2021年11月06日公開
2021年11月06日更新
【ここは今から倫理です。】漫画の感想・評価は?あらすじや心に響く名言も紹介
漫画「ここは今から倫理です。」の気になる感想・評価を徹底調査します!高校3年生に倫理を教える教師と彼が受け持つ生徒との交流を描く「ここは今から倫理です。」。それまでになかった哲学者の思想を扱う漫画として話題を呼び、2021年にはNHKにてドラマ化もされています。この記事では「ここは今から倫理です。」のあらすじ解説から読者の感想・評価、そして心に響く名言や作品の面白い魅力について解説していきます。
ここは今から倫理です。とは?
ここは今から倫理です。の概要
「ここは今から倫理です。」は雨瀬シオリによる漫画作品です。高校で倫理を教える教師と、彼が受け持つ生徒との出来事を描いていきます。集英社の隔月青年漫画雑誌グランドジャンプPREMIUMにて2016年11月号から2018年11月号まで連載された後、2019年1月号より「グランドジャンプむちゃ」に移籍し現在も連載されています。単行本は、2021年6月現在で既刊6巻、累計発行部数は160万部を超えています。
ここは今から倫理です。のドラマ化
漫画作品「ここは今から倫理です。」はTVドラマ化され、NHK総合の「よるドラ」枠(1:00am~1:30am)で放送されました。放送期間は2021年1月16日から3月13日までで、全8話となっています。
主人公の高校教師・高柳を演じたのは俳優の山田裕貴で、NHKドラマでは、2019年度上期の連続テレビ小説「なつぞら」の 小畑雪次郎役以来となります。また、この作品は、2020年度のギャラクシー賞テレビ部門奨励賞を受賞しています。
ここは今から倫理です。の漫画あらすじ
最初に「ここは今から倫理です。」のあらすじを紹介します。高校の3年生で選択科目に倫理を選んだ15人の生徒たちと彼らの授業を受け持つ高柳先生が主役になります。落ち着いた口調で淡々と授業を進める高柳先生。最初の授業で開口一番「倫理を学ばなくても困ることはない」と言ってのけました。クールな印象の高柳ですが、生徒たちの抱える問題には単なる教師の立場を超え助けようと懸命になる熱い姿がありました。
ここは今から倫理です。の名言や名セリフ集
あらすじ紹介に続いて、「ここは今から倫理です。」作中全般にわたって散りばめられているり名言や名セリフの紹介に移ります。心に残る名言を厳選してお届けします。
名言①「それがどんな理由でも…」
「それがどんな理由でも、命に換わる程重い絶望になるんです!!」
最初に紹介する名言は、大学生の彼氏と付き合っていてひどい目にあった女子生徒に対し高柳が語ったセリフです。信頼していた彼氏は実は卑劣な男で、仲間に彼女をレイプさせます。傷心した彼女は、思い余って校舎の屋上から飛び降りようとします。知らせを聞いた高柳は、別の女子生徒とともに現場に駆けつけました。
名言②「知らない事は…」
知らないことは悪いことではない。知らないのに知ったふりをしたり、知らない事を追い求めもせず平気で暮らすことが悪なのです
次に紹介する「ここは今から倫理です。」の名言は、古代ギリシャの哲学者、ソクラテスの哲学の概念を表す「無知の知」をわかりやすく表現したものです。自分が無知であることを知ることが哲学することの第一歩だという考え方です。無知である自分に気づくと、人は自分と向き合いどう生きていったら良いのか真剣に考えるようになります。高柳先生はそう生徒に教えたかったのでしょう。
名言③「相手を変えたければ…」
クラスのチャットから脱退した逢沢いち子がいじめの被害に遭います。クラスでは今後どうしていけばよいのか話し合いが持たれました。ディスカッションの成り行きを見ていた高柳は次のような言葉を口にしました。
相手を変えたければ自分も変わらなければならない 何故なら相手も自分も不完全なのだから…
困難に直面したときほど他者を批判してしまいがち。他人を責めるのは簡単だけど、その前に自分の行動を振り返ってみることも大事です。高柳先生は自分のものの見方に偏りがないかどうか点検するように勧めています。
自分の行動や物の見方を変えていかなければ、目に入る世界も変わってきません。他人を変えるのは時間もかかるし大変な困難を伴います。しかし、自分の考え方は、自分が決断さえすれば今すぐにでも変えることが可能だと教えてくれているのでしょう。
名言④「"正しい場所"に…」
明るくいい子を演じていた隅井桜花。実は両親から愛情を与えられず、寂しい少女時代を送ってきました。そんな桜花に近づいてきた女子生徒がいました。彼女は孤独な桜花にいろんなことを教えてくれます。しかし、教えてくれたのは、万引や他人への嫌がらせ、そして同情を引く嘘泣きなど一瞬胸がすくような快感を覚えますが、もちろん桜花のためになることではありません。
高柳先生は、桜花の抱える心の闇にいち早く気づきます。高柳先生は、悪いことはやめるよう言いました。このまま悪いことをし続けると、いずれ後戻りできなくなるし、いま周りにいる優しい人たちも去って行ってしまいます。高柳先生は、次の名言を桜花に伝えました。
「"正しい場所"に"悪い人"が来る事はあっても"悪い場所"に"正しい人"が来る事はないのですよ…」
ここは今から倫理です。の面白い魅力
面白い魅力①高柳先生のキャラ
ここからは、「ここは今から倫理です。」の面白い魅力について解説しいていきます。ここは今から倫理です。の作品の面白い魅力として真っ先に浮かぶのは、主人公・高柳先生のキャラでしょう。
生徒たちが高柳先生に助言を求めるとき、彼は直接的に答えを与えるようなことはしません。過去の偉大な哲人たちの思想に精通している高柳先生ですが、生徒たちに道を示すような超越者ではありません。
