2018年09月10日公開
2018年09月10日更新
秒速5センチメートルのネタバレ感想!鬱と言われる結末の評価は?【新海誠監督】
『秒速5センチメートル』は2007年に公開された新海誠監督によるアニメーション映画です。2016年に公開された『君の名は。』のヒットにより、その名が広く知れ渡った新海誠監督ですが、『秒速5センチメートル』もまた新海誠監督の代表作と言える作品です。観る人によって評価や感想が大きく異なり、その結末には賛否両論あることでも有名な作品です。そんな『秒速5センチメートル』について、感想や結末の評価を、ストーリーのネタバレと併せてご紹介します。
目次
秒速5センチメートルの感想をネタバレ!鬱と評価される結末とは?
『秒速5センチメートル』と言えば「鬱」という言葉を連想する人も多いのではないでしょうか。同じ新海誠作品である『君の名は。』を観た人の中には、「秒速5センチメートルのように鬱な展開じゃなくて良かった」という感想を持つ人もいるようです。
君の名は。久しぶりに観て、やっぱり良い作品だなって思うけどCM邪魔よね。
— 雷人 (@light0927) January 3, 2018
とりあえずぼくは秒速5センチメートルを昔観てたので、劇場で君の名は。を観たときは絶対鬱エンドだろうなって思ってました。
ハッピーエンドでよかったなぁ。
「切ない」「鬱になる」といった感想の多い『秒速5センチメートル』ですが、「風景が綺麗で感動する」という声も多く、新海誠監督が演出する独特の世界観が印象深い作品となっています。この記事では、そんな『秒速5センチメートル』のあらすじや、観た人の評価、感想についてネタバレを含めてご紹介していきます。
秒速5センチメートルとは?
『秒速5センチメートル』は、主人公である「貴樹(たかき)」が子供から大人になるまでの過程を描いた作品です。小学校の同級生だった「明里(あかり)」との別れを経て、少しずつ成長していく中でも、過去と決別することの出来ない貴樹の心情が切ない物語となっています。
「鬱になる」という感想が多いことで有名な『秒速5センチメートル』ですが、風景や音楽については高い評価を受けており、新海誠監督の持つ独特の世界観に感動したという声も少なくありません。
秒速5センチメートルはとても切ないけど決してバッドエンドではないし終わり方は好き、うんかなり好き
— ⓝ (@mCgk_2sk_) January 1, 2018
『秒速5センチメートル』を観て「鬱になる」という感想を持つ人が多いですが、その大きな理由はハッピーエンドではない結末にあるようです。しかし、観る人によってはその評価や感想は異なり、必ずしもその結末がバッドエンドとは言い切れないようです。
秒速5センチメートルのあらすじをネタバレ!
『秒速5センチメートル』は、「桜花抄(おうかしょう)」、「コスモナウト」、「秒速5センチメートル」の3つのストーリーから構成されています。
小学校、中学時代の「桜花抄」から始まり、「コスモナウト」は高校時代、そして社会人になった後の「秒速5センチメートル」まで、『秒速5センチメートル』のあらすじをネタバレを含めてご紹介します。
桜花抄
「桜花抄」は、貴樹と明里が出会った小学生時代から、卒業と同時に引っ越してしまった明里へ会いに行く中学生時代までのストーリーが描かれています。まだ幼い二人の不安や心細さ、雪のように真っ白く純粋な心情を描いた「桜花抄」のあらすじをネタバレありでご紹介します。
