ここは今から倫理です。はどんな漫画？倫理の授業が舞台のあらすじと感想

『ここは今から倫理です。』とはそもそもどのような漫画なのでしょうか？コミックスの1巻の表紙から少し予想ができますが、、主人公は倫理の先生で、高校の倫理の授業が舞台となる漫画になっています。ですがそもそもこの漫画の題材となる倫理とは何なのでしょうか？調べてみました。

調べてみましたが、結果として余計にわからなくなりました。高校の社会科の選択授業で選択をしていたことがある方は何となくわかるかもしれませんが、全く勉強をしたことのない方からしたら少し難しく感じてしまう内容の漫画かもしれません。

『ここは今から倫理です。』は、タイトルに”倫理”という単語が入っているせいか、何となく難しそうな、堅苦しいような内容を想像してしまいます。たしかに倫理の授業風景や偉人の名言の紹介など、タイトル通り倫理が全面に押し出されている部分もありますが、実はそれ以外のシーンが大半なので、タイトルから感じてしまうような難しいイメージはなしで読むことができる作品になっています。

連載が不定期なせいなのか、ストーリーはオムニバス形で描かれています。倫理を教える教師と、彼が受け持つ高校生らとの出来事が1話完結で描かれており、登場する生徒達は作品を通して共通はしていますが、途中からでも大変読みやすくなっています。

『ここは今から倫理です。』について、この”倫理”というフワッとしたテーマが具体的にどう漫画の中で繰り広げられるかを、あらすじや読者の感想、評価を交えてご紹介します。あらすじのご紹介にはネタバレを含みますのでまだお読みになっていない方はご注意ください。

『ここは今から倫理です。』は、『グランドジャンプPREMIUM』で2016年11月号に第1話が掲載され、以降も不定期で連載中の作品です。コミックスは2018年6月16日に発売になった2巻が最新になります。

『ここは今から倫理です。』の著者は、雨瀬シオリ先生といい、2016年の秋にアニメ化もされた高校ラグビー漫画『ALL OUT！！』の著者でもあります。『ここは今から倫理です。』、メインの『ALL OUT！！』の他にも連載をしている作品があり多忙を極めているため、『ここは今から倫理です。』の連載が不定期なのだと考えられています。

現在集英社のグランドジャンプ公式サイトで『ここは今から倫理です。』の第1話が無料で読むことができます。是非公式サイトをチェックしてみてください。

ここでは『ここは今から倫理です。』のコミックス主人公である高柳のご紹介をしていきます。

『ここは今から倫理です。』の主人公、高校教諭の高柳です（下の名前は不明）。高校3年生の選択科目である倫理を受け持っています。目つきが鋭く一見怖いような印象を受けますが、顔立ち自体は整っているので一部の女生徒には人気のある先生です。

授業中も落ち着いており物静かな印象ではありますが、その淡々とした口調と無表情で冷淡な印象を与えてしまうこともあるようです。ただ想定外の事態に直面すると人間らしい慌てた表情を見せたりする一面もあり、態度とは裏腹に、あらゆる生徒に真摯に向き合い彼らが抱える心の問題の解決に尽力します。その半面で、悩みを持つ人間にしか興味を持てず、自分は酷い人間だと自虐していることもあります。

作品の中で哲学者の言葉を引用することも多々ありますので、そもそもそういったものが好きな方はこれだけでも楽しめるかもしれません。

『ここは今から倫理です。』は1話完結型で物語が描かれています。ここではコミックス1巻に収録されている1話目から5話目までのあらすじをご紹介します。『ここは今から倫理です。』1話目は、不良めいた装いの女子生徒、逢沢いち子（あいざわいちこ）の物語です。校内だろうと構わず性行為におよぶ、課題を提出しないなど、問題児としても有名な逢沢が主人公の高柳に興味をもつところから物語が始まります。

逢沢が2年生のある日、男子生徒との性行為中に教室に高柳が現れます。高柳が来たのを見て男子生徒は慌てて去っていきますが、その場に残された逢沢は高柳にそのことを咎められます。高柳が表情も変えずに自分を見ていたことから逢沢は高柳が気になっていました。

高校3年生になって倫理を選択した逢沢は、最初の授業が終わった後高柳を誘惑しようとせまります。自分に多少の自信があった逢沢は、高柳に自分は教養のある女性がタイプだと一蹴されてしまい、教養を身につけるように勧められてしまいます。

