夜明け告げるルーのうたは崖の上のポニョと似てる?あらすじ・違いをネタバレ考察

夜明け告げるルーのうたと崖の上のポニョは似てると言われます。海からきた少女と人間の男の子の物語という点が共通する、夜明け告げるルーのうたと崖の上のポニョを比較し、似てる点と違いを洗い出してまとめます。また、「夜明け告げるルーのうた」のネタバレあらすじも併せて紹介します。2019年6月月に公開された「きみと、波にのれたら」の湯浅政明監督、その代表作の「夜明け告げるルーのうた」に改めて注目です。

夜明け告げるルーのうたは崖の上のポニョと似てる?あらすじ・違いをネタバレ考察のイメージ

目次

  1. 夜明け告げるルーのうたは崖の上のポニョと似てる?
  2. 夜明け告げるルーのうたのあらすじネタバレ
  3. 夜明け告げるルーのうたと崖の上のポニョの作品の違い
  4. 夜明け告げるルーのうたと崖の上のポニョのキャラの違い比較
  5. 夜明け告げるルーのうたに関する感想や評価
  6. 夜明け告げるルーのうたと崖の上のポニョ比較まとめ

夜明け告げるルーのうたは崖の上のポニョと似てる?

夜明け告げるルーのうたがポニョと似てると話題に

2017年に公開された映画「夜明け告げるルーのうた」は人魚と人間の男の子のお話です。公開当時、スタジオジブリ製作の「崖の上のポニョ」と似てると話題になりました。そんな「夜明け告げるルーのうた」について、そのネタバレあらすじとともに「崖の上のポニョ」との違いを比較して紹介します。

夜明け告げるルーのうたの作品情報

「夜明け告げるルーのうた」は2017年に公開された映画です。監督は湯浅政明さんで、2017年にアヌシー国際アニメーション映画祭長編部門の最高賞であるクリスタル賞を受賞、毎日映画コンクールアニメーション部門大藤信郎賞、文化庁メディア祭アニメーション部門大賞を受賞しています。

監督である湯浅政明さんの代表作にはテレビアニメ「四畳半神話大系」「ピンポン THE ANIMATION」「DEVILMAN crybaby」、アニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」などがあり、2019年6月21日にはアニメ映画「きみと、波に乗れたら」が公開されています。「夜明け告げるルーのうた」のキャラクターデザイン原案を担当したのは漫画家のねむようこさん、キャラクターデザイン・作画担当は伊藤伸高さんです。

夜明け告げるルーのうたの予告編動画

下の動画は2017年4月に公開された「夜明け告げるルーのうた」の予告編動画です。東京出身の足元カイは人魚の伝承がある港町、日無町に暮らしています。日無町が好きになれず家族にも思うところがあるカイは人との関わりを避け鬱屈した毎日を送っていましたが、カイの音楽に惹きつけられやってきた「ルー」と名乗る人魚との出会いによって日常が変わっていきます。

映画『夜明け告げるルーのうた』公式サイト

夜明け告げるルーのうたのあらすじネタバレ

あらすじ①人魚島

「夜明け告げるルーのうた」のあらすじネタバレを紹介します。中学三年生の足元カイは人魚の伝承がある港町・日無町に住んでいます。学校でも家でも人付き合いを避けて生活しているカイの趣味は打ち込みで音楽を作り動画投稿サイトにアップすることです。ある日一つの動画がバズり、音楽を作っていることがばれたカイは同級生にバンドに誘われます。

その二人は人魚が住むという言い伝えの人魚島で練習をしていると言い、バンドに入る気はないけれどその場所に興味を持ったカイは、共に小船で人魚島へ向かいます。御陰岩と呼ばれる巨大な岩によって日光がさえぎられ常に日陰になる人魚島は、かつては遊園地がありましたが今となっては寂れて誰も近づかない場所となっています。周囲に沈没している船をうまく避けて3人は人魚島へ上陸します。

「夜明け告げるルーのうた」のあらすじネタバレを続けて紹介します。カイと遊歩、国男の3人での初めてのバンド練習ではボーカル担当の遊歩の歌をカイが情け容赦なくけなし、怒った遊歩が演奏をやめて立ち去ってしまいます。すると、どこからか不思議な歌声が聞こえてきて、カイの体は思わず踊り出してしまいます。歌声の正体はわからないまま練習は終わり、遊歩と合流したカイたちは船で人魚島を出ようとします。

