【イエスタデイをうたって】あらすじをネタバレ解説!登場人物や感想も紹介

漫画「イエスタデイをうたって」は、すれ違う男女の恋模様を描いた作品で、ノスタルジックな世界観や、自分の心に正直になれない登場人物たちのもどかしさが共感を呼びました。本文では、「イエスタデイをうたって」の漫画あらすじネタバレ解説、登場人物・キャラ一覧のネタバレ解説、「イエスタデイをうたって」のみどころや、登場人物たちのその後、作品に関する感想や評価を、あらすじを交えながらネタバレ解説します。

【イエスタデイをうたって】あらすじをネタバレ解説!登場人物や感想も紹介のイメージ

目次

  1. イエスタデイをうたってとは?
  2. イエスタデイをうたっての漫画あらすじネタバレ解説
  3. イエスタデイをうたっての登場人物・キャラ一覧
  4. イエスタデイをうたっての名言や名セリフ集
  5. イエスタデイをうたっての見どころ
  6. イエスタデイをうたってのアニメのその後はどうなる?
  7. イエスタデイをうたってに関する感想や評価
  8. イエスタデイをうたってのネタバレまとめ

イエスタデイをうたってとは?

「イエスタデイをうたって」の作品紹介・イメージ画像

2020年にアニメ化された「イエスタデイをうたって」は、1990年代後半の東京を舞台に、すれ違う男女の恋愛模様や、それぞれの想いを描いた作品です。以下では、ノスタルジックな世界観が目を引く「イエスタデイをうたって」の漫画あらすじネタバレ解説、登場人物・キャラ一覧のネタバレ解説、作品の見どころや登場人物のその後の解説、「イエスタデイをうたって」に関する感想や評価を、あらすじを交えながらネタバレ解説します。

イエスタデイをうたっての原作情報

冬目景先生の漫画「イエスタデイをうたって」は、1998年に「ビジネスジャンプ」にて不定期連載されていた作品で、「グランドジャンプ」への移籍を経て、2015年に完結を迎えました。漫画連載時は、1年の掲載回数が5回にも満たないことから、単行本の刊行も2年~3年と間隔を広げながら行われ、およそ18年間の連載期間で、単行本・全11巻が刊行されました。

イエスタデイをうたってのアニメ情報

漫画「イエスタデイをうたって」は、2020年にアニメ化され、テレビ朝日の深夜アニメ枠「NUMAnimation」にて、全12話が放送されました。「イエスタデイをうたって」のアニメでは、全話においてOPが無いことや、アニメの話数を追うごとにED主題歌を変えるなど、他作品では見られない独自の演出が行われ、注目を集めました。

イエスタデイをうたっての漫画あらすじネタバレ解説

「イエスタデイをうたって」の漫画あらすじネタバレ解説・イメージ画像

時代は、バブル経済崩壊後の1990年代後半、フリーターで生計を立てる主人公・リクオは、人生の目標を見いだせないまま、淡々とした日々を送るも、あることがきっかけでリクオに一目ぼれをした謎の少女と、学生時代に好きだった女性との出会いが、リクオの運命を変えていきます。以下では、すれ違う男女の恋愛模様を描いた「イエスタデイをうたって」から、漫画1巻~10巻のあらすじネタバレ解説します。

1巻あらすじネタバレ

リクオこと魚住陸生は、大学卒業後に就職できず、コンビニのアルバイトで生計を立てていました。カメラが趣味であるものの、好きなことを仕事にするための踏ん切りがつかず、変わり映えのない日々を送っていた頃、コンビニへ脚の悪いカラスを連れた少女がやっていきます。少女はハル(野中晴)と名乗り、リクオを追って、彼が勤務するコンビニへ辿り着きました。

ハルによると、リクオとは一度だけあったことがあり、リクオの大学の受験表を拾ってあげた際、一目ぼれをしたと話すも、リクオはその時ことを覚えていませんでした。一方、リクオの周囲では、大学時代の同級生で初恋の相手の榀子が、地元・金沢から東京に来ており、高校の非常勤講師として勤務することが決まり、友人から話を聞いたリクオは、その数日後に、バイト先のコンビニで再会します。

