2018年07月09日公開
2018年07月09日更新
NANAの作者・矢沢あいの病気の状態は?連載復帰とその後の展開は?
「矢沢あい」さんは若い女性から高い支持を得ている、人気漫画家の一人です。中でも2000年から連載が始まった「NANA」は、テレビアニメが放映されたり、実写映画化されたりと高い人気を誇ります。しかし、2009年に作者の病気療養のため連載が止まり、現在も物語は途中のまま休載が続いています。この記事では、矢沢あいさんの病気や復帰の目処、NANAの連載開始はあるのか?などを紹介いたします。
目次
矢沢あいさんの人気作「NANA」ってどんな漫画?
NANAは集英社の少女漫画紙「Cookie」で2000年から連載が始まった、人気漫画家矢沢あいさんによる作品です。東京に住む彼氏を追って上京する恋多き乙女「小松奈々」と、ミュージシャンとして成功を目指し上京する「大崎ナナ」。これまでは接点もなく性格も全く違う二人のNANAですが、上京中の新幹線で偶然出会い、ひょんなきっかけでルームシェアを始めることになります。
ナナが所属するバンド「BLACK STONES」は順調に人気を高めていき、元メンバーで元恋人の本城蓮が所属する超人気バンド「TRAPNEST」に対抗するほどに成長していきます。奈々は上京のきっかけとなった恋人に振られてしまうも、恋人探しと東京ライフを楽しむ日々。二人のNANAを中心に様々な恋愛事情やトラブルを絡めながら、物語は複雑に進んでいきます。
NANAはアニメ化もされている!
連載開始から大人気だったNANAですが、2006年から2007年3月までの3クールに渡ってテレビアニメも放送されました。原作コミック11巻までの内容が“ファーストシーズン”という形で放送されましたが、その後作者である矢沢あいさんが病気療養に入り原作の連載が止まってしまったこともあり、セカンドシーズンが制作されるというアナウンスはなされていません。
音楽を題材にしたアニメのため、セリフを担当する声優と歌を担当する歌手を別々にキャスティングし、ナナの歌唱を担当した土屋アンナと、TRAPNESTのボーカルレイラの歌唱を担当したOLIVIAでジョイントライブを行うほどの人気作品になりました。
実写版映画「NANA」は社会現象に!
2005年9月には、漫画NANAの5巻までに該当するストーリーが実写映画化されました。奈々役に宮崎あおいさん、ナナ役には中島美嘉さんと、人気女優を2人のNANAにキャスティングしたこの作品は、映画ランキング初登場1位を獲得し、最終的には日本だけでも300万人の観客動員数を記録。この年の邦画ランキングで、4位にランクインするほどの大ヒット映画となりました。
さらに、実写版映画「NANA」の人気は国内だけに留まらず、香港や台湾でも記録的な興行収入をあげ、アジア圏で広く社会現象を巻き起こしました。
作者の矢沢あいさんが映画「NANA」主題歌の作詞を担当!
NANAの人気は映画のヒットだけには留まりません。ナナ役の中島美嘉さんが歌う主題歌「GLAMOROUS SKY」は、初登場から2週続けてオリコンウィークリーチャート1位を獲得する人気楽曲となり、2005年度年年間ランキングでもトップテン入りを果たす大ヒットとなりました。さらに、この曲は作者である矢沢あいさんが作詞を担当し、人気バンドL'Arc〜en〜Cielのhydeさんが作曲・プロデュースを手がけたことも話題となりました。
映画「NANA」が伊藤由奈ブレイクのきっかけに!
人気女優をキャスティングした映画版NANAですが、BLACK STONESのライバルであるTRAPNESTのボーカル「レイラ」役には、当時無名であった「伊藤由奈」さんがオーディションによって起用されました。伊藤由奈さんが歌うNANAの挿入歌「ENDLESS STORY」は、オリコンチャート初登場2位を記録。デビュー作でありながらロングヒットになり、NANAでの活躍が伊藤由奈さんブレイクのきっかけになりました。
大ヒットを飛ばした伊藤由奈さんの「ENDLESS SKY」はその後数々の音楽番組で披露され、年末には主題歌「GLAMOROUS SKY」を歌う中島美嘉さんと共に国民的歌番組である「紅白歌合戦」への出演を果たしました。
NANAの原作者「矢沢あい」とは?