人魚島を出ようとしたカイたちは、途中で密漁をしている大人たちに遭遇してしまいます。密漁者とカイたちは衝突し、反発するカイのスマホは海へ投げ捨てられます。あわや、というところで密漁者たちの船の下の海水がせり上がり密漁者たちは空高く持ち上げられ、その場の全員が驚愕します。そのまま密漁者たちは海に落下し、何が起きたかわからず混乱するカイたちはとりあえず慌てて撤退します。

あらすじ②人魚のルー

「夜明け告げるルーのうた」のあらすじネタバレを紹介します。家に帰ったカイは、祖父に人魚を見たことがあるかと尋ねます。祖父は人魚に近づいてはいけない、と念を押します。自分の部屋へともどったカイが音楽を作っていると、窓の外で何かが跳ねていることに気がつきます。なんだろうと海を覗き込むと、人魚の少女が大量の海水と共に部屋へと飛びこんできます。

海水から逃げるように部屋を飛びだしたカイのあとを人魚が追います。追い詰められたカイは、ルーの尾ひれが音楽が流れている間だけ足のようになることに気がつきます。ルーと名乗るその人魚は、カイにスマホを差し出します。ルーは海で落としたカイのスマホを拾って届けてくれたのでした。スマホを返したルーはそのまま海へ去っていきます。

「夜明け告げるルーのうた」のあらすじネタバレを続けて紹介します。夏休みに入り、遊歩と国男のバンド・セイレーンになしくずしに加入したカイは再び二人と共に人魚島へ行き練習を始めます。するとルーが現れ歌を歌います。驚く遊歩と国男にカイがルーを紹介し、二人はルーを怖がることをやめました。ルーはカイたちの船を水を操って浮かせ、空高くからの日無町の美しい眺めを見せてくれます。

二人と別れ家路につくカイですが、ルーがまだ帰りたくないと言うので夜の日無町を歩くことにます。歩きながら、ルーは光や太陽が怖いらしいこと、ルーも母親がいないことを知ります。カイも両親が離婚して母親がいないことを話します。誰にも心を閉ざしてきたカイがルーには心を開くことができました。

途中立ち寄った捨て犬の収容所でルーは犬たちを噛み、「犬魚」に変えてしまいます。そして夜明けの訪れとともに犬魚たちを引き連れて海へ帰っていくのでした。翌日、国男の実家の神社を訪れたカイは国男の祖父から日無町の人魚の伝説について話を聞きます。むかし日無町の人間が捕らえた人魚を陽に当てて燃やしたところ、海の水がせり上がって人魚の遺体をさらったことがあり、それがお陰様の祟りだという伝承です。

あらすじ③人魚ライブ

「夜明け告げるルーのうた」のあらすじネタバレを紹介します。カイが部屋で音楽を流しているとルーが現れ、カイを海中に連れて行きます。そこでカイは美しい海の世界と巨大なルーの父親を見ます。後日、セイレーンが町の夏祭りで演奏をすることが決まり、3人はそれにルーを参加させようと計画します。

夏祭り当日、ルーをクーラーボックスに入れて演奏を始めたカイたちでしたが、途中で足が生えたルーがクーラーボックスを飛び出しパラソルを片手に観客の前で歌い踊り出してしまいます。ルーの歌やダンスに誘われるように町の人は踊り始め、祭りは最高に盛り上がります。

「夜明け告げるルーのうた」のあらすじネタバレを続けて紹介します。しかし、音楽が止まるとルーは人魚の姿に戻ってしまい、その様子を映した動画が世間に注目されてしまいます。ルーを町おこしのキャンペーンガールにしようとした町の役場の人はカイたちにルーの詳細を教えてくれと頼み込みます。絶対に教えようとはしないカイと、ルーもセイレーンもみんなの人気者になれると考える遊歩・国男は対立します。

そのうちに人魚島に人魚ランドが開演することになり、遊歩と国男はそこでのライブにルーを参加させようといいます。カイトはそれを拒否し、自分はライブには参加しないと言います。ルーの安全を考え絶対に教えようとはしないカイと、ルーもセイレーンもみんなの人気者になれると考える遊歩・国男は対立します。

