舞姫テレプシコーラのあらすじと感想!バレエの世界を描いた内容は?【山岸涼子】

舞姫テレプシコーラのあらすじと感想をご紹介!バレエの世界を描いた漫画として有名な舞姫テレプシコーラのあらすじには、バレエの全てがあるという感想が生まれる程豊かなドラマが詰まっています。煌びやかな世界に見えるバレエの世界ですが、その裏には闇ともいえる日本のバレエ業界の現実が作者の山岸さんによって描かれていました。舞姫テレプシコーラは第1部と2部の他に番外編も存在します。そんな舞姫テレプシコーラ第1部、2部のあらすじと番外編について、この作品に対する感想も含めて徹底解説していきます!

 舞姫テレプシコーラのあらすじと感想!バレエの世界を描いた内容は?【山岸涼子】のイメージ

目次

  1. 舞姫テレプシコーラのあらすじと感想が気になる!
  2. 舞姫テレプシコーラとは?原作者は山岸凉子?
  3. 舞姫テレプシコーラの第一部のあらすじとは?
  4. 舞姫テレプシコーラの第二部のあらすじとは?
  5. 舞姫テレプシコーラが完結?第二部最終回のあらすじとは?
  6. 舞姫テレプシコーラの番外編とは?
  7. 舞姫テレプシコーラを読んだ人の感想とは?
  8. 舞姫テレプシコーラのあらすじと感想まとめ!

舞姫テレプシコーラのあらすじと感想が気になる!

バレエの世界を扱った漫画に「舞姫テレプシコーラ」という作品があります。外面は華々しく美しい世界を感じさせてくれるバレエの世界ですが、その裏には競技者たちのとてもハードな現実があるということを舞姫テレプシコーラは伝えてくれます。舞姫テレプシコーラの作者は山岸京子さんで、同じくバレエ漫画の傑作「アラベスク」を描いた人でもありました。

山岸さんの描いた舞姫テレプシコーラは第1部と2部からなり、番外編のあらすじも存在します。バレエ一筋に生きる千花や六花の物語は果たしてどんな展開となっていくのか?ここでは舞姫テレプシコーラの第1部と第2部、番外編のあらすじをネタバレで紹介するとともに、舞姫テレプシコーラを読んだ人たちの評価感想についても迫っていきます!

舞姫テレプシコーラとは?原作者は山岸凉子?

「舞姫テレプシコーラ」とは山岸凉子さんが「ダ・ヴィンチ」という雑誌に連載していたバレエ漫画です。舞姫テレプシコーラの第1部は2000年11月号~2006年11月号にかけて、ダ・ヴィンチに連載されていました。舞姫テレプシコーラは第1部終了後、2007年に第11回手塚治虫文化賞マンガ大賞を獲得しています。:

その後山岸さんは「ヴィリ」という漫画を短期間連載した後、舞姫テレプシコーラ第2部の制作に入りました。第2部は2007年12月号~2010年10月号にかけてダ・ヴィンチで連載されています。これら舞姫テレプシコーラの漫画コミックスはメディアファクトリー(MFコミックス)から発行されています。第1部で10巻、第2部は5巻の計15巻が舞姫テレプシコーラの単行本となっています。

舞姫テレプシコーラの原作者は山岸凉子

漫画「舞姫テレプシコーラ」を描いた原作者は山岸凉子さんです。山岸さんは1947年9月24日に北海道で生まれた女性漫画家で、北海道女子短期大学美術科を卒業しています。山岸さんは漫画史の中で「24人組」と言われる一派に属しており、24人組の代表的な人には他に萩尾望都さん、竹宮恵子さん、大島弓子さんなどがいます。

山岸凉子さんの経歴

舞姫テレプシコーラの原作者山岸凉子さんは1969年に「りぼんコミック」に載った「レフトアンドライト」という作品で漫画家としてデビューしました。1971年になると山岸さんは少女漫画作品として初めて真正面からバレエの世界を漫画にした作品「アラベスク」を連載し始めます。

