電脳コイルのトラウマシーンまとめ!SFアニメ?魅力や全話の感想まとめ

電脳メガネと呼ばれるウエアラブルコンピューターをかけた小学生の拡張世界と日常・成長を描いたアニメ「電脳コイル」は、磯光雄監督が原作・脚本も手掛けた監督初作品であり、2007年にNHK教育テレビで放送されたSF作品です。放送当時、小学生だった視聴者の間では、トラウマシーンが多く登場したホラーアニメとも言われています。本文では、電脳コイルのトラウマシーンや、作品の魅力、全話の感想などを紹介します。

電脳コイルのトラウマシーンまとめ!SFアニメ?魅力や全話の感想まとめのイメージ

目次

  1. 電脳コイルとは?
  2. 電脳コイルのホラーなトラウマシーン
  3. 電脳コイルの魅力考察
  4. 電脳コイルのOP・ED主題歌
  5. 電脳コイルの全話の感想や評価は?
  6. 電脳コイルのトラウマシーンまとめ

電脳コイルとは?

通信技術の発達した近未来の町を舞台に、小学生たちの日常生活と成長を電脳メガネを通じて描いたSFアニメ「電脳コイル」は、懐かしさを醸し出す独特の世界観に、子供が恐怖を覚えたトラウマシーンなど、ホラー要素も含まれた異色のアニメ作品です。以下では、「電脳コイル」の作品情報と監督、ホラーなトラウマシーン、電脳コイルの魅力、OP・ED主題歌を紹介します。

電脳コイルの作品情報

アニメ「電脳コイル」は、2007年5月12日~12月1日にかけて、NHK教育テレビ(現在のEテレ)で放送されたSF作品です。物語は、電脳と呼ばれる技術が全世界に普及した2026年の大黒市を舞台に、金沢市から引っ越してきた小学6年生の主人公・小此木優子(ヤサコ)とその仲間たちによる、大黒市の小学生の間で語り継がれる都市伝説の解明と、子供から大人への成長を描いた作品です。

電脳コイルの概要

現在も研究が行なわれているウエアラブルコンピューターが実用化された社会を描いた「電脳コイル」では、電脳メガネと呼ばれる製品が登場し、多くの小学生が利用しています。作中で描かれている日常の大半は、メガネを通じて見える拡張世界であり、メガネを通じて電話やインターネット、電脳を使った道具を使用することができ、犬などの姿をした電脳ペットを見ることが出来ます。

電脳メガネには、イサコなど小学生の多くが使用している一枚レンズ型(サングラス)、主人公・ヤサコが使用する2枚レンズ型(眼鏡)などがあります。電脳が日常生活に深く浸透している故に、電脳を手段に用いた犯罪も行なわれており、最終回目前には、親たちの電脳メガネに対する不安から、子供達が次々と電脳メガネを取り上げられていました。

電脳コイルの監督は磯光雄

電脳コイルが初監督作品となった磯光雄監督は、人気アニメシリーズ・新世紀エヴァンゲリオンの脚本や原画を担当しており、アニメ界では名の知れた人物です。ジブリ作品「海が聞こえる」「思い出ぽろぽろ」「紅の豚」のように有名アニメ作品や、別名義で「デジモン」も原画にも参加していました。

磯光雄監督の初作品・電脳コイルは、放送当時小学生だった若者の間では、黒い人影やサッチーと名乗る巨大な物体に追いかけられる主人公達の姿に、トラウマを覚えたホラーアニメだったとの感想が寄せられています。一方、大人世代の視聴者からは、電脳コイルの舞台である大黒市の街並みが、古き良き昭和の町を彷彿させる懐かしいアニメ作品だとの感想が多く見られます。

磯光雄監督の「電脳コイル」は、独創性のある世界観やテーマが評価され多くの賞を受賞しました。

  • 文化庁メディア芸術祭アニメーション部門・優秀賞(2007年)
  • 第7回東京アニメアワードTVアニメ部門・優秀賞
  • 第39回星雲賞メディア部門・受賞
  • 第29回日本SF大賞・受賞
  • 第13回アニメーション神戸個人賞・受賞(磯光雄監督・原作・脚本)

電脳コイル | NHKアニメワールド

電脳コイルのホラーなトラウマシーン

柔らかい線と懐かしい雰囲気が漂う「電脳コイル」は、アニメ界に衝撃を与えただけでなく、当時小学生だった視聴者の間では、多くのトラウマシーンが登場する隠れたホラー作品とも言われています。以下では、大人になった今でも記憶に残っている方が多い、電脳コイルのホラーなトラウマシーンを紹介します。

トラウマシーン①第9話「あっちのミチコさん」

「ミチコさん」とは、呼び出すと願いをかなえてくれるが、アッチの世界(現実と仮想の境界があいまいな状態)に連れていかれるという謎の存在であり、ヤサコたち小学生の間で語り継がれる都市伝説の1つです。ミチコさんの都市伝説は、地域ごとに様々な怪奇話が存在しています。

