サンクチュアリ(政治漫画)が面白い!最終回までのネタバレや名言も紹介

1990年より、ビッグコミックスペリオールで連載されたサンクチュアリは数々の名言を残した政治漫画です。各界の著名人にもサンクチュアリに影響を受けた!と発言される方が多く、既に30年近く前に発表された漫画にも関わらず、現在でもその政治理念や生き方は通用すると言われています。カンボジアから帰国した二人の青年が、日本の社会を裏と表から牛耳る為にのし上がっていく、というテーマは漫画「ウロボロス」にも似ています。そんなサンクチュアリのストーリーと名言を紹介いたします。

サンクチュアリ(政治漫画)が面白い!最終回までのネタバレや名言も紹介のイメージ

目次

  1. 「サンクチュアリ」ってどんな漫画?まずはデータから
  2. サンクチュアリの原作と作画はこんな人達!漫画原作者のネタバレも大公開
  3. 漫画「サンクチュアリ」の壮絶なストーリー
  4. 衝撃のラスト!漫画「サンクチュアリ」の最終回
  5. 漫画「サンクチュアリ」を読むには
  6. 漫画「サンクチュアリ」の魅惑的な登場人物達
  7. あの人も影響を受けた!漫画「サンクチュアリ」の名言集!
  8. 漫画「サンクチュアリ」のネタバレ情報を一挙に大公開
  9. メディア展開も!映画&アニメの「サンクチュアリ」のストーリーとキャスト情報をネタバレ!
  10. 「サンクチュアリ」の続編漫画とは!
  11. サンクチュアリからBIGINへ

「サンクチュアリ」ってどんな漫画?まずはデータから

サンクチュアリは小学館発行の「ビッグコミックスペリオール」で連載されました。連載期間は1990年からはじまり、1995年に最終回が掲載されました。単行本は全12巻が発行されており、累計発行部数は総計で700万部です。アマゾンでの評価を見ると、評価の付いているものの平均は星が約4.7、星が5つの巻も多く、読者の満足度がうかがえます。連載終了後の1995年には映画が、1996年にはOVAも制作されています。

サンクチュアリ〔BC〕の既刊一覧 – 小学館コミック

サンクチュアリの原作と作画はこんな人達!漫画原作者のネタバレも大公開

サンクチュアリは原作が史村翔氏、作画が池上遼一氏により作られた漫画です。サンクチュアリの他に史村翔氏と組んだものでは、サンクチュアリの後に連載されたオデッセイと現在連載中のサンクチュアリの続編、BIGINがあります。

サンクチュアリの原作は「史村翔」(ふみむらしょう)

原作者の名前は「史村翔」となっていますが、これは、ある大物漫画原作者の別名義です。その名前は「武論尊」。あの「北斗の拳」「蒼天の拳」「ドーベルマン刑事」など数々のアクション漫画の原作者として有名な方です。しかし、なぜペンネームを使い分けているのでしょうか。実は漫画原作者の方にはペンネームを複数持っている方が結構いるのです。

ネタバレご免!史村翔=武論尊

史村翔のペンネームは、本名の岡村善行をローマ字に変えたOKAMURAYOSHIYUKIの文字を入れ替得て作ったSHIMURASYOUを、更に講談社の編集者が史村=フミムラと読めると指摘したことから付いた名前です。集英社の専属であったため、他社では武論尊の名前を使えない事から使っていた別名義でしたが、その後、アクション漫画は武論尊で、それ以外の漫画は史村翔で、と使い分ける事になりました。

サンクチュアリの作画は池上遼一

池上遼一氏と言えば日本を代表する劇画家です。池上氏は端正な東洋人のイケメンを描くことで知られていますが、実は貸本でデビューした後、水木しげる氏のアシスタントをしていました。クライングフリーマンなど多くのヒット作を描いていますが、そのほとんどが原作付きです。漫画家の野中英次氏が池上氏の絵柄をしばしばパロディとして使っていますが、池上氏は野中氏の漫画のキャラクターを描いて贈るなど良好な関係です。