りぼんで連載されたアラベスクは人気が高まり、第2部が「花とゆめ」という雑誌に掲載されることになりました。アラベスク第2部は優美な絵や、主人公の女性が成長していくあらすじが描かれていきました。アラベスクはその当時の漫画では未踏の表現やテーマも使われた、革新的な作品となっています。

その後1980年になると山岸さんはLaLaという雑誌で「日出処の天子」という作品を連載し始めます。「日出処の天子」の主人公は聖徳太子で、超能力や霊能力を使えるという設定になっています。聖徳太子が育つ環境の中で同性愛者になっていたという展開は読者を驚かすものでした。1983年に第7回講談社漫画賞に輝いた山岸さんは2000年に舞姫テレプシコーラを連載することになります。

舞姫テレプシコーラはアラベスク以来約30年の時を経て作られた山岸さんのバレエ漫画という事になります。舞姫テレプシコーラを連載終了後、山岸さんは2011年から2012年10月号にかけてダ・ヴィンチで「ケサラン・パサラン」という漫画を連載しています。

2014年からはモーニングで「レベレーション(啓示)」という漫画の隔月連載を始めています。「レベレーション(啓示)」は百年戦争で活躍したジャンヌ・ダルクを主人公にした漫画となっています。

舞姫テレプシコーラの魅力


ここではバレエ漫画「舞姫テレプシコーラ」が持つ面白さの魅力について解説していきます。作者の山岸凉子さんはホラー系の漫画を多く描いてきた人でもあるので、舞姫テレプシコーラにもホラー的演出があると言われています。

舞姫テレプシコーラの魅力をざっくり取り上げると1.篠原六花がバレエを通して成長してゆく人間ドラマとしての魅力、2.六花や千花が時にはライバル達に、時にはどうにもならないバレエの壁にぶつかって苦悩するあらすじとしての魅力があります。

舞姫テレプシコーラはバレエに向かう少女たちの成長物語と、苦難の物語が組み合わさって読者を引き込んでいくあらすじ構成となっていたのです。また舞姫テレプシコーラには六花たちを脅かす強力なライバルが存在し、彼女たちとの戦いも注目の的となります。

舞姫テレプシコーラは様々な登場人物がバレエという要素でつながれているので、一貫したテーマのあらすじが描かれるとともに群像劇としての魅力もあります。また舞姫テレプシコーラは日本のバレエ業界の裏側にメスを入れるような展開も魅力です。舞姫テレプシコーラは作者山岸さんの日本バレエ界に対する問題提起的な意味合いも含む作品となっていたのです。

舞姫テレプシコーラの第一部のあらすじとは?

舞姫テレプシコーラはバレエの華やかな部分を描くだけの漫画ではなく、その裏で苦しい現実に対面する登場人物たちのあらすじが描かれた作品であり、日本のバレエの世界が持つ矛盾などを描き出しているところに特徴があります。ここではそんな舞姫テレプシコーラ第1部のあらすじについてネタバレで解説していきます。

舞姫テレプシコーラ第1部の主要キャラクター3名

舞姫テレプシコーラ第1部でメインキャラクターとなるのが六花(ゆき)と千花(ちか)と須藤空美(すどうくみ)です。舞姫テレプシコーラの主人公である篠原六花はバレエ教室を営む母の元に生まれた女性です。千花は六花のお姉さんで、バレリーナとしての才能が高いので周りからプロになるだろうと有望視されているキャラクターです。

千花は明確にバレリーナとしてプロになる意識を持って取り組んでおり、ただ好きでバレエをやっていた六花とは対照的な存在です。そして須藤空美は舞姫テレプシコーラで重要な役柄を握るミステリアスな女性です。謎の多い須藤空美ですが、天性のバレエの能力を持っています。舞姫テレプシコーラ第1部のあらすじは以上3名の女性を中心にして展開されていきます。

須藤空美現る!

