AIRの泣けるポイントをネタバレ！「翼人」とは？アニメのあらすじや感想を考察

テレビアニメ「AIR」の原作は、Keyによる恋愛アドベンチャーゲームとして制作されました。アニメ「AIR」は、大人気アニメ「Angel Beats!」などでも知られるシナリオライター麻枝准が所属するKeyの第2作目となる作品として知られます。第1作目は同じく恋愛アドベンチャーゲーム「Kanon」、こちらも大人気アニメとなりました。「AIR」のあらすじは、深いストーリー性が好評で”泣きゲー”として人気が出ました。

当初は、18禁アダルトゲームとして2000年にWindows用ゲームとして発売されたものが始まりです。その翌年、全年齢対象版としたものが発売され、2005年には再び18禁ゲームとしてWindows用DVD-ROMで「AIR Standard Edition」が発売。2010年には「AIR メモリアルエディション」が全年齢対象版としてWindows Vista及びWindows 7対応として発売されました。

その他にも、DVD版18禁・PS2廉価版・PSP・PCメモリアル・Android全年齢版・iOS/Android18禁版・PSVita等に対応したものがリリースされ、長年親しまれるゲームとなりました。ゲームシナリオは、全部で三部構成になっており、第一部「DREAM編」・第二部「SUMMER編」・第三部「AIR編」とします。第二部の「SUMMER編」は、1000年前の平安時代が舞台のストーリーとなっています。

アニメ「AIR」は、京都アニメーションより制作され2005年1月6日からBS-TBSで全12話構成で放送されました。同年8月28日・9月4日には「夏・特別編」として全2話が放送されています。また、2005年2月5日には東映アニメーションよりミニシアター限定で劇場版も公開されました。アニメ監督は、テレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」や「中二病でも恋がしたい!」でも知られる石原立也さんが務めています。

ストーリーのシリーズ構成・脚本は、テレビアニメ「無彩限のファントム・ワールド」や「NEW GAME!」などの作品も手掛けた志茂文彦さんが担当しました。ゲーム「AIR」でDREAM編・AIR編の主人公国崎往人（くにさきゆきと）の声優を担当したのは緑川光さんでしたが、アニメ「AIR」の国崎往人は声優の小野大輔さんが担当しています。

アニメ「AIR」の魅力は、テレビアニメとして放送された「AIR」、そして劇場公開された劇場版「AIR」は、ストーリーが違った内容の作品であるというところです。アニメ版「AIR」は、主人公の声優は違えど内容やあらすじはゲーム版と変わりはありませんでした。ですが、劇場版「AIR」は監督や脚本が変わり、本編を脚色したあらすじで、「もう一つのAIR」というコンセプトで制作されています。

そして、劇場版「AIR」の主人公声優はゲームと同じ緑川光さんに戻ったという点でもアニメとは違う作風となっています。ストーリーやあらすじは、本編とは大きく異なり、SUMMER編に登場する神奈備命（かんなびのみこと）が登場します。当時、ファンからは「微妙…」「残念…」といった声が多くありましたが、映画版は映画版としても楽しめるという声もありますので、まだ観ていない方はぜひご覧になってみてください。

アニメ「AIR」の魅力2つめは、魅力的なキャラが多数登場する点です。主人公国崎往人（くにさきゆきと）をはじめ、「AIR」のヒロイン神尾観鈴（かみおみすず）、観鈴の母神尾晴子（かみおはるこ）、観鈴のクラスメート霧島佳乃（きりしまかの）、佳乃の姉で医師の霧島聖（きりしまひじり）など、魅力的で個性豊かなキャラクターが多く登場します。

アニメ「AIR」の魅力3つ目は、テレビ版「AIR」・劇場版「AIR」ともにLiaさんが歌うOPテーマ曲「鳥の詩」です。作詞は原案の麻枝准（Key）さん・作曲は折戸伸治さん・編曲は高瀬一矢（I've）です。「鳥の詩」の歌詞は、「AIR」のストーリー、あらすじや結末に関する意味深な言い回しがされているとファンの間でも話題になりました。

「消える飛行機雲 僕たちは見送った」という歌詞から始まる「鳥の詩」。主人公国崎往人は観鈴を助けるために自分を犠牲にする…といったことや、呪いによって消えてしまう神奈など、キャラクターの結末をなぞり歌詞を読み解いていくと、「消える飛行機雲」が誰を指すのかが考察できます。

