【ソラニン】種田成男はなぜ死んだ?事故の理由や芽衣子との関係から考察

浅尾いにおによる日本の漫画「ソラニン」。物語中盤で主要人物である種田がバイクによる事故で死亡してしまうという衝撃的な展開が話題を呼びましたが、種田が死んだ理由は単なる交通事故ではないという説もあるようです。今回はなぜ種田が死んでしまったのかを芽衣子の関係から考察していきます。また、ソラニンの作品情報や他の登場人物、映画情報、種田の名言などについても調べました。

【ソラニン】種田成男はなぜ死んだ?事故の理由や芽衣子との関係から考察のイメージ

目次

  1. ソラニンの種田とは?
  2. ソラニンの種田成男はなぜ死んだ?事故の理由を考察
  3. ソラニンの種田と井上芽衣子の関係やバンド仲間
  4. ソラニンの種田の名言や名セリフ集
  5. ソラニンの種田の映画版の俳優キャスト
  6. ソラニンの種田に関する感想や評価
  7. ソラニンの種田まとめ

ソラニンの種田とは?

最初に「ソラニン」の作品情報やあらすじなど、また、物語の主人公となる種田についても基本的な情報から見ていきましょう。

ソラニンの作品情報

ソラニンの概要

「ソラニン」は2005年から2006年まで週刊ヤングサンデーにおいて連載された日本の青年漫画です。単行本の売り上げが90万部を超えたこと、2009年にアイズナー賞の候補に選ばれたことなどから話題となった作品です。また、2010年には宮崎あおい主演で映画化され、アジカンが主題歌を担当したことなどから知名度があがった作品でもあります。

「ソラニン」の原作者である浅尾いにおは今でこそサブカル漫画界の巨匠として「おやすみプンプン」「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」などヒット作を連発していますが、売れっ子漫画家となったきっかけの作品はまさに「ソラニン」。浅尾にとっても思い出深い代表作のため、各インタビューで「ソラニン」について語っています。

ソラニンのあらすじ

「ソラニン」の主な登場人物は、社会や将来に対して漠然と不安のある井上芽衣子と、アルバイトをしながら細々とバンド活動を続ける種田成男。二人は互いに励まし合い時には喧嘩もしながら同棲をしていました。しかし、種田の音楽活動が頓挫し、芽衣子との仲も劣悪に。二人は電話越しに和解をし想いを伝えあいますが、その直後に種田はなぜかバイクで交通事故にあって死亡してしまいます。

種田成男のプロフィール

種田は「ソラニン」における主人公です。福岡出身ですが、大学進学を期に上京し、大学では軽音サークルでギターとボーカルを務めていました。なんとなくで軽音サークルに入った芽衣子とは違い、種田は自分で作詞作曲をしたりと音楽への情熱がある様子。サークルの卒業ライブでは歌詞をとばしてしまうもののそのままの勢いで即興で言葉を紡ぎ、振り上げたこぶしから血が滴るほど興奮している様子も描かれました。

音楽が絡まない日常生活では優柔不断で煮え切らない返事をすることが多いという草食系男子ですが、芽衣子が仕事を辞めたいと言った際に背中を押したり「いざとなったら自分が養うから」ということを言ったりと、芽衣子への愛情は確かなもので、芽衣子のことを大切にしている様子も描かれています。

種田成男の夢

種田は大学卒業後もバイトを続けながら細々とバンド活動を続けていました。しかしバンド活動をしながらのアルバイトなので収入は少なく、芽衣子と同棲していたのも金銭の余裕のなさが理由にあったようです。しかしなぜか肝心の音楽に対しては逃げ腰で、「自分には才能がない」と言っては音楽活動をおろそかにしてしまいます。

苛立ちを隠せなくなった芽衣子が「本気で音楽をやってほしい」と懇願したことからアルバイトをやめ、バンド活動に熱を入れはじめました。本気でバンド活動を始めてすぐ、デモCDを送った一社から反応がありましたが、それがグラビア女優のバックバンドの依頼であったことから種田はその依頼を蹴ってしまいます。

このことから種田は、自分のつくった音楽や言葉で舞台に立ちたいという夢があったのではないかと考えられます。しかしなぜか音楽に対して自信のなさや評価されたくないという思いもあったようなので、一筋縄ではいかない思いを持っていたのだと考えられます。

その一方で、芽衣子に対して「いざとなったらどうにかするから仕事をやめてもいいよ」ということがあったり、芽衣子の母が東京に遊びに来た際に思うことがありそうだったりと、芽衣子との結婚を考えている様子も描かれていました。種田の夢には「芽衣子と幸せに暮らしたい」というものもあったのだと考えられます。

しかし、音楽で成功したいという夢と芽衣子と幸せに暮らしたいという夢が両立できるものではないとなぜか種田は考えており、それが後々種田自身を苦しめることになってしまいました。

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ソラニンの種田成男はなぜ死んだ?事故の理由を考察

「ソラニン」や種田の概要が分かったところで、種田はなぜ死亡してしまったのか、死亡の原因となったバイク事故の理由について考察していきましょう。

種田の死亡はただのバイク事故ではなく自殺?