高柳先生の目指すところは「より良い生き方を実現する」ことにあると考えられますが、彼自身がその理想に到達しているわけではありません。未だその途上にいる高柳先生は、どうすればそれが実現できるのか常に考え呻吟し続けています。
生徒たちに問いかける一方で、自分自身でも問題に向き合い共に考えていく姿勢は、とても人間的だと言えるのではないでしょうか?こうした人間臭さが高柳先生の魅力であり、「ここは今から倫理です。」の魅力にもなっていると考えられるのです。
面白い魅力②生きた哲学
「ここは今から倫理です。」の面白い魅力として次に挙げられるのは、生きた哲学に触れることができるということです。トラブルに見舞われ思い悩む生徒たちに、高柳先生は先人たちの箴言(しんげん)を贈り、考えるヒントにしてもらおうとします。哲人たちの残したメッセージは、生徒たちに意識が同化している読者にも届いてきます。自分ならその言葉をこう解釈するとか、それは自分にも言えることだ等々。
「ここは今から倫理です。」の面白さは、生徒たちが問題を解決していく過程を見届けるだけでなく、自然に自分自分の問題として向き合うことができる点にもあると言えるでしょう。
高柳先生は、初めての倫理の授業で「倫理を学ばなくても困ることはない」と述べました。しかし、本作「ここは今から倫理です。」では、生徒たちの問題に向き合う姿を通じて読者も心を動かされ、単なる机上の空論・言葉遊びではない「生きた哲学」を体験できるのかも知れません。
ここは今から倫理です。に関する感想や評価
ここまで「ここは今から倫理です。」特集をお届けしてきましたが、最後に「ここは今から倫理です。」に関する感想や評価をTwitterより紹介します。
「ここは今から倫理です。」
— ちさの哲学ラボ (@philosophy_chis) October 28, 2021
私が哲学にハマるきっかけになった漫画なのですが、読む度に感想が変わるので何回読んでも飽きなくて面白いです。
めっちゃオススメします。 pic.twitter.com/78M7TbyUdA
最初に紹介する「ここは今から倫理です。」に関する感想・評価は、哲学にハマるきっかけになった漫画だという方のツイートからです。読むたびに感想が変わり飽きないといいます。読むたびに感想が変わるとは、新たな発見があるということでしょうか?最後に「めっちゃオススメ」と書いてツイートを結んでいました。
今の、ここは今から倫理ですで、「なぜ人を殺してはいけないのか?」についての話し合いを生徒たちがすることになってて、まだ話は途中なんだけど、少なくとも、こうだからだという超然的で明確な答えを与えるものではなく、それを考える過程を描く流れになってて、倫理じゃんって思う。
— ピエール手塚🍙 (@oskdgkmgkkk) November 2, 2021
次に紹介する「ここは今から倫理です。」に関する感想・評価は、作品の構成に「倫理」の授業らしさを感じるという方のツイートからです。その理由は、生徒のディスカッションに明確な答えを与えることはせず、考える過程を大切にしているからだといいます。数学のような明確な1つだけの答えがないところに「倫理」らしさがあるのでしょうか?
「ここは今から倫理です」
— 椎奈 (@shiiiiina_5253_) November 3, 2021
LINEマンガで毎日1話ずつ読んでるんだけど、めっちゃ心に刺さる
たまに登場人物の子たちと同じような気持ちになって、先生の言葉で自分もなんか救われるような気がするんだよね
YouTubeの広告で出会ったからたまにはいい仕事するじゃん広告よ~!
スマホ終わりの時間だ
続いて紹介する「ここは今から倫理です。」に関する感想・評価は、作品がとても心に刺さるという方のツイートからです。時々生徒たちと意識が同一化し、高柳先生の言葉に救われるような気持ちになるのだといいます。「ここは今から倫理です。」と出会うきっかけを作ってくれたYouTubeの広告に感謝していました。
ここは今から倫理です 1~2巻
— ワダ (@joker09225) November 2, 2021
話を聞いてくれる存在の大切さを感じる作品です。生徒の悩みや苦しみをしっかり聞き、倫理や哲学を通して解きほぐしていく。こんな先生がいて欲しい。#マンガ#ここは今から倫理です pic.twitter.com/wZ9cPoqSxx
最後に紹介する「ここは今から倫理です。」に関する感想・評価は、話を聞いてくれる存在の大切さを感じたという方のツイートからです。生徒の悩みをしっかりと聞いた上で、豊富な哲学の知識を生かして問題解決の道標を示していく、そんな先生にいて欲しいと願望を呟いていました。
ここは今から倫理です。の感想まとめ
ここまで、漫画作品「ここは今から倫理です。」にスポットを当て、あらすじ解説から作品の面白い魅力や読者の感想・評価、そして作中に登場する心に響く名言・名セリフなどを紹介してきました。いかがでしたでしょうか?
「ここは今から倫理です。」は、あらすじ欄でも解説したとおり、高柳先生のキャラの魅力や生徒たちとのやり取り、作中に散りばめられた哲学者の名言など見どころの多い作品と言われています。心の迷いや悩みから逃れるため、人は音楽を聞いたり旅行をして気分転換をはかりますが、根本原因の解消には至らないでしょう。
そんな時最後に頼るのが哲学や倫理学なのではないでしょうか?「ここは今から倫理です。」は悩み多き人々の心に響いてドラマ化など世間に広く知られる作品になったのかも知れません。