2018年09月11日公開
2018年09月11日更新
魔法使いの嫁の原作漫画をネタバレ!アニメ版の最終回やエリアスの正体も考察
生まれつき人ならざるものが見えてしまうヒロインのチセと魔法使いエリアスの物語を描くファンタジー漫画、魔法使いの嫁。マックガーデン社のブレイドコミックで連載される原作漫画は連載時点で話題を呼び、1巻発売初日に重版がかかるほど人気を集めた作品です。その人気を後ろ盾にアニメ化も行われています。今回は魔法使いの嫁の原作コミックをネタバレありで考察し、アニメ版の最終回やエリアスの正体などをネタバレ考察していきます。
目次
魔法使いの嫁の原作漫画をネタバレ考察!アニメの最終回やエリアスの正体とは?
出版社マックガーデンが発売する漫画雑誌ブレイドコミックで連載され、その独特の世界観で単行本発売前から話題を集めた作品が魔法使いの嫁です。原作漫画は発売される度に多数を売上、その売上は会社の株価にまで影響すると言われる程人気作になっています。その人気を裏付けるように、連載が開始された2014年から2015年にかけて発表される漫画賞ランキングにランクインしています。
魔法使いの嫁の大元は作者であるヤマザキコレさんが創作同人誌即売会用に発行した同人作品があり、それがマックガーデンの現在の担当編集の目に止まった事で連載される事になった作品でもあります。連載が開始されると順調に人気を伸ばしアニメ化もされその知名度をさらに高めた作品です。
魔法使いの嫁は人外の存在であるエリアスと人間の少女であるチセの結婚譚であり、またヒロインであるチセの成長物語でもあります。今回は魔法使いの嫁をアニメの元になっている原作漫画も含めてネタバレありで紹介していきます。
魔法使いの嫁の登場人物を紹介!
初めに魔法使いの嫁に登場するエインズワース家で共に暮らす主要なキャラクター4人をネタバレありで紹介していきます。
羽鳥智世(チセ)/種﨑敦美
魔法使いの嫁のタイトルでいう「嫁」に当たる部分で魔法使いの嫁のヒロインがチセです。羽鳥智世という漢字名もあり両親も日本人ですが、赤毛を特徴としています。その秘められた魔法使いとしての潜在能力の一端で、人ではないものを見聞きできる為に他人はもちろん家族からも疎まれて生きてきました。その家族も失い自暴自棄になり自殺しようとした所を声をかけられ闇のオークションの商品としてイギリスに渡ってきます。
自らの意志でオークションの商品となったチセはそのオークションの目玉として売られ、その闇のオークションで出会い、チセを落札したのがエリアスでした。以降魔法使いエリアスの弟子兼嫁としてエリアスの家で生活する事になります。その特異な体質から、能力を制御できるようにならなければ3年程で寿命を迎えてしまうとエリアスに言われており、日常生活を送りながらエリアスに魔法を習っている場面も多数描かれています。
またイギリスに渡ってくる前は父親の蒸発、母の自殺によって天涯孤独の身であり、親戚の中をたらい回しにされていた経歴を持っています。そのような経緯から自己犠牲の精神が強く、妖精などの人外も含めて他者を助ける為なら自らの危険を顧みない性格をしており、周囲から度々注意を受けています。これまでに置かれてきた境遇と物語の中での経験から非常に精神力が強いのも特徴としています。
チセの声優を務めるのが種先敦美さんです。2008年にゲームで声優デビューを果たすと、2012年からはアニメにも進出、実績を積んでいき徐々に主要キャラを演じる機会を増やしていきました。同時に演じるキャラクター名義で歌う機会も多くなっています。「終わりのセラフ」の花依小百合役、「響け!ユーフォニアム」シリーズの鎧塚みぞれ役、「アイドルマスターシンデレラガールズ」の五十嵐響子役などを演じています。
エリアス/竹内良太・木下紗華
魔法使いの嫁の「魔法使い」にあたるのがエリアスです。人間ならざる異形の魔法使いで山羊のようなねじれた角が生えた狼か大型犬の頭骨の頭を備えた姿をしています。魔法使いとして非常に高い実力を有していますが、人間嫌いの引き篭もりであり、世捨て人でもあります。そんなエリアスを元から知っている人はエリアスがチセを引き取った事を不思議に思う程です。
