墓場鬼太郎は残酷で怖い？アニメあらすじや登場キャラクターを紹介

アニメ版墓場鬼太郎は、2008年1月から3月まで、フジテレビ系のノイタミナ枠にて全11話が放送されました。 ゲゲゲの鬼太郎の前史とも呼べる作品です。キャラクターとしては、鬼太郎と目玉おやじは全話登場で、ねずみ男は2話以降の全エピソードに登場しています。

アニメ版も内容・キャラクターデザイン共に貸本版を踏襲しています。ブラックユーモアや風刺のきいたエピソードも多数存在しており、現代風にデザインや作風をアレンジした部分はあるものの、白黒アニメも思わせるくすんだ色合いが、独特の怖い雰囲気を出しています。 

オープニングテーマは、電気グルーヴの『モノノケダンス』 で、作詞：石野卓球、ピエール瀧/作曲：石野卓球/編曲・歌：電気グルーヴです。

エンディングテーマは中川翔子の『snow tears』で、作詞：1pack market、中川翔子/作曲：鈴木大輔/編曲：nishi-ken/歌：中川翔子です。

墓場鬼太郎は、元々1960年～1964年にかけて複数の貸本出版社に発表された水木しげるの貸本漫画を原作として、アニメが製作されました。墓場鬼太郎は貸本から少年誌への連載へ移行するとき、ゲゲゲの鬼太郎へ改題されました。改題された後もゲゲゲの鬼太郎シリーズの前史として位置づけられ、基本的な設定や世界観について繋がりが示唆されています。

貸本版の墓場鬼太郎は現在復刊していますが、戦後の混乱の中で生まれた作品で、人々の経済的状況が苦しい中、貸本として娯楽を提供しました。この墓場鬼太郎は後にゲゲゲの鬼太郎に繋がるキャラクターを生み出し、戦後の時代の空気や独特の怖さを現代に伝えています。

墓場鬼太郎からゲゲゲの鬼太郎にタイトルが変わり、主人公である鬼太郎と仲間妖怪達に、人間と敵対する妖怪と戦うヒーローとしての側面が生まれていきました。自然破壊を続ける人間を正し、人間と妖怪の仲介を果たそうとする物語への展開を始めていくことも特徴的です。完全に勧善懲悪ものや単純な理想主義の作品へ変わってしまったわけではなく、経済性を優先する社会への批判や、時事問題が盛り込まれています。

ここでは、墓場鬼太郎アニメ版に登場した主なキャラクターについて紹介していきます。ゲゲゲの鬼太郎でもおなじみの鬼太郎や目玉おやじやねずみ男をはじめとして、特徴的なキャラクターが登場します。

鬼太郎(CV:野沢雅子)。主人公で幽霊族の末裔です。墓場から生まれてきたとき、片目を水木に潰されてしまいました。ゲゲゲの鬼太郎に比べると怖い容姿で、人間に対しても良い感情を持っていません。 育ての親の水木には恩を仇で返し、助けを求められても見捨ててしまいます。 髪の毛針等に代表されるような超能力については、今作中では使用していません。

目玉(CV:田の中勇)。鬼太郎の父親は病気で亡くなってしまいましたが、子を思う執念により、目玉のみで生き返りました。幽霊族の末裔として様々なことを鬼太郎に教え、鬼太郎をサポートします。 今作では、目玉になる前の姿が描かれていますが、病気の影響でミイラのような姿になってしまっています。

ねずみ男(CV:大塚周夫)。薄汚い衣に身を包み、ねずみの様な容姿をしています。 本作では、第2話に四代目吸血鬼の下男として初登場し、その後は最終話まで登場します。自らのことを、「怪奇大学不潔学科」卒業の「なまけ学」の博士号を持つ怪奇愛好家と称しています。 

水木(CV:大川透)。血液銀行頭取である禿山からの調査依頼を受け、幽霊族の夫婦と出会います。その後、彼らの息子の鬼太郎の育ての親となります。墓場から這い出てきた鬼太郎を化け物と思い、恐怖にかられて投げてしまい、転がった鬼太郎は墓石の角に左目をぶつけて隻眼になってしまいます。母を説得して長い間鬼太郎の面倒を見てきたが、鬼太郎の不審な行動を探ることになります。

トランプ重井(CV：ピエール瀧)。流行歌のトップ歌手で、モデルはフランク永井です。ねずみ男を蔑んでしまったために、彼に吸血木の芽を植えつけられてしまいます。吸血木によって血液を吸い取られ、ついにはステージ上で変わり果てた姿になってしまいます。成長した吸血木の果実から鬼太郎達によって助け出されますが、脱出後は子供の様な体形になってしまいます。

