2018年10月23日公開
2018年10月23日更新
漫画キーチ!!のあらすじをネタバレ紹介!続編のキーチVSとは?
今回ご紹介するのは、新井英樹氏のマンガ『キーチ!!』です。『キーチ!!』は小学館が発行している雑誌『ビッグコミックスペリオール』で連載され、単行本で9巻発売されています。『キーチ!!』では、生まれる時から伝説じみていた少年、染谷輝一(キーチ)が両親との別れなど数奇な運命を辿りながら日本を変えようと奮闘する姿が描かれています。今回は『キーチ!!』のあらすじをみながらキーチの生き様を紹介して生きます。ぜひ最後までご覧ください。
目次
漫画キーチ!!のあらすじが気になる!
今回ご紹介する『キーチ!!』は、漫画『愛しのアイリーン』などで知られる漫画家新井英樹氏によって描かれた作品です。型破りな少年染谷輝一の生き様を描いた『キーチ!!』をあらすじを交えながらご紹介していきます。ネタバレを含むためお読みになる際はご注意ください。
『キーチ!!』の主人公、染谷輝一(キーチ)は幼い頃に両親を殺されるなど、子どもには過酷すぎる経験を味わう小学生です。『キーチ!!』では、そんなキーチと同級生は自分たちが遭遇する大人や社会の理不尽さと立ち向かい、その様子が人々に影響を与える様子が描かれています。
キーチたちは大人に屈せず自分の信念を通すことが出来るのか、そしてキーチたちを見て周囲は変わるのか。『キーチ!!』の続きが気になります。
漫画キーチ!!とは?
『キーチ!!』は小学館発行の雑誌『ビッグコミックスペリオール』で2001年16号から2006年6号まで連載されました。『ビッグコミックスペリオール』は1987年に創刊された漫画雑誌で月2回発売されています。創刊当時は20歳代の社会人をターゲットにしていましたが、現在は方向転換しコアな読者を意識した作品も掲載する雑誌となっています。
『キーチ!!』の単行本は合わせて9巻が小学館からビッグコミックスレーベルで発売中です。『キーチ!!』の作者は『宮本から君へ』で小学館漫画賞青年一般部門を受賞した新井英樹氏です。新井氏は漫画家を目指すために文具会社を退職。ちばてつや賞の入選を経て、1989年に「8月の光」でアフタヌーン四季賞の夏のコンテストで四季大賞を受賞しました。
出典: http://jiscom.me
初期作品の作風は『牽牛庵だより』『こどもができたよ』などにみられるようにソフトなタッチでしたが、後に反社会的な表現を多く用いる特徴的な作風へと変化していきました。『キーチ!!』も後者の特徴が色濃く出ている作品と言えます。ではさっそく『キーチ!!』のあらすじ、ネタバレをみていきましょう!
漫画キーチ!!のあらすじをネタバレ紹介!
周囲が手を焼く幼少時代
ここからはキーチ!!のネタバレを含みますのでお読みになる際は注意してください。『キーチ!!』の主人公キーチは山で育った父と海で育った母の間に生まれます。キーチの出産が迫ったある日、地元の占い師から「この日に産むとまたとない男らしい男の子に育つ」と言われ、キーチの母親は本当にその日に帝王切開でキーチを出産しました。
そんな経緯で生まれたキーチは暴れん坊のきかん坊、幼稚園では問題が絶えずその度に母親は周りに謝り倒す日々、反対に父親はキーチがただの気分屋で周囲に怒りをぶつけていたわけではないと分かっていたのか、キーチの様子をビデオカメラ片手に暖かく見守っています。破天荒な輝一に周囲は手を焼きますが、両親に見守られながらキーチは幸せな生活を送っていました。
両親との別れとモモとの出会い
両親と幸せな日常を過ごしていたキーチでしたが、ある日親子で水族館に向かっている途中、キーチの目の前で両親が通り魔に刺殺されてしまいます。突然両親を失ったキーチの周りでは、親権を巡って両親の祖父母が言い争う毎日。キーチはそんな環境が嫌になったのと、生来の放浪癖も相まって家出をしてしまいます。
ホームレスとなったキーチが出会ったのはホームレスのモモという女性です。キーチはモモと行動を共にすることになりますが、捜索願が出されているキーチとの生活で二人は気が休まらない日々が続きます。
そんなある日、モモのホームレス仲間がキーチにかけられた報奨金に目がくらみキーチの居場所を警察に密告してしまいます。居場所が特定されてしまったモモとキーチは、モモの知人を頼りに伊豆へと向かいます。
秋ポンとの出会いと別れ
モモが頼りにした女性は伊豆の旅館で仲居をしている秋ポンです。秋ポンは自分と愛人が密会するための部屋にモモとキーチを住まわせます。そのため、ある日秋ポンの愛人と鉢合わせてしまいます。