オークションの形式上はチセの所有者ですが嫁にする宣言をしており、チセに魔法を教えてその能力を制御できるようになる為にサポートしています。一方で、チセにはまだ早いと話していない事も多く、一緒に暮らしているチセですらエリアスの事を全て理解しているわけではないという関係を築いています。魔法使いの嫁の物語の半分はエリアスがチセの寿命から救おうとする事を起点として展開されます。
またエリアスにはその長い年齢にも関わらず子供っぽさのような物もあり、チセが事件をきっかけに仲良くなった友人と話す姿に嫉妬心を露わにしたり、チセを傷つけられた際には暴走してしまうような普段の紳士的な振る舞いからは想像できないような姿を見せる事もあります。芯の強いチセを相手にわがままに近い甘えを言うような事もある程で、そのギャップがエリアスの良い所、かわいいとする人も多いです。
アニメにてエリアスの声優を務めるのが竹内良太さんです。2007年に劇場アニメ「ストエンヂア無皇刃譚」にて声優デビューを果たすと以降多くのアニメとゲームに出演しています。魔法使いの嫁以外の出演作は「HEROMAN」のヒーローマン役、「ハイキュー」の牛島若利役、「暗殺教室」のシロ役、「NARUTO」のダルイ役、「ノーゲーム・ノーライフゼロ」のアルトシュ役などが有名です。
またエリアスは魔法によって女性の姿になる事もでき、その際には声も変質させるという設定がある為、女性姿の時だけは木下紗華さんが担当しています。元々は映画の吹き替えを多く担当する声優さんでレイチェル・テイラーさんやクエイステン・スチュワートさんなど担当女優も持っていますが、現在ではアニメにも声を当てる機会が多くなっている声優さんです。
シルキー/遠藤綾
エリアスの家に住まう家事妖精がシルキーです。チセがエリアスの元に来るまでは本来の家事はもちろん、人間嫌いのエリアスに変わって尋ねてくる人間の応対をしたり、エリアスの常備薬を村人に販売する手伝いなども担当していました。妖精ではありますが、人間の姿に非常に似ている反面、常に無口で無表情でいるのが特徴です。
その性質上、物語の本質的な部分に絡んでくる事は少ないですが、日常パートでは大きく活躍し、またチセやエリアスが帰る家を守る存在でもあります。一方でシルキーをエリアスの家に導いた「丘の守人」と文通をしている様子なども描かれています。またそのキャラクター性からカバー裏には「シルキーちゃん日記」というシルキー目線での物語や補足などが描かれるのが単行本のお約束になっています。
アニメにてシルキーの声優を担当したのが遠藤綾さんです。2001年に声優としてデビューすると、2005年に「おくさまは女子高生」にて堀口かすみ役を演じアニメへのレギュラー出演を果たし、2007年の「らきすた」にて高良みゆき役を演じて知名度を高めました。以降「マクロスF」のシェリル役、「アクセルワールド」のフーコ役などを演じている他、引き継ぐ形でミニーマウスの声も担当しています。
ルツ/内山昂輝
チセは魔法使いの嫁の物語の中で多くの人物と出会い、時に助けられ時に助ける関係を築いていますが、そんなチセに救われた存在の1人がルツです。元々はユリシィという名前のただの黒い犬でしたが、主人イザベルが死んでしまった事で墓守犬となっていました。チセにイザベルの面影を感じて自らチセの使い魔として契約を行っています。人間の姿になる事もでき、契約後は普段は犬の姿でいながら必要に応じて人間の姿になっています。
契約して以降、エリアスの家に共に住む事になり、基本的にはチセが出掛ける際には同行してチセを守る事を念頭において行動しています。一方でチセに止められて留守番する事や、チセの寿命の為にアレコレ思案を重ねるエリアスと協力するような場面も描かれ、常にチセを守ろうとする必死な姿はまさに忠犬を絵に描いたようなキャラクターであり人気も高いです。
そんなルツの声優を務めたのが内山昂輝さんです。1993年の声優デビュー以来、アニメ、ゲーム、映画の吹き替え、俳優として実写映画への出演などマルチに活躍しています。声優としては「キングダムハーツシリーズ」のロクサス役、「ソウルイーター」のソウル役、「機動戦士ガンダムUC」のバナージ役、「心が叫びたがってるんだ。」の坂上拓実役、「ハイキュー」の月島蛍役などで知られています。
魔法使いの嫁の原作漫画をネタバレ考察!
