【無能なナナ】渋沢ヨウヘイの能力と代償は？弱点や最後の死亡シーンを考察

「月刊少年ガンガン」に連載中のサスペンス漫画「無能なナナ」。この記事のメインテーマである渋沢ヨウヘイの話題に入る前に、まずは無能なナナの作品情報からお届けします。最初に無能なナナの作品概要、そして簡単なあらすじへと続きます。

原作：るーすぼーい、作画：古屋庵作画によるサスペンス漫画「無能なナナ」。スクウェア・エニックスの少年漫画雑誌「月刊少年ガンガン」にて2016年6月号より連載中の人気作品です。単行本はガンガンコミックスより8巻まで刊行されています（2021年6月現在）。

また、アニメ制作会社ブリッジによりテレビアニメが制作され、AT-Xなどで2020年10月から12月まで全13話が放送されました。アニメ化にあたっては原作に忠実な演出が行われ、原作漫画では1話から28話までのエピソード（単行本は第1巻から第4巻まで）が使われています。

孤島に建つ学園。ここでは全国から集められた能力者たちが人類の敵・怪物と戦うため日々訓練に精を出していました。ある日この学園に転校生・柊ナナがやってきます。彼女は冴えない男子生徒・中島ナナオが優れた能力者であることを見抜き、クラス委員長決定戦に挑戦させます。見事勝利を収めたナナオでしたが、その日の帰り道ナナに崖から突き落とされ死亡。ナナは能力者暗殺のため委員会より送り込まれた刺客でした。

ここからは本題である無能なナナに登場する渋沢ヨウヘイの話題に移っていきます。最初はプロフィールからです。

誰とも会話せずに1人で過ごすことの多い渋沢ヨウヘイ。言葉遣いがとても丁寧で、誰に対しても物腰のやわらかい対応をします。ただし食事のマナーには厳しく、食べるのが遅い人や食事をしているときうるさい人、そしてご飯粒を残す人を極端に嫌っています。

詳しくは後述しますが、ヨウヘイは時間を遡ることのできる能力により学園最強との呼び声の高い人物です。また、運動が苦手というわけではありませんが、泳ぐことがまったくできない、いわゆるカナヅチです。そして、殺害人数は80万人以上と推定されています。

次に渋沢ヨウヘイの性格を詳しく見ていきましょう。ヨウヘイの性格がよく表れたエピソードがいくつかあります。その一つを紹介します。いつものように誰ともしゃべらず1人で静かに食事をとっていたヨウヘイ。後ろの方で番長格の飯島モグオが手下に暴行を加えようとしていました。ところが次の瞬間、何者かに殴られて床に倒れ込むモグオの姿がありました。

ヨウヘイがモグオに尋ねます、「私が食事の時うるさい人が嫌いだということを知っていますね」と。常に粗暴な飯島モグオですが、この一言で大人しくなってしまいました。

一部始終を目撃していた柊ナナは、ヨウヘイに声を掛ける彼の向かいに座って食事を始めました。ところがそんなナナも食べ終わって席を立とうとしたとき、ヨウヘイに注意されてしまいます。「ご飯を残す人も嫌いなんです」と。ヨウヘイの神経質な性格が表れたエピソードでした。

渋沢ヨウヘイには別の一面、理想主義的な性格を現わすことがありました。先ほどの食事のシーンで柊ナナに自分の能力について鋭い指摘を受けたヨウヘイ。その指摘とは、ヨウヘイの時間に関する能力が単に「時間を止める能力」はないということ。

この時のヨウヘイのリアクションに彼の理想家肌の性質がよく表れていました。彼は驚いたり警戒したりするのではなく、ナナの優れた眼力を称賛します。「素晴らしいですよ」とヨウヘイはナナに語りかけました。そして、ともに世界を作り直しましょうと興奮気味にナナに向かって理想を口にしたのです。

プロフィール欄でも触れましたが、ヨウヘイは泳ぐことができません。それがわかったのは、課外授業で近くの池に出かけた時のことです。他の生徒の悪ふざけで池に落とされそうになると、ヨウヘイは必死になって泳げないことをアピールして抵抗します。

