【探偵はもう、死んでいる。】カメレオンは夏凪誘拐の犯人？事件の目的や結末をネタバレ

カメレオンの目的や能力などをネタバレしていく前に、『探偵はもう、死んでいる。(たんもし)』の作品情報をまとめていきます。作品の概要や物語のあらすじも紹介しますので、『探偵はもう、死んでいる。』について詳しい方もそうでない方も楽しめる内容となっております。またここでは、今回のメインであるカメレオンのプロフィールについても紹介します。

『探偵はもう、死んでいる。』は原作が二語十(にごじゅう)、イラストをうみぼうずが担当しているライトノベル作品で略称は『たんもし』です。小説が2019年から刊行されており、2022年2月現在までで6巻までが発売されています。シリーズ累計発行部数が85万部を突破している人気作品で、『MF文庫Jライトノベル新人賞』の最優秀賞や『ラノベ好き書店員大賞2020』の大賞などの様々な賞を受賞しています。

2021年1月20日には『たんもし製作委員会』の製作によりアニメ化も発表され、、2021年7月4日から同年9月19日まで、全12話が放送されました。アニメの第1話は1時間スペシャルとして放送され、3話には人気バーチャルYouTuberの白上フブキと夏色まつりが本人役で出演しています。

現代から4年前、中学2年生の少年・君塚君彦は、飛行機でのハイジャック事件をきっかけにシエスタという自称名探偵の少女・シエスタと出会い、彼女の助手になります。それから3年間、君塚とシエスタは謎の組織『SPES(スペース)』との戦いの日々を送りながら世界中を旅していきました。そして、戦いの末にシエスタは死にます。大切な人を失った君塚は無気力な日々を送るようになりますが、彼の前に1人の女性が現れます。

夏凪渚と名乗るその女性は、自分の探している人を探してほしいと君塚に依頼してきました。シエスタと死に別れてから1年間、様々な事件を解決していき名探偵と呼ばれるようになっていた君塚は、夏凪の依頼を受ける事にします。そして、夏凪は過去に心臓の移植手術を受けており、今夏凪の中にあるのはシエスタの心臓だという事が判明しました。夏凪はシエスタの意思を継ぎ、名探偵となる事を決意し、君塚は再び助手となるのでした。

カメレオンは銀髪で細身の身体をしており、穏やかで紳士のような口調で話します。しかし、本当は人間を殺害する事に何の躊躇もしない残忍な性格をしており、過去には君塚やシエスタを何度も追い詰めました。その正体は『スペース』のトップであるシードによって作られた人造人間です。『探偵はもう、死んでいる。』の序盤では、カメレオンは自分がシエスタを殺したという言動をしていた為、君塚に仇のように見られていました。

ここからは、『探偵はもう、死んでいる。(たんもし)』のカメレオンが、夏凪誘拐の犯人なのかをネタバレしていきます。斎川唯の主催する豪華客船パーティーに参加した君塚と夏凪でしたが、夏凪が途中で行方不明になってしまいます。カメレオンは本当に事件に関わっているのでしょうか?

斎川唯の事件を解決した事で、彼女を仲間に加える事が出来た君塚と夏凪は、バカンスとして斎川の主催する豪華客船パーティーに参加する事にしました。その豪華客船には過去に君塚と共にシエスタの助手を務めていたシャーロット・有坂・アンダーソン(通称:シャル)も居て、君塚は彼女がシエスタの遺産を探している事を聞きます。君塚はその夜、夏凪をバーに呼び出してこれからの方針を話してみる事にしました。

夏凪はおしゃれな服装に身を包んでバーに向かいましたが、君塚が普段の格好だった事に少し腹をたてます。君塚と夏凪はノンアルコールカクテルを飲みながら、シャルの事や夏凪がなぜシエスタの後を継いで名探偵になろうと思ったのかという事について語り合いました。そして翌朝、君塚は不気味な声のアナウンスにて、夏凪が誘拐された事を知ります。そして君塚は斎川と共に夏凪を取り戻す為に船内を駆け回りました。