出典: https://prcm.jp
ここからは魔法使いの嫁の原作漫画をネタバレありで紹介していきます。魔法使いの嫁の物語はキャラクター紹介でも触れたチセが売られる闇のオークション会場からスタートします。
魔法使いの嫁の1巻のあらすじ
人身売買が行われるその会場の中においてもチセは会場に現れた瞬間に「夜の愛し仔(スレイ・ペガ)」と言う珍しい体質を持っている事から色めき立ちます。チセはそのオークションの目玉商品として売り出されていました。100万ポンドからスタートしたオークションは何人かが数字を上げていきますが、エリアスが一気に500万ポンドにした事で落札します。
エリアスはチセに「自分の弟子にする為に買った」と言ってチセを自らの住む異界に連れていきます。そこは森の中に佇む大きな一軒家でした。そこでチセは身ぐるみを剥がされて風呂にいれられ小奇麗になった上で、温かい食事を振る舞われます。それは元いた世界ではチセが体験した事がない経験でした。その夜、チセは森の奥に住む妖精達に連れ出されます。そして妖精の国に来ないかと誘われるのです。
しかしチセはエリアスの「ここにいていいんだよ」という言葉を思い出しその誘いを断ります。そこにエリアスが迎えにきます。エリアスはチセが連れだされるのを気付きながら敢えて黙ってみていました。エリアスに黙って家を出た事を怒られるのではないかと身構えるチセでしたが、エリアスはチセが自ら誘いを断った事もあってチセの頭を優しく撫でて抱きかかえると、そのまま連れ帰ります。
そして森から帰る中でエリアスはチセを弟子であると同時に将来は嫁にするつもりだと秘めたる思いを伝えるのです。それからエリアスの家でのチセの暮らしが始まります。そしてチセはそれまで知らなかった魔法の世界についての理解を深めていくのです。1巻ではその他、エリアス以外の魔法使いとの出会いや、竜の国、猫の国などを訪れるエピソードが展開されます。
夜の愛し仔(スレイ・ペガ)って何?
1巻の中で大きな謎と言えるのがチセの特異な体質である「夜の愛し仔(スレイ・ペガ)」でしょう。チセはこの体質によってエリアスに見初められる事になるのです。この「夜の愛し仔」は妖精たちには「愛し仔(ロビン)」と呼ばれる存在で、魔力の生産と吸収に極めて長けた存在です。その能力故に常に膨大な魔力を抱えている事から妖精や精霊を惹きつけ魅了してしまいます。
エリアスがチセの余命を「あと3年」というのはこの体質に所以しています。それはこの体質がただ生きているだけで魔力を無尽蔵に生産吸収を繰り返す事により、肉体の方が持たなくなってしまうから多くの者が突然死を迎える為です。ネタバレになりますが、以降の物語の中でチセは時折吐血するようなシーンも描かれるなど、確実に寿命が近付いているようなシーンも見られます。
反面、この体質は魔術師の観点から見れば「膨大な魔力の貯蔵庫」であり、より強力な魔法を使う為に常に狙われる事になります。チセはエリアスが側にいる事でそのような存在から守られていますがそれでも幾度も狙われるような体験をする事になるのです。下記で紹介するようにチセが「夜の愛し仔(スレイ・ペガ)」について知るのもまた魔術師からの誘惑がきっかけでした。
ちなみに「夜の愛し仔(スレイ・ペガ)」だからと言って必ずしも妖精などの人ならざる存在を視認できるわけではなく、多くの者はその存在に気づく事さえできません。なので、「夜の愛し仔(スレイ・ペガ)」であり同時に妖精や精霊をはっきりと視認する事ができるチセは非常にレアな存在です。その為、「夜の愛し仔(スレイ・ペガ)」の中でもさらにその狙われやすさが高まっていると言えます。
魔法使いの嫁の2巻のあらすじ
2巻では、まだまだ魔法について知らないチセに自身が呼ばれる「夜の愛し仔(スレイ・ペガ)」の上記で紹介した意味、魔法使いと根本的な考え方の違いから魔法使いが毛嫌いする魔術師の登場、そして最終的にアニメ版、及び原作漫画1部のラスボスとなるカルタフィスが登場します。