舞姫テレプシコーラ第1部の舞台は埼玉県のベッドタウンで、主人公の篠原六花は小学校5年生になります。六花と千花はバレエ教室を運営している母の元で小さい頃からバレエを習っていた姉妹でした。バレエの才能あふれる千花はプロになることを目指して頑張っていることもあり、マイペースでバレエに取り組む六花はよく姉と対比されていました。

本気でバレリーナを目指す姉を尻目に六花は特別目的を持つことなく、踊ることが好きだから自分なりにバレエを楽しんでいました。夏休みが終わって六花たちに新学期が始まる頃、須藤空美が転校生としてやってきます。

須藤は美しい容貌ではないですがバレエをしている姿を見た時、只者ではないと六花は思いました。須藤の行うアンドゥオールの様子や180度きれいに開く足を見れば、バレエに相当慣れている人であることは明白だったのです。

身体的弱点に気が付いた六花

舞姫テレプシコーラ第1部のあらすじで、ある時六花は自分の弱点に気が付いてしまいました。六花の身体的な弱点はバレエを行う上で大きな障害となることから、とても落ち込みます。自らの身体的な欠陥に絶望すら感じた六花は踊ること自体を止めようとまで考えます。

しかしそんな六花を救ったのは須藤でした。須藤の美しいバレエの姿を見ていたら、六花にもう一度バレエをやりだそうという決意が蘇ったのです。一度は挫折した六花は、須藤の影響でバレリーナとして再起出来たという事になります。

バレリーナとしてデビューした千花にふりかかる不幸


舞姫テレプシコーラ第1部のあらすじで、六花は姉と一緒に埼玉バレエコンクールに参加することになりました。見事予選を勝ち抜いた六花たちは、東京貝塚バレエ本部に入ることになります。六花たちは東京貝塚バレエ本部でエリートが集まるクラスに配属され、良き指導者にも恵まれました。

とんとん拍子で新たなステージに上がってこれた六花たちですが、ここから千花に苦難の展開が待ち受けていました。バレエ団体公演で「くるみ割り人形」が催されることになり、千花はクララ役として参加することになります。千花にとってこの公演はバレリーナとしてのデビューであり、ついに夢が叶った瞬間でもあります。

しかしバレエ団体公演中に舞台で問題が起こり、千花は致命的なケガを負ってしまいました。ケガのためにバレエをする事が出来なくなった千花にはその後手術とリハビリの日々がやってきます。中々完治しないケガは千花を精神的に追い込んでいきました。

何としてもバレリーナとして再起したい千花は、頼みの綱となる手術に向かうことになります。それが非常に高価な靭帯生体移植手術でした。しかし靭帯生体移植手術をもってしても千花のケガは完治しませんでした。プロとして活躍していきたい千花は絶望的な心境になるのですが、さらなる苦難が彼女に降りかかります。

千花と篠原家に襲ってきたのがいじめ問題です。小学校の頃から千花はいじめがあるようなことを周りに言っていました。よりによって千花のマインドが一番つらい時にいじめ問題が本格化してくることになったのです。様々な苦難に見舞われた千花は最後、まさかの自殺を選ぶことになりました。

本公演でクララ役を成功させる六花

舞姫テレプシコーラ第1部のあらすじで、六花は中学生になると自分の持つとある才能に気がつくことになります。六花には踊る他に振り付け家としての能力があったのです。振り付け家としての才能を見抜かれた六花はやがてバレエの好演でクララ役を任されることになります。かつて姉が演じたクララ役だけあって初めはプレッシャーを感じた六花ですが、素晴らしい演技を見せてくれました。

バレエでクララ役を成功させて自信を得た六花はバレエに対してより強い意欲を持つようになりました。同時に六花は身体的な欠陥などのためにバレリーナとして自分に確信が持てない部分もありました。優れたバレリーナになろうとする六花の葛藤が第1部のあらすじで描かれていくことになります。

舞姫テレプシコーラの第二部のあらすじとは?