バンドの楽器

ついにライブの日になり、カイを除いたセイレーンの演奏が始まります。途中アクシデントで遊歩が演奏を中断しますが、演奏は止まりません。町の役場の人は高校生の遊歩たちを信用せず、リスクヘッジのためにバックにプロのミュージシャンを手配していたのでした。

ルーはノリノリで歌い踊りますが、途中でバンドのメンバーがカイではないことに気がつき怯えます。そして頭上からの強いスポットライトに驚き恐怖したルーはステージを水浸しにして去ってしまいました。

あらすじ④別れ

「夜明け告げるルーのうた」のあらすじネタバレを紹介します。人魚ライブでのルーの水を操る力、そしてそのとき日無町に上陸していたルーの父親が生き物を人魚に変える力を目の当たりにした町の人間は人魚に恐怖を抱き始めます。そしてそのとき遊歩が行方不明となったことが決定打となり、町の人間はルーを捕まえることにします。

ルーは捕まり、工場のプールの檻に閉じ込められます。激怒した遊歩の父親がルーの檻に日光を当てようとし、恐怖したルーが悲鳴をあげるとそれをルーの父親が聞きつけました。日光に晒され全身が燃えながらもルーの父親は全力でルーの元へと駆けつけ、檻を自分の体で覆います。炎上する父親の体によって工場が消失しそうになり、町の人間は上から釜を被せて二人を閉じ込めます。

「夜明け告げるルーのうた」のあらすじネタバレを続けて紹介します。しかし人魚を閉じ込めたことでお陰様の祟りが起き、町の水没が始まります。カイは、家出から帰ってきた遊歩と共にプールへ乗り込み水門を開けてルーたちを助け出します。ルーたちは釜から脱出しましたが、海水は引いていきません。ルーは父親と共に力をつかって町の人たちを助けて行きます。しかしそれにも限界があり、ふたりは疲れ切ってバテてしまいます。

そのとき、歌が町に響きはじめました。カイがルーたちをはげまそうと「歌うたいのバラッド」を歌っていました。元気付けられたルーたちは残りの力を振り絞って海水を押し戻し始めます。ついに水は引き、町は元に戻ります。カイはルーに好きだ、ずっと一緒にいてほしいと告げます。しかしこの騒動でお陰岩の崩れた日無町に人魚はもう留まることはできず、ルーを含めた人魚の姿は消えてしまいました。

進路を決める時となり、カイは山向こうの高校へ進学することを決めます。しかし、卒業したら日無町に戻ってきて漁師になると言います。カイはいつか船でまだ見たことのない海を巡り、ルーのいそうな場所を探して見たいというのでした。カイの顔は明るく希望に満ちたものに変化していました。

夜明け告げるルーのうたと崖の上のポニョの作品の違い

作品の違い①キャッチコピー

似てるとされる「夜明け告げるルーのうた」と「崖の上のポニョ」が似てるか、あるいはその違いを紹介します。まず一つ目はキャッチコピーの違いです。

「崖の上のポニョ」のキャッチコピーは「生まれてきてよかった。」です。宮崎駿監督の作品は「生きる」ことの素晴らしさを説いている作品が多く、この「崖の上のポニョ」もまたその一つであり、このキャッチコピーはそれを表したものと言えます。

それに対し、「夜明け告げるルーのうた」のキャッチコピーは「君の"好き"は僕を変える」です。「夜明け告げるルーのうた」では両親が離婚し日無町に引っ越してきて誰にも打ち解けなかったカイが、「好き、好き」と素直に伝えてくるルーに出会って変わっていく様子が描かれます。

「頑固なカイだ」と、口を開かない味噌汁の貝と掛けて揶揄されていたほどのカイがルーの"好き"によって変わる、それが湯浅政明監督の見せたいものとしてキャッチコピーになったと言えます。

海

このようにキャッチコピーを比較してみると、「夜明け告げるるーのうた」と「崖の上のポニョ」の似てる点よりもその違いが見えてきます。

作品の違い②テーマ

似てるとされる「夜明け告げるルーのうた」と「崖の上のポニョ」が似てるか、あるいはその違いを紹介します。二つ目はテーマの違いです。

「崖の上のポニョ」はポニョが宗介一緒にいたいという気持ちを全力で押し通すという物語になっています。これはつまりやりたいことを周りや環境に流されずやり遂げるということでもあります。