チセに「夜の愛し仔(スレイ・ペガ)」の意味を教えたのは、チセを捕えにきた魔術師とその仲間です。魔術師はチセを従わせようと、「夜の愛し仔(スレイ・ペガ)」の意味を教えた上で、それをチセに伝えないエリアスから逃げようと誘惑するのです。しかしチセはその意味を知った上で尚、迷いの無い目で「私はあのヒトのものです」と告げて魔術師達から逃げ出します。
チセが自分の意志を示し、エリアスの元に戻る様子に魔術師はチセを諦めます。エリアスの元に戻ったチセは、エリアスから魔法を習い始め、さらには魔力の生産を抑える指輪をエリアスの旧友であるアンジェリカに作ってもらうなどしてその能力の制御を始めながらも穏やかな日々を送り始めます。
そんな折、エリアスは魔法使いを管理している教会から闇オークションに参加してチセを買ったペナルティとして1つの調査を行う事になります。教会に束縛される事はしたくないとするエリアスですが、教会と揉める方が面倒だからと渋々調査に出向きます。そしてこの調査で後々相対する事になる存在、カルタフィスと出会う事になるのです。
魔法使いと魔術師の違い
多くの創作物でしばし混同される「魔法使い」と「魔術師」ですが魔法使いの嫁においてはこの両者の存在は明確に区別されています。魔法使いは妖精や精霊などの人ならざる存在の力を借りて世界の理に干渉して奇跡を起こす者、魔術師は魔術というある種の科学を使って疑似的に魔法に近い結果を生む者であるとされています。
結果としては似た現象を生む事になる魔法使いと魔術師ですが、その過程の違いは大きいです。魔法使いは他者との協力が必須であり、当然そこには失敗のリスクを孕んでいます。同時に先天的な能力でもあり、その分通常の人より長い寿命を持っています。魔術師は自力でこれらを起こす存在であり、当然複数人の力を必須とする魔法使いによる魔法よりは微々たる力ですが、その分を道具を使うなどして補っています。
魔法使いの嫁の3巻のあらすじ
3巻はほぼ全編に渡って、2巻最後で展開された教会からの調査を起点として物語が展開されます。その調査は「黒い犬」と呼ばれる物の調査でした。調査地の教会を訪れたエリアスとチセはそこで黒い犬のユルシィと出会います。しかしユルシィはまだ自分が死んでしまい、「墓守犬(チャーチ・グリム)」と言われる妖精になっている事を認識できずにいました。
そしてチセはユルシィの過去の記憶の中に迷い込みます。ユルシィは飼い主であり幼くして亡くなったイザベルを「妹」と思っており、同時にイザベルはまだ眠っているだけでいつか目を覚ますと信じていました。そして目を覚ました時に1人とかわいそうだからとずっと墓を守る事を決め、そのまま死んでしまって「墓守犬」になったのでした。そしてチセがイザベルに似ている事も判明します。
カルタフィスによってチセが襲われ、涙を流していたユルシィ。チセは目を覚ますと、ユルシィをあやします。そして自身が妖精になった事を認識し、ユルシィはチセから「ルツ」という名前を貰って自らチセを守る使い魔として契約する事を望むのです。一方、カルタフィスによってチセを襲われた事でエリアスは怒り狂ってカルタフィスに激しく攻撃していました。
カルタフィスもまたその名を呼ばれた事でエリアスに襲いかかろうとしますがチセが間に入ってそれを止めます。しかしチセもまたカルタフィスがチセがこれまで関わった人に対しての所業に対して怒りをあらわにして魔力を解放してしまいます。
魔法使いの嫁に登場する妖精達
魔法使いの嫁には数々の妖精が登場します。通常は人には見る事も感じる事もできない存在です。魔法使い達は彼らと仲良くする事で力を借りて魔法を行使しています。一方で一口に妖精と言ってもその見た目や能力には大きな違いがあります。3巻で本格的に登場し、チセと契約したユルシィことルツもチセと出会った時点では「墓守犬」と分類される妖精の一種でした。
その他にもエリアスの家で家事をするシルキーは家事妖精(ブラウニー)と呼ばれる他、風の妖精であるエアリアルやアンジェリカの使い魔としてヒューゴなどが登場しています。かれら妖精達は、その活動の源でもある魔力を与える代わりにいう事を聞く「使い魔契約」を魔法使いと行う事ができます。
魔法使いの嫁のアニメとは?
