め組の大吾の名言・名シーン集！あらすじや登場人物も紹介【曽田正人】

漫画「め組の大吾」は作者 曽田正人氏が1995年から1999年にかけて、週刊少年サンデーで連載していた作品です。単行本は全20巻まで発売されています。また漫画「め組の大吾」は、「FIRE BOYS～め組の大吾」と言うタイトルで2004年にドラマ化されています。

ドラマ「FIRE BOYS～め組の大吾」では主演を山田孝之さんが演じ、他にも内山理名さんや的場浩司さん、塚本高史さんなど今も一線で活躍されている俳優が多数参加しています。

幼いころに火災に巻き込まれた経験を持つ、漫画「め組の大吾」主人公の朝比奈大吾(あさひなだいご)は、素行の悪い、いわゆる不良でしたが、高校生時代に出会った恩師 落合静香(おちあいしずか)に指導され、幼少のころ夢であった「消防官」になろうと決意します。採用試験に合格し、地元である千国市消防局めだかヶ浜出張所に配属されたところから物語は始まります。

多くの災害現場を経験していく主人公 朝比奈大吾は、絶体絶命の危機に瀕した命を前にする時、常識破りの行動やアイデアを発揮し、要救助者を絶体絶命の危機から救い出していきます。しかし、その行動は仲間の隊員のみならず、要救助者の命すら脅かす救助方法で有る事もしばしばで、メディアや仲間、自分自身ですらも「生きる事」「救助する事」について苦悩する事になって行きます。

作者 曽田正人氏が描く漫画「め組の大吾」は、主人公 朝比奈大吾の成長と共に、読者へ「生きる事」「救助する事」そして「善悪の境界」を、切迫した災害現場を舞台に問い掛けてきます。作者 曽田正人氏の臨場感溢れる画風と「め組の大吾」に描かれる重厚なテーマが、この作品を今も名作と言わしめていると言われています。

消防官となり、無我夢中で要救助者と向き合っていく朝比奈大吾は、手段を選ばない救助方法をとる事が多く、消防と言う組織の中で度々問題を起こしてしまいますが、朝比奈大吾が出動した災害現場では死者が1人も出ないと言う奇跡の救助活動を続けて行きます。

危機的な災害現場で多くの選択を迫られる朝比奈大吾は、自身の消防官としての行動や判断について苦悩していきます。多くの苦悩や葛藤をライバルや仲間、そして恋人らが支えとなり克服していく朝比奈大吾は、そうした壁を超える度に飛躍的に成長して行きます。そして、要救助者を前にした時の自分自身が何を思い行動していたのかに気づいていきます。

漫画「め組の大吾」のメインヒロインである落合静香(上画像右)は、主人公朝比奈大吾の恩師として描かれ、消防官としての朝比奈大吾の無我夢中な救助活動が、朝比奈大吾自身の「生きる意味」を探す意味も有る事に気づき、徐々に朝比奈大吾に惹かれて行きます。その後、朝比奈大吾と結婚し娘 萌(もえ)を出産します。

主人公 朝比奈大吾と消防学校の同期生で有り、消防学校時代から消防官となった後も衝突を繰り返して行きます。少々嫌味な性格が有る物の、成績は優秀であり、努力を惜しまない消防官として描かれています。朝比奈大吾の破天荒な救出活動と衝突しながらも、いち早く朝比奈大吾の才能に気づきます。しかし、朝比奈大吾の才能を認める自分と、認めない自分の狭間で苦悩していきます。

一時は朝比奈大吾との絶交を宣言する物の、甘粕士郎自身の人命救助に対する思いと、朝比奈大吾の思いが同じである事に気づき、朝比奈大吾と共に大きく成長し「2人のA(エース)｣と呼ばれるようになります。

五味俊介は、主人公 朝比奈大吾が幼少時に巻き込まれた火災現場で、朝比奈大吾を救助した消防官であり、朝比奈大吾が勤務する「めだかヶ浜出張所」の所長です。普段は競馬新聞を読んでいるなど呑気な所長姿が描かれていますが、多くの現場経験と高い人望を持っており、朝比奈大吾の窮地を幾つも救って行きます。

忍足ミキは、千国市の災害関係の事はなんでも知っており「マザーコンピューター」と言う異名を持つ消防関係者の上層部にあたる人物の1人です。朝比奈大吾の才能を認め、擁護する貴重な存在でも有ります。

近藤純(上画像左)は、朝比奈大吾の後輩であり、朝比奈大吾へ好意を寄せる女の子です。朝比奈大吾をめぐり落合静香と度々衝突しますが、後に消防官となり「マザーコンピューター2代目」と期待されるほど成長して行きます。

曽田正人氏が描く漫画 め組の大吾には、ヒロイン落合静香の他にもう1人近藤純(こんどう じゅん)と言う準ヒロインが描かれています。近藤純は朝比奈大吾の高校時代の後輩になり、朝比奈大吾が好きな為、めだかヶ浜出張所に度々顔を出します。落合静香とこの近藤純の朝比奈大吾をめぐって突き飛ばしあうシーンは、ファンの間で名シーンの1つと言われています。

