イノサンルージュ(Rouge)のネタバレあらすじ!漫画の感想や面白さは?

イノサンルージュとは「イノサン」の続編として「グランドジャンプ」に連載されている歴史漫画です。イノサンルージュは、フランス革命の時代を舞台とし、ルイ16世と、その妻・マリー・アントワネットを処刑した実際の一家「サンソン家」に焦点をあて物語を進めています。その芸術的な絵柄と描写は、漫画という作品を超えて芸術作品として評価する声もあがっています。今回は「イノサンルージュ」のあらすじネタバレや感想を「イノサン」のあらすじネタバレ感想と共にお伝えいたします。

イノサンルージュ(Rouge)のネタバレあらすじ!漫画の感想や面白さは?のイメージ

目次

  1. イノサンルージュのあらすじをネタバレ!人気漫画の面白さや感想を紹介
  2. イノサンルージュとは?
  3. イノサンルージュまでのあらすじをおさらい!
  4. イノサンルージュのあらすじをネタバレ解説!
  5. イノサンルージュの登場人物を紹介!
  6. イノサンルージュの面白さは?見どころ3選
  7. イノサンルージュを見た人の感想をネタバレ紹介!
  8. イノサンルージュのネタバレまとめ

イノサンルージュのあらすじをネタバレ!人気漫画の面白さや感想を紹介

イノサンルージュは、あのルイ16世やマリーアントワネットの処刑を請け負った実際の人物「シャルル・アンリ・サンソン」の一家「サンソン家」の人々の人生に焦点を当てた歴史漫画です。有名な処刑道具であるギロチンを提案したのもシャルルだといわれています。

そのあまりにもグロデスクながらも、どこか美しさと哀しさを感じさせる絵柄や描写から、芸術作品と評されるまでになっています。そんなイノサンルージュの魅力をあらすじネタバレや感想をご紹介いたします。

イノサン公式ファンサイト

イノサンルージュとは?

イノサンルージュとは、集英社刊行の漫画雑誌「グランドジャンプ」にて2015年12月から開始されている漫画作品です。「週刊ヤングジャンプにて2013年9月号から2015年20号まで連載されていた「イノサン」の続編にあたります。フランス革命を舞台に、実際した「処刑人・シャルル・アンリ・サンソン」を主人公にした歴史漫画です。

出典は安達正勝・作「死刑執行人サンソン」となっています。イノサンの主人公であるシャルルは、当初は死刑執行人など到底つとまらないような臆病で心優しい人間でしたが、家のしきたりとして跡を継がねばならず、せめて、楽に死なせてあげようと罪人に対して慈悲をもって接します。反してイノサンルージュでは、シャルルとは異なり処刑を進んで行いたがる妹マリーに焦点をあてストーリーが進んでいます。

イノサンRouge ルージュ|集英社グランドジャンプ公式サイト

イノサンルージュまでのあらすじをおさらい!

イノサンのあらすじネタバレ

時は18世紀、フランス革命より少し前の時代が舞台となり物語は始まります。主人公シャルルの一家「サンソン家」は、国王からじきじきに命を受け「正義の番人」の名を得ている名誉ある一族です。さらに、処刑された人々の死体を使い、解剖、医療の研究をも行う「医師」でもあります。ですが、人々は「死神」とサンソン家を怖れ、忌み嫌うのでした。シャルルは処刑人になるにはあまりにに純粋で繊細な心の持ち主でした。

当然、処刑人である父親の跡を継ぐことを拒んでいましたが、それを許さない父親から拷問器具を使われ責め立てられて降伏せざるを得ない状態にされてしまいます。そして、処刑人となる道を進むのです。ですが、剣の才能がないと父に判断され、シャルルは出来損ないというレッテルをはられてしまいます。ある日、シャルルは美しい少年と出会い、友人になります。