新キャラクターローラ・チャン現る!

ここから舞姫テレプシコーラ第2部のあらすじをネタバレで解説していきます。舞姫テレプシコーラ第2部になると六花は高校生になっており、ローザンヌに挑戦するという目標を持ってバレエに取り組んでいました。第2部で六花はより手強いライバルと出会うことになります。それが中国系アメリカ人の女性バレリーナ、ローラ・チャンです。六花がローラと出会ったことであらすじも新たな盛り上がりを見せます。

ローラは生まれついてのアンドゥオールのセンスを持ち、バレリーナとして十分なテクニックを持ち合わせ、外見もアジアンテイストの美しさがありました。恵まれた美貌とバレエのセンスを持つローラですが、六花はどことない面影を感じていました。

六花はローラに須藤空美を重ね合わせていたのです。須藤は舞姫テレプシコーラ第1部の途中で登場しなくなってしまうのですが、ローラの正体が果たして須藤なのかどうか明確な答えは明かされていません。

舞姫テレプシコーラ2部のあらすじ

舞姫テレプシコーラ第2部のあらすじで、六花はローザンヌに参加するためのビデオ審査に挑戦して、見事合格しました。ビデオ審査に受かった六花や茜たちはローザンヌへ行くために成田空港に集います。この一年前に六花はYAGPというユース・アメリカ・グランプリに参加しており、日本の予選でシニア3位という結果を出していました。

このため六花は決戦への出場権をもっていたのです。舞姫テレプシコーラの第1部から第2部の間に、六花は着実にバレリーナとしての実力を蓄えていました。

ローザンヌのコンクールに挑む六花たち


舞姫テレプシコーラ第2部は、六花が姉も目指していたローザンヌに挑戦するあらすじとなります。六花たちは意気揚々とローザンヌ行きの飛行機に乗ろうとしましたが、大雪のために欠航することになります。このため六花たちは当初計画していた予定が遅れてローザンヌに入ることになります。六花たちがローザンヌ入りした次の日の朝にコンクールは開始されました。

待ちに待ったローザンヌのコンクールは六花たちにとって難しい内容でもありました。ローザンヌではコンテンポラリー要素が大切にされており、女性よりも男性ダンサーに対して良い評価が下される傾向がありました。また六花たちがレッスン審査を受ける際に、予告なく即興で踊るように言われることもありました。明らかにかつてのコンクールとは内容が変わっていたので、六花たちは戸惑うことになります。

ローザンヌの準決選

舞姫テレプシコーラ第2部のあらすじで、六花はローザンヌの準決選まで進みました。しかし六花は体調がすぐれず、準決選を終える前に退場することになってしまいます。六花は準決勝で棄権することになったので、バレエ学科からのお声もかかりませんでした。本来ならクラシックを得意としていた参加者たちの多くが準決選で落ちることになります。

ローラの正体に気が付く六花

舞姫テレプシコーラ第2部のあらすじで、ローザンヌの決選まで進んだローラ・チャンはスワニルダの演技を始めます。華麗なローラの踊りと衣装を見ていた六花はとあることに気が付きました。以前千花が埼玉バレエコンテストで来ていた衣装とローラが着ている衣装が非常に似ていたのです。

以前千花の着ていた衣装は六花が洋書から見つけ出したデザインで、特注で作ってもらったこの世に一着しか存在しないものでした。千花が依然着ていた衣装とそっくりなものを着ているということは、千花が踊っていた姿を見ている人であるはずと六花は直観します。そうなるとローラの正体は居なくなった須藤空美しかありえないと思いました。

須藤が千花の着ていた衣装デザインを覚えていて、それを真似て作った衣装を着ていると思ったのです。さらにローラが踊るコンテンポラリーの踊りには、深い哀愁のような表現を六花は感じます。ローラが目の前で踊って表現しているその感覚こそ、須藤の心情そのものだと六花は思いました。六花の中でローラ・チャンの正体は須藤空美に違いないと確信にいたりました。

