【聖女の魔力は万能です】カイルは問題の多い第一王子？アイラとの関係やその後は？

「聖女の魔力は万能です」は日本人女性であるセイとアイラが異世界へ召喚されて物語がはじまります。そんな2人を召喚したのがスランタニア王国の第一王子であるカイルでした。カイルは「聖女召喚の儀」を執り行う立場のキャラクターですが、「嫌い」「無能」と呼ばれることが多いです。今回は、「聖女の魔力は万能です」に登場するカイルについて紹介していきます。

「聖女の魔力は万能です」は小説投稿サイト「小説家になろう」へ2016年4月29日から投稿されている作品で、作者は橘由華さん(小説家になろうではタチバナさん)です。掲載から10日後に日間ランキング1位を獲得、1か月後にはジャンル別ランキングにおいて日間・週間・月間で同時に1位となるほどの人気作品で、2017年にはライトノベル版が刊行されました。

また同じく2017年にコミカライズ化されていて、2021年11月現在で小説版が7巻まで、コミック版が6巻まで刊行されています。そして、主人公のセイとともに召喚されたアイラを主人公としたスピンオフ作品「聖女の魔力は万能です 〜もう一人の聖女〜」が2020年に刊行されました。「聖女の魔力は万能です」は2021年4月からアニメ化され人気を博しました。

国が瘴気に覆われ魔物が大量発生する時代がやってくる異世界。その異世界にあるスランタニア王国では、その時代に聖女が現れて国を救ってきました。しかし今回のように魔物が大量発生する時代においては、聖女が現れることがありませんでした。過去にも同様のことが一度あり、そのときと同じく聖女召還をすることに。その結果、日本から小鳥遊聖と御園愛良の2人が召喚され物語がはじまります。

「聖女の魔力は万能です」に登場するカイルの本名はカイル・スランタニアです。スランタニア王国第一王子であるカイルは15歳、赤金色の髪色は父親譲りです。「聖女の魔力は万能です」で聖女召還をして、アイラを聖女として迎えましたが一緒に召喚されたセイに気づかないというミスをしました。その点については後の項で詳しく紹介します。そんなカイルの性格は真面目で情に厚いですが、思い込みが激しい一面があります。

カイルは「聖女の魔力は万能です」の原作、アニメ版ともに主人公のセイと敵対する関係として描かれます。しかし、原作とアニメ版では大きな違いがあります。単純な悪役とした雰囲気で描かれる原作に対して、アニメ版はあえて嫌われ役を演じているように描かれます。それは、アイラに対する罪悪感からの行動とされています。

「聖女の魔力は万能です」のカイルが「無能で嫌い」と言われる行動について考察します。最初に考察する「無能で嫌い」と言われるカイルの言動として、召喚した聖女がアイラ1人だと思い込んだ点です。聖女召還の儀で召喚されたのはアイラとセイでしたが、カイルはセイに気づかないという失態を犯しました。カイルがアイラにばかり気を取られたこと、そして過去に2人同時に召喚された例がなかったことが原因のひとつです。

そのため、カイルにだけ原因があるわけではないですが、まったく気づかないのは無能と評されています。そして、その後にセイが聖女だと判明したあとも謝罪しようとしない性格が嫌いという声があります。その上、セイが聖女であるという実績については「自身に対する陰謀」と思い込んでしまいます。

続いて考察する「聖女の魔力は万能です」のカイルが「無能で嫌い」と言われる行動は怪我の治療を拒否したことです。これは、第三騎士団らが西の森に出現したサラマンダーに襲われて大量のけが人が出た事件でのものです。このときカイルはアイラが聖女としての力を身に着けるための訓練に付き合っていました。カイルは訓練をしていく中で、アイラが優しすぎるという内面を持つことに気づきました。

第三騎士団の事件が起きた時点で、貴重な回復魔法の使い手はすぐに駆け付けるべきでした。しかし、カイルはアイラが凄惨な事件現場を目撃して傷つくことを危惧して聖女の派遣要請を拒否しました。この行動が「無能で嫌い」と言われています。カイルの自分勝手な言動というわけではありませんが、ほかの重要なことよりアイラばかりを優先する姿が嫌われているようです。

