ブルージャイアント(BLUE GIANT)をネタバレ!ジャズ漫画の評価・感想

ジャズを題材として扱い高い評価を集めたのがブルージャイアントです。ジャズ・音楽に携わる人程読んでほしい漫画としてマンガ大賞などを数々の賞を受賞し、好評を集めています。同時に音楽が分からなくても読める内容で、その熱量は音楽の事が分からなくてもぜひ読むべきとも言われています。今回はブルージャイアントのあらすじなどをネタバレありで紹介しつつ、評価されているポイントなどにも触れていきます。

ブルージャイアント(BLUE GIANT)をネタバレ!ジャズ漫画の評価・感想のイメージ

目次

  1. ブルージャイアントをネタバレ!高評価を得たジャズ漫画のあらすじは?
  2. ブルージャイアントとは?
  3. ブルージャイアントのあらすじをネタバレ解説〜漫画全巻〜
  4. ブルージャイアントの続編漫画!シュプリームをネタバレ解説!
  5. ブルージャイアントの登場人物を紹介!
  6. ブルージャイアントを見た人の評価・感想をネタバレ紹介!
  7. ブルージャイアントを是非ご覧あれ!

ブルージャイアントをネタバレ!高評価を得たジャズ漫画のあらすじは?

ジャズにハマった主人公を中心にサックスプレイヤーとして成長していく姿が描かれるジャズ漫画ブルージャイアント。音が鳴る事のない漫画という媒体ながら、その高揚感と作り込みで高い人気を集めた漫画です。人気だけでなく評価も高く、数々の漫画賞にノミネート、受賞している漫画でもあります。

ブルージャイアントは何故そこまで高い評価を集めたのでしょうか?今回はブルージャイアントのあらすじや登場人物などをネタバレありで紹介しつつ、評価されているポイントなども紹介していきます。

小学館│ビッグコミック連載『BLUE GIANT SUPREME』

ブルージャイアントとは?

ブルージャイアントは2013年より小学館が発行する漫画雑誌「ビッグコミック」で連載が開始されたジャズを題材とした漫画です。ブルージャイアントとしては2016年には完結し、単行本も全10巻で完結していますが、後述する主人公、大が海外に飛びだす続編「BLUE GIANT SUPREME」を翌号から連載、2018年現在も連載が続けられ現在までに単行本が5巻まで発売されています。

舞台を序盤は仙台、中盤以降は東京へと移しながら展開されます。序盤の舞台に仙台が選ばれたのは担当編集の出身地であった事をきっかけに行った取材で仙台にあるジャズの土壌を感じ取れた事が理由である事が語られています。マンガ大賞2016で3位、第62回小学館漫画賞一般向け部門、第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞するなど非常に高い評価を集める漫画になっています。

2018年10月現在、ブルージャイアントがアニメ化や実写化などの映像化は行われていませんが、音楽雑誌とのコラボや、ブルージャイアントで演奏された楽曲を集めたミニアルバムの発売など、音楽漫画、ジャズ漫画ならではの展開が成されています。題材から実写化もしやすいのでぜひ映像化して欲しいというファンも多い作品です。

作者は石塚真一さん

最近では原作と作画を分ける形で描かれる漫画も多いですが、ブルージャイアントは石塚真一さんが1人で手掛けている漫画です。石塚真一さんはブルージャイアントを連載している「ビッグコミック」系列の「ビッグコミックオリジナル」で「岳 みんなの山」を連載して人気を集めた漫画家さんです。

元々はアメリカの南イリノイ大学、サンノゼ州立大学に留学時代にロッククライミングにハマったのをきっかけにその時の体験を元にしたのが「岳 みんなの山」でした。「岳 みんなの山」でも第1回マンガ大賞、第54回小学館漫画賞一般向け部門、第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門をそれぞれ受賞するなど高い評価を受けていた漫画家さんで、その高い評価のままブルージャイアントの連載を開始しています。

漫画を描きはじめたのがアメリカから帰国してからの28歳であった事もあって、大きな作品は「岳みんなの山」と「ブルージャイアント」だけですが、それ以外にも小学館の関連雑誌にて「北狼ラストハンター」や短編を手掛けていたりなど複数の作品を生みだしている他、ブルージャイアント繋がりもあって、松田聖子さんが発売したジャズアルバムのジャケットを手掛けていたりもします。