視聴者の間でもホラー要素の一つに数えられるミチコさんのトラウマシーンは、ヤサコたちの怪談話で登場します。ある日の放課後、誰もいない教室から話し声が聞こえたミチコさんは、内部の様子を確かめに向かいました。すると、教室にいたのは、全身真っ黒の存在であり、気づくとミチコさん自身もかれらと同じ姿に変貌していました。

一見、子供たちの戯れのように聞こえるミチコさんの都市伝説ですが、得体の知れない存在として描かれた第9回「あっちのミチコさん」は、放送当時に小学生だった視聴者の多くにトラウマを植え付け、現在もホラー要素満載のトラウマシーンと言われています。

トラウマシーン②第19話「黒い訪問者」

作中に度々登場し多くのトラウマを植え付けた黒い人影・ヌルは、ヌルキャリアが野性化した謎の電脳生命体・最古のイリーガルと呼ばれ、アッチの世界では無数に存在すると推測されています。「通路」の暴走によってアッチの世界から大量に出現しており、電脳コイルのトラウマシーンの1つに数えられるホラーキャラです。

ヌルに触れてアッチの世界に連れていかれた者の体には、電脳メガネ越しには「NO DATA」の文字と黒い姿で映し出される電脳コイル現象が起き意識を失います。電脳コイル現象とは、ある条件が揃うことで発生する電脳と現実の体が分離してしまう状態で、現実の体では意識を失い、電脳の体はヌルによってアッチの世界へ連れていかれます。

トラウマシーン③違法電脳体駆除ソフト「サッチー」

大黒市の小学生たちから恐れられているサッチーことサッチーマトンは、大黒市が導入した郵政局管轄の違法電脳体駆除ロボットです。作中では、壁から壁へ通り抜けて移動できることや、収納した球体(キュちゃん)からビームを放ち、電脳物質データの初期化を図ります。一方で、識別性能の低さから、違法性のない電脳ペトや子供の悪戯の電脳グッズにも反応し、ビームを放つ危険性があります。

また、神社や学校のように管轄外ドメインには侵入できず、神社はサッチーに追われる小学生たちの隠れ蓑的な場所として活用されています。このように、都市伝説のミチコさんや、アッチの世界のイリーガルだけでなくよりも、仮想世界にて主人公たちを追いかけて来るサッチーの姿は、電脳コイルで最もホラー感のあるトラウマシーンでしょう。

電脳コイルの魅力考察

スタジオジブリの作画に参加した経験を持つ磯光雄監督のデビュー作「電脳コイル」は、小学生がトラウマになりそうなホラーシーンが多いと言われていますが、大人世代の間では、子供時代を思い起こさせる懐かしい風景に魅せられたなど好意的な感想が多く見られます。以下では、異色のSF作品・電脳コイルの魅力を考察します。

電脳コイルの魅力①懐かしい世界観

アニメ「電脳コイル」は、電脳メガネを通じて仮想世界・現実世界を行き交いできる近未来を舞台したSF作品でありながら、ノスタルジックな懐かしい田舎の街並みが描かれていました。電脳コイルの世界は、西暦2026年ですが、金沢市から引っ越してきた主人公・ヤサコが、大黒市の古びた外観や神社など歴史建造物の多さなど、都会とはかけ離れた独特の空気に驚いた表情を見せています。

また、電脳コイルは、現実世界と変わらない日常生活も色濃く描いており、ヤサコたちが住む畳の部屋や、昭和を感じさせる電子駄菓子屋・メガシ屋、地域のお祭りの光景も、世代問わず人気を集めている要因でしょう。

電脳コイルの魅力②SF設定

VRを始めとする仮想現実を体験できる機器や、それらを基にしたSF作品が多く登場する中で、2006年に放送された「電脳コイル」は、子供向けのアニメとは思えない本格的なSF設定も魅力の1つです。また、電脳コイルに登場するSF設定は、ITや工学系分野の研究者が取り組むべき課題も多く含まれていると言われています。そして、物語の根幹である電脳メガネなどの「ウエラブルコンピューター」の日常使いも描かれています。

ウエラブルコンピューターとは、腕時計や電脳メガネのように、持ち運びできるコンピューターの総称を指します。電脳コイル世界では、眼鏡型のウエラブルコンピューター・電脳メガネが小学生たちの間で普及しており、仮想と現実が入り混じった世界で物語が進行されます。一方で、電脳を悪用した犯罪も多発しており、それらを用いた危険な陰謀も企てられていました。

電脳コイルの魅力③心情描写

仮想世界で起こる事件の謎を紐解くストーリーだけでなく、主人公・ヤサコたちの日常や心情を緻密に描いていることも電脳コイルの魅力です。登場人物の多くが過去のトラウマを行動原理としており、また彼らも現実世界とは変わらない日常の中で過ごしています。2人の間に漂う貼り付けた空気や、お互いを意識し始める光景など、少ないセリフでその場の雰囲気を演出させる映像も魅力の1つです。