昔のように仲良くしたいという榀子の想いを受け、再び友人として接することになったリクオでしたが、ひょんなことから、ハルが榀子の元教え子だったこと、とある場所でバイトをしていたことを理由に、高校を自主退学したことを聞かされます。その後、バイト仲間の後押しを受け、リクオは、榀子への想いを告白するも、ある人物の死を引きずる榀子は、リクオの想いを受け入れられず、友達のままでいてほしいと言います。

それから3ヶ月後、リクオと夜の公園で出会った榀子は、リクオの告白を断わったのは、リクオが友達ではなくなる不安からだと説明し、これからも曖昧な関係を続けていきたいと思います。しかし、元教え子のハルが、リクオに好意を寄せていることを知り、自分の存在がハルの邪魔になってしまうのではと、リクオとの関係に悩み始めます。

榀子の高校へ浪が転校をする・イメージ画像

そんな中、榀子が勤務する高校へ、幼馴染の早川浪が転校してきます。浪は、榀子がかつて好意を寄せていた早川湧の弟でしたが、榀子より7歳年下ということから、恋愛対象として見られていませんでした。それでも、いつか榀子に振り向いてもらうべく、彼女のことを探るうちにリクオの存在を知ります。リクオと対面した浪は、リクオと榀子が友達関係であることを知ると、自身の兄について語り始めます。

浪の兄は、榀子と同い年の幼馴染で、6年前の春に病気で亡くなったこと、榀子は湧のことが好きで、今でも忘れることができず、前に進めずにいました。浪から話を聞いたリクオは、榀子の気持ちに理解を示しながらも、榀子のことが好きだから、友達のままではいられないと思いを伝えます。一方、湧と榀子の関係は、ハルも知ることとなり、ハルは榀子に対し、リクオを手に入れることを宣戦布告します。

2巻あらすじネタバレ

母親との関係が上手くいかないハルは、自宅から少し離れた場所で暮らしており、そんなある日、母親の再婚相手との顔合わせのため実家に戻り、相手の男性が実父と似ていることに気が付きます。その後、ハルは、リクオと映画デートの約束をするも、デート前日、リクオは体調を崩した榀子の看病に駆けつけ、ハルとの約束の時間に遅刻してしまいます。

ハルは、リクオを責めることなく、彼が無事だったことに安堵するも、遅刻の理由が榀子の看病だと知ると、榀子への嫉妬から激怒し、その場を去っていきます。

3巻あらすじネタバレ

映画作りを手伝うリクオ・イメージ画像

コンビ二バイトの同僚・木ノ下の妹の映画作りの協力を求められたリクオは、撮影係として映画作りに携わることとなり、カメラマンとして写真撮影をする仕事への憧れが膨らみ始めます。その頃、ハルはクリスマスのプレゼントとして手編みのマフラーを編むも、リクオに渡すことができずにいました。

また、榀子は、1年ぶりに金沢の実家へ帰省し、湧の遺産整理の手伝いに取り掛かっていました。湧との思い出に踏ん切りをつけてもらい、榀子が前に進めるようにとの湧の父親の考えをよそに、湧の思い出の品々を目の当たりにした榀子は、湧への想いをさらに強めていきます。

4巻あらすじネタバレ

季節は夏を迎え、リクオとハルは花火デートに繰り出し、榀子は、湧の弟で、高校の教え子の早川浪と祭を見学していました。リクオが写真ギャラリーでのアルバイトを始めた頃、同じバイト先で働く湊が、同じ高校に通うハルに好意をもちはじめ、彼女が働くミルクホールにも足しげく通うようになります。ハルと湊は次第に距離を縮めるも、湊との関係は、リクオの嫉妬を煽るためだと気が付き、ハルは自己嫌悪に陥ります。

そして、湊と映画館デート当日、ハルが飼っているカラス・カンスケがいなくなっていまいます。その日、リクオは、榀子と会う約束をしていましたが、ハルからカンスケがいなくなったことを受け、ハルとリクオはお互いの約束をキャンセルして、カンスケの捜索にあたります。その後、ハルは正面からリクオと向き合うべく、湊との交際を断りました。

5巻あらすじネタバレ

写真関係の会社で働き始めるリクオ・イメージ画像

数年後、リクオは、写真関係の会社のアルバイトとして働きはじめ、コンビニバイトの回数が減っていく中、ハルとの関係は、少しずつ距離を縮めていきます。また、早川湧の弟・浪は、美術関係の専門学校に進学、7歳年上の榀子への想いはますます強まる一方で、榀子は受け入れる事が出来ずにいました。