ですが、その少年は濡れ衣を着せられ処刑されることになってしまうのです。そして、その執行人をシャルルがつとめることになりました。少年はシャルルをみるやいなや「死神!」とののしります。ショックを受けたシャルルは手元がくるいなかなか首を斬りおとせず少年を苦しめてしまいます。その後、シャルルはその罪を背負いながら処刑人でありながら、死刑廃止を願うようになります。

そんなシャルルには異母妹がいました。彼女の名は「マリー」。シャルルとは正反対な攻撃性と残虐性をもった少女であり、処刑人になりたいと強く願っています。女であるためそれは難しくいことでしたが、ですが、マリーはその信念から、シャルルの代わりに半ば無理やりに処刑人を奪い斬首します。その見事な処刑ぶりから民衆からも支持を得て、処刑人となります。

ですが、マリーの残酷な処刑の仕方と、考えはシャルルとは相反するものであり、2人の間には溝が出来てしまいました。シャルルとマリー。そして、忍び寄るフランス革命の火花。数年後、大人の女性として成長したマリーは、アランという混血の男性と出会い、恋におちます。彼は人々や孤児のために革命をおこそうと考えますが、快く思わない貴族たちに殺されてしまいます。

そして、孤児たちも焼き殺されてしまうのです。怒りに燃えたマリーは犯人達をこの手で処刑しようと心に誓うのでした。

イノサンルージュのあらすじをネタバレ解説!

あらすじネタバレ・四代目「ムッシュ・ド・パリ」

主人公・シャルルは処刑人・4代目、ムッシュ・ド・パリとして怖れられる存在となっていました。「イノサン」では罪人に対して慈悲をもった処刑を行っていましたが、今ではその影も見えず、残酷な処刑にも眉1つ動かしません。シャルルはアンヌという農家の女性と結婚しており、2人の間には子供もいます。長男・アンリは幼少期のシャルル同様、心優しく繊細な性格をしています。

そんなアンリに、シャルルはかつて自身が父にされたように厳しく処刑人としての心得を教えるのでした。アンリは強制的に処刑を見せられては失神したり、医学のためとはいえ、遺体を解剖する父たちを嫌悪していました。

あらすじネタバレ・ド・リュクセの処刑

マリーは、貧しい人々や孤児のために活動しているアランという混血の男性に恋をします。ですが、そんなアランを気に入らないと貴族・ド・リュクセは部下とともにアランを殺し、孤児たちを焼き殺してしまいます。彼は通常ならば貴族であっても処刑をまぬがれないはずですが、国王が寵愛するデュ・バリュー夫人によって無罪となります。

怒りに燃え、無罪など許さぬマリーは、かつて父親に教わった毒への対処法を自らに施し、幻覚作用のあるオオワライタケの毒を唇に塗ります。そして、ド・リュクセが出席するパーティに参加し、あでやかなドレス姿でド・リュクセの前に現れます。マリーの美貌に見とれたド・リュクセに対し、マリーは不意をつき口付けを交わします。

すると、ド・リュクセの前に殺してきた人々の幻覚が現れ、自分がおこなってきた残虐非道の行為を自白します。それを聞いた貴族たちは、死刑をド・リュクセに言い渡し、マリーは晴れて公の場でド・リュクセの首を跳ねました。平民ではなく、貴族が処刑されたとあって、平民達は歓喜にわきました。

あらすじネタバレ・シャルルの息子・アンリ

そんなマリーの前にアランの幻覚が現れ、ありがとう。とマリーに口付けをします。オオワライタケの毒が少しまわったのか?と幻覚だと認識しながら、アランとの再会に切なくも嬉しく感じます。そして、アランが可愛がっていたブランカという白いサルを相棒にするのです。その後もマリーは、ド・バリューの部下たちも捕まえ次々に処刑しカタキをとります。そんなマリーの様子を見て、シャルルは一抹の不安を覚えるのでした。

一方、シャルルの息子・アンリは12歳にして子を身ごもった少女と出会います。ですが、彼女は出産後、夫殺しの罪により絞首刑に課せられる運命でした。彼女は幼いため、帝王切開をするしか出産する方法がありませんでした。なんとかしてダチュラという麻酔作用のある麻薬を手に入れ、世界初の外科手術行いました。