表彰式で六花にまさかの展開

舞姫テレプシコーラ第2部のあらすじでローザンヌでの表彰式になるのですが、この時六花にとって驚きの事態が起こります。六花は表彰式の際、関係者の人に呼ばれました。初め六花はなくしたオファーカードが発見されたと思ったのですが、表彰式の最後の方で六花の名前が呼び出されると動揺します。

何のことだかさっぱり分からない六花ですが、ローラから早く舞台に上がるようにせかされます。なんと六花は準決選で棄権しているにも関わらず、賞を頂くことになったのです。

実はローザンヌでは審査対象の一つにインプロの評価があって、ここで最高点を出していたことから六花に振り付け奨励賞が贈られたのです。さらに六花はH学校からの奨学金がついたオファーカードまでもらうことになります。六花がオファーカードがないと思っていたのは、N氏が秘密で持っていたからでした。表彰式で突然の発表だったこともあり、六花だけでなく菅野先生もとても驚きます。

菅野先生は日本に戻ってから六花の振り付け作品「引きこもり」を見て、その素晴らしい出来に振り付け奨励賞をとっても当然だなと思いました。そして六花はローザンヌにてゴールドメダルを獲得することになったのです。

六花の取り合いを始めるボジョリー先生とN氏

舞姫テレプシコーラ第2部のあらすじで、表彰式の後パーティ会場で六花はローラに声をかけました。ローラの正体は須藤空美で、表彰式の時六花に舞台へ出てくるように日本語で声をかけてくれたことについて話したのです。しかしローラは六花の言葉に反応せず、そのまま行ってしまいました。

この様子を見た六花はローラの正体が須藤だと確信すると共に、ローラは本性をばらしたくないのだとも思いました。ここで六花の元にボジョリー先生が現れます。六花の才能を見抜いたボジョリー先生はルードラに来るように誘ってきますが、N氏も六花を取られたくなので反対してきました。

ボジョリー先生とN氏の間で抗争が始まりますが、最終的に六花はHバレエ学校へ行きたいという希望を伝えることになります。こうして六花のローザンヌでの活躍は終了し、時は過ぎていきます。舞姫テレプシコーラ第2部あらすじの最終場面は、いよいよ翌日六花がドイツのハンブルクに飛び立つシーンとなります。バレリーナとしての人生の新たなる旅立ちを前に、心を躍らせる六花とともに第2部あらすじは終わりを迎えました。

舞姫テレプシコーラが完結?第二部最終回のあらすじとは?

ここでは山岸さんが描いた舞姫テレプシコーラ第2部あらすじで、最終回で実は全力を出し切れていなかった六花について解説していきます。六花が挑戦するローザンヌといえば有名なバレエコンクールであり、漫画ではローザンヌの裏にある本当の姿についても描かれています。

実は全力を出し切れなかった六花

六花はローザンヌの準決選で踊るとき、本調子ではありませんでした。高熱が出てる状態で六花は準決選に挑んでいたのです。高熱を押して舞台で踊る六花ですが、上手くいかず演技中に転倒してしまいます。六花は転ぶにしても観客からは分からない程度にカバーしましたが、ローザンヌの評価員の目はごまかせないと分かっていました。六花は最後まで笑顔で演技を続けることが出来ましたが、舞台裏に戻ってからは悔しくて泣きだします。

六花の強みである振り付けはアドリブで行う上でのうまさはありますが、完璧な技とまではいえませんでした。さらに高熱を出しているというハンデも加わって、六花は本来の力が出し切れなかったと言えるでしょう。バレエを行う上で決定的な弱点を持つ六花には、豊かな空想力や感覚があります。一方バレエの申し子ともいえる存在のローラ。二人はライバル同士であり、お互いの存在がそれぞれの力を高めあうような関係にもあります。

結局六花はローザンヌの舞台で棄権することになります。この時点まで読んだ読者の中には全力を出し切れずやむなく棄権することになった六花に対して、かわいそうだという思いを持つ方もいたようです。最終的に六花は振り付け奨励賞をもらうことになりますが、読者をドキドキさせる最終回のあらすじは舞姫テレプシコーラ第2部の見どころでもあります。

舞姫テレプシコーラの番外編とは?

