【るろうに剣心】緋村剣心のモデルは人斬り・河上彦斎？登場人物のモデルや由来を考察

緋村剣心は人気漫画『るろうに剣心』の主人公であり、圧倒的な強さを誇る伝説の人斬りとして知られています。ここでは緋村剣心のモデルについて見ていく前に『るろうに剣心』の基本情報を紹介します。

『るろうに剣心』は圧倒的な人気を誇る漫画であり、アニメ化はもちろん実写映画化、舞台化など様々なメディアミックスをしている事でも知られています。

明治11年、廃刀令が施行されて剣客はすでに過去の者となりました。そんな中、町を荒らしている伝説の人斬り『抜刀斎』を自称する者を剣術道場の師範代・神谷薫は止めようとしていました。そしてある夜、一人の流浪人『緋村剣心』と出会った薫は『人斬り抜刀斎』を捕まえたいと話し始めます。

そんなある夜ついに人斬り抜刀斎を名乗る者と対峙した薫ですが、あまりの体格差に追い詰められてしまいます。しかし、そこに突然現れたのは緋村剣心でした。

『るろうに剣心』は1994年から1999年まで『週刊少年ジャンプ』に連載された歴史漫画であり、単行本が全31巻刊行されています。累計発行部数は6000万部を突破しており、2017年には続編となる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』の連載が開始されています。

『るろうに剣心』は1996年にアニメ化がされており、1998年まで2年半放送されました。1997年には劇場版アニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 維新志士への鎮魂歌』が公開されるなど人気を博しました。

緋村剣心のモデルである人斬り『河上彦斎』について紹介していきましょう。様々なうわさが錯綜しているため、河上彦斎の詳しい経歴を見ていきましょう。

緋村剣心のモデルは幕末四大人斬りと言われる『河上彦斎』です。圧倒的な剣の腕前を誇っており、正式な記録はないものの彼が相当な数の人を斬ったことを証言する幕末の人物たちが多くいます。

河上彦斎は緋村剣心のように逆刃刀を所持していたわけではありません。緋村剣心の逆刃刀は作者が作り出した想像上の刀であり、近年まで実在はしていないと言われていました。河上彦斎の愛刀は同田貫という刀だったとされています。

河上彦斎の人柄は真面目な青年だったとされており、外見は身長150センチと小柄で女性のように見えたといいます。こうした面で緋村剣心との共通点が多くなっています。刀を振るうときは性格が豹変したとされており、こうした所も似ています。

河上彦斎は兵法を宮部鼎蔵に学んでおり、彼との出会いが彦斎の運命を大きく変えます。宮部鼎蔵は政府から危険人物とされていましたが、その思想は河上彦斎に大きな影響を与えました。

尊皇派に対して厳戒態勢が取られていた京都に、宮部らと共に向かいます。そして京都警護の任につくことになり、河上彦斎は朝廷の三条実美の警備を担当することになります。

真面目な警護兵として三条実美の厚い信頼を受けていた河上彦斎ですが、『八月十八日の政変』が勃発して長州藩と三条実美たち公卿の人々は京を去らなければいけなくなります。しかし彦斎を含めた藩士たちは藩からの帰還要請を断り、脱藩浪士となって京都に潜伏します。

そんな中、宮部鼎蔵が京都に滞在中に『池田屋事件』の犠牲者になってしまいます。そのことに憤慨した河上彦斎は京に乗り込み、新選組や佐久間象山などを敵視することになります。そして、彦斎は京都で佐久間象山を斬殺します。

佐久間象山暗殺から数日後に起こった『禁門の変』で、彦斎は長州とともに戦いました。『禁門の変』が収まると桂小五郎などの説得を聞かずに熊本に帰って藩の説得を試みます。しかし、京での行動が問題視され、彦斎は投獄。一年を獄中で過ごすことになりました。

新撰組と河上彦斎の関係を見ていきましょう。『池田屋事件』で大きく名を上げた新撰組でしたが、河上彦斎にとっては同志を殺した仇敵であったとされています。そのため幕末の京では暗殺をする側と止める側として暗躍していたとされています。こうした点も緋村剣心と新撰組の関係に似ています。

河上彦斎の原動力となったのは、『池田屋事件』での仲間たちの死です。この事が明治になっても河上彦斎の心に暗い影を落としていました。この事が河上彦斎を悲しき運命に誘います。

明治維新の立役者である高杉晋作や桂小五郎、久坂玄瑞などと共闘した経験があった河上彦斎は、こうした経歴を評価されて明治時代になると外交官へと登用されました。

彦斎は明治時代に外交官として同志たちと共に新政府で働いていました。しかし、新政府には幕末の思想はなくなっており着々と開国の準備が進められていきました。しかし、彦斎はこれに納得できず理想と異なる現実に耐え切れなくなっていきます。