6巻あらすじネタバレ

写真関係の会社の社員としての採用を受け、コンビニバイトを辞めることになったリクオをよそに、ハルは彼と会う機会が減ったことを残念に思います。そんなハルへ、美術の専門学校の講師・雨宮が積極的にアプローチを仕掛けてくるようになります。一方、榀子は、湧の死から立ち直ると同時に、自身に芽生えたリクオへの想いや、リクオに好意を持つハルの存在が気になり始めていました。

7巻あらすじネタバレ

リクオへの想いを自覚した榀子は、リクオへ積極的な姿勢を見せるようになり、正月を一緒に過ごすことになり、やがて恋人同士へと発展します。しかし、お互いのことを想ってくれているハルや浪へどう報告しようか、新たな悩みの種が浮上します。そんな中、ハルは、リクオと榀子が夜道を2人で歩くところを目撃し、衝撃を受けます。

8巻あらすじネタバレ

恋人同士となったリクオと榀子でしたが、2人の距離感は友達以上恋人未満と言えるものでした。一方、リクオと榀子の関係を知ったハルは、仕事が手につかなくなるほど動揺し、ここぞとばかりにアプローチをしかけてくる雨宮に心を動かされます。また、浪の方は、変わらず榀子への想いを持ち続けているが、美大で知り合ったモデルの女性と親しくなります。

9巻あらすじネタバレ

雨宮の積極的なアプローチを受け、ハルは雨宮と博物館デートに行く約束をします。しかし、デート当日に、雨宮の義理の妹になるはずだったみもりが倒れたとの知らせを受け、ハルは雨宮と共に駆けつけます。みもりは雨宮に好意を持っており、みもりは一緒に来たハルを強く意識し、ハルもみもりに対し、複雑な感情を抱き始めます。

また、浪も、想いを寄せていた榀子とリクオが恋人関係になったことにショックを受け、美術モデルの女性の家に駆けこみます。一方、雨宮を巡り、みもりからライバル視されるようになったハルは、いまだリクオへの想いが断ち切れず、雨宮との板挟みに苦しんでいました。

10巻あらすじネタバレ

リクオとの関係に発展の兆しが見えない榀子は、浪の美術モデルとの同棲を聞き、激しく動揺します。一方、ハルは、リクオへの想いを断ち切るべく、ある日、バイトに書き置きを残して、祖母の住む実家へ逃げてしまいます。一方、ハルの失踪を受け、リクオは自分の心と向き合い、恋人未満の関係にあった榀子に分れを告げます。

そして、わずかな手がかりをもとに、ハルの失踪先を探し出し、ハルの実家を目指します。その頃、祖母のある一言から、現実から目をそらさず、前を向いて生きていく決意を固めたハルは、東京へ戻るべく実家を出ていき、その後、リクオがハルの実家に駆けつけます。

ハルが出て行ったことを聞いたリクオは急いで駅に向かい、ようやくハルと出会う事が出来ました。数多くのすれ違いの経て、自分の気持ちやお互いへの想いに向き合ったリクオとハルは、ようやく結ばれました。

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イエスタデイをうたっての登場人物・キャラ一覧

「イエスタデイをうたって」の登場人物・キャラの紹介・イメージ画像

「イエスタデイをうたって」の登場人物の名前は、男性は水に関する漢字、女性は植物に関する漢字があてはめられていることが特徴で、恋愛や仕事はもちろん、受験や夢、家族との関係など、日常的な問題を織り交ぜたストーリー展開も、作品の根強い人気に繋がっています。以下では、「イエスタデイをうたって」から、リクオをはじめとする個性豊かな登場人物・キャラ一覧を、あらすじネタバレを交えながら解説します。

リクオ(魚住陸生)

「イエスタデイをうたって」の主人公、大卒であるが就職できずフリーターとなり、コンビニのアルバイトで生計を立てるも、後に写真スタジオの社員として働き始めます。自分の方向性を見失っていた中、学生時代の同級生・榀子と交際を始めます。恋人同士でありながら、お互いに本音を言えない居心地の悪さや、リクオ自身が、自分に嘘をついている現実に気が付き、榀子との別れを決意し、正面からハルと向き合います。

