2018年11月27日公開
2018年11月27日更新
どうぶつの国の魅力とネタバレあらすじ!弱肉強食の世界を描く傑作漫画【雷句誠】
どうぶつの国は、金色のガッシュ!!の雷句誠氏による新たなる動物たちの物語です。どうぶつの国へと流れ着いたタロウザは、過酷な弱肉強食の世界であるどうぶつの国でさまざまな出会いと経験を経て、自分のなすべきことを見出していきます。厳しい世界で生きていく動物たちの時に愉快で、時に悲しい物語に心奪われること必至です。そして、次第に明らかになっていくどうぶつの国の真実とタロウザたちヒトの未来はどうなっていくのでしょうか?ここでは、どうぶつの国の魅力や漫画のあらすじ、感想をネタバレ紹介します。
目次
どうぶつの国の魅力とは?漫画のあらすじや感想もネタバレ紹介!
どうぶつの国は、金色のガッシュ!!の雷句誠氏による作品です。別冊少年マガジンの2009年10月号から2013年12月号まで連載され、単行本は全14巻になります。2013年、講談社漫画賞児童部門を受賞しました。ここではどうぶつの国の魅力を紹介します。
どうぶつの国の漫画あらすじをネタバレ紹介!
どうぶつの国の漫画あらすじWord.1~Word.7
最初のターニングポイントになるあらすじです。母親に捨てられた赤ちゃんが、川に流されてどうぶつの国にやってきます。実はよく見ると流されている途中で、フッと消えてしまっているのですが、チョッとしたネタバレに繋がっており理由は後々明かになります。こうして流されて来た赤ちゃんはどうぶつの国で一生懸命に生きているタヌキのモノコに拾われることになります。
モノコに拾われた赤ちゃんですが、母親に捨てられた事実を理解しており、生きていく希望を失って死んでしまおうとしていました。お前の母親になって一緒に幸せになりたい、オラと一緒に生きてくれ。モノコは必死に赤ちゃんに訴えます。モノコの必死の説得やタヌキたちの助けもあり、赤ちゃんは再び生きていく意志を持つことができました。
モノコと一緒に生きていくと決意した赤ちゃんには、不思議な能力が存在することがわかりました。それは、他の動物たちと会話ができることです。どうぶつの国では鳴き声が違う動物同士では会話をすることができません。そんな中突如現れた赤ちゃんの存在は、どうぶつの国に少しずつ奇跡を起こしていくことになります。
徐々に喋ることができるようになってきた赤ちゃんは、山猫のクロカギと出会います。肉食動物であるクロカギですが、とある理由により肉食動物として積極的に狩を行っていません。本来捕食される側のタヌキたちですが、クロカギが山猫の群れから自分たちを守っていることを知り、戦いで満身創痍になったクロカギを治療します。タヌキたちの行為に涙を流したクロカギは、タヌキたちを守護することを誓います。
流されて来た赤ちゃんのカゴの中に、手紙が入っていることに気付いたモノコ。手紙から赤ちゃんの母親の臭いを感じ取ったモノコは手紙を隠してしまいます。手紙がきっかけで赤ちゃんが自分の元を去ってしまわないかとモノコは不安になりますが、母ダヌキのベラに諭されます。手紙を取り戻したモノコは、改めて赤ちゃんと一緒に生きていくことを心に決めます。そして、手紙から赤ちゃんの名前がタロウザであることが判明します。
オオカミやゾウのブラブラとの邂逅でタロウザは、草食動物と肉食動物が仲良くすることの難しさを思い知ります。ですが、奪う、殺すで生きてきたオオカミに分けるという選択肢を提示し、息子のジークを託されたり、自分の能力を否定したブラブラに命を救われるなど、否定的な考えをもつ動物たちからの一定の理解と成果を得ることができており、かすかな希望の光が見えてきました。
どうぶつの国の漫画あらすじWord.8~Word.26
ここから幼年期のあらすじです。7年の時が流れ、成長したタロウザが出会ったのは、自分と同じヒトでありながらライオンに育てられたカプリ姫でした。タロウザは、7年の間に草食動物たちと協力して大きな畑を作り、自給自足ができる村を作りました。村に集まった草食動物たちを狙って、カプリ姫とライオンたちは襲撃を繰り返します。草食動物と肉食動物の決定的な違いに、皆が仲良く暮らせる世界を目指すタロウザは苦悩します。
他の群れのライオンたちから襲撃を受けたカプリ姫たち。雄ライオンたちは全滅してしまいましたが、何とか子ライオンたちと雌ライオンたちを救出します。和解したライオンたちとタロウザたちはお祭りを行うことに。そこには肉食動物や草食動物の垣根はありませんでした。
平穏な生活が続いたのも束の間。3人目のヒトであるジュウによって村や畑を焼かれてしまいます。餌場が無くなったことによって離れる動物たちもいましたが、タロウザが見せてくれる新しい世界に付いていく動物も大勢いました。そんな中タロウザは、キリンのピンタを母親の元に返すために海へ旅に出ることになります。