彼女と子供を救う父の姿を見て、アンリは初めてサンソン家を誇りに思うのでした。ですが、とうとう少女の処刑の日が来てしまいました。彼女は貴族でしたが、家庭の事情で無理やり性根の腐った男の元に嫁がされてしまい、そんな夫の暴言に耐えられず思わず突き飛ばしてしまいます。夫を殺すつもりはありませんでしたが、打ち所が悪く死んでしまったのです。

そんな同情すべき境遇だったのですが、情状酌量はなく、首に縄がかけられます。ですが、まだ幼い彼女の身体では体重が軽いため、絞首刑でなかなか死ぬことが出来ません。アンリは「可哀想だ」と思い、せめて楽にさせてあげようと自らが彼女の足にぶら下がり、その命を終わらせます。そして、アンリは処刑人としての意義を学んでいくのでした。

あらすじネタバレ・アントワネット懐妊

国王であったルイ15世が天然痘にて逝去し、ルイ16世が跡をつぎます。一方、ジャンヌという娼婦をシャルルが捕まえ投獄します。そして、牢番たちの慰みものにさせたり、梅毒の男の相手をさせたりと残虐な行いをします。ジャンヌは自分を貴族だとシャルルに訴えますが聞き入れらず絞首刑にかせられます。

ですが、なかなか死なず苦しんでいると、マリーアントワネットの懐妊による恩赦の知らせが舞い込み、ジャンヌの主張も認められました。ジャンヌはシャルルを足蹴にし「頭が高いんだよ!私は貴族だ!」とここぞとばかりにシャルルに復讐をします。

あらすじネタバレ・義足の男・ジャック

シャルルは、無実の罪をなすりつけられた男性を処刑します。せめてもの慈悲をと楽にしなようとしますが、男性の妻の叫び声を聞き太刀筋が乱れます。ですが、力技で首をはね苦しめることはありませんでした。一方妹・マリーは婦女暴行と殺人を重ねた極悪人の処刑を担当しています。彼女は極悪人にふさわしい残酷なやり方で処刑を行っていきました。

パリでは、小麦の値段が高騰し、そのため宮殿に運ばれる食料を狙う強盗団も出没しました。マリーは軍の警備司令官となっており、強盗団のジャックという義足の男と対峙します。ジャックは「イノサン」にて父親をシャルルとマリーに処刑された恨みをいだいており、マリーも獲物を見つけたかのように嬉々として戦いを受け入れます。ですが、決着はつかず続きは、次回へお預けとなってしまいました。

あらすじネタバレ・ギロチン台の提案

サンソン家は政府からの給与も減り、生活は質素なものへとなっていく中、ルイ16世は、今までの拷問のような処刑を廃止したいと考えていました。このままでは処刑で家を支えていたサンソン家は路頭に迷ってしまいます。そこでシャルルは、犯罪抑止もかねて、苦痛を与えず処刑ができる「ギロチン」を提案。ルイ16世もそれに賛同します。そして、ギロチン台が完成するまでは給与の保障を確約するとシャルルに話しました。

そんな中、貴族と認められ有頂天になっていたジャンヌは、パーティにてマリーアントワネットに挨拶をしますが、アントワネットの眼中にすら入らず無視されてしまいます。それを屈辱に感じたジャンヌは、アントワネットをはめようと史実でも有名な「首飾り事件」という詐欺事件を起こします。ジャンヌが首謀者だということは判明しましたが、一方でアントワネットが真犯人ではという噂も広がり、王政に不信感が広がります。

焼きごてで肩を焼いたあと、終身禁固刑の判決を受けたジャンヌですが、不服と称し、アントワネットと肉体関係にあるなどと嘘をわめき散らします。業を煮やしたシャルルは、ド・ラ・モット夫人(ジャンヌ)を暗殺しようと考えます。まず、判決どおり肩に焼きごてを押し付け烙印を押す刑行おうとしますが、すさまじい抵抗にて暴れまくります。