ハル(野中晴)

漫画「イエスタデイをうたって」のヒロインで、ミルクホールでバイトとして働く少女です。リクオの大学の受験表を拾ったことで彼に一目ぼれし、リクオに振り向いてもらうべく、奔走します。一時は、リクオと榀子の交際を知り、リクオへの想いを断ち切るべく、祖母の暮らす伊勢に逃避行します。しかし、祖母の一言から自分の心と向き合い、東京へ帰るべく、駅に入った先で、ハルを探しに来たリクオと結ばれました。

森ノ目榀子

漫画「イエスタデイをうたって」の登場人物で、リクオの大学時代の同級生、高校で化学を教えています。幼馴染で、最愛の男性だった早川湧のことを忘れらず、リクオの告白も一度は断ってしまうも、リクオに対する想いに変化が生じ、恋人関係になります。しかし、2人の関係に進展が見られなかったことや、お互いに自分の気持ちと向き合い、リクオと別れることとなりました。

早川浪

漫画「イエスタデイをうたって」の登場人物で、早川湧の7歳年下の弟です。兄の幼馴染であった榀子に好意を持つも、湧の弟として見られていることに悩み、1人の男として榀子に見てもらうべく、奮闘します。高校卒業後は美大に進学、美術モデルで知り合った莉緒と同棲し、共にイタリアへ向かうも、榀子のことを忘れらず帰国を決断、榀子に振り向いてもらうべく、再び努力することを誓います。

早川湧

漫画「イエスタデイをうたって」の登場人物で、浪の兄、榀子の幼馴染です。生まれつき病弱で、榀子が高校3年生の春に亡くなりました。榀子にとって忘れることができない最愛の人であり、榀子が新しい恋に踏み切れない背景には、湧への想いを断ち切れない現実がありました。また、榀子に想いを寄せる弟・浪からは「無敵のラスボス」とも呼ばれ、すでに故人でありながら、ライバル視されています。

湊航一

漫画「イエスタデイをうたって」の登場人物で、大学2年生、マスコミ関係の仕事を目指しています。ハルの高校時代の同級生であり、彼女に好意を寄せるも、想いが届くことはありませんでした。後に大学を中退し、海外へ留学しました。

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イエスタデイをうたっての名言や名セリフ集

「イエスタデイをうたって」の名言や名セリフ集の紹介・イメージ画像

すれ違う男女の恋模様や、自分の本心に嘘をつくことへの苦しさなど、登場人物たちの心理描写を丁寧に描いた表現は、「イエスタデイをうたって」の魅力であり、周囲の人々との関係に悩む登場人物たちの姿は、多くの読者の共感を呼びました。以下では、数多くの名言・名セリフを生み出してきた「イエスタデイをうたって」から、自分の人生を見つめ直すきっかけになる、印象的な名言・名セリフを3つ紹介します。

名言①「ウソつきって何も失くさないけど…」

「イエスタデイをうたって」の1つ目の名言は、リクオの榀子への告白を知り、自分の本当の気持ちに気が付き、改めてリクオへの想いを募らせるハルこと野中晴の名セリフです。傷つくことを恐れて本心を隠し続けていたものの、それでは自分が本当に望むものは手に入らない、嘘つきな自分とリクオを重ね合わせ、リクオへの想いを強めていくハルの切ない名言です。

「ウソつきって
 何も失くさないけど
 何も手に入らないんだよね」

名言②「何か一生懸命な自分ってのは…」

「イエスタデイをうたって」の木ノ下の名言・イメージ画像

「イエスタデイをうたって」の2つ目の名言は、榀子との再会を受け、彼女に告白しようか迷うリクオの背中を押す木ノ下の名セリフです。学生時代から榀子のことが好きだったリクオは、卒業式の日に告白を試みたことがあり、数年ぶりに再会した時も、彼女に本心を伝えようか迷っていました。しかし、バイト仲間の木ノ下からは、逃げ道を作っているようにみえ、リクオが自分の本心と向き合うきっかけを作りました。

「何か一生懸命な自分ってのはカッコワルイと思ってん?