魔法使いの嫁は2017年10月から2018年3月に2クールのアニメとして放送されました。アニメ化にあたってまだ完結していない状態の魔法使いの嫁がどのように展開されるのかに関心が集まりましたが、原作者であるヤマザキコレさんが、アニメ化に先立って先行でネームを用意する事で、アニメオリジナルの展開ではなくアニメが漫画を追いこす形で原作通りに進んでいくという手法が取られました。
元々日常的な描写や建物や自然の描き方で人気を集めた側面も強い魔法使いの嫁の原作漫画のアニメ化という事もあり、アニメ化の発表の際にはアニメでどこまで再現されるのかに注目が集まりました。実際のアニメはその期待に答えるようにエピソードなどのカットや省略はされつつも概ね原作通りに展開し、その絵にも力が入れられていた他、上記のように中途半端な状態だった原作を見事に利用しています。
一部にはその手法から「原作の先を描くぐらいならオリジナルストーリーの方が良かった」と原作の楽しみがなくなるという声もありましたが、その声を跳ね返すように人気を得て、アニメから魔法使いの嫁を知って好きになったという人を多く生む成功を収めています。
魔法使いの嫁の原作漫画のアニメ最終回をネタバレ紹介!
魔法使いの嫁は現在も連載中ですが上記のようにアニメが原作漫画を追いこす手法を取った事もあって、物語がそこで一旦の完結を迎えています。現在の連載は第2章のような形で「学院編」が展開されているのです。つまりアニメの最終回はそのまま原作漫画の第1部と同じストーリーが展開されています。
そしてアニメの最終回にてチセはカルタフィルスとロンドンにて対峙する事になります。カルタフィルスを止めたいチセと自分が一番苦しいという顔をしているチセが嫌いなカルタフィルス。話し合いでは解決するはずがありませんでした。ルツやエリアス、そしてエアリアルの力も借りてカルタフィスを追い詰めます。チセはカルタフィスを眠らせようと呪文を唱えますが、チセの目を持つカルタフィスにはその魔法は利きませんでした。
そしてカルタフィスはチセの身体を貫きます。しかしそれはチセの狙い通りでした。チセは自身の身体に突き刺さったカルタフィスの腕を捕まえて拘束、カルタフィスの右目に収められた自身の目をルツに抜かせます。そしてチセとカルタフィスはチセがエリアスに事前にお願いした茨により縛られてしまいます。そしてチセはカルタフィスの思いを受け止めるように子守唄を歌ってカルタフィスを眠らせます。
なんとかカルタフィスを止める事には成功するチセですが、当然身体を貫かれたダメージは大きいものでした。チセはエリアスに抱きかかえられて運ばれていきます。そしてチセは不死の呪いにかけられたカタルフィスの一部を受け入れた事で竜にかけられた呪いを折り合い、生かされ続け殺され続ける状態となります。いつかは死ぬけどそれは今じゃない、まさに普通の人間と同じ状態になるのです。
目を覚ますとチセはエリアスと暮らすいつもの家に戻っていました。そしていつもの日常に戻っていくのです。チセはこれまでの物語の中で知り合い交流を深めたアンジェリカにお願いをしていた指輪を用意してもらいそれを受け取りに向かいます。そこでアンジェリカからベールを、さらに同じように仲良くなったステラからドレスを貰い、そのドレスとベールを纏ってエリアスに指輪を渡すのです。
魔法使いの嫁のエリアスの正体とは?