ヨウヘイのその他の特質に比べると取るに足りないことに思われがちですが、この泳げないことがその後大変なことを引き起こすことになるのです。

ここからは、無能なナナの渋沢ヨウヘイの持っている真の能力や弱点について解説していきます。

学園内では渋沢は最強の能力者として一目を置かれた存在となっていました。なぜなら時間を止めてしまうことができると考えられていたからです。ところが、真実は少し違っていました。ヨウヘイの持つ真の能力は時間を止めるのではなく「時間遡行」の能力です。念じると24時間以内の過去に遡行することができるのです。過去に戻って不都合な出来事を変えると、結果として現在の状況も変わります。

実際にヨウヘイがこの能力を使ったケースを例に説明してみます。先ほど紹介した飯島モグオとの一件です。モグオが手下に暴行を加えようとすると、ヨウヘイはその少し前に戻ってモグオを殴打し倒しました。そのため手下の生徒ではなくモグオ自身が倒れていました。

また、柊ナナと食事をしていた時のこと。ナナが誤ってヨウヘイのグラスに手を当ててしまうハプニングがありました。この時は、ナナの手がグラスに当たる少し前に戻ってグラスを抑えます。その結果、グラスの水は一滴もこぼれませんでした。このようにヨウヘイの「時間遡行」能力は、単に危険を回避するだけではなく思い通りの現実を創り出すこともできるのです。

他の能力者には見られない渋沢の持つ能力「時間遡行」ですが、いいことばかりではありません。能力の弱点や時間遡行を行うことで失うこともありました。次に時間遡行の弱点や代償について考察してみます。

ある時、渋沢のもとに転校生の小野寺キョウヤがやってきます。行方不明の中島ナナオの所在を一緒に追ってほしいとのことでした。そこで、間遡行を使い合同調査が始まりました。ところが、時間遡行を実施する渋沢の様子がいつもと違い、疲労困憊しているのが見て取れました。

時間遡行の能力は、その代償として能力を行使した本人の体力が消耗するという弱点を持っていました。過去に遡るのが短い時間であれば大したことではないのですが、数時間に及ぶとかなりの体力を消耗することになります。つまり、遡る時間の大きさに比例して体力を消費するのです。

また、時間遡行で戻ることができるのは、24時間前までと限定されています。無限に過去に遡ることができるわけではないのです。さらに、時間遡行にはもう一つ弱点がありました。それは、過去に戻ったとき、人にそのことが認識されると現在に引き戻されるということです。簡単に過去が変えられるわけではありませんでした。

無能なナナで時間遡行の能力を駆使する渋沢ヨウヘイ。ここからは彼の最後となった死亡シーンや死因をネタバレで解説していきます。

時間遡行の能力で柊ナナに協力していた渋沢ヨウヘイですが、それがあだとなり危険人物との烙印を押されナナの暗殺リストに載ってしまったのです。渋沢がいつものように寮に戻って1人で過ごしていると、ナナから呼び出しがありました。

以前課外授業が行われた近所の池に呼び出された渋沢。中島ナナオが人類の敵・怪物に殺害されたという作り話を信じ切ってしまいます。ナナから1日前に戻ってほしいとの依頼を受けて能力を発動します。「すぐに戻ってきますよ、中島君と一緒に」。柊ナナに呼びかけたこの言葉が最後のセリフとなるとは思いもよらなかったことでしょう。

無能なナナの渋沢を特集したこの記事での解説も佳境へと入ります。彼の最後となる死亡シーンとその死因です。柊ナナを信用し時間遡行を詳しく解説したことで、彼女に弱点を見抜かれてしまいます。そしてナナに能力の弱点を利用され、最後は池に落ち死亡してしまうのです。

渋沢がナナに呼び出される日の午前中、課外授業でやって来た郡セイヤが自身の能力を誇示して池の水を凍らせてしまいました。ナナはそれを見て渋沢殺害の計画を立てたのです。まず凍った池一面に土を敷きました。そして昨日の18時以降に中島ナナオが襲われたと嘘を言い、地面のように見せかけた凍った池の上に立たせて1日前に時間遡行させたのです。

1日前に戻った時、まだ池は凍り付いておらず渋沢は池の中にドボンと落ちてしまいます。時間遡行の限界点・24時間前に戻り体力を極限まで消耗させられた上、カナヅチなのに池に落ちてしまったのです。結果は火を見るより明らかでした。最後に死亡して池に沈んでいく渋沢。死因は溺死でした。氷の上ではクラスメイトたちが歓声を上げてはしゃぎまわっていました。

