2018年08月23日公開
2018年08月23日更新
平成狸合戦ぽんぽこの都市伝説と裏設定まとめ!実は悲しい反戦アニメ?
平成狸合戦ぽんぽこは1994年に公開されたスタジオジブリのアニメーション映画です。子供から大人まで楽しめるジブリ映画の中でも、トップ10に入る興行成績44.6億円を記録している大ヒット作品です。タヌキの奮闘する姿に心動かされ、涙を流す人も多いと思いますが、実は平成狸合戦ぽんぽこには都市伝説や悲しい裏設定がありました。この裏設定や都市伝説を知ってから、もう一度平成狸合戦ぽんぽこを見たら、更に感動すること間違えないと評判です。
目次
平成狸合戦ぽんぽこの都市伝説と裏設定まとめ!反戦アニメなのかを調査!
平成狸合戦ぽんぽこは昭和40年代の高度経済成長で、急速に都市化が進む東京都多摩市がモデルのジブリ映画です。ジブリ映画といえば『家族みんなで楽しめる映画』が定番ですが、この平成狸合戦ぽんぽこも子供から大人までが、人間が進める都市化に奮闘するタヌキや他の動物達目線で、笑いあり涙ありで見入ってしまう映画だと言われています。
そんなタヌキたちの奮闘物語である平成狸合戦ぽんぽこには、実は色々と都市伝説や悲しい裏設定がありました。よく都市伝説や裏設定があると噂される映画は、あくまでも噂や陰に隠れていることが多いですが、この平成狸合戦ぽんぽこは映画のストーリーや映像から裏設定が読み取れるようになっているのです。今回は画像ともに都市伝説と悲しい裏設定を紹介します。
平成狸合戦ぽんぽことは?
平成狸合戦ぽんぽこは高畑勲が原作・脚本・監督を務めたスタジオジブリのアニメーション映画です。映画のキャッチコピーは『タヌキだってがんばっているんだよォ』で、1994年に初公開され、興行成績44.7億を収めた大ヒットアニメーションです。高畑勲はスタジオジブリ設立にも大きく関りがあり、巨匠宮崎駿に強い影響を与える程の人でした。
二人三脚でジブリ映画を作成し、宮崎駿から絶大な信頼を受けるクリエイターでした。高畑勲は宮崎駿と共にスタジオジブリを支えてきた人でしたが、2018年4月に肺がんでご逝去されました。平成狸合戦ぽんぽこはスタジオジブリの中で宮崎駿意外の監督が原作を作成した唯一の作品になります。
平成狸合戦ぽんぽこは多摩ニュータウンの開発をモデルに平穏な暮らしをしていたタヌキ達が、開発を進める人間へと戦いを挑むお話です。当たり前に開発された都市で暮らしている私たちですが、平成狸合戦ぽんぽこを見ると考えさせられる部分がたくさんあります。
平成狸合戦ぽんぽこのあらすじを紹介!
タヌキの縄張り争い
昭和40年代、東京都多摩丘陵には多くのタヌキが山奥の空き家で平和に楽しく暮らしていました。しかし高度経済成長へと突入し多摩丘陵も開発対象地域とされ、多摩ニュータウン建設へ向けて山を切り開かれていきます。それに伴い、タヌキたちは住む場所を失い、タヌキ同士での縄張り争いや餌場争いが始まってしまいました。
妖怪大作戦の決行
タヌキ間で縄張り争いをしていましたが、どんどん開発が進んでいく様に、タヌキたちは一時休戦をして、四国と佐渡の協力を得て伝統変化の術である化学で建設工事を阻止することを決めるのでした。しかしタヌキの妖怪大作戦では多摩ニュータウン建設は中断することもなく、建設はどんどん進んでいき、多くのタヌキが亡くなってしまうのでした。
タヌキ最後の作戦
生き残ったタヌキ達は最後の力を振り絞って、タヌキと人間が共存できていたかつての美しい風景を再現するのでした。最後の作戦は功をそうして、多摩ニュータウンには緑が少し残ることなりました。タヌキたちはみなばらばらとなり、一部は人間社会に溶け込み、他のものは残った緑の中で暮らしていくのでした。
平成狸合戦ぽんぽこの都市伝説・裏設定まとめ
耳をすませばと舞台が一緒?
