教祖の鳥栖郷一郎は、哲雄の話を一切聞く耳を持ちません。それどころか、哲雄は身柄を拘束されてしまいます。さらに、郷一郎は歌仙と哲雄を引き離し、歌仙に再びオガミメの役割をやらせようとしていたのです。

監禁からの脱出に成功し、歌仙と再会した哲雄は、村の信者たちを前にして彼女にある演技をさせることにします。その演技とは、オガミメ（歌仙）と哲雄の結婚がオガミメの責務であり、その結びつきが人類の幸福に繋がること、さらに、オガミメと哲雄が一緒になることで、世界が村の正しさを理解するようになるというものです。

この偽りの芝居により、信者たちに歌仙と哲雄の結婚を受け入れさせようとしたのです。哲雄の演技は功を奏し、信者たちを取り込むことに成功しました。村内には歌仙と哲雄の結婚を認める雰囲気が醸成されていきました。

信者たちの様子を見て、宗教団体の教祖である郷一郎は哲雄と歌仙の結婚を許可することにします。ただし、条件として将来的に歌仙は村に帰り、教団に仕えることが求められました。

哲雄は婿養子になり、自らの姓を鳥栖に変えること、将来的にわたり居住すること、経典を読み教義に従って生きること、そして子供が生まれた場合は村に戻すといった要求が書かれた血判書に署名しました。こうして哲雄と歌仙の結婚が公に認められたのです。

アニメ「マイホームヒーロー」で鳥栖哲雄役を演じた声優の諏訪部順一を紹介します。諏訪部は、1972年3月29日生まれ・東京都出身の声優で、東京俳優生活協同組合（俳協）に所属し活動しています。

最初は映画監督を目指していましたが、やがて様々な仕事を経験した後に声優に転身します。最初はナレーションやDJを中心に活動していましたが、アニメ「テニスの王子様」の跡部景吾役で注目を集め、アニメやゲームにも出演するようになりました。

また、キャラソンの歌唱を担当したことをきっかけに、いくつかのキャラソンの制作に関わったり、自身の音楽プロジェクトを始動させるなど、音楽活動にも積極的に取り組んでいます。

次に、アニメ「マイホームヒーロー」で鳥栖哲雄役を演じた声優・諏訪部順一の主な出演作品や演じたキャラを一覧で紹介します。

テニスの王子様（跡部景吾）
黒子のバスケ（青峰大輝）
バクマン。（福田真太）
僕のヒーローアカデミア（相澤消太）
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風（レオーネ・アバッキオ）
魔法科高校の劣等生（十文字克人）
鬼滅の刃（響凱）
異世界食堂（店主）
文豪ストレイドッグス（織田作之助）
呪術廻戦（両面宿儺）

ここまで漫画「マイホームヒーロー」の鳥栖哲雄特集をお届けしてきましたが、最後に鳥栖哲雄に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、鳥栖哲雄をMARVELのスーパーヒーローと比べるツイートからです。哲雄も同様に悲哀や正義の矛盾を感じさせるそうです。

続いて紹介するのは、殺人を犯した哲雄には暗い未来しかないというツイートからです。ただし、娘の零花次第では、変わることもあり得るとのことです。

最後に紹介するのは、物語初期の哲雄と現在の哲雄のギャップに驚きを隠せない方のツイートからです。声優諏訪部氏の声色もあり、殺人を犯すキャラには思えなかったようです。

ここまで「マイホームヒーローの鳥栖哲雄はどんな主人公？」と題して、マイホームヒーローの主人公鳥栖哲雄に焦点を当て、彼の知られざる過去や妻となる歌仙との出会いや結婚などをネタバレ解説してきました。

鳥栖哲雄（旧姓・苗場哲雄）は、高校1年生の時両親を交通事故で亡くし、祖父に育てられたという過去を持っています。ガソリンスタンドでアルバイト中に、カルト宗教に支配された村から逃げてきた鳥栖歌仙と出会います。大学に進学した哲雄は、そこで歌仙と再会し、2人は婚約しました。歌仙の両親は結婚を認めませんでしたが、村の一部の信者の協力と歌仙の父親の望みを叶えることで、何とか結婚に漕ぎつけました。