【鉄腕アトム】天馬博士とは何者?アトムやお茶の水博士との関係は?声優や最後も

近未来の日本を舞台に、原子力による人型ロボット・アトムが活躍する手塚治虫の漫画作品「鉄腕アトム」。第3シリーズまで制作されたテレビアニメをはじめ、CG映画やスピンオフ漫画などメディアミックス展開も積極的に行われています。この記事ではアトムの生みの親である天馬博士にスポットを当て、息子の死という悲しい過去からアトムやお茶の水博士との関係、さらにはアニメで声を演じた歴代声優に加えて天馬博士の最後にまつわるエピソードまで、気になる情報をまとめてお届けします!

【鉄腕アトム】天馬博士とは何者?アトムやお茶の水博士との関係は?声優や最後ものイメージ

目次

  1. 鉄腕アトムとは?
  2. 鉄腕アトムの天馬博士とは何者?関係性も紹介
  3. 鉄腕アトムの天馬博士の声優
  4. 鉄腕アトムの天馬博士の最後
  5. 鉄腕アトムの天馬博士に関する感想や評価
  6. 鉄腕アトムの天馬博士まとめ

鉄腕アトムとは?

鉄腕アトムの作品情報

手塚治虫原作のSF漫画作品「鉄腕アトム」。1952年から1968年にかけて漫画雑誌・少年に連載されました。その後テレビアニメ化され、1963年から1966年までフジテレビ系で放送されました。このアニメは平均視聴率27.4%を記録、大人気作品となりました。

また1980年にはアニメ鉄腕アトム第2シリーズが制作され、日本テレビ系にて放送されました。さらに、2003年にはタイトルも「ASTRO BOY 鉄腕アトム」と一新したリメイク作品が、同じく日本テレビ系で放送されています。

鉄腕アトムが人気となった1960年代は、科学者を志す若者が増加したと言われています。それが後のロボット工学の発展につながっていったとすれば、日本社会において鉄腕アトムが果たした功績は大きかったと言えるでしょう。

鉄腕アトムの概要

概要のイメージ

近未来の日本を舞台に原子力による人型ロボットのアトムが活躍する漫画「鉄腕アトム」。1963年にテレビアニメの放送が開始されると様々な鉄腕アトム関連書籍が登場、1981年には出版累計数が1億冊を超えるまでになりました。

また、1980年には日本テレビ系でアニメ第2作となるカラー版「鉄腕アトム」が制作・放送されました。その後も、2002年にはリメイク版となる「ASTRO BOY 鉄腕アトム」が放送され、2009年にはCG映画「ATOM」が公開されています。

鉄腕アトムのあらすじ

続いて鉄腕アトムのあらすじを紹介します。ここでは本記事で特集する「天馬博士」を中心に解説していきます。

あらすじのイメージ

天才的な科学者であり科学省の長官であった天馬博士。彼には愛する息子がいました。しかし、そのかけがえのない息子は、交通事故に見舞われて幼くして死んでしまいます。

愛する息子を失ったことで、悲しみに打ちひしがれる天馬博士。ある時、天馬博士は愛する息子を再現した人型ロボットを作り出しました。しかし、この時作られたロボットは精巧ではありましたが本物の息子とは程遠く、成長することもありませんでした。

そんなロボットに愛想を尽かした天馬博士は、ロボット・トビオをサーカス団に売り飛ばしてしまいます。その後たまたまサーカス団を見に来ていたお茶の水博士は、酷い扱いを受けているトビオを見かねて引き取ります。そして、トビオを「アトム」と名付けたのです。人間のような感情を持つアトムは、お茶の水博士に導かれながら様々な事件を解決、人間のために活躍していきました。

CGアニメ映画作品『ATOM』

CG(コンピュータ・グラフィックス)アニメーション映画「ATOM」。手塚治虫の漫画・鉄腕アトムを原作に、2009年香港のアニメ会社IMAGIが制作、同年日本で吹き替え版映画が公開されました。

基本的には原作・鉄腕アトムのストーリーに沿った展開で、最愛の息子・飛雄を交通事故で失い失意のどん底に沈む天馬博士が、息子を思い出しながら人間の感情を持つロボット、アトムを創り出すところから物語は始まります。アトムの生い立ちから丁寧に描かれているので、鉄腕アトムを全く知らない人でも楽しめる内容になっていると言われています。

漫画『アトムザ・ビギニング』

次に紹介するのは、鉄腕アトムのスピンオフ漫画「アトムザ・ビギニング」。漫画家カサハラテツローの手になる作品で、月刊青年漫画雑誌「月刊ヒーローズ」に2015年1月号より連載されています。

手塚治虫の原作・鉄腕アトムよりも前の時代を描いていることから、天馬博士やお茶の水博士もまだ初々しい大学生。2人は人間の感情を持つロボットの研究で成果を上げ、練馬大学の天才コンビと称されていました。彼らは人工知能・ベヴストザインや自立型ロボット・A106を開発し、天馬博士がアトムを完成させたところで物語は幕を閉じます。