その抵抗の中、仕込み針を肺に突き刺し、事故にみせかけ密かに処刑しようとしますが失敗に終わってしまいました。ジャンヌはその後ロンドンへと逃走します。ジャンヌによって、アントワネットは、首飾り事件の真犯人という噂や、乱れた生活をしているという話が広まり、民衆達の不満や怒りが表にでるのも時間の問題となりました。

あらすじネタバレ・鍛冶屋の息子・オリビエ

そしてある日、アイスランド火山が噴火し、その影響で赤い雪が降ります。それを見たマリーは唐突に子供をつくることを決めます。マリーが処刑人でいることを反対するシャルルを騙し、処刑人を続けるため、駆け引きの手段として従兄弟と結婚をしていたのです。引きこもりで肥満で動けない従兄弟の上にまたがり、強引に子作りをします。

一方、赤い雪を見た鍛冶屋の息子・オリビエに焦点が当たります。オリビエは、赤い雪を呪いだと怖れる人々に対し赤い雪の原因を科学的に説明します。それに腹をたてた父親は激怒し、調子にのるなと責め立てます。父親はそればかりでなく、オリビエの婚約者である女性にも手をつけ、母親とその女性の面倒をみる代わりに自分のものになれと女性の股間に鋼の貞操帯をつけてしまいます。

そして、オリビエさえも殺そうとするのです。オリビエはとっさに父親を殺してしまいます。正当防衛にも関わらず、父親殺しの罪として処刑を言い渡されるオリビエ。民衆はあんまりな判決に抗議を起こします。

壇上に上げられたオリビエは婚約者の姿を発見しますが、彼女はオリビエを鋭い眼差しで見つめながら、自らの貞操帯を外さずにいる様子を見せます。彼女はオリビエとの幸せより、理不尽な男(オリビエの父)母と自分とで飢えずに暮らす道を選んでいたのでした。

あらすじネタバレ・民衆の怒り!

オリビエの処刑を反対する民衆の勢いは止まらず、津波のようにシャルルやマリーたちを飲み込みます。ですが、処刑人として執行しなければならずオリビエの処刑は遂行されてしまいました。オリビエの血は壇上のすきまをぬけしたたり落ちました。その血を浴びてはしゃく声がします。なんと、その壇上の下には、鉄化面をかぶせられたマリーの赤ん坊がいたのでした。

民衆の怒りは止まず、マリーが民衆に引きずり込まれます。一瞬マリーは死を覚悟しました。そんな中、義足の男・ジャックが現れ暴徒から救いだされます。そして波のようにあらぶる民衆の様子を見て、前々からいけすかないと感じていたマリーは平民側に寝返り、「貴族殺し」を夢見ます。そして、ジャックとともに反旗として、ジャケットを処刑台に掲げます。

あらすじネタバレ・ギロチン台の完成

シャルルたち他の兄弟は当然そんなことは許さずマリーを暗殺しようとします。2人がかりでマリーに襲い掛かるも、マリーはなんと鉄化面をかぶせた我が娘「ゼロ」を盾にし戦います。マリーは暗殺をのがれ逃亡します。

そして、1792年8月、ついにギロチンが完成し、死体を使ってのテストが行われました。丸い刃で試しましたがうまくいきません。それを見たシャルルの息子の1人、ガブリエルは悲鳴をあげます。シャルル達がギロチンの刃について話し合っていると、ルイ16世が通りかかります。そして、丸い刃ではなく切れやすくするため、斜めの刃にするように指示をします。

斜めの刃で見事成功したシャルルたち。ガブリエルはその成功の様子を見て簡単に人を処刑する道具が生まれたことに恐怖と不安を抱きます。そして、いよいよギロチンを実際の処刑で使う日がきました。民衆は「ギロチンなんて、誰でもできる」と騒ぎたてます。そこで。シャルルはそのうちの1人に手伝うよう頼み、壇上に上げます。