ブルージャイアントのあらすじをネタバレ解説〜漫画全巻〜

ここからはブルージャイアントのあらすじをネタバレありで紹介していきます。漫画開始時点では主人公の大は高校3年生、バスケ部に所属するありふれた田舎の高校生です。

ブルージャイアント:仙台編

仙台編のあらすじはネタバレすると別名主人公大の修行編です。スポットはほぼ全て主人公である大に当てられており、他に登場するキャラクターはほぼ全て大がサックスをする上でサポートし、支えてくれている人達になります。また今回ネタバレするあらすじでは触れませんが、一応高校生なので学園物のようなエピソード、恋愛的な要素も多少含まれています。

大はバスケ部の練習と並行して個人でテナーサックスの練習を毎日欠かさず行っていました。部活の引退を期に中学時代自分をジャズバーに連れて行ってくれた友人に会いに行きます。独学である大の演奏は基礎などもおぼつかないものでしたが人を惹き付ける魅力があり、そこで大は友人に「世界一のジャズプレイヤーになる」という思いを伝え、さらなる猛練習を積む事を決めます。

そんな大の魅力に惹かれた1人である行きつけの楽器屋の店長からの紹介で、大はいきなりライブに臨む事になります。大の演奏はまだまだ荒削りであり、一部の人には強烈なインパクトを与えた物の、常連客から「うるさいんだよ」と一喝されステージを下されてしまいます。しかし大のまだまだ荒削りな才能にライブ会場となっていたバーのマスター川西に元ジャズ奏者の由井を紹介してもらえる事になります。

由井もまた大の才能に惚れ込んでレッスン料も取らずに大に基礎知識や基本の技術を教える事を約束します。由井の元で励む大は高校の学園祭での演奏などを経て技術を磨きますが、由井から再びバンドと合わせて演奏する事を命じられます。会場は以前に大がステージを下されたジャズバーで、しかもその日、大を酷評した常連客も来店していました。

しかし大は以前のままの大ではありませんでした。由井の元で行った特訓により、自身の音だけじゃなくて周囲の音を聞いて合わせる余裕が生まれた大の演奏に常連客を唸らせ、師匠の由井からも「まだまだだが、最高だ」とお褒めの言葉を貰いました。そして大は高校を卒業、プロのサックスプレイヤーとなるべく上京する事を決意するのです。この仙台編のあらすじが4巻中盤までで描かれています。

ブルージャイアント:東京編

東京編のあらすじはネタバレすると別名:バンドJASS編と言われています。仙台編では基本的に大1人にスポットが当たっていましたが、東京編では大が結成する事になるジャズバンド「JASS」の3人のメンバーにスポットが当たる事になるのです。

上京したはいいものの就職したわけでもない大はまず住む場所やバイト先を探す必要がありました。高校時代の同級生で大学に進学していた玉田の家に居候し、それら生活に必要になる物を探しながらジャズライブを聞きにいった大は、天才肌の大学生ピアニスト、沢辺雪祈に出会います。大は雪祈の演奏に感動し、雪祈もまた大の指に出来たサックスプレイヤー特有のタコに目を付けて後日改めて大の演奏を聞く事を約束します。

雪祈が同年代で自分の実力に見合ったバンドメンバーを探していた事もあり、大の演奏に感動を覚えてバンドを組む事にします。後1人、ドラムメンバーを探し始める2人でしたが、中々メンバーになりそうな人は見つかりませんでした。そこで名乗りを上げたのが毎日忙しなく動き回る大を見てきた同居人の玉田でした。玉田は大の生活と自分の生活を比較して悶々とした思いを抱えていたのでした。

大はそんな玉田の提案を受け入れますが雪祈が待ったをかけます。雪祈はジャズプレイヤーとして上り詰める為にも出来るだけ実力のあるメンバーと組みたがっていた為です。しかし玉田の熱意と大の説得を受けて渋々玉田を受け入れます。こうしてジャズバンド「JASS」が結成される事になりました。

大の精力的な活動によって初ライブの枠を獲得したJASS、まだまだ無名である3人の初めてのステージは客は4人しかおらず、しかも初ライブである玉田は何もできずに意気消沈。しかしライブ自体は大と雪祈の演奏もあって上々の評価を得る事になります。回を重ねる度に固定客を増やしていったJASSは偶然彼らのライブに居合わせたプロミュージシャン、川喜田とのセッションなどもあって知名度を高める事になります。

