シティーハンターの海坊主がかっこいい！その魅力や本名・過去までまとめ

「海坊主」、といえば「シティーハンター」を思い浮かべる人は多いでしょう。厳つい巨体にスキンヘッド、強面を隠しきれないサングラス、アーミールックに大型火器といえば、シティーハンターの海坊主しかいません。裏社会の敏腕スイーパーである彼は、主人公冴羽獠の良きライバルとして、独特な魅力を放っています。後に喫茶店のマスターとなる海坊主ですが、彼の風貌からは想像しがたい人も多いでしょう。

海坊主の放つインパクトは非常に強く、その巨体には様々な魅力が秘められています。アーミールックとサングラスは、いかにもスイーパー、というより傭兵のような出で立ちです。ライバルの冴羽獠と比べても、その姿はやや時代遅れのような、戦場に赴いている様子そのものです。獠はジャケットにスラックスと、きちんと見た目には気を使っているようです。真反対なタイプの彼らの関係性は、一体どのようなものなのでしょうか？

また、海坊主という名前は、冴羽獠が面白がってつけたあだ名です。スイーパーとしては、「ファルコン」と呼ばれています。これは、彼の本名から取ったと言われています。では、その本名とはなんという名前なのでしょうか？そして、見た目もスタイルも確立されたかっこいい海坊主には、少し悲しい過去があります。それは一体どのような出来事だったのでしょうか？彼のサングラスの奥に隠された魅力について、探っていきましょう。

「シティーハンター」は、北条司さん原作の大人気漫画で、週刊少年ジャンプにて1985年から1991年まで、6年間連載されました。元は、「シティーハンター‐XYZ‐」、「シティーハンター‐ダブルエッジ‐」という同士の読み切り漫画から始まっています。北条さんといえば、シティーハンターの他に、「キャッツ・アイ」も非常に有名で人気の高い作品となっています。単行本は全35巻、それに加え後に文庫版全18巻が発売されています。

単行本の累計発行部数は5000万部を突破しており、漫画の他にアニメ、劇場版、小説、ゲーム、パチスロ、中国での実写映画化、韓国での実写ドラマ化など、メディアは多岐に渡ります。アニメやテレビアニメスペシャル、劇場版、実写化などは何度も製作され、作品の人気の高さが伺えます。また、パラレルワールド作品として、2001年から「エンジェルハート」が連載されました。こちらもアニメと実写ドラマ化が行われています。

シティーハンターの物語の舞台は、東京・新宿で、スイーパーとして殺しやボディーガード、探偵などの仕事を請け負う主人公、冴羽獠のハードボイルドコメディなストーリーです。冴羽獠は、スイーパーとしてはナンバーワンの腕前を持つと言われながらも、素顔は女性に目がないもっこり男で、相棒の槇村香に日々100トンハンマーをお見舞いされています。依頼人が駅の掲示板に書いた「XYZ」を元に、日々依頼をこなしていきます。

「XYZ」とは「もう後がない」、という意味で、依頼人が追い詰められた難題をシティーハンターに持ち込みます。各話毎に登場する美女に翻弄されながらも、冴羽獠はシティーハンターとして、難なく依頼をこなします。相棒の香とは恋人未満の関係ですが、相棒兼親友であった彼女の義兄から預かった香を非常に大切に想っており、彼女に危機が迫る時のみ、獠は取り乱してしまうことがあります。

一流のスイーパーとしてハードボイルドに、そして時にはお茶目なもっこり男として、面白くもかっこいい冴羽獠は非常に魅力的です。アニメージュという雑誌のアニメキャラクターランキングでは、3回連続でグランプリの座に輝いています。冴羽獠という本名以外は不明な部分が多いプロフィールですが、「新宿の種馬」「恐怖のもっこり男」「新宿の一発狼」など本名以外の異名も持ち、人に愛されるキャラクターとして描かれています。

シティーハンターの冴羽獠は、ナンバーワンと言われる実力ですが、海坊主も彼に勝るとも劣らない腕前の持ち主です。海坊主は元傭兵で、バズーカや機関銃などの重火器を得意としています。また、その巨体からは似つかわしくない繊細なトラップの名手でもあり、その術は世界一の殺し屋マイケル・ガーランドから学びました。それ故、獠との実力も互角であり、海坊主本人も獠がナンバーワンと言われていることに不満を示しています。