名言③「居場所は自分で作らなきゃね…」

「イエスタデイをうたって」の3つ目の名言は、リクオとの関係に悩む孫娘の相談に乗る、ハルの祖母の名セリフです。リクオの事が好きなのに諦めきれず、伊勢の祖母の家へ現実逃避したハルでしたが、それでも心のモヤモヤは晴れることがありませんでした。そんなハルに対し、おばあちゃんは、現実から目を反らさず、向き合うことの大切さを悟り、ハルが自力で立ち直れるように促しました。

居場所は自分で作らなきゃね。逃げてても待ってても見つからないよ。

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イエスタデイをうたっての見どころ

「イエスタデイをうたって」の見どころ紹介・イメージ画像

休載期間を挟みながら、18年間かけて連載された漫画「イエスタデイをうたって」は、時代性を感じさせるシーンや、登場キャラクター達の関係性を示す伏線などの細やかな描写や、アニメ作品ならではの表現方法が、注目を集めました。以下では、「イエスタデイをうたって」から、原作漫画やアニメ版のみどころを、作品のあらすじネタバレを交えながら解説します。

見どころ①時代性がある

漫画「イエスタデイをうたって」は、漫画連載が始まった1990年代の東京を舞台とし、当時の日本は、バブル経済の崩壊による景気の後退や、失業者の増大、学生の就職困難など、社会不安が増大した時代でした。そのような時代背景は、主人公のリクオの設定にも見られ、大卒でありながら就職できず、コンビニのアルバイトとして生計を立てる設定は、当時の若者が直面した社会の厳しい現実を反映しているでしょう。

また、「イエスタデイをうたって」では、登場人物たちの連絡手段が固定電話もしくは公衆電話など、1990年代の若者の様子をリアルに描いた作風も特徴です。当時は、携帯電話の普及率は低く、劇中では登場人物たちがすれ違うシーンが多く描かれています。しかし、このような描写は、スマホが普及した現代では新鮮に感じられ、古くて新しい感覚が、「イエスタデイをうたって」が支持される要因にもなっています。

見どころ②榀子の選択

「イエスタデイをうたって」の終盤では、リクオやハルのように、登場人物の多くが、自分の本心と向き合い、それぞれの想いを伝えることが出来た一方で、リクオを別れることとなった榀子の本心だけは、曖昧となっています。登場初期は、湧の死を受け入れ、前に進まなくてはと焦るものの、リクオへの好意や、浪からの想いに苦悩し、自分の本心が分からずにいました。

その後、榀子はリクオを選んだものの、その動機は、最愛の人の弟を好きになった事実から目を背けるためであり、リクオを好きになることで、浪とはこれまで通りの関係を保とうと考えていました。しかし、榀子の選択は、浪を傷つけると共に、榀子自身も傷つくこととなり、結果、榀子の本心を見抜いたリクオから別れを切り出されました。

榀子は、これからも湧をおもい続け、浪ともこれまで通りの関係を続けると推測されます。一方、「イエスタデイをうたって」のラストシーンで見せた、榀子の晴れやかな表情からは、湧の死を受け入れて前に進み出た、榀子の新たな人生や、浪との関係の進展を予感させるでしょう。

見どころ③色褪せた風景

「イエスタデイをうたって」は、原作漫画はもちろん、アニメ版も見どころであり、ノスタルジックな作画演出など、色褪せた風景も目を引きます。作画のタッチの明暗をハッキリさせることで、現代パートと過去パートを区別したり、登場人物たちの心情を表現するなど、独特の世界観を演出しています。

見どころ④「春」という季節

「春」という季節は、榀子の最愛の人・湧が亡くなった季節であり、榀子ははかなく散っていく桜を湧に重ねて眺めるシーンが描かれています。「イエスタデイをうたって」にて、春は、榀子の止まった時間の象徴であり、そんな彼女の時間を再び動かせる存在として、ハルこと晴が登場します。

自分の本心から逃げようとする榀子に対し、ハルはリクオを巡るライバルとして宣戦布告をし、榀子に真正面からぶつかっていきます。その時、ハルから榀子に向かって風が吹く描写が描かれており、榀子の止まった時間を動かし、彼女と周囲の人間関係にも大きな影響を与えることを示す伏線となっているでしょう。