主人公の貴樹は東京の小学校で、自分と同じように転校してきた明里と出会い、共通点のあった二人はすぐに仲の良い関係になります。貴樹は、桜の花びらが舞い落ちる速度が秒速5センチであることを明里から聞きます。
仲の良い二人でしたが、明里は親の転勤により、小学校の卒業と同時に栃木へと引っ越すことになります。小学校を卒業し半年が経った頃、貴樹のもとへ明里から手紙が届きます。それをきっかけに、二人は手紙のやりとりを始めました。
中学校に入学し、一年の三学期が終わる頃、貴樹もまた親の転勤によって鹿児島へと引っ越すことになります。これまで、離れていても会おうと思えば簡単に会えると考えていた二人ですが、貴樹が鹿児島へ引っ越すことが決まり、二人の距離はそう簡単には会えないほど離れてしまうことになりました。
貴樹が鹿児島へ引っ越す前に、二人は明里の住む栃木で再会することを約束しました。待ち合わせの場所は岩舟駅の待合室。貴樹は路線図を調べ、電車に乗ります。その日は、昼過ぎからずっと雪が降り続いていました。
雪の影響で電車が途中で止まり、やがて約束の時間が過ぎてしまいます。すっかり暗くなり冬の寒さで空気が凍てつく中、貴樹は不安に苛まれながら、待ち合わせの駅へと向かいます。
凍える寒さの中、明里は貴樹をずっと待っていました。再会の嬉しさや安堵から、明里は涙を流します。やがて二人は一本の桜の木のもとへ向かい、花びらのように雪が舞い落ちる中、初めてキスをします。翌日、貴樹と明里は駅のホームで別れの言葉を交わしました。
ここまでが第一話「桜花抄」のあらすじになります。まだ幼かった二人の純粋な思いや、不安な気持ちが克明に描かれていて、どこか心細い二人の心情が印象的です。鹿児島へ引っ越すことになった貴樹ですが、ここからどのような道を歩んでいくのか、話は第二話「コスモナウト」へ続きます。
コスモナウト
「コスモナウト」では貴樹が高校生になってからのストーリーが描かれています。鹿児島へ引っ越し、高校生活を送る貴樹でしたが、その心にはまだ明里の存在が残り続けていました。ここからは『秒速5センチメートル』の「コスモナウト」を、ネタバレを含めてご紹介していきます。
鹿児島に引っ越した貴樹は、種子島にある高校に入学し、弓道部に入部していました。そんな中、同じ高校に通う「花苗(かなえ)」は貴樹に想いを寄せていました。花苗は、中学二年生のときに転校してきた貴樹に一目惚れし、貴樹と同じ高校へ入学しましたが、ずっと気持ちを告げられずにいました。
ある日、貴樹と花苗が一緒に帰る途中、ロケットを載せた輸送車が二人の前を通り過ぎます。輸送車は、打ち上げ場の近くではスピードを落としてゆっくりと運転されていました。花苗は、その速度が時速5キロであることを話します。貴樹は小学校を卒業した日、その帰り道で明里が呟いた言葉を思い出していました。
貴樹と話をするうちに、自分の出来ることを一つ一つやっていこうと決めた花苗は、少しずつ自信をつけていきます。趣味のサーフィンで久しぶりに波に乗ることが出来た花苗は、とうとう貴樹に告白することを決意します。
その日、花苗が通学に使うバイクが故障し、花苗と貴樹は歩いて帰ることになります。貴樹に気持ちを告げようと決めていた花苗でしたが、貴樹の心が自分には向いていないことに気付き、泣きだしてしまいます。二人の後ろから空高く打ち上げられたロケットを見て、貴樹が自分ではないどこか遠くを見ていることに気付き、花苗は自分の願いが叶うことはないのだと、その想いをそっと胸の奥にしまったのでした。
ここまで、第二話「コスモナウト」のあらすじをネタバレありでご紹介しました。「コスモナウト」では主に花苗の視点で物語が描かれており、貴樹に対する一途な気持ちが切なく、印象的です。一方で貴樹はまだ明里のことを忘れることが出来ません。次は物語の結末である第三話「秒速5センチメートル」のあらすじを解説していきます。