また、ファンの間では、作者 曽田正人氏は朝比奈大吾の人間性に惹かれていく落合静香と、消防官としてのかっこいい朝比奈大吾に惹かれる近藤純を描く事で、「恋愛」についても読者に問い掛けているではないか?と言われています。

ある災害現場で、朝比奈大吾は要救助者をビルの上から、地上に敷かれたレスキュー用のマットへ向けて要救助者を放り投げます。朝比奈大吾は再び炎の中へ戻りもう1人の要救助者である子供を抱いてビルを飛び降ります。その瞬間、ビルが大爆発を起こします。このシーンでは、要救助者を放り投げるとは何事だ!と言う声と要救助者を全て救い出した事への賛辞が描かれます。

要救助者を救出する為に無我夢中で朝比奈大吾がとる行動は、一歩間違えば要救助者や仲間、そして自分自身すら危険に晒してしまう物でした。しかし朝比奈大吾の行動は、助けを必要とするものを全てを助ける事が救助なのか?助けられる物だけを助けリスクを回避する事が救助なのか?「救助とは?」という問いを自身に投げかけてきます。その答えを求めて朝比奈大吾は、苦悩し葛藤していく事になります。

「救助とは何か?」と言う自問自答を繰り返しながらも、災害現場で命を削りながら救助活動を続けていく朝比奈大吾は、自身の「救助」への衝動が過去の被災経験に有る事に思い至ります。要救助者と幼いころ火災現場に閉じ込められた自分自身を重ね合わせ「自分自身を必死に救助していた」と言うことに気づいた朝比奈大吾は「なんでもやれたワケだ･･･」とつぶやきます。

特別救助隊資格試験編の名シーンとあらすじをご紹介します。消防官として、必死に自分自身を救助していた事に気づく朝比奈大吾を、ライバル甘粕や仲間達が超難関とされるレスキュー資格試験に送り出すこのシリーズは、読者の間で名シーンと名言の宝庫と言われています。

超難関とされるレスキュー資格試験に臨む朝比奈大吾でしたが、試験前日に起きた災害の救助活動で不眠不休の活動を強いられ、ボロボロの状態で試験当日を迎えてしまいます。この時の救助シーンも名シーンの1つですが、このボロボロの朝比奈大吾に向けて五味所長が言った「一生こんなもんさ。消防官(おれたち)は!」このセリフが最大の名シーンであり、最大の名言と言われています。

インドネシア･スマトラ島南部森林火災編の名シーンとあらすじをご紹介します。このシリーズでは、調査研究旅行でこの地を訪れていた落合静香が森林火災に巻き込まれ消息不明になります。この知らせを受けた朝比奈大吾が、なりふり構わず日本からスマトラ島へ駆けつけ、多くの要救助者を救い出します。

このシリーズでは、無鉄砲に日本を飛び出した朝比奈大吾をライバル甘粕士郎が大きく助けるのですが、このライバル甘粕士郎の登場シーンが全て名シーンと言われるほどです。インドネシアで警察に拘留された朝比奈大吾を救い、そのとき甘粕士郎が言った「バカヤロオ!そんな顔するな!」や、その同じコマの中で「俺破滅に向かってる･･･」は読者の間で、め組の大吾屈指の名言と言われています。

あらすじなどは省きますが、ここで紹介した五味所長と甘粕士郎は「め組の大吾」の作中で名シーンや名言と呼ばれる物が多く、朝比奈大吾自身は名シーンこそ多いものの名言は少ない主人公と言われています。また、作者 曽田正人氏が主人公に天才性を描く事が多い為、主人公に名言が少ないとも言われています。

作者 曽田正人氏が描いた「め組の大吾」は小学館漫画賞や文化庁メディア芸術マンガ部門優秀賞を受賞している全20巻の単行本がお勧めです。今尚名作と言われている「め組の大吾」を一度手に取ってみてはいかがでしょうか?

2004年にフジテレビでドラマ化された「FIRE BOYS～め組の大吾」では、今も活躍する山田孝之さんが主演を勤めました。ドラマ版「め組の大吾」も、原作漫画とは違った魅力がありお勧めです。

また、1999年から2000年にかけて公開されたアニメ映画「め組の大吾 火事場のバカヤロー」は、VHSビデオとして販売されましたが、現在その入手難度は高いようです。一部の動画サイトで今も見れる可能性があるようですので、興味がある方は自己責任の元検索してみてはいかがでしょうか?

漫画「め組の大吾」を紹介してきましたがいかがでしたか?天才的な閃きと無我夢中な行動から、多くの要救助者を助け、そして自分自身を見つめ直していく主人公を描いた「め組の大吾」は作者 曽田正人氏の代表作であり、多くの漫画ファンから名作と言われる作品です。この機会に1度「め組の大吾」の世界に触れてみてはいかがでしょうか?