魔法使いの嫁には現実に近いながらもファンタジー世界である為、妖精や魔法使いなど様々な不思議な存在が登場します。その中でもダントツで不思議な存在がエリアスでしょう。その容姿はもちろん、作中で登場する中でも「影の茨(ソーン)」「裂き喰らう城(ピルム・ムーリアス)」「肉の殻を持つ者」「骨頭」「影の棘」「茨の魔法使い」「半端者」など様々な呼び名で呼ばれています。
エリアスの本質は「影」だと言われており、影に潜んで移動する事、また影を攻撃手段とする事もできます。またエリアスは普段の姿以外にも多くの姿を持っており、人間の姿になる事も可能です。それは見た目だけでなく、身長などの変更も可能です。作中でも屈指の魔法使いであるのは間違いありませんが、その正体についてはまだ不明点が多くなっています。
出典: https://festy.jp
エリアスは少なくとも300年の時を生きています。空腹で森を彷徨っている所を後の魔法使いの師匠となるリンデルに保護されたのが現在のエリアスの起源になっています。この時エリアスは自身の記憶の一切を失っていました。エリアスの人格や魔法使いとしての力はこれ以降に形成、習得した物です。なのでエリアス自身も自身が何者であるのかを知りません。
一方で魔法使いの嫁の世界にはエリアス同様何百年にも渡って生きている存在は複数登場しています。アニメ最終回のあらすじで名前がでたカルタフィスや、妖精の王オベロン、エリアスの師匠であるリンデルなどが該当し、カルタフィスやオベロンはエリアスよりも長く生きているような描写やエリアスが元々どのような存在だったかを知っているようなセリフが見られます。
呼ばれ方の中でも気になるのが「半端者」です。これはエリアスが妖精でも人間でもない曖昧な存在である事を示していますが、これは「妖精になれなかった人間」或いは「人間になれなかった妖精」のような意味合いが込められているのではないでしょうか。可能性としては「人間になれなかった妖精」である可能性が高いですが、エリアスの正体については今後原作漫画で語られるまでは考察を続けるしかありません。
ちなみに一部ではエリアスの正体は金髪のイケメンな人間では?と言われていますが、この姿はエリアスが変身した姿の1つでしかありません。この変身は師匠であるリンデルや教会のエリアスの監視役として10年来の腐れ縁であるサイモンをモデルにしている為そのような容姿になっています。エリアス自身が「再現した」と口にしている事から、実はこの姿が本当の姿という事もありません。
魔法使いの嫁の映画「星を待つ人」も要チェック!
原作の人気を受けてメディアミックス展開される魔法使いの嫁ですが、最初に「魔法使いの嫁星待つひと」とうタイトルで2016年にOVA化されています。このOVAでは原作では説明するだけに留まっているチセがエリアスに買われるよりも前、日本で出会った魔法使いとのエピソードが中心に描かれる完全オリジナルストーリーになっていました。
このOVAは映画として前中後編に分けて段階的に公開された後、原作漫画の単行本6巻~8巻にそれぞれ特装版といで収録される形で封入されました。このOVAはアニメ化に先立って行われたものであり、原作にはなりオリジナルストーリーながら作者のヤマザキコレさんがしっかり監修を務めた他、それぞれのキャラクターを演じる声優さんもアニメと同じ声優さんが担当しています。
内容的には原作漫画、及びアニメの第1話よりも前を描くいわゆる前日譚ですが、チセの過去をより掘り下げる内容なので、チセを始めとして魔法使いの嫁の世界観を知っている方がより楽しめる内容になっています。アニメを最終回まで見て魔法使いの嫁の世界観が気に入った人はぜひ視聴する事をおすすめします。
魔法使いの嫁の原作漫画のネタバレ考察まとめ!
今回は魔法使いの嫁を原作漫画、アニメとネタバレで考察していきました。魔法使いの嫁はしっかりと作り込まれたストーリーや世界観設定はもちろん、その美しいとさえ言われるタッチの絵柄でも人気の作品です。説明しなければならない事はきちんと説明しつつ、読者に考えさせるような謎を潜ませてもいます。やはり大きな謎と言えるのはエリアスの正体でしょう。
魔法使いの嫁の魅力はやはりその絵が最も強いですが、それぞれのキャラクターも非常に個性的です。チセやエリアス、ルツはもちろん、とある事件で登場したモブキャラのような存在が後々まで登場するなど、1人1人のキャラクターを大切に扱われている漫画でもあります。
魔法使いの嫁は2018年9月現在も連載中の作品であり、現在は追い越す形になったアニメに原作漫画も追いつき、追いこして第2章が展開されています。アニメをきっかけに魔法使いの嫁を知った人もまだまだ魔法使いの嫁の世界観を楽しむ事ができます。アニメも魔法使いの嫁の綺麗な描写をしっかりと描いているので、まだ視聴した事がないという人は、アニメから魔法使いの嫁の世界に触れてみてはいかがでしょうか?