続いて考察する「聖女の魔力は万能です」のカイルが「無能で嫌い」と言われる行動は社交界の常識がまったくないことです。カイルは第一王子という立場にありながら、この世界における一般常識を守ろうとしません。その一般常識とは婚約者がいる男性に未婚の女性が不用意に近づくことです。カイルは聖女候補のアイラを、婚約者がいる男子生徒で囲って行動を制限させてしまいました。

その結果どうなるかについては、「聖女の魔力は万能ですのカイルとアイラの関係やその後」の項で詳しく紹介します。しかし、王子という立場でありながら社交界や一般常識を無視する姿に「無能で嫌い」という感想が多数あります。

ここまで「聖女の魔力は万能です」のカイルが無能で嫌いと言われる理由について紹介しました。カイルの無能な点は、本人が嫌われるだけではなくほかのキャラクターに悪影響を及ぼします。とくに、アイラにかなりの悪影響を及ぼしました。カイルが社交界の常識を無視してアイルをほかの婚約者がいる男子生徒で囲んみました。その後、アイラはほかの女子生徒たちから嫌われてしまいます。

また、カイルはアイラのためにという意識が強く守るように一緒にいることが多くなります。そしてカイル自身もすでに婚約者がいるため、そんなカイルと一緒にいるアイラにより悪評が立ってしまいました。「聖女の魔力は万能です」においてアイラ自身はほかのキャラクターに迷惑をかける行動をほとんどしていませんが、カイルと一緒にいることによりどんどん周りとの関係が悪化してしまいました。

カイルと一緒にいるアイラに対して、その後ほかの女子生徒たちが「カイルから離れるように」と注意します。しかし、地球から「聖女の魔力は万能です」の世界に転移してきたアイラにとって、カイルに依存する以外の生き方ができない状態になっていました。また、注意されて困っているアイラをカイルが助けます。その結果、アイラはよりほかの女子生徒たちとの関係が悪化していきます。

ちなみに、第一王子カイルに囲われているアイラを立場が低い女子生徒が注意をするのは難しいことです。そこで注意してほしいと女子生徒に頼まれたのが、カイルの婚約者であるエリザベル・アシュレイでした。エリザベル・アシュレイ自身はアイラに悪い印象を持っていなかったのですが、間に挟まれてしまい苦労します。カイルの行動によりアイラ以外も人間関係が難しくなってしまいました。

「聖女の魔力は万能です」のカイルの言動によりアイラや周囲の人間関係が悪化したその後、2人はセイと出会いました。「聖女の魔力は万能です」で聖女を召喚したカイル、その場にセイがいたはずなのにまったく認識していません。これは前の項でも紹介した通り、聖女が1人だけしか召喚できないとカイルが思い込んでいたことや、アイラばかりに目を向けてセイの存在にまったく気づかなかったことが原因です。

2人がセイと会ったとき、すでにセイは「聖女の魔力は万能です」の世界において間違いなく聖女として召喚された者であると認識されていました。しかし、アイラが聖女だと信じて疑わないカイルはセイを自分を貶めるために王宮がでっち上げた偽物だと決めつけて話を進めていきます。セイが言うことだけではなく、周囲の話をまったく聞かずに自分の主張だけするカイルのもとにある人物が現れます。

その人物とは、「聖女の魔力は万能です」に登場するスランタニア王国の国王です。国王はカイルに対して「聖女召喚の儀」で召喚された聖女であると告げたほか、「儀式で召喚された聖女は2人」という報告を認識していなかったカイルを糾弾しました。本来の聖女であったセイが聖女として扱われなかったこと、そもそもセイを認識しようとしなかったことなどの責任はすべてカイルにあるとされます。

責任はすべてカイルにあるとされたその後、カイルは謹慎処分になります。さらに、その後は一切聖女に関わることから外されるという処分を受けました。その結果、アイラはカイルから離れて独りぼっちになってしまいます。しかし、カイルから離れたことでアイラは「聖女の魔力は万能です」の世界においてはじめてセイやエリザベルといった友人をつくることができました。