社会現象になるほどの人気漫画、NANAの作者「矢沢あい」とは一体どういう人物なのでしょうか?NANAの連載を始める前から、数多くの人気作を生み出している漫画家です。1985年に「あの夏」という作品で連載を開始し、人気女性向け漫画雑誌「りぼん」の看板作者になっていきます。滅多に顔写真を出すことが無い作者ですが、コミックスのおまけページなどで度々自身の話をしています。
矢沢あいというペンネームは敬愛する歌手である「矢沢永吉」さんと、本名である“あい”からとっており、漫画家になっていなければスタイリストになっていたと公言するほどのおしゃれ好きです。実際に、NANAはもちろんその他の作品でも、登場人物達のおしゃれな服装が矢沢あい作品の特徴の一つであり、服飾を題材にした作品もいくつか描かれています。
NANAの作者矢沢あいの代表作は?
矢沢あいさんはNANAを連載中の2009年6月に、病気療養のため休載に入りました。しかし、それまでには読み切りも含めて沢山の名作漫画を書いています。「矢沢あいの漫画だったら何が好き?」という質問が起こるほど多種多様な作品をいくつも書いており、中にはNANA同様社会現象になるほどの作品もあります。そんな矢沢あいさんの漫画から、特に人気が高い代表作を紹介していきます。
矢沢あい初の長期連載「マリンブルーの風に抱かれて」
矢沢あいさんにとって平成初の連載となった「マリンブルーの風に抱かれて」は、1989年から1992年の1月まで「りぼん」で描かれ、文庫版で3巻、コミック版で4巻が集英社から発売されました。当時の矢沢あいさんが多く描いた、高校生同士の恋愛を扱った作品です。前編・後編が発売された「バラードまでそばにいて」を除くと、矢沢あい初の複数巻にわたる連載になりました。
矢沢あいの出世作「天使なんかじゃない」
矢沢あいの出世作とも言える大ヒット漫画です。1991年から1994年まで連載され、単行本は全8巻、完全版コミックスとして全4巻、文庫本は全6巻が発売されました。複数の著名人がこの作品のファンであることを公言しており、「矢沢あいの漫画で何が好き?」という質問に「天使なんかじゃない」を挙げる人も多いです。もちろん連載中の人気も高く、『りぼん』では何度も表紙や巻頭カラーを飾りました。
この作品の主な登場人物も高校生で、新設高校の生徒会役員になった主人公「冴島翠」と、生徒会長に選ばれた「須藤晃」を中心に、学校生活で起こる恋愛事情や友情を綴った少女漫画です。連載中の1993年には小説化され、1994年には矢沢あい初のOVAが発売されました。
テレビアニメにもなった“矢沢あいらしい”作品「ご近所物語」
テレビアニメにもなったほどの人気作「ご近所物語」は、『りぼん』1995年2月号から1997年10月号にかけて連載されました。作者の矢沢あいも通っていた、服飾デザイン科の高校に通う主人公「幸田実果子」を中心に繰り広げられるストーリーで、コミックスは全7巻、完全版で全4巻が発売されています。幼馴染であり恋人の「山口ツトム」との恋愛事情はもとより、人間模様や夢への努力などの青春要素が満載の作品となっています。
大人気だった作者の過去作品「天使なんかじゃない」のキャラクターが所々出演するなど、ファンが喜ぶ展開も満載で、1995年から1年間に渡ってテレビアニメが放映されるほどの人気作品になりました。物語が完結した後も人気が衰えることはなく、2005年にはDVD-BOXとしてアニメが再販されるなど、長く愛されている物語です。
ファッション誌で連載された「Paradise Kiss」
女子中高生に人気のファッション雑誌『Zipper』で連載された「Paradise Kiss」は、日本国内はもちろん世界中で発売された漫画です。“漫画家になっていなければスタイリストになっていた”と言う矢沢あいさんだけあって、作中で描かれる高いファッションセンスは欧米でも高く評価されています。「パラキス」という略称で親しまれたこの作品は「ご近所物語」の続編にあたり、コミックスは全5巻発売されています。
進学校に通う高校3年生の主人公「早坂紫」が、矢沢芸術学院の服飾科に在籍する「小泉譲二」(以下、ジョージ)と出会い、彼が所属する「パラダイス・キス」のモデルになったことで、自分で目標を持って生きる彼らに影響を受けたりジョージとの恋愛に発展したりというストーリーです。この作品もテレビアニメ化はもちろん、NANA同様実写映画が放映されるなど高い人気を誇りました。
作者「矢沢あい」の病気とは?
沢山の人気漫画を世に生み出し、少女漫画の神様とまで言われた矢沢あいさん。社会現象を生み出すまでの人気作品「NANA」の休載がアナウンスされた時には、沢山の悲しむ声があがりました。また、休載の理由が病気療養であったため、作者の体調を心配する声も多く、実際に矢沢あいさんの元には心配の声や回復を祈るファンからのメッセージが多数届いているようです。
実際の病気の症状や病名に関してははっきりとは明かされておりません。うつ病説やガン説の他、一部週刊誌では婦人系の病気ではないかいう情報もあります。過去のインタビューでは睡眠時間を2時間ほどしか確保できておらず、倒れてしまっても騙し騙し連載を続けていたことがあると話していたこともあり、どのような病気かは公表していないものの、今回はしっかりと復帰に向けての療養時間を確保したいと語っています。
矢沢あいの復帰時期は?NANAの連載再開はいつ?
