東京闇虫のあらすじをネタバレ！主人公・加藤の運命や最終回の結末を考察

本田優貴作の本作「東京闇虫」は、2009年に雑誌「ヤングアニマル」より読み切りにて掲載された作品で、2010年より同誌にて連載を開始しました。現在は、第一章の「東京闇虫」及び「東京闇虫-2nd scenario-パンドラ」が完結しています。また、2013年には東京闇虫が俳優・桐山漣の主演で実写化されている他、2015年にも映画化もされています。今回は、そんな「東京闇虫」のあらすじと最終回の結末を、ネタバレ有りで紹介していきます。

ここでは、東京闇虫に登場するアングラに生きる登場人物達を身の上のあらすじをネタバレ含めて紹介していきます。他の作品とは一味違う一癖も二癖もある登場人物達ですので、ぜひご覧ください。

大阪在住の25歳の無職・無資格・無免許の青年。本作「東京闇虫」の主人公です。まともに働かないで、借金を繰り返し、285万円もの借金を抱えることになります。社会を甘く見て借金の催促を無視し続けた結果、債権回収屋に拉致され東京に運ばれることとなります。

事態の重大性に気づいたときには、既に遅くどんどん悪い方向に進んでいくこととなります。とあるネットカフェで謎の男性・浅村と出会い、裏稼業に手を染めることになる加藤。当初は仕事を受けるふりをして、逃げ出そうと考えます。しかしその高額な報酬と浅村のカリスマに惹かれていき、裏稼業に邁進することとなります。最終回の結末では、浅村と手を切り、食い物にされる自分から脱却しようと決意します。

闇金・偽造・ドラッグ・詐欺・裏カジノなどあらゆる裏ビジネスをに手を染めています。本作「東京闇虫」の重要人物で新宿のネットカフェを中心に活動しています。物語序盤で、加藤の借金を肩代わりし、代わりに加藤に違法な仕事を斡旋します。

特定のヤクザに属しているのではなく、一定額を収める代わりに自由に闇ビジネスを行っているようで、かなり稼いでいます。一見柔和で、物腰柔らかだが、ヤクザらしい凄みを隠し持っています。人心掌握術にも長けており、高いカリスマ性があるようです。

ボロい安アパートに住む男性。「東京闇虫」第1巻で初登場します。闇金から15万円を借金しますが、返済が滞ってしまい、その額は94万円まで膨れ上がってしまいます。闇金特有の法外な利息の借金を返す必要はないと考えており、浅村から仕事を受けて借金の回収に来た加藤に対しても鎧袖一触で、取り付く島もありません。

浅村と同じ、新宿を根城とするヤクザの組長。「東京闇虫」第1巻で初登場します。中年太りした大柄な男で、浅村に裏ビジネスで300万円の時計を卸したが、それは偽物でした。そのため浅村との交渉が決裂し、金の運び屋として雇われていた加藤を襲撃するが、マンション屋上に火を放たれ、取り逃がします。ヤクザとしての面目を潰されたと、浅村を恨んでいるようです。

加藤と同じく浅村から仕事を受けている人物。男性です。「東京闇虫」第2巻で初登場。裏稼業でのし上がることを目標にしており、内心では、浅村のことを妬み目障りだと思っています。浅村の人脈やノウハウを利用してのし上がり、立場を逆転させようと目論んでいます。

チンピラの若者を手下に加えて愛馬帝国を組織して、ヤクザのシマでドラッグ密売をしています。浅村に心酔している加藤を毛嫌いし、関西バカとよんで蔑んでいましたが、ヤクザの鯖田に監禁されていたところを加藤に救われます。

ヤクザの香田組の構成員。切れ長の目が特徴で、いざとなれば人殺しも厭わない武闘派の男性です。「東京闇虫」第2巻で初登場。自分たち若手を差し置いて組長と取引をしている浅村に激しい敵意を抱いています。浅村の配下の愛場が自分たちのシマでドラッグを密売していると知り、愛場を拉致。あの手この手で痛めつけていたところ、拉致現場に居合わせた加藤により愛場を救出されるが、納得できず激しい怒りを抱いています。

工場勤務で実家ぐらしの男性。小太りで冴えない顔つきで、萌えアニメやアイドルのオタクです。「東京闇虫」第2巻で初登場。地下アイドルのメロンちゃんに夢中で、彼女の勤務するメイドカフェに通いつめ、貢ぎ続けた結果、120万円もの借金を作ります。借金の返済を迫ってもメイドに現実逃避する癖があり、加藤たちが脅しにかかると、仲間のオタクたちが不穏な空気を醸し出します。借金を回収するには厄介な相手です。