「聖女の魔力は万能です」のカイルが謹慎したあと、カイルはアイラと遭遇しました。カイルはそこで、聖女を召喚した目的が「魔物から国を守る」だったこと、アイラに親身になっていたのは国を守りたいという気持ちからのものだったことなどを告白しました。カイル自身は国のために行動していたのですが、結果的に「聖女の魔力は万能です」の世界を悪い意味でかき回してしまいました。

カイルが事情を話したその後、アイラとお互いに自分の道を歩むことを決めて円満に別れました。聖女として召喚されたアイラは、セイに魔法の勉強がしてみたいと思っていると相談します。そして聖女ではありませんが高い魔法の素質を持つアイラ、王宮魔法師団に入団を目指すことに。その結果、アイラは試験に合格して王宮魔法師団の一員として自分の道を進んでいきます。

「聖女の魔力は万能です」のカイルは先ほどのシーンのあとどうなるのでしょうか?先ほどのシーンは小説版「聖女の魔力は万能です」1巻でしたが、その後小説版「聖女の魔力は万能です」の7巻までの間にカイルが登場するシーンがありません。また小説版「聖女の魔力は万能です」2巻のあとがきに、カイルはニセ聖女となってしまったアイラとともに追放される予定だったと書かれています。

アイラとともに追放されるというストーリーが変更された理由は、「アイラがかわいそうだ」という読者の声があったためだそうです。実際に「聖女の魔力は万能です」の世界でヘイトを集める悪役キャラはカイルのみで、アイラはヘイトを集める様なキャラクターではなく、巻き込まれているだけのかわいそうなキャラクターとして描かれています。

そんなカイルが今後「聖女の魔力は万能です」に登場するかは不明ですが、ヘイトを集めるキャラクターが必要なときに再登場するかもしれないという説があります。

また、スピンオフ作品「聖女の魔力は万能です 〜もう一人の聖女〜」はアイラが主人公として描かれていて、1巻にカイルが登場します。スピンオフ作品「聖女の魔力は万能です 〜もう一人の聖女〜」1巻のラストシーンでアイラとカイルが対峙しているため、2巻でも登場するのは間違いないとされています。

「聖女の魔力は万能です」でカイル役を演じる声優は福山潤さんです。福山潤さんは「月刊Asuka」のラジオCMナレーションで活動を開始、アニメ声優としては2000年の「無敵王トライゼノン」の神威章役が初主演作品です。アニメ声優としてデビューしたあと「ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom」「ToHeart2」などメインキャラクターを数々演じました。

そんな福山潤さんは2006年に「コードギアス 反逆のルルーシュ」のルルーシュ役などに抜擢され、同年「アニメグランプリ2006」最優秀男性声優賞・「まんがベストテン2006」声優賞を受賞しました。その後「聖女の魔力は万能です」のカイル役をはじめさまざまなメインキャラクターを演じるほか、歌手としても活躍する人気声優です。

• いぬかみっ! 川平啓太
• コードギアス 反逆のルルーシュ ルルーシュ
• 黒執事 グレル・サトクリフ
• 狼と香辛料 クラフト・ロレンス
• 中二病でも恋がしたい! 富樫勇太
• 七つの大罪 キング
• PERSONA5 the Animation -THE DAY BREAKERS- 主人公(ジョーカー)
• あひるの空 蒲地太郎

「聖女の魔力は万能です」で視聴者から嫌われがちなカイル。とくに、王子なのに常識がない点が嫌いという方がたくさんいました。

「聖女の魔力は万能です」のスピンオフ作品「聖女の魔力は万能です 〜もう一人の聖女〜」で、カイルの印象が変わるという感想があります。

「聖女の魔力は万能です」で、カイルのことが嫌いだったけど見ていくうちに好きになったという方がいました。

「聖女の魔力は万能です」のカイルについて紹介しました。本作で嫌われ者としてヘイトを集めるカイルですが、カイルなりの正義感による行動が原因でした。今後カイルが再登場するのかどうかを注目して、「聖女の魔力は万能です」をチェックしてみてください。