気になる矢沢あいさんの復帰時期ですが、病気の詳細も分からない状況が続いている現在、その目処も明らかにはなっていません。作者である矢沢あいさんの復帰時期が分からない今の状況では、当然休載中のNANAがいつ再開されるのかも分かりません。NANAの連載復帰を待つ声は多いですが、上記でも紹介したように“体調を万全にして復帰する”という作者の話を信じて回復を待つしかありません。
矢沢あい復帰の兆し?JUJUとのコラボイラストを発表
矢沢あいさんの復帰とNANAの再開が待望されるなか、人気シンガーJUJUさんの「いいわけ」という曲のMVで、矢沢あいさんのイラストとのコラボが発表されました。NANAの登場人物である「レイラ」に似た、髪の長い女性を描いた23枚のイラストが楽曲に合わせて公開されています。突然のコラボCMには双方のファンから歓喜の声が挙がり、矢沢あいさんの病気が絵を描けないような重症ではないことが確かになりました。
矢沢あいさんのコメントでは、依頼を受けてからまず曲を一日中リピートで聴き歌詞を見なくても歌えるレベルまで叩き込んで取り組んだとのことです。また、何もイメージが思い浮かばなかった場合、この仕事をお断りするつもりだったようです。しかしながら自ずとイラストがイメージとして浮き上がり、病気で休養しながらも取り組むことに決めたようです。
また、コメントでは、いいわけは、色々な設定を当てはめる事ができ、想像力を刺激される曲だと語りました。何を足しても引いても違った、という部分がツボだったようです。JUJUさんは、大人の歌を歌って様になるミュージシャンは日本にはあまりいないのでは?とも思っているようです。矢沢あいさん自身も音楽が好きで、その音楽に関わる仕事ができて嬉しかったと語っていました。
スペシャルムービーの公開後には、「いいわけ」特設サイトにて矢沢あいさん本人からのコメントが発表され、手書きのイラストつきメッセージも公開されました。メッセージにもあるようにNANAの連載を復帰するほぼの体力は回復していないものの、順調に復帰へ向かっているという期待感を高めました。
矢沢あい病気療養前に発売されたNANA21巻の内容を紹介
NANAのコミックスは21巻を最後に発売されていません。しかも、21巻ではナナの婚約者である本城蓮が、事故死を迎えるという衝撃的な展開でした。21巻までのNANAはメンバーの薬物中毒や、奈々の恋愛のこじれ、ナナと本城蓮のケンカなど、かなりストーリーが複雑に進行しているところでした。本城蓮は婚約者であるナナを迎えに行くため、車で雪道を走っているところ事故に合うという悲劇の死を迎えてしまったのです。
『Cookie』にはその後のNANAが3話掲載されている
コミックスの発売はされていませんが、21巻以降のNANAが3話だけ『Cookie』に掲載されています。82話から84話までが掲載され、ますます今後のNANAから目が離せなくなったところで、矢沢あいさんが病気療養のため休載になるというアナウンスがされます。当然、期間や病気の詳細については触れられていなかったため、ほとんどのファンが一時的な休載だと思っていました。
NANAの82話から84話の内容は?
22巻以降のコミックスが発売されていないため、『Cookie』でのみ掲載されている82話から84話のNANAでは、本城蓮の葬儀以降のストーリー進行します。蓮が亡くなって以降塞ぎ込んでいたナナですが、徐々に心を開いて行く過程が描かれています。
しかし、奈々とシンの心情や、その他の登場人物達にも恋愛やバンド活動がこれからどうなるのかという、沢山の伏線が張られています。さらに、NANAでは定期的に未来の話が描かれており、2人のNANAがその後どうやってその話を回収して行くのかがこれから明かされて行くはずでした。
矢沢あいさんの復帰とNANAの連載再開を期待して待とう!
社会現象を巻き起こすほどの大人気漫画でありながら休載に至ったNANAですが、この後のストーリーは作者矢沢あいさんの復帰無くして知る由はありません。病気の詳細も分からない状況ではありますが、重病ではないことやJUJUさんとのコラボのように復帰の兆しが垣間見ることができます。
矢沢あいさんの復帰とNANAの連載再開がいつになるのかを明確にすることはできませんが、気になる84話以降のNANAを読むことができる日を楽しみに回復を祈るしかありません。