ここでは舞姫テレプシコーラの番外編について解説していきます。舞姫テレプシコーラは約10年の間連載されており、予想外の淡白な最終回に驚いた読者もいるようですが、最後のあとがきで山岸さんは番外編を描く予定だとコメントしていました。舞姫テレプシコーラが終了してから約1か月後に描かれたのが番外編となります。

舞姫テレプシコーラ番外編のあらすじ

舞姫テレプシコーラの番外編ですが、読者の中には「まさか」と思うような予想外のあらすじだったという感想があります。番外編のあらすじはHバレエ学校に通っている六花が、金子先生に現在の状況を連絡することから始まります。この時すでに金子先生には子供がいました。六花が金子先生に送ったメールにはHバレエ学校の事が色々書かれており、六花の現在の思いが長々とつづられていました。

このメールで六花が四人部屋の寮で生活している事が分かります。この時点までの番外編は読者からすると延々と六花の状況が語られる展開になるので、退屈という感想を挙げた人もいます。ここからローラ・チャンが番外編でどうなったのかが明らかにされます。

ローラの進学にはロイヤルやパリオペなどの選択肢もありましたが、結局六花と同じHバレエ学校に通っていたのです。またローザンヌ編でケントに興味津々だったジョゼが実は女性だったことも判明します。

ジョゼはケントの恋人になりたいような様子がうかがえるシーンです。そして番外編のあらすじでを見ていくと六花にラッキーグラスをプレゼントしてくれた中国人の男が誰なのかもわかりました。何とこの中国人男性はローラ・チャンの養父だったのです。さらにHバレエ学校で六花はローラに目をつけられているようで内心動揺している心境もありました。

舞姫テレプシコーラ番外編のあらすじを見ていると、どうしてローラがHバレエ学校に行く事になったのかという疑問が出てきます。第2部の最終回ではローラはパリオペに行くだろうと六花たちも予想していましたが、ひょっとしたらHバレエ学校に来るかもしれない事を冗談のようにほのめかしてもいました。

何でローラはHバレエ学校を選んだのか?

番外編でHバレエ学校に通っていたローラですが、どうしてローラがこの学校を選択したのかについては本編が終わっていることもあり、永遠の謎になっています。見方によっては原作者の山岸さんは、舞姫テレプシコーラの番外編で読者にローラの件で謎を提示したかったのかもしれないという考察もあります。

番外編を読んだ読者の感想には本編終了後のエピローグというよりも、第3部が続くような気持にさせてくれる内容のあらすじだったという声があります。しかし番外編はこの一遍で終了であり、先のあらすじは描かれていません。舞姫テレプシコーラの番外編は続きがとても気になるあらすじになっていたのです。

舞姫テレプシコーラを読んだ人の感想とは?

ここでは舞姫テレプシコーラを読んだ人たちの感想について解説していきます。舞姫テレプシコーラの感想を見ていくと、主人公の六花への注目度が高いことがうかがえます。例えば第1部で日本で実力を示し始めてきた六花が、第2部で世界に挑戦する頃になると大きな成長を遂げています。

外見的にも大人っぽくなっており、踊りにもより磨きがかかっている成長した六花の姿にホッとしたという感想があります。六花が世界でも戦っていけるかどうか、注目しながら第2部を読んでいた読者も多いようです。

千花の自殺が衝撃的だったという感想

舞姫テレプシコーラの感想として、千花が自殺することになるとは思わなかったという声があります。バレエの才能にあふれ、プロになるという明確な目標を持っていた千花だからこそ、まさかの死に読者は驚きの感想をもらしていました。しかし本編をよく読むと、千花が自殺するのではないかという伏線がところどころ用意されていたという意見もあります。