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鉄腕アトムの天馬博士とは何者?関係性も紹介

天馬博士のプロフィール

ここからは、本記事の主役・天馬博士について解説していきます。ますはプロフィールからです。天馬博士は本名を天馬午太郎(てんま・うまたろう)といい、アトムを製作した天才科学者であり科学省長官を務めた人物です。

最愛の息子・飛雄(トビオ)を事故で失くした天馬博士は、不死身のロボット、トビオの製作に没頭します。亡き息子を復元させようとして、天馬博士はトビオに人間のような感情を持たせます。そして、ロボット・トビオを完成させた天馬博士は、トビオと幸せな時間を過ごします。

しかし、そんな幸せな生活も長くは続きませんでした。何年経っても成長することのないトビオ。いかに精巧に作られていてもトビオは人間の子供ではないという厳しい現実が、天馬博士に突き付けられました。心を乱した天馬博士は、トビオをロボットサーカス団に売り飛ばしてしまいました。

ロボット工学においては、お茶の水博士よりも高い技術を持つ天馬博士。アトムを5万馬力から100万馬力にパワーアップさせたのも天馬博士でした。2人は練馬大学の同級生でしたが、飛び級で進学した天馬博士はお茶の水博士より5歳年下です。一方で、自尊心が強くエゴイスティックな天馬博士は、後に犯罪にも手を染めてしまいます。

天馬博士の性格がダークなものに変化したのは、アニメ第3シリーズでのことです。天馬博士は、アトムをロボットの王にして、自らもロボットとなりロボットの神になることを目論んでいました。感情を持つアトムのようなロボットは、進化を続けて人間を超える存在になると主張。お茶の水博士と対立してまでアトムを自らの目的の道具として利用しようとしますが、最終回ではアトムと親子の和解を果しました。

天馬博士の息子の死

天馬博士には悲しい過去がありました。最愛の息子・トビオが交通事故に遭い、幼くして命を奪われてしまったのです。トビオを亡くした天馬博士は、気も狂わんばかりに悲しみに打ちひしがれました。

天馬博士とアトムの関係

最愛の息子トビオを亡くした天馬博士は、トビオと再び暮らしたいという一心でトビオの再現に取り掛かります。人間のように感情を持つ人型ロボットの製作に着手。見事に精巧なロボットが完成しましたが、所詮はロボット、人間の息子のように成長をすることはありませんでした。

意気消沈した天馬博士は、前述のようにせっかく作ったトビオ(後のアトム)を売り飛ばしてしまいました。その後、お茶の水博士によって救い出されたトビオは、アトムという名前を与えられ皆さんご存知の活躍を繰り広げることになります。

天馬博士とお茶の水博士の関係

鉄腕アトムの主人公アトムの生みの親が天馬博士であるなら、お茶の水博士はアトムの育ての親と言ってもよいでしょう。お茶の水博士と天馬博士は、練馬大学の同級生にして天才的な科学者でした。天馬博士が科学省長官を辞任すると、後任にはお茶の水博士が就任ています。

お茶の水博士は、他の科学者とは違いロボットにも人権を認めるべきだと言う考え方を持っており、アトムにも親身になって接していました。また、お茶の水博士の家族についてですが、妻と死別したことや腹違いの妹(お茶の水蘭)がいることが描かれています。さらに、タイムマシンにより子孫が現れたことがあるので子供もいることがわかっています。

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鉄腕アトムの天馬博士の声優

天馬博士の声優①横森久

テレビアニメ鉄腕アトム第1シリーズで天馬博士の声を担当したのは、俳優で声優の横森久(よこもり・ひさし)です。彼は1928年9月10日東京府豊多摩郡杉並町で生まれ、1981年4月18日に52歳という若さでこの世を去りました。

早稲田大学を卒業した横森は、俳優を目指して劇団俳優座養成所に入所します。養成所卒業の1953年、正式に俳優座に入団します。舞台を皮切りに映画やテレビドラマにも進出し主に悪役として活躍します。主な出演作品は、俳優としては1960年の映画「悪い奴ほどよく眠る」や1980年の映画「二百三高地」など。また声優としては、本作「鉄腕アトム」では、天馬博士のほかサルタン役などを演じています。

天馬博士の声優②大木民夫

テレビアニメ鉄腕アトム第2シリーズで天馬博士の声を担当したのは、俳優で声優やナレーターとしても活動した大木民夫(おおき・たみお)です。1928年1月2日、東京府(現・東京都)で生まれた大木は、2017年12月14日89歳でこの世を去りました。