上昇志向の高い雪祈はそうして生まれた川喜田のツテも使って、昔から自身の夢であった日本屈指のジャズクラブ「So Blue」で演奏するべく売り込みをかけ、支配人である平に自分達のライブに来てもらう約束を取り付けます。しかしライブ後には期待するあまりに感情的になってしまい雪祈のピアノを酷評するのでした。

それでも雪祈は自身のピアノと向き合い着実に前に進んでいきます。徐々にJASSは注目されていき、JASSの演奏に魅了されてCD化しようとするレコード会社の五十嵐との出会いや、ジャズフェスでのプロのジャズユニット「アクト」との競演を経て成長していくJASSメンバー達。個々の腕前も上がっていく中、そんな彼らの成長を影ながら確認していたのが平でした。

平は「So Blue」でライブ予定だったバンドのピアニストが欠員した折、雪祈に声をかけます。出演のきっかけになればとそれを受けた雪祈、存分に実力を発揮し、さらに評価を高める事になります。その熱演を受けてJASSとして正式に「So Blue」への出演を受ける事になりました。10代のメンバーで構成されたJASSが「So Blue」に出演する事は快挙であり、ブレイク間違いなしと思われます。

しかしここで悲劇が起こります。公演間近、雪祈は路上でガードマンのバイトをする際、居眠り運転をするトラックにはねられてしまうのです。身体の重傷はもちろん、ピアニストの生命線である右腕に特に大きな怪我を負ってしまうのです。その怪我はあまりにもひどく、大や玉田が望んでも面会出来ない程でした。

大は平に頼みこんで玉田と2人で「So Blue」のステージに上がります。雪祈の不在は大きいながらも上々の評価を得る演奏をした2人は、ライブ後、ようやく雪祈と面会する事ができました。雪祈の右腕は回復する目途が立たない程である事、そしてJASSの解散を提案されます。才能ある大を自らの腕の為に犠牲にしたくないという雪祈の思いとそれを感じ取った玉田の同意もあってジャズバンド「JASS」は解散する事になります。

ブルージャイアント:帰郷編

東京編に含まれる事もありますが、ブルージャイアントの最後のあらすじは大の故郷である仙台に舞台を移します。ネタバレすると総量としては他の2編に比べて少ないですが、大の決断を左右する大事なあらすじが展開されます。

大は師匠である由井と話をする為に東京から仙台へと帰郷します。由井に東京での出来事を伝えると同時に自身の決心を伝えるのです。それが「国外への挑戦」でした。しかしまだ漠然としていた大のその挑戦を由井と相談する事で目的地を決めます。それがドイツでした。ブルージャイアントのあらすじのラストは大がドイツに飛び立つ所で終わりを迎えています。

ブルージャイアントの続編漫画!シュプリームをネタバレ解説!

ここからはブルージャイアントの続編漫画であるブルージャイアントシュプリームのあらすじもネタバレありで紹介していきます。先にネタバレしておくと続編とは言っても連載も翌週から解題する形で行われている他、あらすじの時系列も地続きで、ブルージャイアントのあらすじの最後、大がドイツに旅立った直後からあらすじが展開されます。

単身、ドイツへ乗り込んだ大

単身ドイツのミュンヘンに降り立った大は、宿を取ると早速練習場所を探し始めます。右も左も分からない街で時に警察に注意を受けたりしながらもなんとか川沿いの練習場所を見つけた大。しかしそこにいきつくまでの流れはとても順調とはいえず、なんだかんだ紹介やツテを使っていた日本との違いにも苦戦する事になります。

演奏の機会

苦労は練習場所の確保だけに止まりません。大は次にライブをさせてくれる場所を探そうとジャズバーを回るのですが、言葉の壁にぶつかった上に、若いアジア人という見た目だけで相手にもしてもらえませんでした。演奏もまともに聞いてもらえない状況が続く中、偶然立ち寄った喫茶店で運命の出会いを果たします。それが持ち歩いていたサックスに興味を持った地元の大学生、クリスでした。