漫画「サンクチュアリ」の壮絶なストーリー

サンクチュアリは、カンボジアから帰国した二人の青年「北条彰」と「浅見千秋」の二人が、日本を裏と表から同時に変革しようとする物語です。少年時代をカンボジアで過ごした二人は日本に帰国し、人々が生きる気力を失っている様を目にし、改革を決意しますが、表裏をどちらが受け持つか決めなければなりません。そこでジャンケンでどちらを受け持つのかを決定するのでした。以降ネタバレを多少含みますのでご注意ください。

政治家となった浅見と、暴力団の総長となった北条。日本の表と裏を牛耳り改革を進める二人の間には、何を置いても守られるべき友情と、仲間との約束を守るためには無条件に何も考えずに約束を果たさなければならないという固い絆がありました。サンクチュアリのストーリーでは、友情を守るために数々の困難や障害が二人を襲います。

衝撃のラスト!漫画「サンクチュアリ」の最終回

浅見達は新日本党を結成し、与党・民自党との連合を果たしていました。一方、北条はロシアンマフィアと手を結ぼうとしていました。そんな時に浅見は原因不明の病に罹患してしまいます。北条は華僑の要人である江にロシアで華僑と和僑が平和に活動できるように協力して欲しいと持ち掛けます。病に侵されながらも、浅見は「首相公選制」と「憲法改正」を推し進めていきます。

首相公選制の議決は通り、初代首相候補として浅見が推薦されます。そして、舞台はカンボジアに移ります。木のたもとに腰かける浅見と北条。北条はもう一度ジャンケンをしようか、と持ち掛けますが、「もうジャンケンはいい。もう眠っていいか」と浅見は目を閉じます。頷く北条が涙を流すラストシーンで最終回が終わります。

漫画「サンクチュアリ」を読むには

サンクチュアリの漫画の単行本および漫画文庫版は、小学館のビッグコミックス版全12巻、同じく小学館のビッグコミックスワイド版全6巻、ビッグコミックススペシャル版全7巻、小学館漫画文庫版全8巻が出版されています。また、小学館のサイトで漫画の試し読みをする事もできます。

漫画「サンクチュアリ」の魅惑的な登場人物達

カンボジアで両親を殺された北条彰と浅見千秋の二人は日本に帰国しますが、そこで暮らす人々の目が腐った魚の様であることに衝撃を受け、この国を裏と表から改革しようと誓い合います。壮絶な出自の二人、そして覚悟を決めた二人の生き様もまた壮絶でした。サンクチュアリの主人公である北条と浅見、そして彼らを取り巻く人々を紹介いたします。

浅見千秋

ジャンケンで勝ち、日本の表を牛耳る役割を引き受けます。東京大学に合格し、政治研究会を立ち上げ、将来は日本の中枢で官僚として働くであろう人物との人脈作りを行います。卒業後は政治家の佐倉の秘書となり、やがて佐倉に取って代わって政治家へと転身します。最終回へ向かうラストの展開では、ネタバレになってしまうのですが、不治の病にかかってしまい命を落とす事になります。

北条彰

ジャンケンで負け、日本の裏を統括する役割を引き受けます。北条も浅見と同じく東大に入学できるほどの頭脳を持つ人物ではありますが、すぐに高校を中退し、ヤクザの舎弟になります。裏社会で直ぐに頭角を現し、驚異的なスピードで幹部へと上り詰めた北条は、自らの北彰会も含まれる相楽組の総長となります。

渡海

北条が門を叩いた渡海興行の組長で武闘派のヤクザです。抗争の報復で最愛の妻を殺された過去があります。いきなりヤクザになりたいとやってきた北条に対し、その決意を見せるため、ドスで手を貫けと言い渡します。言われた通りにやった北条を見込み、舎弟となる事を許します。その後、めきめきと出世する北条に対して憎悪しますが、ヤクザの心意気を失っていなかった北条に惚れ直し、後見人を買って出ます。

あの人も影響を受けた!漫画「サンクチュアリ」の名言集!