夏凪の部屋を確認しても彼女の姿は見当たらず、君塚と斎川はアナウンスで流れていた5階のラウンジへ行ってみる事にします。ラウンジには誰も居ませんでしたが本が置いてあり、挟まれた栞に『午後8時、名探偵の遺産を持ってメインデッキへ来い』と書かれていました。しかし、君塚はシエスタの遺産については検討もつかない為、斎川の左目の透視能力を駆使して再び夏凪を探してみる事にします。

斎川の左目を使って船内を全てくまなく探しましたが、夏凪も犯人も見つける事が出来ません。しかし君塚はこれにより、何も見つける事が出来なかったという成果を上げる事ができ、かつての姿を消す事が出来る敵が頭に浮かびました。

午後8時にメインデッキへとやってきた君塚は目を凝らして周りを見ていました。そして何も見えない事から、君塚の予想は的中します。しずかに姿を現したのは、カメレオンでした。カメレオンは笑みを浮かべながら、自分の尻尾で夏凪をグルグル巻きにしています。君塚はシエスタと過ごした3年間でカメレオンと出会っていた為、斎川の透視能力で姿が見えないという事はカメレオンが犯人である事に予想がついていました。

しかし、カメレオンは過去の3年間においても能力によって常に姿を消し続けていたので、君塚がカメレオンの姿を見たのはこれが初めてになります。名探偵の遺産を要求するカメレオンでしたが、君塚は銃を構えて戦う意思を見せるのでした。

『探偵はもう、死んでいる。(たんもし)』のカメレオンが夏凪誘拐の犯人である事はネタバレしましたが、ここからはカメレオンの正体や能力をネタバレし、その目的について考察していきます。なぜカメレオンが夏凪を誘拐する必要があったのか、その目的とは?

カメレオンは、ハイジャック事件で登場したコウモリや、過去の3年間で登場したケルベロスと同じように『スペース』の構成員です。『スペース』とは宇宙から飛来した植物・シードを親玉とする組織で、そのほとんどはシードの身体の一部から生み出された人造人間で構成されています。カメレオンも例外ではなく、シードの身体の一部から生み出されました。過去の3年間でも何度もシエスタと君塚の作戦を妨害してきました。

カメレオンの代表的な能力として、周囲の景色と同化して消える能力があります。この消える能力を使う際は、カメレオンの周りの空間が一瞬歪んだような景色になる事が特徴です。実在する本物のカメレオンとは違い、実際に身体を消してしまっている為、斎川の左目の透視能力をもってしても存在を確認する事は不可能でした。また、自分が触っている物体の姿も同時に消す事ができ、これにより誘拐した夏凪の姿も消していました。

カメレオンは人間形態の時は穏やかな笑みを浮かべる紳士といった印象を受ける見た目をしていますが、人型の巨大なカメレオンの姿に変身する事が出来ます。この姿になると怪力を発揮するだけでなく、強力な硬度を持った尻尾で弾丸などをさばく事が出来ます。また、カメレオンは自分の舌を伸ばしたり変形させるだけでなく、硬度も変える事が出来る為、作中では舌を刃物のようにして攻撃していました。

カメレオンの目的は、シエスタの遺産を手に入れる事でした。しかし、シエスタの遺産が船にあるという事は分かってはいますが、それが何なのかが分からなかったカメレオンは、夏凪を誘拐して君塚と斎川に探させようとしたのです。結局君塚はシエスタの遺産を見つける事が出来なかった為、カメレオンは見つからないのなら見つからないままにすれば良いと考え、シエスタの遺産もろとも船を沈める事で目的を果たそうとしました。

そしてカメレオンにはもう1つ目的がありました。それは夏凪の身体の中にあるシエスタの心臓です。シエスタの心臓は特別製で、心臓を他の身体に移植する事で自分の意思を残す事が出来るという能力を持っています。カメレオンは『スペース』の倒すべき敵であるシエスタをその身に宿す夏凪を殺害し、心臓を奪おうとしていました。

カメレオンが夏凪を誘拐して君塚に探させようとしていたシエスタの遺産とは、君塚・夏凪・斎川・シャルの4人の事を指しています。夏凪は自分の意識の中でシエスタと会話をする事が出来ますが、この時にシエスタにこの4人こそが自分の残した遺産であり、最後の希望だという事を知らされます。

カメレオンの目的の1つは夏凪の中にあるシエスタの心臓だという事は前述でネタバレしましたが、なぜカメレオンはシエスタの心臓を欲しがったのでしょうか。しかし、カメレオンがなぜシエスタの心臓を必要としており、どのような目的で使用しようとしたのかは『探偵はもう、死んでいる。』の作中では明かされませんでした。

船のメインデッキで、君塚とカメレオンの戦いが始まります。君塚は銃でカメレオンの尻尾を撃ち抜いて捕らわれていた夏凪を助け出しました。その後、君塚は夏凪を守るためにカメレオン一騎打ちをしていましたが、劣勢となってしまいます。その時、ヘリコプターで駆け付けたシャルもガトリングガンなどで助太刀をします。しかし、カメレオンはデッキの床を破壊し、下の一室へと落ちた事でシャルの助けが入らないようにしました。

一騎打ちとなった君塚はカメレオンに拳で立ち向かおうとしますが、その時に『バカかきみは』という声が聞こえます。君塚が振り向くと、そこには夏凪の身体を借りたシエスタの姿がありました。シエスタは自分の血液で作られた弾丸をカメレオンに打ち込み、自分に攻撃できないようにします。そして久しぶりのコンビネーションで、カメレオンに立ち向かっていく2人でしたが、戦闘中にも関わらず昔話に花を咲かせていました。

カメレオンは能力を使って姿を消し、君塚とシエスタに不意打ちを仕掛けようとします。しかしその時、夏凪がカメレオンの服に忍ばせていた携帯のアラームが鳴り、君塚とシエスタはそこに目掛けて同時に銃を撃ち込みます。これによってカメレオンは死亡しました。

カメレオンとの戦闘中に突如現れたシエスタに君塚も驚いていましたが、これは夏凪がシエスタに君塚を助けてほしいとお願いした事によります。シエスタは最初は断りましたが、これが最後という約束で夏凪の身体を借りて君塚の助けとなりました。自分はもう死んでいるからという事でしぶしぶ夏凪の願いを聞いたシエスタでしたが、カメレオンとの戦闘中は度々笑顔を見せており、君塚との再会を喜んでいました。

アニメ版『探偵はもう、死んでいる。(たんもし)』でカメレオンの声を担当した声優は子安武人です。神奈川県横浜市出身で1967年5月5日生まれの2022年2月現在54歳で、血液型はA型、事務所は自身が設立して代表を務めている『ティーズファクトリー』に所属しています。1988年にアニメ『どんどんドメルとロン』に出演した事で声優デビューを果たし、30年以上プロ声優として活動しています。

クールなキャラから元気な男性まで様々な役柄を演じてきており、今回の『探偵はもう、死んでいる。(たんもし)』では穏やかな人間形態のカメレオンから、しゃがれた声が特徴の怪物モードのカメレオンという難しい役どころを演じきっていました。

『探偵はもう、死んでいる。』でカメレオンの声を担当した子安武人は、格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ(略称:KOF)』シリーズに登場する矢吹真吾の声優でもあります。元気な男子高校生といった役どころの矢吹真吾ですが、子安武人はラジオ放送中にゲームの制作会社である『SNK』に電話をし、直談判の末にこの役を勝ち取ったという逸話を持っています。

『探偵はもう、死んでいる。』のアニメ版のカメレオン戦がなかなかだというファンの感想があります。アニメ版ではラスボスとなったカメレオンの戦闘シーンは『探偵はもう、死んでいる。』ファンの印象に強く残っているようです。

『探偵はもう、死んでいる。』のカメレオン戦で、夏凪の身体を借りているシエスタと君塚が仲良く会話をするシーンは戦闘中であるにも関わらず和むところがあり、『探偵はもう、死んでいる。』ファンの中でも人気の名シーンです。

『探偵はもう、死んでいる。』のカメレオン戦では、戦闘中に君塚とシエスタが昔話を中心に会話をしだしますが、この時のカメレオンは1人で先頭に集中している為、気の毒だという『探偵はもう、死んでいる。』ファンの感想がありました。

『探偵はもう、死んでいる。(たんもし)』のカメレオンが夏凪を誘拐した目的や、能力や強さなどをまとめてきましたがいかがだったでしょうか?最後には君塚とシエスタの攻撃によって死亡したカメレオンですが、『探偵はもう、死んでいる。』の物語にとって重要な人物だった事が分かりました。