クリスは大の「世界一のサックスプレイヤーになる為にドイツに来た」という話を聞いて感銘を受け、家賃も取らず自分のアパートの部屋に住まわせてくれるというのです。その上で大1人ではおぼつかないライブスポット探しにまで協力してくれる事になります。そんなクリスの協力を受けて大はようやくドイツでの初ライブを行える事になるのです。

当然ドイツでは無名である大のライブにお客が集まるわけがありません。10人程度いる客のほとんどはクリスの友人らであり、大の事はもちろんジャズの事さえあまり知らない者がいる中での演奏となりました。しかし大の懸命の演奏に彼らは心を打たれる事になります。大は逃げ場のないライブをなんとかやりきりる事ができました。

大、新たなメンバー探しへ

大は東京での経験から、新たなジャズバンドを組むべきだと考えてメンバー探しに奔走する事になります。数々のバンドを見回る中、目を付けたのが女性ながらパワフルな音を奏でるベーシストのハンナでした。早速ハンナに声をかける大でしたが、当然ハンナは大の事を知らず、また大が演奏音源も持っていなかったのではっきり断られてしまいます。

それでも大は彼女の演奏に魅了されており、諦めませんでした。ハンナがミュンヘンにはツアーで来ていて、ツアーが終わればハンブルグに帰る事を聞きだした大は、拠点をミュンヘンからハンブルグに移す事に決めるのです。世話になったクリスに別れを告げて大はハンブルグに拠点を移しました。

大はハンブルグでセッションなどを行う傍ら、ハンナの情報を集めるべくハンブルグのジャズバーや楽器店を巡ります。聞き込みの果てについにハンナとの再会を果たします。ちょうどセッション中だった大は自らの演奏を聞いてもらう事になります。ハンナは大の演奏に若いアジア人というだけで見くびっていた事を認め、同時に彼と一緒に演奏する事に怖気づいている自分がいる事にも気付いたのでした。

大の説得もあってバンドを組む事になった2人。さらに2人が再会するきっかけとなった楽器屋店主のポリスの配慮で2人は早速ライブハウスで共演する事になります。さらに2人はその後、活動拠点をドイツの首都ベルリンに移しました。ブルーノとラファエルという演奏家がいる事を聞いたからです。

ベルリンでさらにピアニストのブルーノ、ドラマーのラファエルという2人のメンバーを加え、いよいよバンドが結成。しかし当然最初から上手くいくはずもありません。衝突を重ねながら大が掲げた最初の目標である「ヨーロッパ一」を目指して突き進む事になります。

ブルージャイアントの登場人物を紹介!

ここからはあらすじで登場したキャラクターを中心にブルージャイアント、及び続編であるブルージャイアントシュプリームに登場する主要キャラクターを紹介していきます。後述しますが、ブルージャイアントはちょっとした役どころでも良いキャラクターが多いのも特徴です。

宮本 大(みやもと だい)

ネタバレありのあらすじを読んでもらうと分かるように文字通り主人公であるのが宮本大です。JASSでバンドを組んでいる時はメンバーそれぞれにスポットの当たる話も展開されていますが、その話の中心にはほぼ全て大が絡んでいると言えます。まっすぐな性格とひた向きさで、多くの人を魅了する演奏をする事が出来ます。

プレイヤーとしては普段の声の大きさにも影響している肺活量の多さがウリですが、それらも全て初めてみた人に驚かれる程の練習量に裏付けられたものになっています。ブルージャイアントの最初のあらすじの時点で独学ながらもそれなりの演奏ができるようになっており、その上で由井に基礎を教わってより飛躍する事になりました。

大の家族:雅之(まさゆき)・彩花(あやか)・父

あらすじでは触れていませんが大には兄、妹、父と家族もちゃんといます。この手の漫画のお決まりとして夢に親が反対するような事がありますが、大の家族は全員が大の夢を応援しています。大が使っているサックスは元々、兄である雅之は高校卒業後、初任給でローンを組んで買い与えた物で実利的な面でも家族にサポートを受けています。

彩花も兄として大の事を大切に思っており、普段はあまり見せませんが大の上京が決まった際には号泣するなどしています。そんな3人兄弟の父は大が幼い頃に亡くなってしまった母に変わり男で1つで兄弟を育てており、子供の夢には出来るだけ協力しようとする姿が描かれています。本筋には絡みませんが特にあらすじ序盤の大は家族のサポートもあってこそサックスに打ちこむ事ができたのです。

由井(ゆい)