ハイエナのエナたちとの出会いや4人目のヒト、ギラーの陰謀を経て無事に海に着いたダロウザたち。クジラのエクトールからヒトがどうぶつの国に5匹しか生き残っていないことを知らされます。さらにエクトールから肉食動物でも食べることのできる永遠の実の存在を教えてもらったタロウザは永遠の実の種を手に入れることに。ギラーの襲撃に遭いながら、最後のヒト、リエムを保護したタロウザは村に戻ることになります。
リエムが隠し持っていたノートから、タロウザ5人のヒトはクオウによって別々の過去から呼び出されたことが分かりました。クオウは、どうぶつの国を全ての動物が仲良く暮らせるようにしようと、生まれながらにしてすべての動物と話す力を持った5人を呼び出したのです。クオウが開発した、星の全ての動物に言葉を伝える装置、ガイア・スパイナルを使えば、全ての動物が意思疎通できるようになることも判明しました。
モノコに子供のモコが生まれ、兄になったタロウザですが、そんな矢先にモノコがタロウザをかばってオオカミに食べられてしまいました。あらためてどうぶつの国の非常さを目の当たりにしたタロウザは絶望し、どうぶつの国を変えるために悪魔になる決意をします。そしてガイア・スパイナルを起動するために、バベルの塔に向かいます。
どうぶつの国の漫画あらすじWord.27~Word.52
少年期のあらすじになります。5年後、ギラーの陰謀により、どうぶつの国の各所にキメラが侵攻をはじめます。その只中にあって、キメラに対抗する集団を率いるタロウザ。彼は5年の間に各地を巡り、仲間を集めていました。故郷に帰ったタロウザは、彼を信じて待っていた仲間たちから、バベルの塔に向かう準備が既に整っていることを伝えられます。
5年前にバベルの塔に挑み、敗北したタロウザ。非常に強力で頼もしい仲間を得た彼は、再びバベルの塔に向かいます。既にギラーの支配下と化したバベルの塔には、村を去ったカプリも味方についています。カプリと対峙するタロウザですが、その間にリエムがギラーに攫われてしまいます。ギラーにはリエムが持っているクオウのノートがどうしても必要でした。
ついにバベルの塔に侵入したタロウザたち。彼らの前に街中で生活するヒトの形をしたキメラたちが現れます。バベルの塔とは、ヒトを絶滅させたゼリダ病から逃れるための人類最後の砦だったのです。ヒトの悪意の塊と化したキメラたちがタロウザたちを襲う中、カバのキャサリンが奮戦します。食べられた自分の子供とタロウザを重ねていた彼女ですが、自分の身を挺して仲間たちを次のフロアに導くことに成功します。
激しい戦いが続く中、ココノとスカイに出会うタロウザ。彼らから5人しか存在しないヒトは、必ず滅ぶと言われてしまいます。これは最小存続可能個体数を大きく下回っているためであり、逃れられないとされています。さらに、キメラに侵食されたスカイによってタロウザは心の傷を吐露させられます。
誰も自分の本当の苦しみを理解してもらえない思いや、どうぶつの国の理不尽さに対する憤りを語り、ずっと死にたかったと告白するタロウザ。このまま意識が戻らなくなるかと思われましたが、どうぶつの国で生きる全ての動物たちが仲良くなるという目標のため、なによりモノコの存在が彼の意識を取り戻しました。
意識を取り戻したのも束の間、タロウザは致命傷を受けてしまいます。彼に止めを指そうと最強のキメラ達が襲い来る中、キリトビ、ザラス、ドウゲンたちが彼を守るために奮戦します。彼らの献身もあり、一命をとりとめたタロウザにリエム、カプリが合流します。そしてギラーの過去がついに明らかになり、彼の目的が判明しました。彼は目的を達成するために究極のキメラ、グロビュウルを起動します。
突如現れたジュウによって倒されたグロビュウルでしたが、そこにクオウと彼の恋人イレインが復活します。イレインに自分の思いを伝えようとするクオウですが、ギラーの憎悪に影響されたイレインは星を破壊しようとします。必死でクオウの声を届けようと奮戦するタロウザたちは、なんとかクオウの声を彼女に届けることに成功します。ですが、キメラ化していたギラーにイレインの体をのっとられ、クオウは殺害されてします。
イレインを取り込んだギラーの野望を阻止するべく総力戦で挑むタロウザたちですが、敵うことなく次々と仲間たちが傷付いていきます。全てが終わったかに見えたとき、タロウザはガイア・スパイナルを起動します。ガイア・スパイナルによって、どうぶつの国に生きる全ての動物たちの思いをひとつにしたタロウザはその力を使い、ギラーの打倒を成し遂げます。
どうぶつの国の漫画最終回をネタバレ紹介!