平成狸合戦ぽんぽこは東京都多摩丘陵に多摩ニュータウンを建設するまでを動物目線から見たお話です。逆に耳をすませばは多摩にある聖蹟桜ヶ丘をモデルに少女の青春ストーリーとなっております。一見関りがなさそうな2つですが、この聖蹟桜ヶ丘は多摩ニュータウン建設の一角で開発された住宅地なのです。つまり、平成狸合戦ぽんぽこで開発された多摩ニュータウンの数年後をモデルにしたのが耳をすませばとなっているのです。
この平成狸合戦ぽんぽこと耳を澄ませばのつながりは、映画の中でも実はちゃんと表現されています。まず平成狸合戦ぽんぽこのエンディングの最後には、開発された多摩ニュータウンの夜景が出て来ます。その多摩ニュータウンの夜景が、耳を澄ませばのオープニングにも出てくるのです。上の写真が平成狸合戦ぽんぽこのエンディングに出てきた街並みです。下の写真が耳をすませばのオープニングに出てくる街並みです。
更に、狸合戦ぽんぽこがコンビニでのっぺらぼうになって警察官を脅しているシーンがありますが、そのコンビニが耳をすませばで雫が買い物していたファミリーマートと同じだったりします。そしてタヌキ達が車にひかれた道は、耳をすませばの雫が家に帰るときに通る道を同じです。更に耳をすませばの雫が住んでいる団地は、タヌキたちが人間を脅かしていた団地と同じです。
そして耳をすませばの作中で雫が「カントリーロード」の替え歌で「コンクリートロード」と言って歌っています。その歌詞がまさに平成狸合戦ぽんぽこの人間の自分勝手な開発を象徴しているようです。
どこまでもつづいてる コンクリート・ロード
コンクリート・ロード 森を伐り 谷を埋め 川を殺し
多摩ニュータウンの建設で緑を切り崩して自然がどんどんなくなり、コンクリートで出来た世界がどこまでも広がっていき、タヌキ達動物の住む場所がなくなっていった様子を歌っているようです。ここまで耳をすませばの中に、多摩ニュータウンの開発について連想させるものがあると、ジブリの遊び心を共に両作品の監督たちの高度経済成長時代の自然破壊に対する考え方が隠されているようだと言われています。
ジブリの隠しキャラがたくさん登場?
タヌキ達が多摩ニュータウン建設に対抗するために行った『妖怪大作戦』のシーンには、実はジブリ映画に登場するキャラクター達が『妖怪大作戦』に参加していました。参加しているのは『となりのトトロ』のトトロ、『魔女の宅急便』のキキ、『おもひでぽろぽろ』のタエコと『紅の豚』のポルコです。
トトロは大きくまとめれば、妖怪の一部かもしれないので、『妖怪大作戦』に参加してもいいかもしれません。しかし後ろでスーパーマン風に飛んでいる人間は、おもひでぽろぽろのタエコです。タエコ小学5年生で人間なのに、『妖怪大作戦』に参加しています。
魔女の宅急便のキキはホウキに乗って、そして紅の豚のマルコは小型飛行機に乗って参加しています。2人はヨーロッパがモデルになっているので、ヨーロッパから飛んできたのかもしれないと言われています。
若タヌキのモデルなった人は?
タヌキのキャラクターにも裏設定がありました。宮崎駿や高畑勲は、スタジオジブリ設立前は東映動画で共に働き、2人は盟友として映画や動画制作する青春時代を過ごしてきました。平成狸合戦ぽんぽこには東映動画時代の2人の青春や歴史をモデルに、タヌキのキャラクターが作られています。
血の気が多く、人間達を永久追放しようとしている過激派タヌキのリーダー格である権太のモデルは宮崎駿です。そして冷静な性格で考えが人間ぽい、実質の若いタヌキ達のリーダーでる正吉は高畑勲をモデルに作成されました。正吉と権太は考え方が真逆で、タヌキの作戦会議では対立し会議が行き詰ってしまったりしますが、東映動画時代の宮崎駿と高畑勲も意見の対立や和解を繰り返した青春を送ってきたからだと言われています。
大量生産・大量消費社会への皮肉?
平成狸合戦ぽんぽこには大量生産・対象消費社会への皮肉という悲しい都市伝説もあります。作戦会議が行き行き詰ったタヌキ達は、マクドナルドのハンバーガーで会議が進んだというシーンがあります。マクドナルドという具体的な企業名を出しているので、映画内ではマクドナルドやハンバーガーへのマイナスなことは一切書かれていません。むしろタヌキはハンバーガーが好物になったのか、みな奪い合うように食べています。
出典: https://ciatr.jp
しかしタヌキたちの食べていたハンバーガーは、黒いポリ袋の中に大量に入っていました。マクドナルドという名前まで出しているのに、商品を入れる用の袋ではなく明らかなゴミ捨て用のポリ袋です。これは高度経済成長と共に大量生産・大量消費社会へと突入し、ファーストフード店等では大量の商品を作り置きをし、更に大量に破棄しているという悲しい事実を指しているのでは噂されています。
平成狸合戦ぽんぽこは悲しい反戦アニメ?
実は日本とアメリカの戦争?