中央政府から距離を置くことにした彦斎は藩命によって、現在の大分県で兵学校を設立し教育者として尽力することになります。彦斎が設立した『有終館』では、最盛期には300人以上の兵士が学んでいたとされています。しかし、政府に追われていた長州藩士・大楽源太郎を匿ったことが問題視され、新政府で働いていたかつての仲間によって有終館は解体されてしまいました。

結局、兵学校は約2年で解体されてしまい、彦斎は反政府事件の嫌疑をかけられてしまいます。かつての同志が説得しましたが、新政府に与することなく尊王攘夷の思想を曲げなかったために斬首されてしまいました。この思いの裏側には『池田屋事件』や『禁門の変』で死んだ同志たちへの想いがあったと言われています。

ここでは緋村剣心以外のキャラのモデルを紹介していきます。多くのキャラクターが実在する人物をモデルとしていることでも知られています。

緋村剣心の相棒である相楽佐之助のモデルは新撰組十番隊組長の原田佐之助です。名前のモデルもそうですが、原田佐之助は槍の名手であり、相楽佐之助も当初は槍に似た武器を使用していました。

本作のヒロイン・神谷薫のモデルは坂本龍馬の恋人として知られる千葉佐那です。千葉佐那は「千葉の鬼小町」と呼ばれており、「剣術小町」と呼ばれていた薫とも共通点が多くあります。

緋村剣心の宿敵・志々雄真実のモデルは新撰組筆頭局長であった芹沢鴨です。包帯姿のモデルとなっているのは金田一耕助シリーズ「犬神家の一族」のキャラクター・青沼静馬です。

御庭番衆のお頭・四乃森蒼紫のモデルは新撰組副長の土方歳三と作者は語っています。最も連載当初から決まっていたわけではなく、連載中に徐々に土方歳三のイメージに近くなっていったと明かしています。

緋村剣心の前妻・雪代巴のモデルは熱狂的なファン多いアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のヒロインである綾波レイです。髪型や儚い表情などが綾波レイに類似しています。

瀬田宗次郎のモデルは新撰組一番隊組長の沖田宗司です。作中にも沖田は登場しますが、宗次郎と瓜二つの顔をしていました。

緋村剣心の仲間であり、医師を務める高荷恵のモデルとなったのは『デスノート』などで知られる漫画家・小畑健の人気漫画「CYBORGじいちゃんG」の登場人物・壊造喜由であると明かされています。

神谷道場の門下生・明神弥彦は越後一の宮「弥彦神社」が名前のモデルであり、外見のモデルは特にないと作者は語っています。内面のモデルは中学生時代の作者自身であることを明かしています。

緋村剣心の宿敵・斉藤一のモデルはもちろん新撰組三番隊組長の斎藤一です。斎藤一の知名度を大きく上げたキャラクターとなっています。

『赤べこ』で働く美少女・三条燕のモデルは大人気アニメ『美少女戦士セーラームーン』に登場するセーラー戦士・土萠ほたると明かされています。三条燕は作品序盤から登場する人気の高い少女となっています。

実業家であり、アヘンの密売をしていた武田観柳のモデルは新選組五番隊組長を務めた武田観柳斎です。こちらは名前のモデルだけであり、外見や性格のモデルはいないと言われています。

鵜堂刃衛のモデルは幕末の人斬り・岡田以蔵です。剣心のモデル・河上彦斎と並び称される『人斬り以蔵』として知られています。

『人斬り抜刀斎』の緋村剣心はその圧倒的な強さで明治にまで語り継がれています。なので、ここではモデルとなった河上彦斎の強さを紹介していきます。

河上彦斎は剣心と同じく片手抜刀術を得意としていたと言われています。その剣術は我流であり、当時熊本藩で最も盛んだった居合の剣術・伯耆流居合の修行を受けてたという説もありますが、伯耆流居合にはない独特の構えを見せていたと言われています。

河上彦斎は尊王攘夷派の志士として知られており、排外主義的な側面が強く強硬派の尊王攘夷派で意見が合わない人物をすぐさま斬ってしまうことでも知られています。

『るろうに剣心』の緋村剣心のモデルなどに関するインターネット上にある感想や評価を紹介していきましょう。

人斬りとして知られている河上彦斎は一般的な知名度はあまり高くありませんでした。しかし剣心のモデルとなったことで、注目度がアップしています。ネット上でも名前を見かける機会が増えています。

最近ネットで話題になったのは、剣心が持つ逆刃刀が実際に見つかったという事です。『るろうに剣心』が連載していた当時は実在しないと言われていた逆刃刀ですが、最近実際に存在していたことが判明してネット上を沸かせました。

『るろうに剣心』のキャラのモデルには新選組の隊士が多いことに注目するファンも多くいます。味方のキャラや敵キャラまで多くのキャラクターが新選組隊士から名前や外見、行動などをモデルにしている事に興味を持っているファンも多いです。

今回は緋村剣心のモデルとなった河上彦斎を紹介しました。容姿や戦い方だけでなく、自身の信念を曲げないところなど剣心に通じるところも多くあります。今後もモデルである河上彦斎などを念頭に『るろうに剣心』を楽しんでみてください。