タロウザを介して動物たちの思念を受けるギラーですが、動物たちの思いを受け入れることができません。最後は、動物たちとの会話を望まないものに動物たちの運命を決めることはできない、とタロウザに糾弾されて絶命します。同じく過剰な状態でガイア・スパイナルを使用し続けた影響で、タロウザも心肺停止してしまいます。
このまま死亡してしまうと思われたタロウザでしたが、光の姿となったモノコが現れタロウザに頑張ったのだから幸せになれと声を掛けます。そしてモノコに同調する形で、星の力により、タロウザは一命をとりとめました。
7年の時が過ぎ、ヒトの子供が活躍している姿がみられます。物事は万事完璧には行かないようで、肉を食べようとする動物たちもいまだにいるようです。4人の子供たちの親は明言されていませんが、容姿でおおよその判別ができます。ヒト種が絶滅の危機にある中での希望であり、ゼリダ病の影響が存在しないことの示唆でもあります。
ラストでは再び祭りシーンになります。平和の象徴といってもいいもので、動物たちが楽しそうに踊っています。戦いの途中で仲間になったキメラ達、無事に生き残ったイレインたちも祭りに参加しています。最後はタロウザの心からの笑顔が印象的です。まさに大団円という形で物語りは完結します。
どうぶつの国の魅力とは?
弱肉強食のシビアな世界
どうぶつの国は、弱肉強食のシビアな世界が舞台となっており、草食動物と肉食動物の関係性をどう解決していくかがひとつのポイントとして描かれていきます。作中では動物たちがあっさり食べられる場面がふんだんにあり、容赦なくキャラクターたちの命を奪っていきます。シビアな現実だからこそキャラクターたちの必死さ、リアルさが伝わり、どうぶつの国の世界観に引き込まれます。
食べることだけではないその先にあるもの
タロウザは草食動物同士で争いが起きないように畑や橋を作ります。ジュウが襲撃した際に人質にされたモモウロスは、橋を作ったことに感銘を覚え、息子たちにはもっとすごいことを成し遂げて欲しいと願うようになります。作中では、どうぶつの国に新たな可能性を与えるタロウザに対して、動物たちが別の未来を見出すシーンが多々見受けられます。すばらしい未来を自分の子供たちに見せたい、という思いが真摯に伝わってきます。
戦いながらも絆を深めていく動物たち
どうぶつの国ではモノコを含め、作中で多くのキャラクターたちが命を散らしていきます。非常に残酷ですが、彼らもただでは死にません。最初はバラバラだった彼らも戦いを通して絆を深めていきます。動物たち同士では会話が出来ませんが、彼らは仲間です。キャサリンへの叫びが、キリトビの思いが、ザラスの覚悟が仲間にきちんと伝わっているのです。思いや意思を託して次に繋げられるよう彼らは必死に戦って散っていきます。
壮大なストーリー
どうぶつの国は壮大な時間設定がされている物語です。クオウたち人類が滅んでからタロウザたちが活躍するまで、スカイの言葉を借りるとおおよそ1万8千年経過していることになります。さらに、タロウザたちが呼び出された年代を見ると、ギラーが最長で西暦4078年となっており、ギラーとクオウたちの年代が1千年以上離れている場合、どうぶつの国の時代は西暦2万3千年以降という気の遠くなる時代だということが分かります。
バベルの塔をなぞらえた設定
作中のキーワードにもなっているバベルの塔。同じ民族が統一された言語を話していたバベルの塔の人々は、神により各地に散ることになります。これにより他民族、多言語が進むというのがバベルの塔の話ですが、どうぶつの国では言語統一のためにバベルの塔に集結するという逆の意味合いなっています。また、空想的で実現不可能な計画を比喩的としてバベルの塔と表現されることもあるようで、なかなか凝った設定になっています。
どうぶつの国の漫画を読んだ感想をネタバレ紹介!