アニメ「AIR」は、観鈴・佳乃・美凪・神奈・柳也・裏葉・往人それぞれのキャラクター全体の結末はハッピーエンドと見て取れます。一方、観鈴のために消えた往人でしたが最終的に観鈴は亡くなるので、ハッピーエンドではなかったのでは？という点では意見が分かれるでしょう。ですが、観鈴の死によって神奈に会えるといった点ではハッピーエンドともとれるので、全体的に言えることとしては「感動する」ということになります。

アニメ「AIR」の主人公国崎往人（くにさきゆきと）は、法術という念力で人形を自在に操れる能力を持つ旅人です。アニメで国崎往人の声優を担当したのは、小野大輔さんです。年齢などは公開されていませんが、お酒飲んでいるシーンもあることから20歳以上であることが推測できます。目つきが悪く、態度も素っ気ない感じを受けますが心根は優しい好青年です。

アニメ版「AIR」国崎往人の声優を担当したのは、小野大輔さんです。小野さんは、1978年5月4日生まれのO型、高知県出身です。現在はフリーとして活動しています。小野さんは、日本大学芸術学部放送学科に通いながら青二塾にも通っていました。第2回「声優アワード」サブキャラクター男優賞、第4回「声優アワード」主演男優賞、第9回「声優アワード」主演男優賞、パーソナリティ賞など他にも様々な賞を受賞しています。

小野大輔さんの主な出演作は、テレビアニメ「ひぐらしのなく頃に」、「涼宮ハルヒの憂鬱」、「みなみけ」、「黒執事」、「うみねこのなく頃に」、「裏切りは僕の名前を知っている」、「神様のメモ帳」、「機動戦士ガンダムAGE」、「黒子のバスケ」、「マギ」、「革命機ヴァルヴレイヴ」、「進撃の巨人」、「BROTHERS CONFLICT」、「おそ松さん」、「ジョジョの奇妙な冒険」、「デュラララ!!」などがあります。

神尾観鈴は、「AIR」のメインヒロインの女の子です。声優は川上とも子さんが担当しています。観鈴は、7月23日生まれのO型、身長は159cmです。明るくて人懐っこい天真爛漫な観鈴ですが、時に泣き虫なところもあります。母はおらず、叔母の春子と一緒に住んでいます。成績が悪くいつも補修を受けるなど勉強嫌いな一面もありますが、小さいころから恐竜が大好きで恐竜に関しては詳しいです。

観鈴の声優を担当した川上とも子は、41歳になってまもなく2011年6月9日に亡くなりました。川上さんは、桐朋学園大学短期大学部芸術学科演劇専攻を卒業しており、高校時代から通っていた、ぷろだくしょんバオバブの付属俳優養成学校に通いながら演劇の勉強をしていました。声優としては、短大在学中に声優デビューをし、以降様々な作品に出演していました。

アニメ「AIR」のSUMMER編に登場する翼人（よくじん）は、第1部・第3部では語られてこなかったキャラクターです。翼人を知る者は「翼人は星の夢を見る者」だと言います。翼人は古より存在する神のように恐れられる存在で、恐らく恐竜時代から存在していたと言われています。翼人は、人間に多くの知恵を与え、文明の発展に協力し、SUMMER編の舞台である平安時代では権力者である朝廷によって利用されてきました。

SUMMER編に登場する神奈備命（かんなびのみこと）は、両肩に巨大な翼を持った翼人の末裔であり神の遣いと崇められる一方で、警護と称し軟禁された囚われの身でもありました。ある日、霊山が朝廷によって襲われる騒動が発生します。霊山には、強大な力を持つ神奈の母八百比丘尼（やおびくに）が封印されていました。朝廷が霊山を襲った＝翼人の存在が邪魔であるという図になります。

朝廷は、権力を集中するためにも神を一つにしたいという目的が生まれ、強大な力を持つ八百比丘尼が邪魔になってきたと考えられました。命が狙われていましたが、八百比丘尼は念じるだけで攻撃ができるほどの力をもっていたため、攻撃はされずに済みました。

翼人の力が脅威だと感じた朝廷の権力者は、人間から翼人への信仰をなくすために八百比丘尼に対し呪いをかけました。神奈が命を狙われた理由は、八百比丘尼の力が娘である神奈に継承されるのを防ぐためです。