寝子(CV:中川翔子)。元祖の猫娘といえるキャラクターですが、長い黒髪に長身で手足が長く、後の猫娘とは大きく容姿が違います。下宿屋「ねこや」の娘で、鬼太郎の小学校でのクラスメートです。 普通の人間ですが呪いによって、化け猫となってしまう性質を持っています。

ニセ鬼太郎(CV:伊倉一恵)。黄色と黒の市松模様のちゃんちゃんこを着た鬼太郎にとても良く似た少年で、幽霊でも妖怪でもないただの人間です。本物の鬼太郎との違いとして隻眼ではありません。自分に良く似ている鬼太郎を憎み、消し去るためにねずみ男と共謀していました。

アニメ版墓場鬼太郎の全11話のタイトルとあらすじを紹介していきます。貸本版を元として、特徴的なエピソードが抜き出されています。怖い雰囲気と怪しさがふんだんに盛り込まれ、どのエピソードも印象的です。

第１話のあらすじと主な登場キャラクターを紹介します。ある病院で入院患者が幽霊になり、 会社員の水木が原因の追究を託されます。 調査が進むにつれ、死に瀕する夫婦に行き着き、妊娠しているらしいこともわかります。この夫婦こそ鬼太郎の両親であり、幽霊族最後の生き残りでした。 水木は会社に真実を告げるべきか、幽霊族の夫婦を守るべきか、苦悩します。

水木が迷っていると幽霊が死んだとの連絡が入ります。 困惑する水木が目にしたのは、死んだ母親の墓場から生まれたての鬼太郎の姿でした。天涯孤独の身となってしまった鬼太郎を不憫に思い、水木は鬼太郎を引き取ることになります。主な登場キャラクターは、鬼太郎、目玉おやじ、水木です。

第２話のあらすじと主な登場キャラクターを紹介していきます。永い眠りについていた夜叉という妖怪の墓が暴かれ、吸血鬼のドラキュラが日本にやってきます。この夜叉と吸血鬼がひとりの獲物を奪い合うことになります。その獲物とはある会社の社長で、水木に幽霊調査を依頼した人物でした。

行方不明になってしまった水木が原因で、この社長の会社は倒産寸前となっていました。鬼太郎は夜叉の仲間に、ねずみ男は吸血鬼に加勢し、壮絶な騙しあいが展開されます。そんな中、鬼太郎はある場所へ社長を誘います。主な登場キャラクターは、鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、夜叉、ドラキュラ四世、社長です。

第３話のあらすじと主な登場キャラクターを紹介します。地獄から戻ってきた水木と、偶然出会った歌手・トランプ重井は、鬼太郎の存在を知ります。 ある日、ねずみ男はトランプ重井に吸血木の種を密かに植えます。 これは人間が木になってしまうという怖い種です。更に、ねずみ男はこの種で金儲けを企んでいました。 トランプ重井は身体が木になっていく恐怖を感じます。

そんな頃、鬼太郎は憧れの同級生・寝子の家に下宿していました。 鬼太郎は歌手になりたいという寝子の夢を聞きます。水木の仲介で、鬼太郎はトランプ重井のもとを訪ねることになります。主な登場キャラクターは、鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、水木、寝子、トランプ重井です。

第４話のあらすじと主な登場キャラクターを紹介します。誰かが鬼太郎を貶めようと画策し、鬼太郎にその魔の手が迫ろうとしていました。 その頃、鬼太郎は歌手になるという、寝子の夢が叶うように尽力します。鬼太郎が水木を通じて知り合ったトランプ重井の支援もあってか、寝子は歌手としてスターの階段を登り始めます。

そんな矢先、寝子のステージ中に突然、怪しい影がドブネズミを放ちます。その瞬間、急に寝子は化け猫となってしまい、寝子もまた普通の人間ではありませんでした。 失意の寝子を救いたいという鬼太郎の想いは叶わず、寝子は川に身を投げて亡くなってしまいます。 主な登場キャラクターは、鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、寝子、ニセ鬼太郎です。

第５話のあらすじと主な登場キャラクターを紹介します。鬼太郎の初恋の相手である寝子は、歌手になる夢を叶えるも、自身が化け猫であることが知られてしまい、失意のまま川に身を投げて亡くなってしまいます。 気落ちした鬼太郎は亡くなった寝子に会いに地獄に行こうとします。しかし、何者かにチャンチャンコを盗まれており、犯人はニセ鬼太郎でした。