高柳に一層惹かれた逢沢は、試しにボールペン字のテキストを始めたのがきっかけで勉強に関心を持ち始めました。そのうちにツルンでいた素行の悪い男子学生との付き合いも減っていくことになるのですが、それが問題を招いてしまうのです。

『ここは今から倫理です。』第2話目は、学年最上位の成績を残す女子生徒、酒井美由紀（さかいみゆき）と同じクラスの派手な装いと八重歯が特徴的な女子生徒、八木まりあ（やぎまりあ）の物語です。好奇心から倫理を選択した酒井と選択授業の抽選で漏れて仕方なく倫理を受けることになった八木が友達になるところ（八木が一方的に友達になった）から始まります。

酒井は最初の倫理の授業から高柳のことをよく思っていませんでした。その冷淡な口調や無表情から見下されていると感じたからです。酒井は中学3年間で図書室の蔵書を全て読み終えており、本を読めば全てを理解できると悟りそう思っていました。そのせいで自分の身をもって経験するということを軽視してる節もあり、知識が豊富なせいで八木のことも無知だと見下していました。

八木はというと、酒井が意外と恋愛経験が豊富なことに驚き、酒井を『ししょー』と呼び尊敬します。最近大学生の彼氏ができたと浮ついており、酒井はそれにうんざりしていました。

ある日の倫理の授業が終わった後、廊下で酒井は高柳を呼び止め高柳の授業態度が気に入らないと話をします。高柳はそれに対して怒ることもせずただその話を真摯に聞いていました。

すると窓の外、屋上を見て突然血相を変えた高柳は、酒井と話をしている途中にも関わらず一目散に屋上を目指して走っていきました。酒井も同じように屋上を見上げるとそこには屋上の柵を乗り越えて淵に立つ八木の姿があったのです。

『ここは今から倫理です。』第3話目は、丸眼鏡が特徴的な、地味な容姿の男子生徒、谷口恭一（たにぐちきょういち）の物語です。小中学生時にいじめを受けた経験から、いじめっ子を救える「いい先生」になろうと志していた谷口は自らが目指すべき教師像を体現するような教師に未だかつて出会ったことがなく悩んでいました。そして倫理の授業で高柳に会い、第一印象で高柳こそ自分の目指す理想の教師に違いないと感じます。

高柳と話をしてみたいと思った谷口は思い切って彼のいる社会科準備室へと向かい、そこで喫煙をしていた高柳を見つけます。そして更にタバコ嫌いな地理の小林にタバコを吸っていることに対して激怒されている場面を目撃してしまい、一気に高柳に対して幻滅してしまいます。

やはり自分の理想とするような教師は存在しないのかと考えていた谷口は、同級生で同じく選択授業で倫理を受けている逢沢がとある教室で乱暴をされているところを目撃します。助けなくてはと思う反面自分ではどうしようもできないと思って誰か先生を呼びに行こうかと悩んで歩いていると偶然にも高柳に出会い、そのことを伝えます。

結果としては逢沢を助けることができましたが、谷口の中にはもしあの時高柳がそこにいなかったら自分はどうしていたのだろうという思いでモヤモヤとします。そしてた高柳と今一度落ち着いて話をしてみることにするのです。

『ここは今から倫理です。』第4話目は、ボリュームのあるショートヘアが特徴で、今まで大人しい子だと思われていた女子生徒、本田奈津子（ほんだなつこ）の物語です。話の初めは本田が同級生を椅子で殴るという激しいシーンから物語が始まります。高校1年生、2年生とおとなしい子だと思われていた本田が突然同級生に怪我をさせたとして教員内で大きな問題になりました。

教員達が事実を確認すると、怪我をさせられた生徒達が本田をからかい、彼女の鞄の中身を床にぶちまけたことが原因だったことがわかります。それに対してカッとなって本田は同級生を殴ったのですが、そもそもその同級生が本田をからかった理由というのが、本田がいつも休み時間になるとずっと鞄の中を覗き込んでいたのが気持ち悪かったからだと言います。本田の鞄の中身が何なのか、それがこのお話では大きな鍵になります。