ビズリーチCEOの南壮一郎氏は、影響を受けた漫画としてサンクチュアリを取り上げ、人は人生をどう生きるべきなのか、と考えさせられる漫画であると言っています。オイシックス大地社長の高島宏平氏は会社を立ち上げる際にサンクチュアリに大いに影響を受けていると公言しています。武井壮氏は将来弁護士になるべきかアスリートになるべきかをサイコロで決めたのですが、それはサンクチュアリに影響されたからだそうです。

漫画「サンクチュアリ」の名言その1「いつまでも染みのついたジイさん達の時代じゃねぇ!」

浅見達の攻勢に抵抗する、利権にしがみついた政治家達の反撃に手を焼く二人。浅見が北条に「一度手を引くか」と問いかけたことに対する北条の答えがこの名言です。年齢的なものというよりも、旧態依然のやり方に固執する政治家達に対しての言葉です。

漫画「サンクチュアリ」の名言その2「オレにはやつの人生が乗っかってんだ!」

幹事長に挨拶にいった浅見は、幹事長から一緒に女を抱くように言われます。裏の世界で北条がやってきたことに比べれば大したことではない、と決意する際の名言です。多くの著名人が上げるサンクチュアリに影響を受けた部分が、この「友情」を守るという所で、友情はかけがいのないものとして扱われている事が良くわかるシーンです。

漫画「サンクチュアリ」の名言その3「バッジがなければただの養老院だ。40歳の首相に30代の閣僚…そうなれば少しは日本も面白くなる!」

北条も浅見も、普通にやれば何十年とかかる事を、短期間で行おうとします。北条は人が30年かかる事を一日で成し遂げるように、そして浅見は60歳以上ばかりの国会議員で行われる政治を、首相が40代、閣僚が30代という構成にする事が改革につながると確信します。これから会社を興そうとする人にとってはとても勇気づけられる名言です。

漫画「サンクチュアリ」の名言その4「国民自身も改革 進歩しなければいけないんです!」

浅見は憲法改正を訴えますが、周囲では国民投票の危うさに言及し、懸念します。それに対して浅見が言ったのが、この名言です。「国民が安易な人間を選ぶようであれば日本はそれまで」と、国民一人一人が意思と責任で日本について真剣に考えるべきだと訴えているのです。最終回では首相公選制の議題が可決します。このテーマはサンクチュアリの続編の漫画「BIGIN」にも継承されています。

漫画「サンクチュアリ」のネタバレ情報を一挙に大公開

サンクチュアリの漫画の最終回にかけて出てくるテーマは「友情」「憲法改正」「和僑」です。それぞれの裏付けとなるネタと、サンクチュアリの漫画のストーリーでどのように関わってくるのか紹介します。裏表のテーマを掘り下げてサンクチュアリという漫画の深い部分を紹介します。

漫画「サンクチュアリ」の表のテーマ「友情」のネタバレ!

人物紹介、名言、あらすじなどで紹介しましたが、二人の友情がサンクチュアリの表のテーマと言えるのではないかと思います。友情の為には何も考えずに行動する、友人が自分の為に汚い仕事に手を染めているのであれば自分も躊躇せずやり遂げる、友情の為ならば裏社会に入る…等々、ポルポトによって両親を殺されるという惨劇の中で育まれた友情は何にも代えがたいものでした。

漫画「サンクチュアリ」の裏のテーマ「和僑」をネタバレ!

浅見は改革によってアジアからの労働者も積極的に受け入れ労働力の流動化を図ろうとしていました。北条は華僑とロシアンマフィアを操り日本人が自由に海外で労働できるシステム「和僑」を作ろうとしていました。最終回までではこれらの結末は明らかになりません。どちらも目的は同じで日本と世界で日本人がもっと自由に活躍できる場を作りたいというものでした。このテーマを念頭に読むと漫画の見方も変わってくるかもしれません。

漫画「サンクチュアリ」連載時の1990年頃の政治情勢!これが改革の元ネタ?