秒速5センチメートル
3つに分けられた最後の章である「秒速5センチメートル」は、貴樹が社会人になった後のストーリーが描かれています。ここからは物語の結末まで、ネタバレを含めてご紹介していきます。
社会人になった貴樹は、東京で働いていました。貴樹は東京へ来てから3年間付き合った理沙という女性に、「心は1センチくらいしか近づけませんでした」と、別れを告げられます。貴樹は具体的な未来のビジョンも無く、東京でがむしゃらに働いてきた結果、ある日限界を感じ、今では自宅で仕事をするようになっていました。
一方、明里もまた社会人となり、貴樹と同じように東京で暮らしていました。しかし、明里には既に婚約相手がいて、新しい生活を送っていました。大人になった二人は、気付けば全く違う道を歩いていました。
ある日、貴樹は踏み切りですれ違った女性に、明里の面影を見ます。貴樹が振り返ると、その女性もまた貴樹の方へ振り向こうとします。その瞬間、電車が二人の間を遮り、貴樹はしばらく立ち止まります。電車が通り過ぎた後、そこにはもう女性の姿はありませんでした。それを見た貴樹は少しだけ微笑んだ後、再び前を向き、歩き出します。
以上が第三話「秒速5センチメートル」のあらすじになります。ここまで、『秒速5センチメートル』のあらすじをネタバレありでご紹介してきました。とくに、物語の結末である第三話は観る人によって賛否が分かれる内容となっています。ここからは物語の結末について、より具体的に解説していきます。
秒速5センチメートルの鬱な結末をネタバレ!
評価が高いながらも、その結末が「鬱になる」と話題の秒速5センチメートルですが、具体的にどのような結末だったのか、また何故「鬱になる」という感想が多いのか、ネタバレを含めて解説していきます。
大人になった貴樹の空っぽな生活
「秒速5センチメートル」では社会人になった貴樹の姿が描かれますが、大人になった貴樹の生活は空っぽとも言えるものでした。東京へ出てがむしゃらに働くも、結局は会社を辞め、三年間付き合った恋人とも上手くいくことはありませんでした。理想とは程遠いような現在の描写にも、鬱を感じる要素があるのかもしれません。
一方で明里には婚約者がおり、すでに幸せな家庭を築こうとしています。貴樹の現在とは対照的で、より一層貴樹の現在が荒廃しているように見えます。第三話「秒速5センチメートル」では、この二人の対比が克明に描かれており、貴樹の気持ちを思うと「つらい」と感じる人も多いようです。
明里の姿を見るも…
踏み切りですれ違った女性を明里かもしれないと思った貴樹は、その姿を確認するために振り返ります。しかし、タイミング悪く電車が通り、女性の顔を確認することが出来ません。結局、電車が通り過ぎた後に女性の姿は消えてしまい、最後まで二人が結ばれることはありません。
青春恋愛ものと言えば、大体の人は運命的なハッピーエンドを思い浮かべるのではないでしょうか。色々なことがあり、遠回りしたけれど最後には結ばれる、そんな展開こそが多くの人が思い浮かべるハッピーエンドであり、期待していた結末と言えるでしょう。
ところが『秒速5センチメートル』は奇跡や運命といったものを感じられる結末ではなく、とても現実的な結末でした。人生は思ったようにはいかない、現実はそんなに甘くはない、そんなことをこの結末から感じ、「鬱になる」という感想を持つ人が多いのではないでしょうか。
秒速5センチメートルの感想と評価を紹介!