高柳はいつも倫理の授業を熱心に受ける本田のことが少し気がかりでした。授業が終わった後質問に来るなど、倫理が一番好きという本田と廊下を歩いていると、同級生に怪我をさせた問題で面談をするために母親が来たと担任の萩原に呼び出されます。しかし母親とも萩原とも話したくない本田は高柳に隣にいてほしいとお願いし、高柳は面談に同席することになります。

鞄の中身を見せるように言われた本田は号泣して絶対に見せないと言い張りますが、最終的に高柳になら見せてもいいという話になりました。本田は高柳に鞄の中に入っていたものを見せてくれるのですが、それは高柳が一瞬目を点にしてしまうようなものだったのです。

『ここは今から倫理です。』第5話は、倫理の授業中は起きていたことが1度もない、不良っぽい見た目の男子生徒、間幸喜（はざまこうき）の物語です。高柳は間が自分の授業中に起きているところを見たことがありませんでした。ある日、高柳は何か授業で起きていられないような原因があるのではと間に尋ねようとしましたが、間はいきなり怒り出し二度と倫理の授業になんか出ないと言い残して教室を出ていってしまったのです。

それは間の家庭環境に深く関わっている問題でした。母子家庭で母親が深夜まで帰ってこない間は、退屈しのぎに夜遊びに出かけ他校の生徒と遅くまで夜遊びをしていたのです。そのため生活リズムが狂ってしまってい、毎日学校の生活中が眠いのでした。

数日後高柳は間に謝ります。そして授業にもきちんと参加してほしいと言いますが、間はそんな高柳の言葉に耳を貸しません。そして夜遊びをしているところを他の教員が見ていて知っていると話すと間は余計に怒り出してしまいました。聞く耳を持たない間に高柳は1枚の紙切れを渡します。紙切れには高柳の携帯の番号が書かれていました。

1度でもイタズラ電話をしたら出ない、だが話がしたいから1度でもいいから電話をくださいと高柳は言います。間は乱暴にそれを受け取りました。しかし事もあろうに夜遊び仲間がイタズラ電話を掛けてしまいます。翌日学校の廊下で高柳と間はすれ違いましたが、高柳は何も言いません。間はその時ひどく損をしたように思えました。そして1度イタズラ電話をしたら出ないと言われていたにも関わらず、高柳に再び電話を掛けるのでした。

オムニバス形式で描かれている『ここは今から倫理です。』ですが、お話の最後は大体高柳はお決まりの言葉を言います。『では、また倫理の時間に会いましょう。』言い回しは多少異なりますが、決め台詞があるというのはすごく主人公らしいです。

『ここは今から倫理です。』はそのテーマが倫理というフワッとした、難しそうなイメージがありますが、実際に読者の感想や評価にはどのような声があるのでしょうか？ここではTwitterから感想や評価を抜粋してご紹介します。

『感想を文字にするのが難しい』といった声が多数上げられており、そういった方は大体評価が概ね高いです。面白い、でもテーマがテーマだけに面白さを文字で表すのが難しく上手く評価を伝えられないというジレンマに陥ってる読者は多そうです。

『ここは今から倫理です。』をまだ読んだことはないけども気にはなっている、という声も多数見かけます。コミックス1巻が発売された時も話題になっていたようなので、感想を聞かせてほしい、評価が気になるという声が多々あります。

『ここは今から倫理です。』はやはりテーマがテーマだけに人を選ぶという感想や評価を抱く読者も大勢います。ですが、そういった方は最後に『でも私は好きです。』と言っている方も多いです。

オムニバス形式ですので、この話とこの話が特に好き、というような感想もたくさんあります。皆さんが持っている悩みなどで共感できる部分が多々あるようです。同じ悩みを持っている方同士なら、好きな話の感想や評価で盛り上がれるかもしれません。

コミックスの既刊が2巻というのはやはりまだ少ないでしょうか？早く次の話が読みたいという感想で溢れかえっています。

無表情で冷淡な口調なイケメン倫理教師の高柳ですが、そのイケメンぶりから数々の読者を魅了しているのが伺えます。教師としての評価も高いですが、男性としての評価も高いようです。

いかがでしたか？今回は『ここは今から倫理です。』のあらすじや感想、評価などをまとめました。テーマが倫理という難しそうなものになっているので敬遠しがちかもしれませんが、かなり奥深く面白い内容の漫画になっているのでオススメです。興味がある方はこの機会に是非第1話を試し読みして、更に気になった方は是非コミックスなどで読んでみてください。