大の師匠になる由井は、元々はプロのサックス奏者としてイギリスなどで活躍しながらも自分の限界を思い知って現在では個人スタジオで音楽教室を開いて生計を立てています。紹介を受けて大の演奏を聞きその才能を見出して無償で大を教える事になります。お酒好きな一面も持ち、実は紹介される前にも大と一度会っていますが、酔っぱらっていた為に由井は覚えていませんでした。

大は奏者としての由井にも尊敬の念を抱いており、また海外での活躍などの過去も知っている事から、海外進出の際にも由井に相談にいくなど、まさに師匠と弟子の関係を築いているキャラクターです。

沢辺  雪祈(さわべ ゆきおり)

上京した大と初めて出会ったのが大学生ピアニストの 雪祈でした。自信家な上に毒舌家でもあり、人受けはあまりよくありませんが、その実力は年齢を考えれば十分以上の物があり、さらに自分のピアノを否定されればがむしゃらに改善しようとするなどピアノに対しては謙虚さも持ち合わせています。ピアノは4歳から続けており、10代で「SoBlue」のステージに立つ事を目標としていました。

あらすじでも触れたように事故により大怪我を負ってしまいますが、残された左手だけで演奏する姿や、作曲をする姿も描かれているので読者の間でも復活が期待されているキャラクターです。

玉田 俊二(たまだ しゅんじ)

大の高校の同級生で東京の大学に進学したのが玉田俊二です。上京したものの新居の決まっていない大を居候させる事になります。元々は大学生活を謳歌する為に東京の大学に進学した玉田ですが日々忙しそうに動きまわる大と、自身の生活を比較してしまい、緩い大学生活を払拭しようとドラムを始めます。当然初心者である為雪祈と衝突する部分もありましたが、終盤にはドラムソロができる程に上達しています。

その上達振りには同じJASSのメンバーである大や雪祈も驚くほどです。元々の軟派な性格などもあって、大以上に成長する姿を感じ取る事ができるキャラクターでもあります。ブルージャイアントは大もある程度演奏出来る状態で始まるあらすじなので、本当の意味で初心者のプレイヤーは玉田だけであり、玉田以降も登場していません。

クリス・ウィーバー

シュプリームで最初に大に理解を示したのがミュンヘンの大学生クリスです。「大」という名前はDIE(英語で死を意味する単語)と不吉である事からD(ディー)とニックネームを付けて呼んでいます。大に非常に親切なクリスですが、それは大の夢に感動したからであるのはもちろん、クリスの過去の経験も関係しているなど、音楽プレイヤーでは内にも関わらずしっかり過去まで触れられているキャラクターです。

ハンナ・ペーターズ

シュプリームで大が最初にバンドメンバーとして誘ったのがハンナです。女性としても小柄な体躯ながら非常にパワフルな演奏をする事で大の目を惹く事になります。最初に勧誘を受けた際には断ってしまいますが、最後には大の熱意に押されてバンドを組む事になります。バンド結成後には熱量の差を感じるエピソードなど大と出会う以前のハンナが抱える思いなども描かれており、これからも期待できるキャラクターです。

ブルージャイアントを見た人の評価・感想をネタバレ紹介!

ここからはブルージャイアントを既に読破している人の感想やマンガ賞を受賞する程に高い評価を受けている部分などをネタバレありで紹介していきます。ブルージャイアントは漫画賞など評価はもちろんですが、読者からの評価も非常に高い漫画です。

結末が分かっているのに面白い

ブルージャイアントは「大が世界一のジャズ演奏家になれるか」を見届ける漫画ではなく、「その過程」を描く漫画です。ネタバレになりますが巻末などを利用して大の関係者にインタビューをする形式でそれぞれのキャラクターの大と出会った当時の心境が語られるエピソード「Bonustrack」が盛り込まれているのです。

そのインタビューの内容から察するにブルージャイアントという漫画全体が大のドキュメンタリー番組のようになっているのです。実際にあらすじのネタバレを読んでも分かるように度重なる挫折を繰り返しながらも立ち向かう大達の姿を描いていると思って安心して読む事ができると評価されています。もちろん全てが描かれているわけではなく、雪祈のその後などを期待するファンも多いなど1つの楽しみとして認識されています。

演奏シーンが熱い!