見どころ⑤平行と垂直の演出

白線の平行と垂直の演出の意味・イメージ画像

「イエスタデイをうたって」では、白線の平行と垂直を用いて、登場人物の関係性を演出しています。例えば、リクオ・榀子のシーンでは、2人は白線を隔てて平行に立っており、交わることのない立ち位置から、リクオと榀子の関係はこれからも変わらないことを示しているでしょう。一方、リクオ・ハルのシーンでは、白線に対して垂直に立つ、つまり交わる立ち位置にあることから、2人が結ばれることを示唆しています。

この白線の平行と垂直の対比は、リクオを取り巻く2人の女性・榀子とハルの対比を表現しているとも考えられ、本心から逃げ続ける榀子とは対照的に、ハルは自分の心と向き合い、自分から逃げ道を断ちました。

見どころ⑥ユアネスの「籠の中に鳥」

「イエスタデイをうたって」のアニメ主題歌は、ユアネスの「籠の中に鳥」で、アニメ第1話~第6話のエンディング主題歌として起用されました。歌詞には、「イエスタデイをうたって」の登場人物たちが抱えるさまざまな感情が盛り込まれ、聞きごたえのある一曲です。

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イエスタデイをうたってのアニメのその後はどうなる?

「イエスタデイをうたって」のアニメのその後を考察・イメージ画像

漫画「イエスタデイをうたって」は、2020年にアニメ化が放送され、すれ違う男女4人の恋模様やそれぞれの葛藤、それぞれが下した決断と結末に多くの注目が集まりました。以下では、登場人物たちのそれぞれの恋の行方が気になる、「イエスタデイをうたって」のアニメのその後について、キャラクターごとに区切りながらネタバレ解説します。

ネタバレ考察①リクオとハルのその後

自分の本心から目を反らし続けたことで、数々のすれ違いを経験したリクオとハルでしたが、最終的には結ばれる事が出来ました。リクオにとってハルは、気兼ねなく何でも話せる相手であり、ハルの方もリクオを一途に思い続けており、2人の関係はこれからも続くと見られるでしょう。

ネタバレ考察②浪と榀子のその後

最終回にて、湧との過去に踏ん切りをつけた榀子でしたが、浪とは昔のように幼馴染の関係でいることを望んでおり、浪の方も1人の人間として榀子に認めてもらうべく、これからも努力することを約束しています。浪と榀子のその後は、これまで通りの関係が続くと思われる一方で、榀子の浪への想いの変化や、大人としての振舞いができるようになった浪の成長が、2人の関係を進展させるでしょう。

「イエスタデイをうたって」では、浪と榀子の関係に変化はなく、榀子のその後も曖昧にされたまま結末を迎えましたが、榀子の気持ち次第では、浪と結ばれる将来もあり得るでしょう。

ネタバレ考察③居沢と狭山のその後

クマさんこと居沢の実家のトラブルにより、離れ離れになってしまったクマさんと狭山でしたが、後に、地方にあるクマさんの実家の工場は、妹夫婦が継ぐことで存続が決まり、クマさんは東京に戻ることを決意しました。そして、「イエスタデイをうたって」の最終回では、クマさんと狭山の結婚が示唆され、狭山が営むミルクホールで、ウエディングパーティーの準備をするシーンが登場しました。

ネタバレ考察④雨宮とみもりのその後

雨宮とみもりのその後・イメージ画像

ハルに好意を寄せていた雨宮と、彼に好意を寄せるみもりは、親の再婚相手の連れ子同士でしたが、再婚を前にお互いの肉親を事故で失った過去を持っています。「イエスタデイをうたって」では、みもりからの連絡で12年ぶりに再会を果たし、雨宮への好意をちらつかせていました。一方、雨宮の方は、みもりとの過去の関係から、年の離れた妹のような存在として見ており、みもりに恋愛感情は抱いていないと見られます。

しかし、「イエスタデイをうたって」の最終回にて、リクオとハルが結ばれたことを受け、雨宮は長野にいるみもりの元へ向かう描写があり、かけがえのない人としてみもりを大切に想っているでしょう。雨宮とみもりのその後は、雨宮のみもりへの想いの変化が、2人を恋人同士に発展させるきっかけになるでしょう。