人々による八百比丘尼への信仰をなくすために「自分に想いを寄せた者を病ませる」という呪いを八百比丘尼にかけたのですが、その理由というのは、八百比丘尼の巨大な力を恐れた朝廷は八百比丘尼を殺すことができなかったというものです。

「自分に想いを寄せた者を病ませる」という呪いをかけ霊山に閉じ込めることで、八百比丘尼の力を弱らせ翼人の存在を忘れられることを望んでいました。そして、神奈にかけられたのは「永遠と哀しい夢を見せ続けられる」という呪いです。

翼人は幸福な記憶を星に見せなければならないという使命があることを朝廷は知っていました。この呪いをかけることによって翼人の力を弱らせようとしたのです。この先翼人を継ぐものにも影響し、神奈が見続けた哀しい夢によって、よって神奈の魂は1000年もの間傷つけられることになりました。

ですが、神奈は「永遠と哀しい夢を見せ続けられる」という呪いのほかにもう一つ呪いをうけてしまうことになります。それは、「自分に想いを寄せた者を病ませる」という八百比丘尼の呪いです。神奈は、八百比丘尼に触れてしまったことで八百比丘尼にかけられた呪いを受け継いでしまいました。神奈はこうして2つの呪いをかけられた最後の翼人となってしまったのです。

あれから1000年後に生まれ、翼人を引き継いでいるものがいました。それが観鈴だったのです。観鈴は、八百比丘尼の呪いである「自分に想いを寄せた者を病ませる呪い」の影響によって、誰かと親しくなると大泣きしてしまうという性質の持ち主になってしまっていました。観鈴が人と関われなかった理由はこれです。

ですが、往人と親しくなれたのは法術によるものでした。往人の先祖は、1000年前神奈の女官であった裏葉だったのです。往人は先祖代々法術が遣え、それにより無意識のうちに観鈴の呪いを受け流していました。

翼人の最後の”器”「星の記憶を担う最後の子」なのですが、普通の人間として生まれてきた観鈴。翼人の魂を受け継ぐ観鈴は、神奈の夢を見るようになります。その夢以降、観鈴の奥底に眠っていた翼人の力が目覚めることになりました。ですが、観鈴は普通の人間。翼人の魂が肉体に耐えられず、だんだんと弱っていくことに…。衰弱するとともに背中に痛みを伴う観鈴。

これは、1000年前の神奈の記憶が原因でした。神奈は、朝廷勢力による沢山の矢をその背中で受け止め傷を負っていました。そのため、観鈴は「背中が痛い」という表現ではなく「翼が痛い」と表現しています。このことによって、観鈴は急激に衰弱していくことになりました。やがて、観鈴は翼人の器に耐え切れなくなり、心身喪失した後、記憶までも失うことに…。

ですが、沢山の仲間の願いと観鈴自身の力によって自力で記憶を取り戻すことができました。そのおかげで死の直前、母親代わりになってくれた晴子の腕の中で息を引き取ります。この”幸福”な経験によって、翼人が「”幸せな記憶”を星に見せる」という使命を達成することに成功することになります。これによって呪いから解放された神奈でしたが、一方観鈴は使命を終え亡くなります。

国崎往人は代々伝わる法術という力によって、手を使わずに古ぼけた人形を操れることができる性質を持っていました。往人は、その法術を遣い人形を動かす芸をしながら気ままに旅をしながら、密かな目的がありました。それは、亡くなった母親に聞かされていた「この空のどこかにいる翼の生えた少女」を見てみたいという目的です。旅人となった往人は、海辺にある小さな田舎町へとたどり着きます。

そこでは思うように稼ぐことができず、お金も底を尽きてきました。空腹状態で堤防に横たわっている往人のもとに、神尾観鈴と名乗る少女が現れました。これが観鈴と往人の出会です。観鈴と打ち解けた往人は、話の流れで観鈴の家で居候させてもらうことになりました。往人は観鈴の家に住むようになってからも、街で法術を遣った芸をしていると、この間知り合った佳乃と遭遇するのです。

それもそのはず、往人が芸をしているその場所は佳乃の姉である聖が開業した診療所の近くだったからです。往人を気に入った聖は「うちの診療所で働かない？」と往人を誘います。ある日、観鈴と堤防にやってきた往人は、観鈴から「自分は空にいるんだ」という不思議な言葉を聞きました。往人はある夜、虚ろな目をして何か奇妙なことを一人で喋っている佳乃見つけ、その後を追い神社にいくことに…。