電脳コイルの魅力④クライマックス

小学生の間で語り継がれていた都市伝説の謎が解明した電脳コイル最終回は、電脳コイルを外した子供たちの将来がえがかれました。電脳を用いた犯罪への不安を示唆され、親たちから電脳メガネを取り上げられた子供達は、強制的に仮想世界が入り混じった拡張世界から、現実世界へ目を向けなければならない時が訪れます。

電脳眼鏡を外すことは、彼らにとって大人へと成長するために必要な段階だった推測されます。そして、電脳コイル最終回・ラストシーンでは、中学生になった主人公・ヤサコの電脳ペットの姿が一瞬表れて物語は幕を閉じます。電脳メガネをかけていないのに、電脳ペットが見えるシーンは、大人になった子供たちの成長を表しているでしょう。

電脳コイルのOP・ED主題歌

繊細で哀愁漂う歌詞と歌声が魅力的な電脳コイルのオープニング・エンディング主題歌は、シンガーソングライター・池田綾子さんの作詞・作曲しました。以下では、電脳コイルのOP・ED主題歌を動画と共に紹介します。

電脳コイルのOP主題歌「プリズム」

電脳コイル・オープニング主題歌のアニメーション映像では、普通の小学生の日常を淡々と描いている中で、作中の謎の解明につながる伏線も断片的に張られていると言われています。また、池田綾子さんが作詞・作曲を手掛けた主題歌・プリズムは、主人公・ヤサコを始めとする小学生たちの心情を緻密に表現した歌でしょう。

電脳コイルのED主題歌「空の片欠」

エンディング主題歌「空の片欠」のアニメーション映像も、池田綾子さんの歌と、ンスケの散歩を通じて子供達の心情や成長を表現しています。電脳コイルの主題歌を担当した池田綾子さんは、2011年から放送中のNHKBSプレミアム「にっぽん縦断 こころ旅」の主題歌の作詞及び歌も担当しています。

電脳コイルの全話の感想や評価は?

「電脳コイル」の感想や評価を調査・イメージ画像

SFジャンルのアニメ作品でありながら、小学生の日常生活や心理描写、子供から大人への成長を描いた磯光雄監督の初作品「電脳コイル」は、放送終了から10年以上たった今も、多くの視聴者に愛されている名作です。以下では、磯光雄監督が原作・脚本も兼任したアニメ「電脳コイル」の全話の感想や評価を紹介します。

感想1:忘れられないアニメ作品

アニメ「電脳コイル」は、2007年に放送されたNHKアニメですが、放送時間が土曜日・18時30分台だったこともあり、当時小学生だった若者世代の多くが視聴していた懐かしい番組でしょう。現在も、様々なジャンルのアニメ作品が放送されている中で、独特の世界観とホラー要素満載のトラウマシーンが印象的だったとの感想が寄せられる「電脳コイル」は、かつて子供だった大人たちの記憶にいつまでも残るでしょう。

感想2:世代問わず楽しめるSF作品

小学生をターゲットに製作されたアニメ「電脳コイル」は、懐かしい雰囲気漂う大黒町の風景や、作中に多く張られている伏線、そして、主人公・ヤサコたちが追う謎や作中用語の説明など、思わず見入ってしまうストーリー展開で、親子共に視聴していた家庭も多かったと言われています。磯光雄監督の「電脳コイル」は、世代問わず楽しめるおすすめSF作品の1つでしょう。

感想3:時代を感じさせない面白さ

ジブリ作品の作画に参加していた磯光雄監督の代表作「電脳コイル」は、放送から12年が経過しましたが、現在も、かつて視聴者だった大人世代を中心に根強い人気を誇っています。それは、作中で描かれた小学生の日常や懐かしい風景だけでなく、主人公達の心理描写にも注目して描かれていることから、何度視聴しても、新鮮さや面白みが感じられる名作アニメでしょう。

感想4:真実を見抜く大切さを伝えている

子供から大人へ成長していく子供達の姿を、電脳メガネを外すことで表現したアニメ「電脳コイル」には、真実とは何かを改めて考えさせられるテーマが隠されています。柔らかい作画と小学生を主人公にした「電脳コイル」が、子供だけでなく、大人世代からも高い支持を得ている理由には、一言では言い表せない大切なメッセージが隠されているからでしょう。

電脳コイルのトラウマシーンまとめ

アニメ「電脳コイル」のホラーなトラウマシーン、作品の魅力、OP・ED主題歌、電脳コイルの全話の感想・評価を紹介しました。電脳メガネを使用する小学生の日常と成長を軸に描いた新感覚SF作品「電脳コイル」は、かつて視聴者だった多くの大人に愛され続けているおすすめの名作アニメの1つです。

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