『秒速5センチメートル』は観た人によってその評価や感想が大きく分かれる作品です。とくに「鬱になる」という感想は多く、そのため、この作品を低く評価する人も少なくありません。ここからは「秒速5センチメートル」の感想と評価について、ネタバレありでご紹介します。
美しい風景が切ない
『秒速5センチメートル』といえば桜の風景をイメージする人も多いのではないでしょうか。小学生だった貴樹と明里が、舞い落ちる桜の花びらを眺めているシーンや、大人になった貴樹が、踏み切りですれ違った女性に明里の面影を見たシーンでは、一面に広がる桜色が時間の流れや貴樹の心情とは関係なく美しく、その対比が切ない感情をより引き立たせています。
また「桜花抄」では、貴樹が明里に会いに行く道中、真っ白な雪の中を電車が走ります。雪の影響で電車が遅れ、貴樹の中にも不安な気持ちが積もっていきます。殺風景な雪景色と、そこを走る電車の風景が、貴樹の孤独感をより強調させています。
「コスモナウト」では、種子島の風景がとても綺麗で印象に残ります。貴樹に告白することを決意した花苗が、貴樹の気持ちに気付いて涙を流したシーンでは、澄んだ空を遥か彼方へと飛んでいくロケットが、まるで貴樹の心を映しているようで、花苗の切ない心境がより強く伝わってきます。
『秒速5センチメートル』では、このように風景の描写に人物の心情が溶け込んでいることで、切なさや儚さといった感覚が強く印象に残るのではないでしょうか。そんな「切ない」という気持ちが、「鬱になる」という感想に繋がっているのかもしれません。
切ない!花苗の気持ちに共感するという感想も
中学生の時に転校してきた貴樹のことを好きになった花苗は、貴樹と同じ高校に入学し、その後も貴樹と一緒に下校したりと、一途な想いを持ち続けます。しかし、貴樹の気持ちが自分に向いていないということを感じた花苗は、結局想いを告げることが出来ませんでした。
「コスモナウト」の花苗の気持ちがあまりに切ない。でもこれも現実社会ではリアルによくあること。それだからこそ心に染みる。#秒速5センチメートル #コスモナウト
— カシス💭💘 (@Cassius_WK46) November 4, 2017
花苗のように失恋したことがあり、花苗の気持ちが痛いほど分かるという人もいるのではないでしょうか。現実味のある花苗と貴樹のエピソードに共感し、切ないと感じる人も多いようです。
登場人物が誰一人報われない
秒速5センチメートル観た!なにこれ哀しい (;_;)報われない(;_;)
— NAKAKO (@catseye828) June 16, 2013
『秒速5センチメートル』を観て「報われない」という感想を持つ人が多いようです。主人公である貴樹は、明里のことをずっと忘れられないでいますが、結局二人が結ばれることはありません。
秒速5センチメートル見た!なにこの誰も報われない感じ!病む!!!わたしはハッピーエンドが好き!
— shan (@shanwk) April 5, 2014
また、「コスモナウト」では花苗が貴樹に告白を決意するも、貴樹の気持ちに気付いて身を引きます。花苗と貴樹が結ばれるということはなく、恋が実らないという意味では花苗もまた報われない結果になりました。
理沙は貴樹が社会人になってから3年程付き合った女性ですが、貴樹のことを今でも好きだと言いながら、「1000回もメールをして心は1センチくらいしか近づけなかった」と、別れを告げました。近くにいるようで、心はずっと遠くにあった二人。どんなに近い場所にいても、本当の意味で心が通い合っていないのであれば、幸せとは言えないのかもしれません。
切ない曲が印象的
新海監督の秒速5センチメートルを見た。
— 山口美智代@Michiyo Trio (@michiyotrio) March 3, 2017
君の名は。ほど惹かれなかったけど、やっぱり絵の綺麗さは素晴らしかった。
あとピアノのBGMが切なすぎてそっちで泣きそうだった。
『秒速5センチメートル』ではピアノの音楽がどこか物悲しい雰囲気を演出しています。ピアノの音色が美しい風景をより鮮やかに見せ、その世界観に感動するという人が多いようです。
映画 秒速5センチメートル
— 岡田良 (@8yLwG1YRoodGvlh) August 22, 2016
山崎まさよしのonemorechanceが失恋時、耳に残った曲という事もあり、既に数回視聴しているがこの歳にもなって、切ないが心に残る作品
バッドエンドと言うと安っぽいけど、終わり方もいい。
『秒速5センチメートル』では主題歌に山崎まさよしの「One more time, One more chance」が使われていますが、この曲の歌詞が切ないという感想も多く見られます。叶わなかった恋の切なさや後悔と、それを偲びながらも前へ進むしかないという歌詞に、共感出来る人も多いのではないでしょうか。
立ち止まったままの貴樹がつらい
物語が進むにつれて、中学生、高校生、そして社会人へと貴樹は成長していきます。しかし、前へ進んでいるはずの貴樹の時間は、明里と再会したあの日からずっと止まっていたのかもしれません。
貴樹は最後まで明里のことを忘れることが出来ません。「コスモナウト」は花苗の視点で話が進んでいきますが、この間も貴樹はずっと過去に捕われています。時間は流れ、様々な出会いと別れを繰り返していく中、貴樹だけがずっと過去の世界に縛られており、そんな貴樹の姿を見て「つらい」と感じる人も多いようです。
「鬱になる」という感想の多くはその結末から?