第二次大戦後の1946年NHK放送劇団の研究生となり演劇界の門を叩きます。1952年にはラジオ東京放送劇団、1969年東京俳優生活協同組合所属を経て、1972年にマウスプロモーションへ移籍し、45年間に渡り活躍しました。声優といての主な出演作には、「X-MENシリーズ」のプロフェッサーXや「マイノリティ・リポート」ラマー・バージェス局長、アニメ「交響詩篇エウレカセブン」ケンゴー役などがあります。

天馬博士の声優③大和田伸也

鉄腕アトムのアニメ第3シリーズとなった「ASTRO BOY 鉄腕アトム」で天馬博士の声を担当したのは、俳優で声優・ナレーターとしても幅広く活躍する大和田伸也(おおわだ・しんや)です。

1947年10月25日福井県敦賀市に生まれた大和田は、2019年12月現在72歳。ホリプロ・ブッキング・エージェンシーに所属しています。声優としての主な出演作は、劇場版アニメ「BUDDHA2 手塚治虫のブッダ -終わりなき旅-」のビンビサーラ王役や映画「アウトブレイク」でのダスティン・ホフマンの吹き替えなどがあります。

鉄腕アトムの天馬博士の最後

天馬博士の最後①原作漫画や第1・第2シリーズ

ここからは、鉄腕アトムにおける天馬博士の最後について解説していきます。まず、テレビアニメ鉄腕アトム第1・第2シリーズにおいてですが、前述の通り成長しないアトムに失望し最後はアトムをロボット・サーカス団に売り飛ばしてしまいます。これを最後に天馬博士の登場はほぼなくなってしまいました。

天馬博士の最後②第3シリーズ

天馬博士の最後、次はアニメ第3シリーズ「ASTRO BOY 鉄腕アトム」です。マッドサイエンティストとして登場した天馬博士は、シリーズ終盤まで主要キャラとしてストーリーに絡んできます。

アトムやお茶の水博士と敵対していく天馬博士。最後は、暴走していく自分の衝動を抑えようと自殺を図ります。ところが「死なないで、お父さん」と言うアトムの一言で思いとどまり、最後はアトムやお茶の水博士と和解に至ります。その後警察に自首した天馬博士は、刑務所で罪を償うことになりました。

鉄腕アトムの天馬博士に関する感想や評価

天馬博士の悲しさと深さに共感

ここまで、漫画・鉄腕アトムに登場する天馬博士の特集をお届けしてきましたが、最後に彼に関する感想や評価を紹介します。

鉄腕アトムの天馬博士に関する感想や評価、最初に紹介するのは、年を取るに従い天馬博士に対する見方が変わったと言うMasahiroさんのツイートからです。若い頃は天馬博士の悪者の面しか目に映らなかったのですが、大人になってから観ると、博士の悲しみの深さに共感するようになったと言います。併せて自分を強く持っているがゆえに親に受け入れられなかったアトムの切なさも、胸に迫って来たそうです。

今の無縁社会を予想?

続いて紹介する鉄腕アトムの天馬博士に関する感想や評価は、手塚治虫の先見の明に感銘をうけている倉田琢自さんのツイートからです。話題のコミュニケーションロボット・PALRO君を、アトムに重ねて見てしまうと言います。

アトムになる前のトビオは、息子を亡くした天馬博士が癒しを求めて作ったロボットでした。ここから、作者・手塚治虫は現代の無縁社会を予想していたのでは?と考えるに至ったそうです。

天馬博士とお茶の水博士を意識?

鉄腕アトムの天馬博士に関する感想や評価、最後に紹介するのは、後の漫画界への影響を解説するあっきーさんのツイートからです。名探偵コナンに登場する加賀見博士と阿笠博士の絡みは、アトムの天馬博士とお茶の水博士を意識して描かれたと言います。その上で、加賀見博士の再登場を待ち望んでいました。

鉄腕アトムの天馬博士まとめ

ここまで、手塚治虫原作の漫画作品・鉄腕アトムに登場する天馬博士にスポットを当て、彼のプロフィールからアトムやお茶の水博士との関係性、さらにはアニメシリーズで声を演じた声優陣や天馬博士の最後のシーンなどを解説してきました。

まとめのイメージ

アトムを製作した天才科学者・天馬博士。ところが天馬博士には悲しい過去がありました。最愛の息子が交通事故で命を奪われてしまったのです。息子と再び暮らしたいという一心で、天馬博士は人間のように感情を持つ人型ロボットの製作に着手。やがて思い通りのロボットが完成しますが、所詮はロボットでした。本物の子供のように成長することはありません。心を乱した天馬博士は、ロボットを売り飛ばしてしまいます。

この記事でアトムを作った天馬博士に興味を持った方は、アニメ第3シリーズ「ASTROBOY鉄腕アトム」をご覧になっていはいかがでしょう。アトムを巡る天馬博士やお茶の水博士の攻防が詳しく描かれています。きっと天馬博士に対する好奇心を満たしてくれることでしょう。

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