その体格をハンデとしないスピードを持ち、パワー面では圧倒的に冴羽獠を凌いでいます。隆々とした筋肉は、38口径の弾丸では貫くことができず、自ら弾を排出できてしまうほどで、非常に逞しくかっこいい背中です。その上寡黙で、サングラスで目元を隠している雰囲気は、戦う男らしく魅力的です。獠とは真反対と言っていいほどの性格の差があり、彼のライバル兼悪友として、シティーハンターの中でとても味わい深い存在です。

ここで、海坊主の本名について迫っていきましょう。そもそも、海坊主とは、獠が海坊主の外見を面白がってつけたあだ名です。彼の本名は、「伊集院隼人」です。その風貌にそぐわないといっては失礼ですが、非常に奥ゆかしい名前です。そして、海坊主のスイーパーとしての名前はファルコンでした。この「ファルコン」は、彼の本名から名付けられています。ファルコンとは日本語で「隼（ハヤブサ）」のことです。

シティーハンターの海坊主といえば、顔を頭まで真っ赤にして湯気を出した、まるでゆでタコのような顔を思い出す人もいるでしょう。彼は行き過ぎなほど寡黙で、シャイで、赤面症です。特に、女性の前では目も当てられないほどに取り乱し、その様子を幾度となく獠に「ゆでダコ」呼ばわりされています。真っ赤になった海坊主は、言葉を上手く発することができないほど緊張し、すぐに背を向けて雲隠れしようとします。

後に彼は喫茶店のマスターとなりますが、その際にも何度もゆでタコ状態になっており、時が経っても改善はされていないようです。接客業としては致命的ですが、かっこいいだけでなく、そんなかわいらしい一面も持ち合わせています。喫茶店の買い出しに行くにも、「大の男が買い物袋など」、と恥ずかしさが勝ってしまい、人目につかないように路地に隠れている様子が度々描かれています。

もう一つ、海坊主の特徴といえば、忘れられないのが「猫嫌い」という意外な一面です。筋肉隆々のあんな巨体を構えているにも関わらず、彼は猫の声が聞こえると力が抜けてしまうほど、猫が苦手なのです。ですがそれとは裏腹に、彼は何故か猫に好かれ懐かれてしまいます。本編では猫が原因で、仕事に支障をきたしてしまった場面もありました。それほどに、海坊主は猫が苦手なのです。

シティーハンターの海坊主は、元々傭兵でした。それ故、獠と互角となる腕前を持ち合わせています。中米国家の雇われ傭兵として、腕を磨いていたようです。中米国家といえば、激戦は容易に想像できます。そんな中でも活躍していたのですから、獠と渡り合えるわけです。しかし、このことが、海坊主の過去の中で大きな転機となってしまいます。

中米国家に雇われていた海坊主ですが、その際、冴羽獠によって目を傷つけられてしまいます。獠は海坊主と同じ戦場でゲリラ側として参加していました。そこで獠はエンジェルダストという麻薬を注射され、暴走してしまいます。暴走した獠を誰も止めることができず、海坊主のいた部隊を壊滅させてしまったのです。その時対峙した海坊主は目を負傷し、失明にまで至ってしまいます。かっこいい二人には、壮絶な過去があったのです。

シティーハンターの海坊主の魅力の一つは、寡黙でストイックな内面でしょう。余計なことは喋らず、確実に依頼をこなす姿はスマートで魅力的です。男性味溢れるその雰囲気は、スイーパーにはうってつけです。ハードボイルドな台詞もさらりと似合ってしまう彼に、憧れる男性ファンも少なくありません。冴羽獠とは正反対な海坊主ですが、互角に近い腕を持ってして、劣らない人気を誇っています。

シティーハンターのアニメオリジナルストーリーで、海坊主と女性依頼人との物語があります。亡くなった婚約者の代わりにある事件を追っていた彼女が、何者かに狙われるようになってしまい、海坊主がボディーガードとして依頼を受けます。ピアニストである彼女に恋をしてしまう海坊主でしたが、彼女は亡くなった婚約者を忘れられない、と告げます。海坊主は潔く身を引き彼女を送り出すのですが、その紳士的なラストが素敵です。

シティーハンターの海坊主のサングラスの奥は、過去にエンジェルダストで暴走した冴羽獠に深手を負わされたことが原因で、失明しています。普段はそれを微塵も感じさせない海坊主ですが、傷を負った時には痛みや不自由があったはずです。ですが、海坊主は獠を責めたりせず、それどころか「海坊主」や「タコ坊主」など散々なあだ名を許しています。普段は悪態をついてばかりの二人ですが、海坊主の許容は計り知れません。

シティーハンターの海坊主は、あれほどにシャイで寡黙で恥ずかしがり屋にも関わらず、真面目過ぎるが故に、一般人では躊躇してしまいそうなことを平気でやってのけます。上の画像は、鴨を頭に乗せて擬態していた時のものです。他にも某フライドチキンチェーンのおじさんに扮していることもありました。彼は至って真剣なのです。

シティーハンターの美樹は、海坊主の相棒で、元女傭兵という過去を持つスイーパーです。その美貌は言うまでもなく、すらりとしたスタイルにロングヘアがよく似合います。内戦時に孤児となってしまったところを海坊主に助けられ、生きるための術を教えてもらいます。ある日、美樹が海坊主の所属していた部隊に傭兵として参加したいという希望を聞いた海坊主は、彼女が戦場に赴くことを良しとせず、彼女の前から姿を消します。

それは海坊主が、美樹を守るためにとった行動でした。しかしそれでも諦めきれない美樹は、海坊主を追いかけて日本までやってきます。美樹は、公私ともに海坊主のパートナーとなりたかったのです。

日本にやってきた美樹は、海坊主に猛アタックをしかけます。そこで、海坊主は美樹にある提案をします。それは、「1週間以内に、獠にペイント弾を当てることができれば結婚する」、というものでした。元傭兵である腕を賭けて、美樹は獠相手に奮闘します。結果は獠の画策により賭けに勝利、ひとまず海坊主のパートナーとなることに成功します。そして、二人で喫茶店キャッツ・アイを経営しながら、愛を育んでいくのです。

その後、二人にある転機が訪れます。それは、海坊主の失明でした。過去のケガで弱視となっていた海坊主でしたが、ついに視力を完全に失ってしまいます。それを機に二人の仲は一層狭まり、晴れて結婚となるのです。この様子は漫画の最終巻に描かれています。

シティーハンターで海坊主役を担当されたのは、声優の玄田哲章（げんだてっしょう）さんです。海坊主の低音で渋みのあるかっこいい声の玄田さんは、意外とチャーミングな見た目をされています。1948年5月20日生まれで、現在70歳になっておられます。元々は役者さんの道を目指しておられたそうですが、24歳の時に所属していた劇団の主宰者に誘われ、声優のお仕事を始められました。

玄田さんのお仕事の中でも、アーノルド・シュワルツェネッガーさんの吹き替えはあまりにも有名です。トランスフォーマーのコンボイ司令官には多くのファンがいます。声優さんとしては、超魔人英雄伝ワタルの龍神丸、クレヨンしんちゃんのアクション仮面、また意外な役どころではうる星やつらのレイなどもいます。独特な渋く魅力的な低音で、吹き替えや声優、ナレーションなど、様々な声のお仕事をされています。

シティーハンターの海坊主の、魅力や過去、そして本名について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか？その巨体から溢れる男らしさと、寡黙な雰囲気から想像もできないような、お茶目でかわいらしい部分もありました。しかし一流のスイーパーとして、そして冴羽獠の良きライバルとして、かっこいい海坊主の姿に惹かれる人も数多くいます。魅力的な彼を、ぜひ今一度チェックしてみてください。

シティーハンターは、今年で連載から30周年を迎えました。それに合わせて様々なプロジェクトが進行しています。その一つとして、2019年春に、新作の劇場版が公開されるようです。久しぶりにかっこいい獠や香に会える、と楽しみにしているファンは大勢いることでしょう。今回ご紹介した海坊主の素敵な活躍も期待されます。ぜひ、こちらも合わせてご覧になってみてはいかがでしょうか。