その神社で、往人と観鈴は不思議な光景に包まれます。そして、佳乃を追ってきた往人に、佳乃はものすごい力で往人の首を絞め始めたのです。すると佳乃は突然倒れてしまい、不思議な現象は収まり辺りは元に戻ります。肝心の佳乃は何があったのかを憶えていませんでした。ある日、往人は夢を見ていました。それは、亡くなった母親から聞かされた「肩に翼のある少女」の夢。

往人はその夢が気になり、観鈴が見たという夢の話を聞き、より一層不安を抱くようになります。ある日、往人は美凪から「自分は妹がいるはずだった」と話をされました。美凪の母は美凪の妹となるはずの子どもを流産してしまった過去があるというのです。その流産の経験から母親は精神を病み、やがて美凪自身も自分の居場所をなくしたと言います。往人は、観鈴の家を出て廃線で暮らすことにしました。

その廃線に、家出をした美凪と一緒に住み生活を始めた往人。その後、そこにみちるも加わった3人を観鈴が木陰から見ていました…。そんなある日、観鈴は倒れてしまいます。往人は、そんな観鈴に黙って日記を盗み見しますが、あまりに日記に書く内容ではなかったため、往人はせつなくなり、「これからはやりたいことを書け」と観鈴に話しました。すると、「海に行きたい」と言い出した観鈴。

夏休みに入る前日、学校からの帰り道に観鈴は一羽のカラスを拾い、「そら」という名前をつけました。観鈴はそのカラスと一緒に海岸までいき、夕日を一緒に見ることに…。観鈴は、いつも励ましてくれた往人いない家で1人孤独でした。ですが、往人の代わりにカラスのそらがそばにいてくれます。

「ひとりでも頑張る」と観鈴は呟きました。観鈴は背中が痛くなることが増え、寝込む日が増えていきました。観鈴の病状は悪化し、楽しみにしていた夏祭りは豪雨で中止になります。翌日は快晴となり春子と観鈴は外へ散歩にでますが、観鈴は家に戻ることはありませんでした。

アニメ「AIR」の聖地と言われる、ストーリーの舞台となったのは和歌山県美浜町です。美浜町と言えば「AIR」の聖地と言われるくらい広く知られています。聖地として人気のある「廃線跡」、「タカハシの看板」、「煙樹ヶ浜」の3つを紹介していきますので、ぜひ和歌山県美浜市へ行き「AIR」のシーンを再現してみてください！

廃線跡は、「第6話 ほし〜star〜」に登場します。神尾家に帰宅する際往人が通った電車の廃線跡です。この廃線跡は、紀州鉄道線の終着駅として1989年まで使用されていた線路になります。和歌山県御坊市薗にあり、西御坊駅の南にあります。

タカハシの看板は、AIR第1話「かぜ〜breeze〜」に登場します。人形劇ができる場所を往人と観鈴が探している時のシーンで、少しだけ映り込む看板です。この看板は、和歌山県日高郡美浜町大字吉原にあるハヤシという会社の看板でした。

煙樹ヶ浜は、AIR「総集編」で描かれた晴子と観鈴が別れる時に夕日に照らされながら座っていた1シーンの海岸です。この海岸は、和歌山県日高郡美浜町にある海猫島付近の海岸です。

ゲームをプレイしていなくとも十分に楽しめるアニメ「AIR」は、最終回を迎えて数年たった今でも大変人気のある作品として親しまれていました。

アニメ「AIR」については、バッドエンドなのかハッピーエンドなのかという議論が度々されています。「AIR」のストーリーを解釈し考察する方も沢山います。バッドエンドだという方もいれば、ハッピーエンドだという方もいました。

「AIR」のあらすじやストーリーの内容は、複雑化しており、最終回で時間軸が覆ったりと簡単に説明をするのは難しく、これはファンの方も言及しています。ですが、一筋縄ではいかないストーリーに魅力や定評があるのもKey作品の特徴と言えるでしょう。

以上、アニメ「AIR」のストーリー概要やあらすじなどについてまとめてきました。観鈴と翼人との関係、「AIR」の魅力などを紹介してきましたが、皆さんは「AIR」にどんな感想を持ちましたか？サイト内には、ゲームが原作になっている他のアニメについてもまとめがありますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。また、ぜひ魅力的な「AIR」のアニメ本編もご覧になってみてください。