初めて舞姫テレプシコーラ第1部を読む人の場合は、千花にはられた伏線に気がつかないかもしれません。しかし千花の心情に沿って何度か本編を読み返してみると、自殺してももしょうがないと思えるような境遇にあったと考えることが出来るのです。バレエの能力に恵まれた千花でしたが、見方によっては厳しい人生を歩む運命にあったキャラクターだともいえます。

千花は小さな時からバレエ一筋で育てられ、周りからも未来を期待されてきました。バレエに人生を賭けてきた千花にとって、もしバレエがなくなったとしたらその絶望感は果てしないものになるでしょう。もちろん千花は強力な精神力や頭の良さがあるので、バレエ以外の世界でも生きていける余地は大いにありました。第1部のあらすじで千花は人生を賭けて取り組んできたバレエを続けることが出来ない状態になります。

そして最後に千花は自殺をすることになってしまいます。千花が自殺をした原因には、ケガのためにバレエが続けられなくなったこと、いじめや靭帯の大手術がうまくいかなかったことなど色々あるでしょう。恵まれた素質を持つ千花がまだ結果を出さないうちに自殺をしてしまったことが残念だという感想が多く挙がっていました。

日本のバレエ界を描いているという感想

舞姫テレプシコーラは単にバレエの世界に身を投じる少女たちのあらすじを描いてるだけでなく、現代日本のバレエ界の裏側を描いている点でも評価を得ている作品です。舞姫テレプシコーラで描かれているバレエ業界は非常に組織化されていて保守的な雰囲気があります。またバレエを行う者にとって選択できる道が少なく、万が一選手生命が絶たれた場合誰にも助けてもらえない現状がありました。

さらに経済面での弱さが目立つバレエ業界の現実を、作者の山岸さんは真正面から描いています。舞姫テレプシコーラで示されたバレエ業界は千花の苦難にも通じています。もしかしたら今後バレエを志す人にとっても千花のような事があり得る話かもしれないという怖さが感じられます。山岸さんは舞姫テレプシコーラを通じて日本のバレエ業界に対する何らかのメッセージを届けていたのかもしれません。

舞姫テレプシコーラはバレエの全てという感想

舞姫テレプシコーラの感想として、この作品はバレエの全てだという感想がありました。プリマドンナを目指す千花の成功と落胆、バレエ業界の先行きに不安を感じながらもバレエに取り組む六花の成長物語。バレエに生きる人は数多くいますが、その誰もがバレエの世界で生きていけるわけではありません。

千花と六花の光と影ともいえるドラマの中で、バレエに取り組みつつも夢破れる少女たちのあらすじが魅力的に描かれている傑作漫画という感想です。

舞姫テレプシコーラはプリマを目指す才能ある人だけでなく、その周りにたくさんいる平凡なバレリーナにも注目を当てて描いているところが特徴的な作品だという感想もありました。バレエの世界の本質や、この世界で生きる成功者も失敗者もまとめて描いている点で、バレエの全てという感想が出てきたといえるでしょう。

舞姫テレプシコーラのあらすじと感想まとめ!

ここまで舞姫テレプシコーラのあらすじや感想について見てきました。バレエの世界に生きる人達のあらすじと、現代日本のバレエ業界の裏にも迫る舞姫テレプシコーラ。千花のまさかの悲劇的転落や、姉の意思も次いでよりバレリーナとして成長していく六花のあらすじは読者に様々な感想を抱かせてくれました。

少女漫画界初の本格的バレエ漫画「アラベスク」を描いた山岸さんだからこそ描ける、バレエ業界の中の深い人間ドラマが舞姫テレプシコーラの魅力だと言えます。この作品のあらすじや、読んだ人たちの感想を把握した上で、改めて舞姫テレプシコーラを楽しんでいきましょう!

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