【オッドタクシー】登場キャラが動物の理由は小戸川の病気？実は全員人間だった？

登場キャラが動物という個性的な作品の『オッドタクシー』。このオッドタクシーの登場人物が動物に見える演出は主人公の小戸川に関する"ある理由"が深く関わっています。こちらの記事ではそんな動物に見える理由・伏線をご紹介していきますが、まずはオッドタクシーの作品概要とあらすじをご紹介していきます。オッドタクシーをまだ見たことの無い人はこちらの項目もチェックしてみてください。

『オッドタクシー（ODDTAXI）』は2021年に放映されたオリジナルテレビアニメで、4月から6月の間に全13話でテレビ東京系列の放送局で公開されました。オッドタクシーの物語脚本はアニメ化もされた漫画『セトウツミ』を代表作に持つ漫画家・此元和津也先生です。

アニメーション制作は『L'Arc-en-Ciel』や『ゆず』といったアーティストのステージ映像を手がけたり、その他アーティストのミュージックビデオも制作している映像制作会社・P.I.C.Sと、『ポケットモンスター』『イナズマイレブン』などの作品制作を手がけるアニメーション制作会社・OLMが共同制作しています。

オッドタクシーの原作はテレビアニメ版とされていますが、コミック版はオッドタクシーのテレビアニメが放映される前の1月から電子書籍として公開されていました。現在コミック版は3巻まで発行されており、小説版オッドタクシーも原作のテレビアニメが終了した後の同年7月に発売されています。

身寄りがなく対人関係もあまり得意ではない男・小戸川。小戸川は生活のためタクシー運転手として働いています。毎日入れ替わりに乗車してくる客との会話や友人との何気ない会話で社会と関わり合う小戸川。そんな普通の日常を送っていた小戸川ですが、彼が乗せた乗客達の会話はある少女の失踪事件に結びついているのでした。

オッドタクシーの主人公・小戸川。年齢は41際で、黄色い帽子を被ったセイウチの姿をしています。性格は偏屈で変わり者。常に低めのテンションで、対人関係もあまり得意ではありませんが、真面目で情に溢れた人物でもあります。両親に捨てられ、小学生の頃から一人暮らしを強いられており、大人になった現在は不眠症で医者に通っています。そんな彼は「一度見た客の顔を忘れない」という特技を持ち、後々この能力が発揮されます。

登場人物が人間ではなく動物として描かれているオッドタクシー。そのキャラクター性がオッドタクシーの個性的な雰囲気を作り上げていますが、オッドタクシーの最終回では、この動物たちの本当の姿が人間であることが判明します。ではなぜ人間たちが動物として描かれていたのか？その理由は主人公・小戸川が患っていた病気にありました。

小戸川は不眠症の病気にかかっていましたが、他にもう一つ持っていた病気があり、その病名は"視覚失認"というものでした。小戸川は物語が始まるさらに前の時点で事故を起こしており、その後遺症として脳の動きが正常に働かなくなり、人間を動物として認識してしまう病気にかかっていたのです。なぜそんな病気にかかってしまったのかというと、その理由は小戸川の子供時代にありました。

酷い親の元に生まれ子供時代からストレスを抱えていた小戸川。学校で同級生に罵られることもあり、人間に対する恐怖心が芽生えていきます。その時、悪口として言われた「セイウチ」という言葉を覚えていた小戸川。もともと動物が好きだったこともあり、小戸川は「本当に動物になれたらいいのに」という思いが強まった結果、人間が動物に見える病気にかかってしまったのでした。

登場キャラクターが動物として描かれることでその独特な雰囲気を作り上げていたオッドタクシーですが、最終回では動物の姿だった登場人物たちが人間の姿に戻ります。つまりは小戸川の患っていた視覚失認の病気が治ったということです。ではなぜその病気が治ったのか？

その理由はアニメの中では明確には表現されていませんが、小戸川が病気にかかったときと同じ体験をし、当時と同程度のショックを受けたからではないかと考えられます。実際の治療でも"ショック療法"という、患者に強い精神的衝撃を与える治療法があり、小戸川はそれと同じような体験をしたため、人間が動物に見える病気が回復に向かったのではないかと考えられます。

オッドタクシーの最終回で、登場人物が動物に見える理由は主人公の小戸川の病気によるものだと判明しました。そんな人間が動物に見える病ですが、この症状が小戸川の病気であると分かる伏線がオッドタクシーの中にはいくつもちりばめられています。こちらの項目では、人間が動物に見えるのが病気であると分かる伏線をご紹介していきます。