渋沢の死亡の直接的な死因は溺死ですが、間接的な死因はナナを信用し時間遡行の弱点をしゃべってしまったこと、さらに言えば、そうした渋沢の人の良さが死亡を招いた真の死因と言えるのではないでしょうか？以上が渋沢ヨウヘイの最後となった死亡シーンとその死因になります。

アニメ・無能なナナで渋沢ヨウヘイの声を担当したアニメ声優を紹介します。プロフィールは以下の通りです。

• 名前：増田俊樹（ますだ・としき）
• 性別：男性
• 出生地：広島県呉市
• 生年月日：1990年3月8日
• 年齢：31歳（2021年9月現在）
• 身長：176 cm
• 職業：声優、俳優、歌手
• 事務所：トイズファクトリー

幼少の頃より俳優に興味があった増田ですが、人生の転機となったアニメ作品を2つ挙げています。1つは高校生の時に観た「コードギアス反逆のルルーシュ」で、アニメに興味をもつきっかけとなりました。もう1つは「天元突破グレンラガン」。この時声優になりたいと強く思うようになったと言います。

2008年高校を卒業し上京。東京アナウンス学院放送声優科に入学します。翌2009年には「ミュージカル・テニスの王子様」の幸村精市役で俳優デビューを果たします。2011年4月、「遊☆戯☆王ZEXAL」の神代凌牙役でテレビアニメ・デビューを飾りました。2012年には、「ヌード・マウス」の山下俊哉役で舞台初主演を務めました。

アニメ・無能なナナで渋沢ヨウヘイを演じた声優の増田俊樹。彼の出演した数多い作品の中から、テレビアニメの代表作品を紹介します。

• 遊☆戯☆王ZEXAL（神代凌牙、シャーク）
• サムライフラメンコ（羽佐間正義）
• 美男高校地球防衛部LOVE!（蔵王立）
• 山田くんと7人の魔女（宮村虎之助）
• 甲鉄城のカバネリ（来栖）
• ツキウタ。 THE ANIMATION（如月恋）
• 刀剣乱舞-花丸-（加州清光）
• イケメン戦国◆時をかけるが恋は始まらない（徳川家康）
• ひとりじめマイヒーロー（勢多川正広）
• ガイコツ書店員 本田さん（溶接マスクほか）

ここまで無能なナナに登場する渋沢ヨウヘイの能力を特集してきましたが、最後に渋沢に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介する無能なナナの渋沢に関する感想や評価は、アニメ・無能なナナ第2話を観た方のツイートからです。ご飯時にうるさい人は大嫌いと言う渋沢ですが、彼自身もガツガツと音を立てて食べており「ブーメラン」では？と指摘しています。この記事でも取り上げたように神経質な性格の渋沢ですが、いい奴だったとキャラを評価していました。

続いて紹介する無能なナナの渋沢に関する感想や評価ですが、こちらも2話を観た方の感想です。ご飯粒を残す人も嫌いだという渋沢に共感しすぎて目に涙を浮かべているのでしょうか？なかなかお目にかかれない同じ感性持つ同志に、やっと巡り会えた喜びを表しているのかも知れません。

最後に紹介する無能なナナの渋沢に関する感想や評価は、率直な感想を呟いているツイートからです。無能なナナで最も可哀そうなのが渋沢だったと言います。神経質な性格などネガな部分はあったでしょうが、基本的には礼節を重んじるいい人でした。「委員会」が恐れる能力を持っていたばかりに殺されてしまうとは、確かに不条理で一番可哀そうかも知れません。

ここまで無能なナナの渋沢ヨウヘイに焦点を当て、彼の能力「時間遡行」の本質や弱点、そして最後の死亡シーンを死因を含めて考察してきました。いかがでしたでしょうか？

最強の能力としてクラスの能力者たちから一目置かれていた「時間遡行」ですが、思わぬ弱点がありそれが渋沢にとって命取りとなりました。また、柊ナナを信用しきってしまったことが身の破滅を招く原因、すなわち死因でしたが、渋沢の性格の良さが裏目に出た結果かもしれません。

ミステリー作品として見ても、泳げないことが死因の伏線になっているなどストーリー展開が巧みさが光る作品ではないでしょうか？未だ連載が続いている「無能なナナ」です。今後も展開にも期待しましょう。