グラビアアイドルのバックバンドの依頼を蹴ってからしばらくして、種田は芽衣子に別れ話を持ち掛けます。その場ではすぐに和解しましたが、その後種田は失踪してしまします。ようやく連絡があったのは5日後で、種田はデザイン事務所で働き始めたことやこれからは2人で幸せになりたいということを芽衣子に伝えます。しかしその帰り道に種田は乗っていたバイクで赤信号に突っ込み死亡してしまいます。

この事故ですが、種田が赤信号を確認した描写があることからこの事故が自殺だとする見方もあります。種田は赤信号を確認してから涙を流し、何かを叫びながらバイクのアクセルを握っています。それはまさに今から自分が死亡することを分かっていてるとしか思えない描写です。車に轢かれて死亡したあとの表情もどこか吹っ切れたもので、芽衣子との電話を切ったときから種田は既に死ぬつもりだったのかもしれません。

しかし、なぜ種田は自殺をしたのでしょうか?電話越しでは芽衣子との愛情を確かめ合い、「これから家に帰るから」とまで約束をしています。これから芽衣子と2人で幸せに暮らしていこう、と決意した直後に自殺をするのはなかなか考えにくいことです。ファンの間でも、種田のバイク事故による死亡は自殺だったのか、それとも不注意による事故だったのか、はたまたバイクが故障していたのが理由なのか、など様々な考察が為されています。

浅野は種田の死因を「願かけ」だったと述べている?

「ソラニン」の作者である浅野いにおは2017年に発売された「ソラニン 新装版」のあとがきにおいて、種田の死亡の動機は"願かけ"だったと述べています。つまり、赤信号だと分かりながらバイクで突っ込んでいったのは「赤信号を渡り切れたら芽衣子と幸せになれる」という賭けをしていたということです。これを自殺とみることもできますが、もしかしたらバイクで赤信号を渡り切れて種田が死亡しなかった世界もあるのかもしれません。

なぜわざわざ賭けをしたのかということについて理由を考えてみましょう。種田にとってデザイン事務所に勤めて芽衣子と幸せになる、というのは、音楽をあきらめることと同義でした。5日間芽衣子と連絡をとらず失踪していたのも今後の身の振り方を考えていたのだと考えられます。

だからこそ、バイクに乗りながら芽衣子に電話を掛けた時点ではまだ音楽と安定した幸せの間で気持ちが揺れ動いていて、「赤信号を渡れたら音楽をあきらめて芽衣子と幸せになろう」という願かけをしたのだと考えられます。種田が本気で音楽を志し、芽衣子が正社員で働いてそれを支える、という未来も可能だったでしょう。

しかし種田は一回芽衣子が会社での人間関係に悩んで退職しているところを見ていますし、秋田のお母さんが芽衣子の幸せを願っていることを知っていました。自分の夢のために芽衣子を働かせるというのは本望ではなかったのだと考えられます。いずれにしても一度しっかりと芽衣子やバンド仲間と話し合うべきでしたが、なぜそうしなかったのかという理由は彼の思いつめやすい性格にあると考えられます。

ちなみに原作者の浅野いにおは「ソラニン特装版」のあとがきにてなぜか「種田のことは正直あまり好きではない」という衝撃的な文言を残しています。もしかしたら原作者の浅野いにおも種田のことや種田の死亡の理由をはっきりとは決めておらず、読者に考察の余地を残しているのかもしれません。

ソラニンの種田と井上芽衣子の関係やバンド仲間

ここからは、物語の主人公となる芽衣子と種田の関係や、種田のバンド仲間について紹介していきます。

種田と井上芽衣子の関係

種田と井上芽衣子は大学の軽音サークルで出会った同期です。お互い地方から上京してきたということもあり気が合いすぐに付き合い始めます。大学を卒業して芽衣子が会社に勤め始めるとそこに種田が転がり込むようにして同棲が始まりました。

2人の関係は恋人でしたが、芽衣子が「先の見えない生活」といったようにどこかハッキリとしないところがありました。芽衣子の母が秋田から遊びに来た際も芽衣子は種田の存在を隠し、種田も積極的に自己紹介することはありませんでした。実際に種田は現在の生活のことを「ゆるっと幸せがだらっと続いている」「きっと悪い芽を出してさよならなんだ」と歌詞の中で表現しており、決して満足はしていなかったようです。

しかし、物語中盤で種田が5日間失踪したのちデザイン事務所に勤めだした理由は、芽衣子との結婚を視野に入れた安定した生活を目指したからだとも考えられます。お互いにこのままじゃだめだと思いながらも、しっかりと関係を大切にしようとする努力はしていたようでした。