鬼太郎から盗んだチャンチャンコで地獄をさまようニセ鬼太郎は、ねずみ男と共謀して大金を手にしようとしていました。目玉親父は地獄に行き寝子を連れ戻そうとしますが、寝子は地獄に残ることを決めます。 その寝子の決断が理解できない鬼太郎は自ら地獄におちてしまいます ふたりの運命はどうなってしまうのでしょうか。登場キャラクターは、鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、寝子、ニセ鬼太郎です。

第６話のあらすじと主な登場キャラクターを紹介します。鬼太郎は神と崇められている水神様を侮辱してしまいます。その怒りから鬼太郎を追って東京にやってきた水神は近代社会を大パニックに陥れます。水神はどこに潜んでいるのか分かりません。鬼太郎は危機に陥ります。主な登場キャラクターは、鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、水神です。

第７話のあらすじと主な登場キャラクターを紹介します。ガマ令嬢に謎の紳士とねずみ男は恋をします。恋路を邪魔した鬼太郎はふたりの手で、海底へと沈められ、鬼太郎は死にます。しかし、その夜鬼太郎から呪いの小包が届きます。この小包はどこから来たのでしょうか。幽霊列車が登場します。主な登場キャラクターは、鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、謎の紳士、ガマ令嬢です。

第８話のあらすじと主な登場キャラクターを紹介します。裏社会に生きる金丸という人物の家に幽霊が住み着いてしまいます。金丸は幽霊の正体である鬼太郎を冷蔵庫へ閉じ込めることで退治します。しかし、切り落とした鬼太郎の片手が動き出します。真夜中に金丸の家中を鬼太郎の手が徘徊します。墓場鬼太郎の中でも特に怖いエピソードのひとつです。主な登場キャラクターは、鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、金丸です。

第９話のあらすじと主な登場キャラクターを紹介します。政府から鬼太郎は、吸血鬼ジョニーという怪物を退治するよう依頼されます。その頃、ジョニーにねずみ男は雇われており、鬼太郎退治を命ぜられます。冷徹なジョニーは鬼太郎をいつも簡単に殺害します。その後、ねずみ男は意外な行動をとります。主な登場キャラクターは、鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、ジョニーです。

第１０話のあらすじと主な登場キャラクターを紹介します。台風に似たブリガドーンという超常現象が東京を襲います。ブリガドーンの正体は、妖怪だけが暮らす世界でした。その中で水木一家は唯一取り残されてしまった人間でした。水木一家は貧しく、人間社会では味わえなかった楽しみを体験していくことになります。主な登場キャラクターは、鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、水木一家です。

第１１話のあらすじと主な登場キャラクターを紹介します。鬼太郎はあの世保険という詐欺の保険を始める一方、ねずみ男は不老不死の薬を売ることになります。鬼太郎とねずみ男の口車に乗せられた権力者、金持ち、貧乏人まで様々な人々が地獄にやってきます。ゲゲゲの鬼太郎とは一味も二味も違うアニメ版墓場鬼太郎が完結します。主な登場キャラクターは、鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男です。

墓場鬼太郎アニメ版の全１１話のあらすじを紹介してきました。１０年前の作品にもかかわらず、現在ゲゲゲの鬼太郎が放映されていることもあってか、現在も多くの人々が関心を持っているようです。墓場鬼太郎アニメ版についての好評な感想と不評な感想をまとめてみました。

上記のように、普段の鬼太郎との違いを気に入ってる方も多くいるようです。上記のコメントは中川翔子さん御本人です。

他にも、電気グルーヴのおしゃれなOPや、独特な色彩にも評価が高いようで、好評なコメントが多くあります。

好評な感想と不評な感想の割合は、好評な感想がとても多い印象でした。深夜に放送されていたこともあってか、視聴者の年齢層が昼間に放送されているゲゲゲの鬼太郎よりも高く、人間社会と妖怪との怖い話が受け入れられやすい環境にあったようです。

アニメ版の墓場鬼太郎についてあらすじを中心にまとめてみました。墓場鬼太郎は、ゲゲゲの鬼太郎の前史であり、後の鬼太郎に比べると残酷で怖い作品に仕上がっています。１０年前の作品ですが、現在ネットで配信されており、まだ見たことのない方も、見直したい方も、手軽に視聴可能です。墓場鬼太郎は、怖いだけでなく、鬼太郎がどんな状況も生き抜いていく強さを感じることが出来ます。