すると、途端に男は怖気出します。そして、囚人をギロチン台に押さえ込み、ギロチンのレバーを降ろします。「人殺しっ」と死の直前叫んだ囚人。その生首をもって、民衆の前に掲げるよう男に命じるシャルル。その瞬間、なんと男はショックのあまり死んでしまいました。

あらすじネタバレ・ガブリエルの死

遡ること3月、処刑台にのぼるのはシャルルの息子・ガブリエルの友人でした。友人は香水工房で働いており、新しい香水を開発していましたが、工房の店主にあらぬ罪をかぶせられてしまいました。ガブリエルは必死に助命嘆願書を作成し、シャルルに撤回を申し立てますが、目の前で破られてしまいます。ガブリエルは失意のあまり、友人の処刑後、自殺をしてしまいました。

ショックのあまり泣き叫ぶシャルル。そこへ、ゼロが登場し「さっきギロチンで死んだ人とガブリエルは何が違うの?」と、問いかけてきました。そして、シャルルは心を病んでしまうのです。錯乱状態になり、処刑人としての仕事も出来なくなっていました。

ですが、そこへ敵対していたはずの妹・マリーが現れ、亡くなった祖母と話をしていると錯覚させます。そしてショックを与えシャルルの目を覚まさせるのです。こうして正気にもどったシャルルは、無事、処刑人として復活を果たせたのでした。

そして、数ヵ月後、歴史で言う「フランス革命」が起こり、ルイ16世は処刑されることになりました。処刑台に向かう馬車の中には、ルイ16世とマリーの娘・ゼロが乗っています。ゼロはル16世に向かって「生まれたときに決められた生き方から解き放たれないと、全部壊れてしまう」と、母・マリーから教わった言葉を話します。ルイ16世は驚き目を見開きます。そして処刑を執行するシャルルは悲しみにくれ涙するのでした。

イノサンルージュの登場人物を紹介!

シャルル=アンリ・サンソン

「イノサン」「イノサンルージュ」の主人公であり、実際の人物でもあります。代々、国王直属の処刑人として使えている一家のもとに産まれました。純粋で心優しい性格から、処刑人となることを拒んでいました。ですが、宿命からはのがれられず、跡をつぎ4代目・ムッシュ・ド・パリとなります。

「イノサン」の時は、処刑のたびに、顔をゆがめ悲しんでいる様子が描かれていましたが、イノサンルージュでは、眉1つ動かさず、粛々と処刑を施行しています。ですが、その中でも、なるべく罪人を苦しめないような方法を考えながら処刑を行っていたり、貧しい人からは医療費をとらなかってりとその優しい心はなくなってはいません。

息子のアンリを跡取りと考えており、幼少期から自身がされたように厳しく処刑人としての教育を施しています。ですが、もう1人の息子・ガブリエルが、自身の友人の処刑に耐え切れず目の前で自殺をしてしまい、ショックを受け心が壊れてしまいます。ですが、妹・マリーや。家族のおかげで正気を取り戻しました。

そして、処刑自体を好まず、シャルルたち処刑人を廃止しいようとするルイ16世に対し、犯罪抑止を理由に、一瞬で首を斬りおとし、残虐性を最小限に抑えた「ギロチン」を提案します。ですが皮肉にも数ヶ月後、フランス革命が起こり、王であり、友人でもあったルイ16世を自らの手で処刑します。

マリー・ジョセフ・サンソン

シャルルの異母妹で、幼い頃から処刑人になることを夢見ていました。独自に解剖を行ったり、処刑技術を学ぶなど、シャルルとは正反対の性格です。シャルルから教えを得たこともあります。口が悪く、よく「最悪」という言葉をこぼします。容姿端麗で、見るものを虜にし、そのため「処刑人になるための口添えをするという条件で貴族のトーマスに貞操を奪われるという屈辱的な過去があります。