「夜明け告げるルーのうた」は、公式HPで以下の文面が掲載されています。それではご紹介します。

心から好きなものを、口に出して『好き』と言えているか?同調圧力が蔓延する時代、湯浅が抱いたこの疑問がこの物語の出発点だった

つまり、この話はカイがルーに出会うことによって自分の気持ちに素直になっていく物語と言えます。ルーと出会ったことによってカイは自分の本当の好きなものに気がつき、やりたいことをやり遂げることの素晴らしさや楽しさを知っていくということがテーマと考えられます。

海岸を歩くひと

このように「夜明け告げるルーのうた」と「崖の上のポニョ」を比較してみると、この2作品は違う点はあるものの似てるテーマを持っていると言えます。

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夜明け告げるルーのうたと崖の上のポニョのキャラの違い比較

違い比較①ポニョとルーの種類

似てるとされる「夜明け告げるルーのうた」のルーと「崖の上のポニョ」のポニョを違いを比較して紹介します。まず、種類を比較します。

まずポニョは魚です。ただ、人間である宗介の血を舐めて半魚人になり、最終的には人間となるので厳密には魚であると言えないかもしれません。それに対し、ルーは人魚です。

この比較から、「夜明け告げるルーのうた」のルーと「崖の上のポニョ」のポニョは似てるようで種類が違うということがわかります。

違い比較②ポニョとルーの容姿

似てるとされる「夜明け告げるルーのうた」のルーと「崖の上のポニョ」のポニョを違いを比較して紹介します。次に、見た目を比較します。

ポニョは魚、半魚人、人間と変態を重ねて行きます。魚のときは魚類のような顔つきで手足は服のようなもので隠れてよく見えません。半魚人の時は鳥のような手足が生えてきます。人間のときは5歳の少女そのものです。

それに対しルーは通常時は魚の尻尾のような尾ひれがあり、音楽が流れると尾ひれが別れて人間のような足になります。上半身は人間の少女に似ています。

この比較から、「夜明け告げるルーのうた」のルーと「崖の上のポニョ」のポニョは魚らしいところがあるということで似てる点はありますが違う点も多い、ということがわかります。

違い比較③ポニョとルーの好物

似てるとされる「夜明け告げるルーのうた」のルーと「崖の上のポニョ」のポニョを違いを比較して紹介します。最後に好きなもので比較します。

ポニョの好きなものは宗介、ハムです。それに対しルーが好きなものはカイ、歌、踊りです。この比較から、ルーとポニョは主人公の少年のことが好き、という点において似てるということができます。

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夜明け告げるルーのうたに関する感想や評価

「夜明け告げるルーのうた」の発信する優しさやメッセージが心に寄り添ってくれたという感想のツイートです。悩んでいるときにみると救われる作品だということがわかります。

「夜明け告げるルーのうた」の水のアニメーション表現が素晴らしかったという感想のツイートです。「夜明け告げるルーのうた」では水がたくさん出てきますが、ただの物質としてではなく感情や表情が感じられるように描いたことがこの作品の評価につながっているということがわかります。

「夜明け告げるルーのうた」の挿入歌「歌うたいのバラッド」を評価するツイートです。劇中で何度もかかるこの曲がもたらす感動が伝わってきます。

「夜明け告げるルーのうた」では間違いを犯してしまう人間が多く登場しますが、その全てを許すような優しさがこの作品にはあるということを評価するツイートです。

「夜明け告げるルーのうた」の物語としての完成度を評価し、さらにその独特で鮮烈な湯浅政明監督の映像表現を魅力的だと讃えるツイートです。

夜明け告げるルーのうたと崖の上のポニョ比較まとめ

似てるとされる「夜明け告げるルーのうた」と「崖の上のポニョ」の比較をあらすじネタバレと併せてまとめました。海からきた少女と人間の男の子の物語という点で似ているこの2作品も、比較してみると異なる点が多く見えてきました。「夜明け告げるルーのうた」の湯浅政明さん監督の映画「きみと、波に乗れたら」が2019年6月から上映していますので、このまとめで興味を持った方は観にいってみてはいかがでしょうか。

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