種田のバンド仲間

ソラニンには種田と芽衣子の他にも個性豊かなキャラクターが登場します。特に種田のバンド仲間は種田がバイク事故で死んだ後も芽衣子を支える存在になったりと重要なポジションのキャラクターです。

ベースを担当する加藤健一はふくよかな見た目から「デブ」と呼ばれています。文系ながらなぜか大学6年生という異様な肩書を持っていますが、その反面芽衣子の親友である小谷アイを4年間口説き続けるという執念深さも持ちます。

ドラムを担当するのは通称「ビリー」こと山田二郎で、実家の薬局で働いています。「ビリー」というあだ名の理由は小学校時代体育の跳び箱でズボンが「ビリっ」と破けてしまったことに由来しています。芽衣子のことが好きですがそれを口にすることはせず、いつも芽衣子を見守り続けているというネタキャラながら性格のいいキャラクターです。

芽衣子の親友であるアイとビリーは種田が死に芽衣子が荒れてしまったときも芽衣子を支えるなど、献身的な姿を見せました。健一とビリーも、ほぼ音楽初心者の芽衣子に根気よくギターやボーカルを教えるなど、情に厚く義理堅いところのある人物です。

ソラニンの種田の名言や名セリフ集

ここまで種田と井上芽衣子の関係やバンド仲間について紹介しました。ここからはソラニンの種田の名言や名セリフを紹介します。「ソラニン」には数々の名言が登場します。早速、種田の名言を見ていきましょう。

種田の名言①「その時どうしてくれるの?…」

その時、どうしてくれるの? 一緒に死んでくれるの?

音楽に対して煮え切らない種田に対して芽衣子が啖呵を切ったあとの言葉。芽衣子は「種田は大好きな音楽を否定されるのが怖いんだろうけど、評価されなきゃ価値は出ない。本当に駄目だったらその時だけど」と言いますが、種田は「その時…」と言い返します。今後の伏線ともなるこの台詞。種田にとって音楽は本当に大切で手放したくないものなのだということが分かります。

種田の臆病さや煮え切らなさが出ている台詞です。芽衣子は種田が本当に音楽で駄目だった時に支える覚悟も度量もあったのだと思いますが、肝心の種田は芽衣子の言う通り大好きな音楽で否定されるのが怖く、なかなか本腰になれなかったのだと考えられます。

種田の名言②「あたり前のことだけど…」

あたり前のことだけど、 奇跡的に幸せな瞬間なのかもな。

種田がバンド活動に本腰を入れ始め、デモCDをレコード会社に送った後に芽衣子やバンド仲間と一緒に海へ花火をしにいきます。「あたり前のことだけど…」は、種田が年甲斐もなくはしゃぐ芽衣子やバンド仲間を見てつぶやいた一言。音楽と平凡な幸せを天秤にかけなければいけないというこの先の展開を暗示するかのような言葉です。

ソラニンの種田の映画版の俳優キャスト

2010年に映画化した「ソラニン」。映画版では種田役を一体誰が演じたのでしょうか?ここからは映画版で種田を演じたキャストについて見ていきましょう。

高良健吾のプロフィール

映画版「ソラニン」で種田成男を演じたのは高良健吾。2005年から活動しており、現在33歳になる俳優です。身長176センチという恵まれた体格をいかし、二枚目役を演じることが多いです。また、日本アカデミー賞新人俳優賞、高崎映画祭で最優秀主演男優賞などを受賞しており、演技派俳優としても有名です。

高良健吾の主な出演作品

高良健吾の「ソラニン」以外の出演作には「蛇にピアス」「軽蔑」「おにいちゃんのハナビ」「横道世之介」「悼む人」「きみはいい子」「人間失格 太宰治と3人の女たち」などがあります。「悼む人」は直木賞を受賞したベストセラーを映画化したことで話題になりました。また、「人間失格 太宰治と3人の女たち」では文豪である太宰治を演じきったことでも有名になりました。

ソラニンの種田に関する感想や評価

ここからはソラニンの種田に関する感想や評価を紹介します。10年以上前に連載されていた漫画ですが、映画化の効果も相まって現在も根強いファンがいるようです。

続いてソラニンの種田に関する感想や評価を紹介します。種田の事故については公式回答が出ていないこともあり今でもファンによって考察が行われています。

映画版「ソラニン」の評判も良く、特に芽衣子を演じる宮崎あおい、種田を演じる高良健吾がハマり役だったようです。

ソラニンの種田まとめ

今回は「ソラニン」の種田が死んだ理由を事故の理由や芽衣子の関係から考察していきましたが、原作者である浅野いにおのあとがきから、種田の死は自殺というよりも「赤信号を渡り切ることができれば」という願かけであったことが分かりました。「ソラニン」は、今も根強い人気があり、新装版などが発売されていることから、今後も続編などが発売される可能性はあります。楽しみに見てきましょう。

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