『秒速5センチメートル』を低く評価する人の多くは、結末がハッピーエンドではないということを理由にあげています。貴樹と明里が最後まで結ばれないということが、ハッピーエンドとは思えない最大の理由でしょう。
君の名は。がとても良かったから秒速5センチメートルを観たけどありえんバッドエンドじゃないか…男と女って普通はこうだよなってのを突きつけられた感じだ…
— のえる (@bonobono_0624) August 27, 2016
さらに、明里は別の人と結婚し、貴樹のことを気にしている様子はありません。一途な気持ちが叶うことはなく、報われないという印象を持つ人が多いようです。遠回りしても最後には結ばれて欲しい、という思いで『秒速5センチメートル』を観て、その結末にがっかりした人も多いようです。
秒速5センチメートルを初めて見たんだけど
— まみ@ロマポルにドリフェスにラルクリにディズニー (@81Wh0am1) September 15, 2016
見終わったあと携帯放り出して叫びたい衝動にかられる
ハッピーエンドで終わらない話はひたすらに悲しくなる
作り話ぐらい幸せになってほしい
アニメや映画に求めるものは人それぞれではありますが、登場人物に自分を重ねたり、現実とは違った理想を求める人も多いでしょう。物語の中でくらい、幸せな結末になって欲しいと思う人も少なくないようです。
男女で感想が違う?
貴樹くんは大人になっても、ズルズルと初恋の明里ちゃんを想い続けている。そして、何処かで逢えるだろうと心の中では期待している。対して明か里ちゃんは貴樹くんが好きだが、他の誰かと結婚を決意する位には吹っ切れている。男女の違い #秒速5センチメートル
— 小鳥@アニメ実況垢 (@kotori_cyunpiyo) March 17, 2017
貴樹はずっと明里のことを想い続けていますが、一方の明里は貴樹のことを懐かしく思うくらいで、ずっと引きずっている様子はありません。それどころか、明里には結婚相手がいました。貴樹と明里のそれぞれの結末について、男と女の過去に対する考え方の違い、と捉える人もいるようです。
秒速5センチメートルって話の前後だけ見ると遠野は「何人かとそれなりに付き合ってはみたけどやっぱり明里じゃなきゃ駄目なんだな…」みたいな感じだけど、そんな一方で明里はかまととぶってたくせに良い男見つけて結婚。「いや〜私も若かったわ〜」みたいな思い出にしてて、なんか切なくなる。
— リュウメイ (@DRG69_) January 4, 2014
また、『秒速5センチメートル』を観た人の感想についても、男女によって差があるという人もいるようです。
秒速5センチメートルの登場人物への感じ方は男女で見事に分かれる。男は明里の結婚に違和感を抱くが、女は貴樹に初恋をひきずるなよと言う。 @hayakogoto
— Ryosuke TAKEUCHI (@ryosuketakeuchi) November 22, 2011
男性は貴樹の目線で考え、明里の結婚にショックを受ける人も多いですが、一方で女性の目線では、いつまでも過去を引きずっているのはおかしい、という声も多く、少なからず男女で評価や感想に違いがあるようです。
『秒速5センチメートル』はバッドエンドではないという感想も
秒速5センチメートルは初見だとバッドエンドで吐きそうになるくらい数日欝になってたんだけど歳重ねて何回も見る事に印象が変わってくすげぇアニメだと思う
— ︎シノグ@北の大地へ (@ShiNoGu_3539) January 1, 2018
ここまで『秒速5センチメートル』の評価や感想として、「鬱になる」「バッドエンドがつらい」といったものをご紹介してきましたが、ここからは「秒速5センチメートルはバッドエンドではない」という感想をご紹介します。二回目、三回目と作品を繰り返し観てみると、違う感想を持ったという人も多いようです。