漫画は音の出る媒体ではありませんが、ブルージャイアントはジャズ漫画であり、日常パートはもちろんですが同時に演奏シーンも多く描かれている漫画でもあります。もちろんそのシーンを見たからと言って音が聞こえるわけではありませんが、その迫力ある演奏シーンはまるで本当に音が聞こえるようだいうのがブルージャイアントが高く評価を受けているポイントでもあります。

ブルージャイアントで引かれる楽曲は実際に存在する曲が選ばれており、実際にブルージャイアントで演奏された曲を集めたミニアルバムが発売されるなどもしています。特に元々ジャズが好きでタイトルを聞けばその曲がどんな曲かが分かる人は強くブルージャイアントの音楽シーンを押す人が多いです。

描写がリアルで泣けるシーンも多い

演奏シーン以外にもブルージャイアントが高く評価を受けるポイントがリアルな描写です。上記でもネタバレしたように大の使っているサックスは兄の雅之が初任給でローンを組んで買い与えた物です。それだけでも泣けるシーンですが、このサックス、兄の雅之はサックスについて詳しくないという理由で、楽器屋で「この店で一番高いサックスをください」と言って買った50万もするサックスなのです。

またJASS編でバンドを組むメンバーの中では玉田がどうしても目立ちません。大も雪祈も初心者の玉田から見れば非常に上手い存在で多くのライブで2人は声がかかっても玉田にはかかりませんでした。玉田自身もそれで当然と思っていたとあるライブ、玉田は自身の成長を見たくて来ているという初老の男性に声をかけられるのです。自分の知らない所でも誰かが見ていてくれているという事を教えてくれるエピソードです。

どちらもそのシーンだけピックアップすればありふれた日常と言う事も出来ますが、その時の心情などを細かく描く事で非常に感動的なシーンに昇華されています。このような描写の多さもブルージャイアントが高く評価されるポイントです。また同時に兄からサックスをプレゼントされるエピソードはお金にまつわる話でもある事から、より現実味を演出しているという感想もあります。

音楽に携わった人に是非読んでもらいたい!

漫画という媒体である関係上どうしても普段から漫画を読む人以外には目が届かないブルージャイアントですが、特に音楽に携わった事のある読者の多くが「音楽に携わった人に是非読んでもらいたい」と口を揃えて言う程に描写がリアルです。ジャズバンドはもちろん、ジャズバーやレーベル会社なども細かく描かれています。

もちろん漫画なので、都合が良いといえばそれまでですが、それでもその描写には突拍子もない飛躍した物はなく、起こる出来事は現実的で大を始め1つずつ着実に登っていく姿が描かれています。そんな音楽の世界の「あるある」を描いているからこそ評価を集める事になっている漫画です。

実写化を期待する声も大きい

受賞歴を見ても華々しいと言えるブルージャイアントですが、残念ながら2018年10月現在、映像化される発表はされていません。音楽を扱う題材だけにより肌で音楽を感じられる映像化を期待するファンも多くそれだけの評価を集めています。同じように数々の賞を受賞した原作者石塚真一さんの「岳みんなの山」の前例もある上にホームページなどもしっかり作られている事から力を入れている事は分かりますが映像化の話はありません。

とはいっても漫画業界的にも、読者的にも評価の高い漫画であるのは間違いないのでいずれは映像化、おそらくは実写化されるのではないかと考えられています。

ブルージャイアントを是非ご覧あれ!

ブルージャイアントはジャズをテーマにしているので音楽を知らないと楽しめないようにも感じますし、音楽を知っている人からは所詮漫画だからご都合主義なんでしょ?と思われやすい題材ではあります。しかしブルージャイアントはリアルで細かな描写によってどちらのタイプの読者でも十分に楽しむ事ができるように描かれています。

あらすじでネタバレしているように基本的にブルージャイアントはサクセスストーリーなので読後感も良いです。その成功も周囲に支えられているからこそであり、ブルージャイアントを読むと決して1人では成功していない事を理解できます。アツい漫画としてもおすすめできる漫画です。

最近は漫画の長編化が進み、20巻、30巻ある漫画も増えていますが、ブルージャイアントは10巻、続編のシュプリームを合わせても現在は15巻までと非常に読みやすいのも特徴です。その熱量や細かな描写で高い評価を受けている漫画なのでぜひ1度読んでみる事をおすすめできる漫画です。

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