モモが上手く言い訳をしたおかげでキーチの居場所が外に知られることにはなりませんでしたが、秋ポンの愛人はモモのことが気に入ってしまい二人はキーチを置いて失踪してしまいます。
一人残されたキーチを秋ポンは警察に知らせることに決めます。しかしその道中事故にあい、キーチは山の中へ逃亡、秋ポンは病院へ運ばれましたが植物状態になってしまいます。まもなくキーチは発見されますが、その時のインタビューで「一人で生きていくことは素晴らしい」といったことを話したことがテレビで放送され、一躍時の人となります。
山の中で発見されたキーチは小学校に通うようになりますが、幼いころと同じで問題行動を連発し転校を繰り返します。最終的に父方の祖父母に引き取られ、長野県松本市の小学校に通うことになりました。
イジメにあう少女みさとと、天才少年甲斐との出会い
キーチ転校した松本市の小学校ではみさとという少女が陰湿なイジメにあっていました。キーチはイジメを止めさせることを同級生の甲斐に指示します。
キーチの型破りな言動を崇拝している甲斐は塾の模擬試験で全国1位になるほどの優等生。頭も切れ、自分の言動で同級生を操る策士です。甲斐はキーチに認められたいという思いからみさとのイジメを止めさせるために動きますが、みさとにはイジメとは別に誰にも言えない悩みを抱えていました。
みさとは実の父親から児童売春を強制的にさせられていたのです。みさとから児童売春を打ち明けられたキーチと甲斐はこの事実を明るみに出すために立ち上がります。
みさとの秘密を知ったキーチと甲斐が大人たちに立ち向かう!!
みさとがやらされている児童売春を告発しようと奮闘するキーチと甲斐ですが、みさとの顧客には政治家など権力を持った人が多く、二人の企てはことごとく握りつぶされてしまいます。
子どもだけではどうにもならないと感じたキーチと甲斐はフリーのテレビディレクター石塚やホームレスのカメに協力してもらい、国会議事堂前でライブ中継をしながら、みさとの顧客だった人気議員の児童売春摘発を成し遂げます。そしてずっと植物状態だった秋ポンも奇跡的に意識を取り戻すのでした。
漫画キーチ!!の続編とは?キーチVSのあらすじをネタバレ紹介!
『キーチ!!』の続編にあたる『キーチVS』は、『キーチ!!』と同じ『ビッグコミックスペリオール』で2007年8月10日号に連載が始まり2013年7月12日号で完結した作品です。単行本はビッグコミックスレーベルで11巻まで発売されています。
キーチや甲斐が21歳になった『キーチVS』ですが、衝撃のラストが読者の反響を呼びました。『キーチ!!』で人々に賞賛された少年キーチはどうなっていくのか、あらすじを交えながら紹介していきます。ネタバレを含みますのでお読みの際はご注意ください。
50代の独身男性が認知症の母親を介護する場面から始まる『キーチVS』。『キーチ!!』の国会議事堂前での児童売春摘発から10年後の世界を描いています。大人になったキーチと甲斐はNPO法人「キーチズ・カンパニー」を設立。「真っ当でいろ」を掲げて、理不尽な法律や制度の被害にあった人たちを助けるため日々奮闘していました。
『キーチVS』では『キーチ!!』同様、現実社会の理不尽さに叩きつけられる人々の様子が描かれています。そして『キーチVS』では国内での問題のみならず、戦後日本のアメリカとの関係などにも触れていきます。『キーチ!!』が一人の少年キーチの成長物語であったなら、『キーチVS』はまさに「VS」と付いているように、キーチが大きな権力に立ち向かう様子が描かれています。
大人になり、より力をつけたキーチと甲斐はどのように進んでいくのか、、最後まで目が離せません。
漫画キーチ!!のあらすじネタバレまとめ!
子どものイジメや児童売春、介護の問題、『キーチ!!』では現代社会に潜む様々な問題が描かれていました。
金と権力を持つ人が中心にいて正しさを主張する弱者は淘汰されていく社会、世間の代表という顔をしてスポンサーの顔色を伺いながら情報を発信するメディアと、その言葉に踊らされる人々。問題に直面する当事者は苦しんでいますが、大多数の傍観者にとっては「他人事」。「長い物には巻かれろ」「仕方ない」という言葉で多くの人は日々無関心に生きています。
そんな社会の中で自分の信念を貫きとおそうとするキーチとキーチを理解する甲斐。彼らの行動は日本を、世界を変えることが出来るのでしょうか。生まれる前から常人とは違うキーチの生き様を『キーチ!!』『キーチVS』を通してその目で見届けてください。