仕事からさっき帰って 出勤前に途中まで見ていた「秒速5センチメートル」を今見終わった 最後の主人公の顔を見るとバッドエンドには見えないんだけどなー
— katana (@gunkatanaman) November 3, 2010
「秒速5センチメートル」の最後、明里と似た女性とすれ違った貴樹は、振り返ってその姿を確認しようとしますが、電車に遮られてしまい女性の姿を見失います。その後、再び前を向き歩きだす貴樹ですが、その表情は何かに納得したような、清々しさがありました。
明里だったかもしれない女性の姿を見失い、改めて二人が同じ道を歩むことはもう無いのだということを理解した貴樹は、その現実を受け止めて前へ進みます。
秒速5センチメートルのラストは、あの時踏切の向こうに明里が居なくて良かったんだと思う。
— 舞@君の名は。⛩ (@yourname21_kasr) March 29, 2018
もし居たら駄目だったと思う。
貴樹のあのそうだよな、って感じの表情から、そう思った。
過去を捨てることは簡単ではないですが、過去と向き合うことも簡単ではありません。貴樹の中で長い間止まっていた時間が再び動き出したような、そんなラストシーンなのかもしれません。
本当の幸せとは?観る人によって大きく変わる感想
『秒速5センチメートル』の結末は、明里だけが婚約相手がいて、貴樹やその他の登場人物は結局好きだった人と結ばれることはなく、幸せにはなれなかったという風にも捉えられます。貴樹がもっと行動していれば何か変わっていたかもしれない、花苗が貴樹に告白していたら違う未来があったかもしれない、と考える人もいるようです。
飛ぶ鳥を焼き殺す勢いの新海誠の映画「秒速5センチメートル 」みやした。
— ヤマネ (@silent_is_yaman) September 22, 2016
思い出を思い出として閉まって行動しやんかったら幸せになんか なられへんって現実的な映画やった
一方で、貴樹と理沙の関係が結局うまくいかなったように、やみくもに行動したとしても良い結果になるとも限りません。貴樹は明里と結ばれることはありませんでしたが、だからこそ一途で真っ直ぐな気持ちを知ることが出来ました。これからの貴樹の人生にとって、それは幸せなことなのかもしれません。
『秒速5センチメートル』っていう作品を観た。久しぶりに涙を流した。とっても良かった。
— いなふきん (@tikutaku613) November 22, 2017
山崎まさよしの歌う主題歌、もう20年も前の歌なのか。当時大好きでずっと聴いてた。
あの頃好きだった子は、今頃どうしているんだろう。幸せにしているのかな。。
歳を重ねていけば、誰しも出会いと別れを経験します。懐かしい人の姿を思い出し、その人の今を想像しながら、人は前へ進んでいきます。『秒速5センチメートル』は観る人の歩んできた人生によって、大きく見方が変わる作品と言えるのではないでしょうか。
秒速5センチメートルのネタバレ情報まとめ
いかがでしたでしょうか?ここまで、『秒速5センチメートル』の評価や感想について、ネタバレを含めてご紹介してきました。「鬱になる」といった感想が多い『秒速5センチメートル』ですが、「風景が綺麗で感動する」というような感想も多く見られました。
久しぶりにもう一度観てみたら印象が変わったという声もあり、観る人によっては前向きな作品と捉えることも出来るようです。一度観て「鬱」という印象を受けた方も、もう一度この作品を観るとなにか別の発見があるかもしれません。バッドエンドと聞いて観るのをためらっていた方も、公開から長い時間が経った今だからこそ、『秒速5センチメートル』を観てみませんか?