まずは伏線1つ目。こちらの伏線は『剛力からの「俺は何に見える？」という質問』です。小戸川の友人兼かかりつけ医である剛力。剛力はある時小戸川に「俺は何に見える？」と質問しています。この時、あえて"何"と聞いているのは、小戸川が人間を人間として見えていないと気づいた剛力が、それを確かめるためにかまをかけたのではないかと考えられます。

オッドタクシーの主人公・小戸川が、人間を動物として認識しているという伏線その2は『白川が笑った理由』です。小戸川がタクシーの中で白川に「この辺でアルパカはあんたしかいない」と発言するシーンがありますが、このとき白川は意味深な笑いを浮かべます。

病気について知らない状態の時には白川のこの笑いは何に対してなのか不思議に思いますが、小戸川には人間が動物に見えていると分かった後であれば、この笑いの意味が「自分は彼から見てアルパカに見えているんだ」という微笑ましいものであったと分かるようになっています。

オッドタクシーの主人公・小戸川が、人間を動物として認識しているという伏線その3は『人混みに紛れていても対象の人物を見つけることができる』です。小戸川は一度見た人を覚えるのが得意という特技を持っており、それは顔だけではなく後ろ姿でさえ当てることができるほどでした。

普通であれば人間を後ろ姿だけで見分けるのは難しいところですが、小戸川は人間が動物に見える病気にかかっているため、他の人では難しい"シルエットで特定の人物を見つける"という無理難題をこなすことができたのです。

オッドタクシーの主人公・小戸川が、人間を動物として認識しているという伏線その4は『OP曲の映像』です。小戸川が人間を動物として認識しているという最も分かりやすい伏線はOPに隠されています。それが、実写の人間が移っているワンシーン。ドライブレコーダーのような枠の中にふくよかな男性とメガネの男性が映っていますが、次に小戸川がミラーで2人を覗いた時には2人とも動物に変わっていました。

これは他者から見たら人間に見えるけれど、小戸川のフィルターを通すと人間が動物になるという暗示を描いたものであると分かります。考察や伏線回収が得意な視聴者の中には、この時点で既に気づいていた人もいたのではないでしょうか？

オッドタクシーで主人公の小戸川宏の声を演じたのは声優の花江夏樹さんです。花江夏樹さんは声優・タレント事務所のアクロスエンタテインメントに所属している声優で、神奈川県出身です。第9回声優アワードで新人男優賞を受賞したり、子供向けバラエティ番組『おはスタ』の木曜レギュラーとしている今最も人気の声優の1人。YouTubeにはゲーム実況動画も投稿しており、声優活動以外でも注目を浴びています。

オッドタクシーでは主人公の小戸川を演じた花江夏樹さん。他に有名な配役には『鬼滅の刃』の竈門炭治郎、『東京喰種』の金木研、『ツイステッドワンダーランド』のリドル・ローズハート、『進撃の巨人』のファルコ・グライスなどがあります。

こちらの感想のように、登場人物が動物ということで和やかな物語なのではないかと見始めた人も多かったのではないでしょうか？しかし実際には少女失踪事件や、小戸川の隠された過去など大人向けの内容が展開されたオッドタクシー。ほのぼの系を期待していた人には残念でしたが、逆にそのギャップが良かったという声もあがっています。

こちらのかたの感想でも、見始める前と後では印象が違ったという意見があがっています。動物ものということで、コメディやゆるゆるとした時間が流れる作品だというイメージを持っていた視聴者の数は多かったようです。

登場人物が実際には人間だったということで視聴者に衝撃を与えたオッドタクシー。しかし、その衝撃は最終回のラストシーンでさらに加速します。アニメのラストのその後はどうなったのか公開されていませんが、他の各話の謎は番組公式YouTubeチャンネルのオーディオドラマにて公開されているので、気になるシーンなどが合った人はYouTubeをチェックしてみてはいかがでしょうか？

以上、オッドタクシーの登場人物が動物に見える理由についてご紹介してきました。登場人物が動物の姿をしているのは、主人公・小戸川の"視覚失認"という病気からくるものでした。最終回では登場人物たちの本当の姿が公開されているので、まだ見ていない人は最終回の登場人物たちの姿にも注目しながら視聴してみてください。