泣き寝入りするしかないと思われましたが、トーマスはイギリスとの戦争の敗戦の責任を問われ処刑されることになりました。そしてその処刑を担当するのはなんとマリーだったのです。マリーはここぞとばかりに、いたぶりながら処刑をしようとしますが、見かねた、半身不随だった父・ジャン・パチストにより止められ、とどめは自らさせず終わります。

年頃になったマリーに、処刑人を止め、結婚して家庭に入るようシャルルは提案し、マリーは太りすぎて家に引きこもっている従兄弟と結婚し、シャルルの願いを承諾したふりをして欺きます。そして、シャルルとは決別するのです。その後、唐突に子供をつくりたいと考えたマリーは夫と子作りをし「ゼロ」という名前の娘をもうけます。

国や貴族側の人間だったマリーですが、罪のない人が処刑される姿に怒った民衆の姿を見て、自身の新たな気持ちが芽生え一点「貴族殺し」と称し国や兄たちに反旗をひるがえします。その美貌と、男性のような振る舞いから、女性からも求愛されることも多く描写されています。

アンドレ・ルグリ

マリーの専属従者。つねにマリーの気持ちを最優先に考え、自身の命をもいとわない覚悟を持っています。マリー自身からも絶対的な信頼を得ています。ですが、マリーの望みをかなえるために言いつけをやぶりクビになってしまいます。その数年後、貧民街にて質素にくらしていましたが、マリーはアンドレを探し当て、アンドレは再びマリーに忠誠を誓います。

マリー・アンヌ・サンソン

シャルルの妻。元は農家の出の娘ですが、シャルルに見初められ嫁入りをしました。シャルルとサンソン家を守るべく、仇なすとみなしたマリーを刺し殺そうとしますが失敗に終わります。そして「お前は自由に生きているマリーが羨ましいんだ」と確信をつかれ愕然としてしまいます。

アンリ・サンソン

シャルルの長男。5代目ムッシュ・ド・パリになる予定の少年です。ですが、幼少のシャルル同様、繊細で純粋な心をもっているアンリは処刑を見て気絶してしまいます。自身の家業のことを汚らわしく思っており、嫌悪していましたが、ある時、妊婦の少女が出産のため入院しにきました。

帝王切開が必要になるも、麻酔などなく窮地にたたされました。そんな時、叔父であるルイ・シャルルが麻酔薬になるダチュラを入手します。そして、父・シャルルは無事赤子を取り出し、少女ともども助けます。そんな姿を見て、初めてアンリは父を誇らしいと思うのでした。

処刑人としても、その少女絞首刑にてなかなか死ねないときは、「1人でかわいそうだ。僕が側にいてあげる」と彼女の足にぶら下がり、その重みで彼女の処刑を行いました。そして、処刑人としての意義も見出していきました。

ルイ16世

ルイ15世の死後、ルイ16世として王家を継ぎました。シャルルとは主従関係でもありますが、友人でもありました。妻であるマリーアントワネットとは、男女としてはあまりうまくいっておらず、子作りにもあまり積極的ではありませんでした。無事アントワネットが懐妊すると、これでしばらくは苦手な夜の営みをしなくて良いと喜んでいる様子も描かれています。

争いや処刑自体を好まず、処刑を廃止しようと考えます。ですが、処刑を生業にしていたシャルルは、異を唱え、残酷さを抑えたギロチンを提案。それを受け入れます。ですが、フランス革命がおこり、ギロチン台に掛けられてしまいます。

アラン・ベルナール

アフリカ系の血を引く混血の男性。白い小猿・ブランカを相棒にして可愛がっています。褐色の肌をしていることから、貴族から「カフェオレ」と呼ばれ差別をうけています。ですが、アランは自身の身体に流れている血をほこりに思っています。マリーとは幼少のときに一度出会っておりマリーには恋心を抱かれています。

世界を旅しており、孤児や罪人の子を保護し、学校をたてましたが、ド・バリューにより焼き尽くされ、殺されてしまいます。

イノサンルージュの面白さは?見どころ3選

ネタバレ見どころその1・イノサンルージュのシャルルの成長!