加藤の学生時代の友達。「東京闇虫」第3巻で初登場します。東京にでてくるが、上手くいかず闇ビジネスに手を染めます。ヤクザ・鯖田の手下になり、老人相手にカード詐欺を繰り返すグループのリーダーをしています。後に加藤と再開し、カード詐欺の仲間に誘います。

加藤とともにカード詐欺を繰り返し多額の金を稼ぐが、加藤が借金を返済した途端詐欺に失敗、鯖田からペナルティとして1000万円を突きつけられることとなります。一時は鯖田を殺すことを考えた小田だでしたが、付き合っている女性からお金が借りられる事となり、生き延びたことを喜びます。しかし、直後に小田に恨みを持つ男から襲撃され命を落としてしまいます。

ヤクザの鯖田に収める500万円の金策に困った加藤が、WEBチャットサービスで出会った人物。「東京闇虫」第4巻で初登場します。実はサディストの男性です。職業は不明ですが、高級マンションに住んでおり、裕福な生活を送っています。加藤を気に入り自分を愛する代わりに500万円を貸し出す愛人契約を持ちかけます。

加藤のデート中の態度に怒ったさくらは強硬策にでます。加藤の態度を調教するために薬を盛り、どこかに連行してしまったのです。さくらは、浅村と何らかの関わりがある人物で、最終回でも登場し浅村と加藤を助ける、素晴らしい活躍をします。

山奥にある施設、通称国男ハウスの所長。「東京闇虫」第5巻で初登場します。不自然な笑顔とハイテンションな態度が特徴の中年男性です。筋骨隆々として、常人離れした体力の持ち主。弁舌も巧みでカリスマ性があり、強烈なアメとムチを使い分け一種の宗教のような組織を運営しています。表向きは、派遣業や地域のボランティアを進める更生施設ですが、国男の暴力と洗脳で、利益を独占しています。

国男ハウスに入所している男性。「東京闇虫」第5巻で初登場します。連行されてきた加藤とペアを組まされます。一見従順でおとなしそうな外見ですが、国男の妻の関川寧々と関係があり、国男の財産を奪い脱出しようと虎視眈々と狙っています。加藤から施設を脱出すると聞き、自分たちの脱出計画を伝え仲間に引き込みます。

国男ハウスの所長、関川国男の妻。「東京闇虫」第5巻で初登場します。国男に支配される生活に嫌気がさして、川本光一とともに国男の財産を奪って施設から脱出する計画を立てています。

浅村の支配下にあり、常にネットカフェに常駐する謎の男。「東京闇虫」第2巻で初登場します。筋骨隆々で、常にパンツ一丁です。本名は不明で、浅村からは、ネットカフェの部屋番号で呼ばれています。アニメオタクらしい事以外、経歴は不明です。

「東京闇虫」の最終回の結末手前までのあらすじを、ネタバレ有りでご紹介していきます。自堕落な青年加藤は遊ぶ金欲しさに無意味に借金を重ね、更には借金の返済催促を突っぱね続けていた。ある日、自宅にいると玄関のチャイムがなります。恐る恐る、ドアを開けると強引に上がり込んでくる男2人、加藤は即座に捕まり2階から地面に叩き落とされてしまいます。加藤は夜の道を車で何処かに連れて行かれます。

次に目が覚めた時、目隠しをされ何処か知らない部屋に閉じ込められていました。状況を飲み込めない加藤の前に座る男――浅村が口を開きます。「ここがお前のボーダーラインだ、表と裏のな」意味がわからない加藤に更に話を続け、借金を返すための仕事をやらされるために東京まで連れてこられたと知らされます。ここまで、「東京闇虫」の序章のあらすじをネタバレ有りで紹介しました。

浅村から仕事を紹介された加藤でしたが、仕事を受けるふりをして逃げようと考えます。しかしあまりにも簡単な仕事で多額の報酬を受取れた加藤は、その報酬と浅村のカリスマ性で闇ビジネスにのめり込んでいきます。仕事は闇金の取り立てから偽造ドラッグの販売、ヤクザとの取引や詐欺など、違法性が高いものばかりでした。犯罪を厭わなくなっていく加藤は、借金を完済して浅村と手を切り、独自に裏稼業に邁進していくのですが。