平成狸合戦ぽんぽこは、タヌキ達動物が町を開発していく人間に対抗し戦いを挑むという、人間対動物の戦いが書かれています。人間との力の差はあるが、住む場所が無くなる前に勇敢に戦いを挑んでいくタヌキの姿が涙を誘うと話題です。しかし力の差がある相手に戦いを挑む構図が「日本とアメリカの太平洋戦争」と同じ状況を表しているという都市伝説があります。
日米戦争前のアメリカは、日本の中国大陸への進出と中国での権利の侵害を恐れて、アジアに植民地を持っていたイギリスとオランダ、そして中国と共に日本を包囲し、経済制裁を与え日本の大陸進出を阻止しました。日本は急速に近代化が進んでいましたが、鉄や石油などの物資をすべて輸入で賄っていたため、物資が輸入出来ない状況は、日本に大きな経済的打撃を受けました。
日本もアメリカとの力の差があることを分かっていたので、外交交渉でどうにかしようとしましたが、うまくはいきませんでした。「戦わなくても負け同然。でも戦っても負ける」という選択に迫られた日本は、強大な敵アメリカに戦いを挑むのでした。この構図が平成狸合戦ぽんぽこでのタヌキの住処であった森を徐々に奪っていき、タヌキを包囲して戦いを選ばざるを得ない状況と同じという都市伝説になったというわけです。
政治的作品だった?
平成狸合戦ぽんぽこが政治的作品だという都市伝説もあります。タヌキ爺やタヌキ親父とは「年老いてずるがしこい男の人」を指す言葉ですが、よく私たちは皮肉を込めて政治家の人をタヌキ親父と呼んだりします。この平成狸合戦ぽんぽこにも「タヌキ親父=政治家」と思わせるところがあるため、タヌキの親分たちのモデルは「自民党の幹部」ひいては元総理大臣だという都市伝説があります。
タヌキの親分たちは佐渡島の団三郎、讃岐のはげ狸、阿波の金長狸と3匹いて、地方から出てきて決起集会を開きます。3大老長が前に立ち自己紹介をした後に、話し合いを進めていきますが、なかなか話し合いは煮え切りません。このタヌキ達の話し合いが煮え切らない様子や老長が前に立ち、他のものが整列して話し合いを行っている構図も日本の政治の構図を似ていると言われています。
左のタヌキが「佐渡島の団三郎=新潟県出身の田名角栄元総理大臣」、真ん中のタヌキが「讃岐のはげ狸=香川県出身の大平正芳元総理大臣」、右のタヌキが「阿波の金長狸=徳島県出身の三木武夫元総理大臣」をモデルにしている言われています。本人の写真を見てもわかるように、3大老長達の外見はよく特徴をつかんでいます。しかも外見だけではなく、出身地も同じなのです。
日本には歴史や民話に登場する有名な『日本3名狸』が存在します。その3匹とは「新潟県佐渡島の佐渡団三郎狸」「兵庫県淡路島の淡路芝右衛門狸」「香川県屋島の屋島太三郎」です。平成狸合戦ぽんぽこに登場する3匹の老長とは少し違うのです。わざわざ歴史上の3匹のタヌキから2匹使い、1匹だけを変えるというのは、三木元総理大臣の出身が徳島県だからではないかと言われています。
悲しい現実ですが、自民党は長い間与党として日本の政治を握っていましたし、昔の自民党の横暴はひどかったといいます。長い間同じ党が政権を握っていれば、自分たちの良い様に政治を動かす政治家しか生まれなかったのでしょう。そのような日本の政治状況を、平成狸合戦ぽんぽこの中で表して皮肉っているのかもしれないと言われています。
平成狸合戦ぽんぽこの都市伝説と裏設定まとめ!
平成狸合戦ぽんぽこのモデルとなった、高度経済成長の多摩ニュータウン建設は総面積約2,800ヘクタールに及び大規模な開発計画でした。多摩ニュータウン建設計画は住宅建設のみではなく、商業施設、幹線道路や周辺の鉄道建設も含まれていたため、地元民の反対運動や政治的な争いもあったと言われています。そのような悲しい背景が平成狸合戦ぽんぽこには裏設定として反映されていると都市伝説があるのです。
ジブリの作品には都市伝説や裏設定が色々あるといわれますが、裏設定や都市伝説は悲しいものが多いです。しかし火のないところに煙は立たないので、やはりスタジオジブリや監督からの何かメッセージが裏設定で込められていると思います。平成狸合戦ぽんぽこは悲しい裏設定や都市伝説が多いですが、悲しい裏設定や都市伝説でも、知ってから映画をもう一度見るとまた見る視点が変わると評判です。
今回は平成狸合戦ぽんぽこの都市伝説や裏設定を紹介していきましたがいかがだったでしょうか?かわいらしい見た目と陽気な音楽で有名なこの作品ですが隠された設定や様々な都市伝説がありました。今回の記事をみて平成狸合戦ぽんぽこに興味が出た方は平成狸合戦ぽんぽこを是非ご覧ください。