全巻読んでみて感じたネタバレ感想1
あらすじを読んでもらえれば分かると思いますが、どうぶつの国の世界設定は非常にシビアなものになっています。主人公であるタロウザには常に理不尽な現実が押し寄せ、普通の子供には対処できないような命のやり取りを要求してきます。作中で思わず心の中の葛藤を吐露しますが、諦めずに敵に立ち向かっていく姿に思わず手に力が入ってしまった、という声もありました。
全巻読んでみて感じたネタバレ感想2
どうぶつの国ではさまざまな動物が登場しますが、タロウザの仲間となった多くの動物たちは、家族を大切にしていて仲間思いです。物語の後半になると怒涛の戦闘が続き、仲間たちが次々と犠牲になります。そんな中でも仲間や家族のために、自分を犠牲にして未来を掴み取ろうとする動物たちの行動に胸が熱くなりました、という感想もありました。
全巻読んでみて感じたネタバレ感想3
本作は謎が多く含まれており、物語が進むにつれて徐々に真実が明らかになっていきます。タロウザたちがどうぶつの国に呼ばれた理由や経緯についてももちろんですが、裏側で動いていたクオウの痕跡を辿ることが物語の全貌を知るための鍵となります。また、多くの謎は明かされましたが、未解決の問題もいくつかあるため、考察や完結後のストーリー展開をあれこれ想像して楽しむことができます。
Twitter内での感想
ここではTwitterにあった、どうぶつの国のネタバレ感想をいくつかまとめさせてもらいました。
どうぶつの国最終巻
— take sun (@yy_ukiuki) March 26, 2014
弟にも読ませた!
ガッシュにも引けをとらない
いい作品って
納得してもらえた!
みんな読んで!一回読んでみ!
騙されたと思って!
まーじでいいから!#どうぶつの国
金色のガッシュ!!からのファンの方からのネタバレ感想です。兄弟そろってどうぶつの国がおもしろいと感想されています。
「どうぶつの国」読了。さすがというかとってもアツい作品でした ( ˘ω˘ ) ただ唯一、ガッシュのときは魔界に戻るだけだったけど今回はばったばった死んでゆくのでそこだけとっても悲しかったな( ˃̣̣̥᷄⌓˂̣̣̥᷅ )とても面白い作品でした! #どうぶつの国
— ちーさま (@ouchikaeru1234) August 8, 2017
こちらも金色のガッシュ!!からのファンの方からのネタバレ感想です。金色のガッシュ!!との対比を感想されています。
【どうぶつの国(14)】読了。
— 健康胞子 (@turedure_memo) April 16, 2014
実に良い最終回でした。
全ての動物が互いの言葉を理解する。残酷だけれど、新たに共存の道も開ける瞬間。
問題も多いけど、いつか皆幸せになるといいですね。
→『どうぶつの国(14)』http://t.co/GJkdrRSIxJ#漫画 #どうぶつの国
完結後の問題点に関するネタバレ感想です。実際に確認したところ、完結後の問題に関するストーリー展開に興味がある方も結構いらっしゃるようです。
どうぶつの国の魅力とあらすじのネタバレまとめ!
いかがだったでしょうか?どうぶつの国という漫画のタイトルだけで判断すると、しっぺ返しを食らう重厚な内容の本作ですが、地球の環境問題にも繋がる話で現代人にも考えさせられるテーマではないかと思います。楽しいシーンもシビアなシーンも動物たちが躍動していて、本当に生きているような躍動感にあふれています。この紹介をみて気になった漫画好きな方や、動物が好きな方に是非どうぶつの国を読んでみてはいかがでしょうか。