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イエスタデイをうたってに関する感想や評価

「イエスタデイをうたって」に関する感想や評価・イメージ画像

以下では、リクオ達の葛藤や恋の行方など、登場人物への共感ポイントの多さや、懐かしさを感じさせる世界観が注目を集める、「イエスタデイをうたって」に関する感想や評価を紹介します。

感想1:登場キャラに共感できるところが良い

1990年代を舞台に、主人公・リクオ達の恋愛模様を描いた「イエスタデイをうたって」では、個性豊かな登場人物が抱える、様々な悩みにも焦点が当てられ、ストーリーが面白いとの感想が寄せられています。また、あらすじネタバレ解説で紹介したように、自分の弱さと向き合い、未来に向かって突き進む登場人物たちの葛藤や成長も、読者やアニメ視聴者の共感を呼んでいます。

感想2:読み返すたびに作品への感じ方が変わる

リクオをはじめ、登場人物たちの日常的な悩みや、それらを乗り越えていくまでの葛藤を描いた「イエスタデイをうたって」の感想の中には、久しぶりに読み返したことで、作品への感じ方が変わったとの声も見られます。読み返すことで、初見では見過ごしていた重要なシーンやそれらの意味、登場人物への変化に気づくことができ、新たな発見や面白さを見いだすことができるでしょう。

感想3:時代性のある演出が好き

あらすじネタバレ解説のように、「イエスタデイをうたって」では、登場人物たちの多くが携帯を所持しておらず、それゆえに、想いを寄せる相手とのすれ違う展開が多いことが特徴です。携帯を持たない設定は、古くさい印象を与えますが、ファンの中には、リクオとハルが携帯を持たないまま、最後に結ばれる結末が良いとの感想も見られ、他の恋愛漫画では真似できない、独特のストーリー展開が人気に拍車をかけています。

感想4:切ないストーリーに惹かれる

「イエスタデイをうたって」は、原作漫画だけでなく、アニメ版も高い人気を誇っており、アニメ版も面白いとの感想も寄せられています。観る者の心を締め付けるような切ない展開や、魅力あふれるキャラクターに感情移入してしまうなど、夢中になれる要素が多く、「イエスタデイをうたって」のアニメを高く評価する感想も多く見られます。

感想5:ヘタレ主人公でも好き

「イエスタデイをうたって」の主人公・リクオは、自分の本心から目を背け、現実から逃げるばかりだった、いわゆるヘタレ主人公でしたが、コンビニのバイト仲間・木ノ下からの痛烈な一言が、自分の人生を変えていくきっかけとなりました。最初は、どことなく頼りない印象が強かったものの、最後は自分の本心と向き合い、ハルと結ばれる結末を迎え、リクオの人間味あふれる姿が好きとの感想も見られます。

感想6:リクオを一途に思うハルがいじらしい

あらすじネタバレ解説のように、ハルのリクオへの想いは、序盤から終盤まで変わることなく、ハルの一途な想いは、やがてリクオとの恋を成就させることにつながりました。恋のライバル・榀子の登場に嫉妬したり、リクオに会いたいがために、寒空のなかリクオを待ち続けるハルの姿は、観る者の心をキュンとさせ、ハルの一途な行動にいじらしさを感じたとの感想も見られます。

感想7:アニメ声優のキャスティングが良い

アニメ版も高く評価された「イエスタデイをうたって」は、ストーリーの面白さや、個性的な登場キャラはもちろん、アニメ声優陣の演技力の高さも、アニメ版の人気を高めています。アニメ「イエスタデイをうたって」の声優キャスティングには、人気声優が多数起用されており、登場キャラとのギャップを感じさせない声や演技が、アニメファンを魅了しています。

イエスタデイをうたってのネタバレまとめ

「イエスタデイをうたって」のネタバレまとめ・イメージ画像

「イエスタデイをうたって」の漫画あらすじネタバレ解説、登場人物・キャラのネタバレ解説、作品の見どころや各キャラのその後の解説、「イエスタデイをうたって」に関する感想などを、あらすじを交えながらネタバレ解説しました。自分の気持ちに素直になれず、すれ違いを繰り返す男女の恋愛模様は、もどかしさを感じさせると同時に、様々な悩みを抱えるキャラ達への共感ポイントも多く、漫画・アニメと共に高い人気を見せています。

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