繊細で純粋な心の持ち主であるシャルルは、処刑人としてはふさわしいとは言えない性格です。ですが、処刑人としての運命を受け入れていきます。徐々に処刑人として自分に出来ることは何かと考え、成長していく姿は嬉しくもあり、また哀しく切なくもなる部分です。

イノサン、イノサンルージュともに、罪のない人々が理不尽に処刑されるシーンが多いですが、その中で、せめてもの慈悲を見せ、懸命に魂を救おうとするシャルルの思いは見るものの心を揺さぶります。

ネタバレ見どころその2・イノサンルージュ・マリージョセフがかっこいい!

イノサンではまだ幼い少女だったマリーは、イノサンルージュにて美しい女性へと成長します。ですが、女性であることを疎ましく思っており、丸坊主になったり、男装をしたりと女性らしさは微塵も出しません。ゆえに、女性をも虜にしてしまいます。

そんな破天荒なマリーは、自身の計画のために従兄弟と形だけの結婚をしていますが、唐突に子供が欲しくなり、夫との間に「ゼロ」という娘がいます。ゼロには鉄化面をつねにかぶせており、独特の教育方針のもと育てているようです。そんなマリーの自分の運命に逆らい、思うまま自分の道を進むという姿はイノサンルージュの中でも目が離せないキャラクターです。

ネタバレ見どころその3・現代風SNS表現が斬新!

前作「イノサン」ではそれほど多くはなかったのですが、続編「イノサンルージュ」では、セリフがオペラやミュージカル調になったり、通信手段が現代風に表現したりと面白い描写が多々あります。当たり前のように描写をしているので、時代設定が現代なのかと一瞬錯覚してしまうほどです。そこが斬新で面白いと読者からも好評のようです。

イノサンルージュを見た人の感想をネタバレ紹介!

感想・絵が綺麗で読みやすい!

(ネタバレなし感想)芸術作品のような絵柄と描写に引き込まれたという感想です。突如ミュージカル調で表現したりなど、他の漫画にはない作風が魅力の1つとなっています。

(ネタバレなし感想)こちらも同様にその絵の美しさに心を奪われたという感想です。その絵にひかれて本を手に取った方も多いようです。

感想・今後がますます楽しみ!

(ネタバレなし感想)読み応え充分と大変満足されている感想です。あの名作・ベルサイユのバラをもしのぐと絶賛しています。

感想・独特の表現が面白い!

(ネタバレあり感想)時おり差し込まれるSNSで表現される描写が新鮮で面白いという感想も多くありました。マリーアントワネットは王妃だけあって、フォロワー数も桁違いのようです。

感想・マリージョセフの活躍が魅力!

(ネタバレなし感想)強い女が好き。という感想です。その中にはマリージョセフも含まれていました。女や男という性別を超えた存在であるマリーのファンは多いようです。

(ネタバレなし感想)こちらも同じくマリーが格好いいという感想です。マリーは男性より、女性読者からの支持が高いようです。

(ネタバレあり感想)マリーの忠実な側近、アンドレとのダンスシーンをずっと見ていたいというまたもマリー好きな方の感想です。マリーは従兄弟と結婚してしまいましたが、アンドレといずれくっついて欲しいと願うファンも多いようでした。

イノサンルージュのネタバレまとめ

イノサンルージュのあらすじネタバレはいかがでしたでしょうか?イノサンルージュはそのあらすじと設定の難しさから、読まずに嫌煙する方もいるようですが、一度ページを開いてしまえば見る見るうちにそのストーリーに入り込んでしまいあっという間に読めてしまうような作品となっています。

また、フランス革命時代に沿った絵柄や、芸術性の高い表現や描写で読者を虜にします。グランドジャンプ本誌では、すでにルイ16世が処刑され、物語も終焉に近づいていっています。果たして、シャルルやマリーたちは今後どうなっていくのでしょうか?1つの時代の終わりを見る彼らの行く末に、光はあるのでしょうか?

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