サンクチュアリの漫画連載が開始された1990年の日本はどんな様子だったでしょうか。今から30年近く前、バブル経済の終焉を迎えていました。やがてバブルが崩壊し、1990-2000は失われた10年と言われています。1993年には政権交代がおき、細川内閣が誕生、翌年1994年には村山内閣が誕生しました。この辺りの流れが後半の元ネタ、あるいはネタバレと言えるかもしれません。

メディア展開も!映画&アニメの「サンクチュアリ」のストーリーとキャスト情報をネタバレ!

OVA「サンクチュアリ」のキャストは?原作漫画に忠実なキャラクターデザインもちょっぴりネタバレ!

北条彰の声を速水漿氏、浅見千秋役を中田和宏氏、渡海を土師孝也氏が演じています。制作はPASTEL、販売元は東宝とバップで、発売は1995年です。キャラクターデザインは原作漫画に忠実です。ストーリーは漫画版最終回までは到達しません。残念ながらVHSのみの販売であり、amazonでは現在、購入することができません。

映画「サンクチュアリ」のキャストもネタバレ!あの人が浅見役!

映画のサンクチュアリのキャストは、北条彰役を永澤俊矢氏、浅見千秋役を阿部寛氏が演じていました。また、北条の恋人役として、中村あずささんが出演しています。映画のサンクチュアリは一作目だけで、二作目・三作目はオリジナルビデオとして販売されました。一作目はDVDが発売されているのですが、二作目・三作目はVHSのみです。三作目では漫画の最終回へとつながる浅見の不治の病も描かれています。

「サンクチュアリ」の続編漫画とは!

サンクチュアリ最終回では二人はカンボジアへ渡航しており、結末はどうなったのか明確には描かれていません。最終回が掲載された1995年から22年後の1997年に、同じビッグコミックスペリオール誌で続編となる「BIGIN」の連載が開始されました。1998年5月の時点で4巻まで刊行されています。

22年の時を経て衝撃の続編「BIGIN」が始動!

サンクチュアリ続編の「BIGIN」は、サンクチュアリの設定を一部踏襲しており、主人公はやはり2人です。ただし、この続編では1人はヤクザですが、もう1人は沖縄の警察に派遣された官僚です。続編と銘打っているだけあり、やはりテーマは日本の政治と社会を憂い、改革を行おうとする内容になっています。

続編「BIGIN」の主人公1人目は「新海十造」

続編「BIGIN」の主人公の1人目は、新海十造です。三年前まで服役していた元極道の新海は沖縄に突如現れます。そして沖縄独立運動を煽動する人物や、尖閣諸島に出没した中国兵を狙撃し、中国マフィアによって牛耳られている沖縄極道の再起を手助けするのでした。

続編「BIGIN」の主人公2人目は「神津快」

続編「BIGIN」の主人公、2人目は神津快です。神津は官僚ですが、沖縄県警へ公安の特命班「BIGIN」を率いて派遣されます。米国と中国の二国の脅威に晒されている日本が生き残る為に、沖縄を戦場にしようと画策しています。

舞台は沖縄へ!

憂国の元極道「新海」と憂国の官僚「神津」が沖縄の地にそれぞれの思惑を胸にたどり着きました。互いに憂国という共通点がある二人は、それぞれのやり方で日本を救おうとします。新海は沖縄極道を率い、香港から中国共産党に揺さぶりをかけて中国の民主化を促そうと画策し、神津は沖縄から国政を狙います。その公約は「40歳以上の徴兵制」と「日本の核武装」でした。

サンクチュアリからBIGINへ

多くの人々に感銘を与え、その名言が迷える読者に勇気を与えた漫画「サンクチュアリ」をご紹介しました。武井壮氏は自らの進む道を選ぶのに、サンクチュアリの冒頭部分を模したと発言しています。衝撃の最終回から22年が経ち、再び、続編の「BIGIN」で、史村翔&池上遼一のコンビが、日本の政治について問いかけます。明日への活力を得るために、サンクチュアリとBIGINを手に取ってみてはいかがでしょうか。

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