ここまでが、簡単にですが「東京闇虫」の最終回の結末手前までのあらすじのネタバレ紹介です。最後の展開までは浅村から仕事を受け、それを遂行するために試行錯誤をしていく話です。アングラな世界観の作品なだけ合ってハラハラさせる展開も多々あります。

東京闇虫の最終回の結末のネタバレです。裏稼業の傍ら再会した、学生時代の親友小田と、老人を標的としたカード詐欺で荒稼ぎをする加藤だったが、ある日の詐欺仕事でミスをしてしまい、強制的にある施設に収監されることになります。そこは、関川国男がすべてを握る「国男ハウス」という施設でした。その施設の異様さに命の危険を感じた加藤は、施設のペアである川本に脱出を宣言します。

すると、川本からも、以前から国男の財産を奪い脱出する計画を練っていたと打ち明けられます。川本は国男の妻である寧々と以前から関係を持っており、寧々を味方に引き込んで、逃走経路と金庫の暗証番号を用意し、決行を大夜祭の日に決めます。大夜祭の準備が進む中、川本の計画で、再度国男に挑まされることを聞かされ、恐怖から動揺する加藤でしたが、準備の業者に紛れて愛場と浅村がいることに気が付きます。

そこで浅村にお前をここから助け出してやると耳打ちされます。訝しむ加藤でしたが、時間は進み、いよいよ決行日を迎えます。国男に再戦を挑む加藤だったが、対戦相手に選ばれたのはまさかの川本。国男は川本の計画に気づいていたのです。計画を変更し、加藤に金を奪わせることにしましたが国男の手下たちの襲撃を受けます。そこにさくらが現れ、あっさり加藤を救出。

そしてさくらが吸っていたタバコが寧々の撒いた油に引火、施設内に爆発が起こります。パニックの中加藤は国男に金の入ったバッグを見せます。そこにタイミングよく愛場と浅村が車に乗ったまま突入し、浅村は愛場を降ろして加藤を回収すると国男をはねて脱出します。外へ脱出した加藤でしたが、仲間がまだ中に残っていることに吹っ切れずに、燃え盛る建物の中へ戻ることを決めます。

施設内では、国男の金の在り処を突き止めた、愛場・さくら。援軍として加藤と29号も到着します。しかし国男はその人数差を物ともしない戦いを見せます。すきを突いて国男から奪った金を今度は寧々が奪い逃げます。29号と愛場、加藤が国男の足止めとして残り、さくらが逃げた寧々を追うが、外で待ち構えていた浅村に捕まり金は回収されました。

29号が国男と互角の勝負を繰り広げる中、建物の崩壊が近づいてきます。脱出を考える愛場とは、裏腹に加藤は29号と協力して、国男を戦闘不能にさせます。浅村は、国男に勝利宣言をし、加藤を労います。加藤は浅村の本当の気持ちが知りたくて、尋ねます。「浅村さんにとって俺って……何なんスか？」浅村は少し時間を置いて答えます。「仲間……だろ？」その言葉で浅村の嘘を見抜いた加藤は浅村との決別を決めるのでした。

以上が、「東京闇虫」の最終回の結末のネタバレです。依存心が強くダメ人間であった加藤が、自分の力と金だけを信じアングラ世界を生きていこうと決意するまでの話が、「東京闇虫」の第1章になります。

ここまで、東京闇虫のあらすじと最終回の結末をネタバレ有りで紹介してきました。次はこの作品を読んだ方の感想を一挙に紹介していきます。

浅村と加藤のキャラクター性が好きなようですね、加藤はダメ人間ではあるが、アングラならではの危険を、次々に突破していくところが、好感を得たようです。

アングラ世界を描いた作品なだけに恐怖展開も多いですが、何故か続きを読みたくなる魅力が本作にはあるようです。

こちらの方は、実写版の東京闇虫を見た方ですね、主演の桐山漣さんの演技に魅了されているようです。

いかがでしたでしょうか？今回は「東京闇虫」の登場人物の紹介とあらすじ、最終回の結末をネタバレ有りで紹介してきました。序盤のダメ人間感を払拭して、最終回では、成長したと言えるかは分かりませんが、自分の足でアングラ界をいきていく様を見ることができるほど変わりました。「東京闇虫」は実写版や第2章として「東京闇虫-2nd scenario-パンドラ」もありますので、合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか？