惑星のさみだれの漫画あらすじをネタバレ!面白いという評価の理由は?

2005年~2010年にかけてヤングキングアワーズで連載していた『惑星のさみだれ』(ほしのさみだれ)の漫画の面白さを徹底解説しています。アニメになってほしいアンケートで1位を獲得するなど話題になった『惑星のさみだれ』ですが、ここでは漫画のあらすじや面白いという評価についてネタバレを踏まえてご紹介していきます。ネタバレを含みますのでこれからお読みになる方はご注意ください。

惑星のさみだれの漫画あらすじをネタバレ!面白いという評価の理由は?のイメージ

目次

  1. 惑星のさみだれの漫画が面白いと話題に!
  2. 惑星のさみだれとは?アニメ化してほしい漫画第一位?
  3. 惑星のさみだれの漫画あらすじをネタバレ紹介!
  4. 惑星のさみだれの最終巻をネタバレ紹介!伏線回収が秀逸!
  5. 惑星のさみだれの評価は面白い?その理由を徹底調査!
  6. 惑星のさみだれの漫画あらすじまとめ!

惑星のさみだれの漫画が面白いと話題に!

『惑星のさみだれ』(ほしのさみだれ)は、漫画雑誌『ヤングキングアワーズ』で連載していた漫画です。既に完結してから大分経っている作品ですが、当時はアニメになってほしい漫画第1位に輝くなど話題を集めた漫画です。今回は『惑星のさみだれ』のあらすじや評価などをご紹介します。ネタバレを含みますのでまだお読みになっていない方はご注意ください。

惑星のさみだれとは?アニメ化してほしい漫画第一位?

そもそも『惑星のさみだれ』(ほしのさみだれ)はどのような漫画なのでしょうか?ここでは『惑星のさみだれ』という漫画の情報やあらすじについて詳しくご紹介いたします。あらすじなどにはネタバレを含みますのでまだお読みになっていない方はご注意ください。

掲載誌は『ヤングキングアワーズ』!

『惑星のさみだれ』は少年画報社が発行する青年向け漫画雑誌『ヤングキングアワーズ』に2005年6月号から2010年10月号にかけて連載されていました。コミックスは全10巻です。アニメ化はされていませんが、豪華キャストを用いてドラマCD化されたことがあります。主役陣には柿原徹也や水樹奈々など豪華声優を起用しています。これもこの『惑星のさみだれ』という漫画が面白いと評価されていることを裏付けています。

作者は水上悟志先生!

『惑星のさみだれ』の著者は水上悟志先生です。水上先生にとって『惑星のさみだれ』は、『散人左道』に続いて2本目の長期連載作品になり、現在は2018年6月号から同誌で『プラネット・ウィズ』という漫画を連載しています。緊張感のある設定と作者特有の暢気な作風のギャップが特徴の漫画家で、ギャグパートがしっかりと面白いと評価されています。

『惑星のさみだれ』はどんな漫画?

主人公の雨宮夕日(あまみやゆうひ)は、ある朝、言葉を喋るトカゲから世界を救う騎士の1人として選ばれたことを告げられます。最初は無関心な夕日でしたが、突然敵である魔法使いが生み出した泥人形という怪物に襲撃を受けます。逃げ惑っている内に追い詰められ死を覚悟したその時、守るべき姫である朝日奈さみだれ(あさひなさみだれ)が現れ彼女に救われます。そうして惑星を巡る物語が動き出していくのです。

『アニメ化してほしいマンガ』第1位!

アニメ!アニメ!というアニメやマンガの情報やニュースを取り扱っている情報サイトが2016年2月20日から2月24日までの期間で「アニメ化してほしいマンガ」の読者アンケートを実施しました。事前にツイッターで募集した意見や、話題のマンガからピックアップした30作品を対象に、未完結作品と完結作品の2部門に分けてアンケートは行われました。

アンケートの回答数は5,072にもなり、『惑星のさみだれ』は既に連載を終了したけれどアニメで観たい「完結作品編」の中で見事1位を獲得しました。男性からの支持が厚く、男性で1位、女性でも8位という結果になりました。圧倒的に男性が面白いと支持していますが、女性票も8位とTOP10に入っています。

ちなみにこの時の2位は『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』でした。既に完結している漫画とは言え、週刊少年ジャンプ作品を抑えての1位の獲得は話題になりました。このことからも読者の評価が高いことが伺え、『惑星のさみだれ』が面白い漫画であることは疑いようがありません。

惑星のさみだれの漫画あらすじをネタバレ紹介!

ネット界隈で評価の高い『惑星のさみだれ』(ほしのさみだれ)ですが、それではこの漫画のあらすじはどのようなものでしょうか?ここではあらすじをネタバレを含めてご紹介します。まだお読みになっていない方はご注意ください。

魔法使い(アニムス) VS お姫様(アニマ)

『惑星のさみだれ』は大まかに言うと悪い魔法使いとそれを阻もうとするお姫様の戦いです。設定はファンタジーなのですが、主人公の暮らす世界観などは現実の世界そのものと、現実+ファンタジーの物語になっています。お姫様は悪い魔法使いを倒すために、従者の獣達にそれぞれ共に戦う騎士を探させ協力を仰ぎます。ただこの戦いへの参加へは強制力はなく、当人が拒めば参加をしなくてもよいというものになっています。

しかし、騎士に選ばれる人間は全員が魔法使いと同等の存在に成り得る可能性を持つ者であるため、否応なしに魔法使いの作る泥人形という怪物に生命を狙われます。つまり実際は拒否権があってないような状態になります。そのためなのか、騎士に選ばれた人間には『契約の報酬』として1つだけ願いを叶える権利が与えられます。願い事をするタイミングは個人の自由です。

獣の騎士と呼ばれる騎士は全部で12人、敵対する泥人形も12体で、12人対12体という構図ができあがります。12人の中には大人も子供も、男性も女性も入り混じっており、力を合わせて戦っていくのですが、戦闘は激しいものを極め、途中死者も出ます。そんな中姫とともに成長していき、魔法使いを倒すことが大まかな流れですが、物語はそれだけでは終わらないのでした。

主人公は姫に選ばれし騎士の1人!

本作の主人公雨宮夕日(あまみやゆうひ)は地方都市の大学に通う平凡な青年でした。ある日の朝、夕日が目を覚ますと目の前には人の言葉を話すトカゲが1匹おり夕日を見ていました。トカゲは自分のことをノイ=クレザントと名乗り、魔法使いと戦うために夕日に力を貸してほしいとやってきたのでした。初めは戦いへの参加を拒否した夕日は泥人形に襲われたところを姫である朝比奈さみだれ(あさひなさみだれ)に助けられます。

助けてくれたさみだれは、夕日の家の隣に住む女子高校生でした。しかしさみだれの目的は魔法使いを倒したその後で自らで地球を破壊することだったのです。夕日はそんな話を聞かされて反論するどころか、さみだれの圧倒的な強さや気概に心を奪われ、戦いへの参加、さみだれへの忠誠を誓います。

獣の騎士と泥人形の戦い

中盤にかけて獣の騎士12人が全員揃います。しかし12人が見つかり顔を合わせた時は既に何人か死者も出ており、12人全員でさみだれの前に揃うことはありませんでした。それだけ敵の泥人形の強さは常軌を逸していたのです。バトルシーンでは獣の騎士は総戦力に対して、毎回泥人形は1体です。ですが、この泥人形の強さは味方が1発攻撃を食らっただけで死んだりするようなレベルです。

全員で合宿を催してみたり、日常的に一緒に食事を共にしたり、騎士同士の交友が深まっていく中、夕日とさみだれもまた本当の目的のために成長をしていきます。騎士には特殊な戦闘能力が備わっており、それぞれがそれぞれのスピードで最終決戦に向けて力をつけていきます。騎士の中に死者も出てきて、登場人物的にも読者的にも少しづつ緊張感や危機感が芽生えていきます。

最終決戦 VS 魔法使いアニムス

最後の泥人形を倒すため、全員一丸となって力を発揮する獣の騎士達と姫の前に、ついに敵は地面に倒れます。そして最後のボス(と皆が思っている)の魔法使いアニムスとの闘いが始まり、さみだれの中に眠る姫アニマも力を合わせ、最後には魔法使いアニムスを倒します。

本当の最後の戦い

魔法使いを倒し、これで全てが終わったかと獣の騎士達は胸をなでおろしますが、本当に最後のボスであるさみだれと夕日が立ちはだかります。力も尽き果ててる中、夕日はさみだれの願いを叶えるため、騎士達はさみだれの願いを折るために戦い、物語はクライマックスを迎えます。

惑星のさみだれの最終巻をネタバレ紹介!伏線回収が秀逸!

『惑星のさみだれ』(ほしのさみだれ)は10巻でめでたく完結を迎えます。最終巻の10巻では圧巻のクライマックスとして高い評価を受けています。その一因として言われているのが、今までに張り巡らされた伏線回収の秀逸さです。ここではこの漫画で登場する伏線とその回収についてあらすじや考察をご紹介します。ネタバレを含みますのでまだお読みになっていない方はご注意ください。

騎士の最後の言葉 『私達は人間だ…人間なのだよ』

悪い魔法使いのアニムスは、最終決戦で獣の騎士達と姫のさみだれ、アニマの前に倒れることになります。そして薄れゆく意識の中でアニマと会話をするのですが、この会話こそがこの漫画の中で最も壮大な伏線の回収だと言われています。

アニムスは最後に『死にたくない、知りたいことが…まだ』、『帰るよ。次は全てを知る者になりたい。…ああいた…見える…次の場所…随分昔だな…そんな事もあるのか…』と言って輪廻の輪を廻し転生をすることになるようです。そしてアニマに『そこで現世の業は償えるか?』と聞かれ、『…難しいな…500年は要る…かも』と答えます。

この”500年”という長さに読者はピンときました。最終決戦前に既に死亡して闘いを退場した騎士の中に500年前から現代まで生き続けていた仙人のような騎士がいたからです。その騎士は500年を通して弟子達から様々なことを学び、500年かけて全知はくだらない、ただの人であると学んだその騎士は、全知を知りたくて神を名乗るアニムスに伝言を最後の弟子である2人の騎士に託して逝きました。

こうしたことから、アニムス(転生前)=その死亡した騎士(転生後)、という考察が広まり、この伏線はすごい!と話題になりました。そうした考察を踏まえて、その騎士の最後の言葉『私達は人間だ…人間なのだよ。』という言葉を思い返すと、自分の前世に言い聞かせていたのだとなり、このセリフがものすごく深いものであると感じられます。

夕日の決意 『演じきってやる』

主人公の夕日は、さみだれの本当の野望を知るただ1人の騎士でした。そしてこの野望は他の騎士に悟られるわけにはいかないものでもありました。3巻で獣の騎士が全員そろった時、夕日は決意を胸に秘めます。『ぼくの役割はとうに決まっているのだ。演じ切ってやる』というこのセリフ、読者の誰もがこの言葉の意味を、さみだれの願いをかなえるために他の騎士達を騙し切る、という意味だと捉えていました。

10巻でアニムスを倒し、遂にさみだれが自らの野望を獣の騎士達に宣言します。その傍らには当然夕日の姿もあります。そしてその野望を止めるために、夕日VS他の獣の騎士達の闘いが始まるのです。アニムスとの闘いでほとんどの騎士達は力を消耗しており、夕日と戦えたのは実質2人の騎士だったのですが、夕日の強さの前に歯が立ちません。

夕日は騎士を倒し、こう言いました。『あの子を止めるのはぼくでありたい。他の誰でもなく。』この展開で読者は3巻の『演じきってやる』というセリフが騎士達に対してではなく、さみだれに対してのものだったのか!という考察が広まり、この展開の熱さに盛り上がる読者が続出しました。

惑星のさみだれはホントに惑星のさみだれの話だった!

この漫画のタイトルにもなっている『惑星のさみだれ』ですが、この漫画はその名の通り『惑星のさみだれ』の話だったのです。この漫画の最後の最後の部分のあらすじをネタバレを踏まえてご紹介します。

最終巻でアニムスを倒した後、さみだれが内に秘めていた野望を遂行しようとします。自らもその野望が間違っていると感じていたさみだれはもはや自分自身でもその野望を止めることができなくなっていましたが、騎士団の絆や夕日の思いのおかげで止めることができます。

宇宙に固まっていたさみだれの力はアニマ曰く、大気圏で燃え尽きる大きさに分解して空に消えるとのことです。それは最終話の1話手前の64話で流れ星、流星群として描かれており、空を見上げる騎士達はその降り注ぐ星屑の雨のことを『ほしのさみだれ』と表して静かに見守ります。

64話の題名も『ほしのさみだれ』とつけられており、漫画のタイトルをここでも伏線として回収するのはスッキリしたとしか言いようがない構成になっています。こうした伏線の回収、話の構成の出来具合も高く評価されており、感想サイトなどでは悪い点をあげられないと綴っている読者もたくさんいます。『惑星のさみだれ』は最初から最後まで『惑星のさみだれ』の話だったのです。

惑星のさみだれの評価は面白い?その理由を徹底調査!

ネット界隈で評価が高いと言われる『惑星のさみだれ』(ほしのさみだれ)ですが、それは具体的にはこの漫画のどういったところが高い評価に繋がっているのでしょうか?ここではネタバレを踏まえつつそれをまとめていきます。

キャラクターの成長

主人公の夕日やさみだれを含めて、獣の騎士の大半は子供です。そのため物語の中でどんどんどんどん成長していきます。彼らは大雑把に分けると、大人になりきれなかった『オトナ』と大人になりたくない『コドモ』に分けられます。主人公の夕日は後者に当たります。

夕日は過去のトラウマから重度の人間不信に陥っており、全ての物事に対し無関心な日々を送っていましたが、さみだれと出会って強く感化されて、騎士達と出会って内側も外側も成長していきます。子供として大人の背中を追うだけだったのが、自分よりも小さな子供達から見れば自分もその『大人である』事を考えるようになり、段々と熱い大人の男へと成長していきます。

主人公以外での成長株として最も名前があがるのは、フクロウの騎士茜太陽(あかねたいよう)です。茜も家庭環境のせいで冷めた性格に育っており、世界なんて滅んでもいいと思っているところを魔法使いに漬け込まれて、仲間にはバレないように魔法使いに味方します。しかし、茜もまた騎士達との繋がりを経て成長して最後には自分の意思で獣の騎士として魔法使いに対峙します。

キャラクター達の成長が、急に進むわけでもなく、突飛に描かれるわけでもなく、まるで群像劇のように丁寧に描かれており、面白いと評価される一因になっています。

コドモを見守るオトナ

『惑星のさみだれ』では『オトナ』という存在が重要になってきます。少年少女漫画ですと大人の描写が少なく蚊帳の外感がありますが、『惑星のさみだれ』ではこの『オトナ』達の存在が欠かせません。『オトナ』達は『コドモ』達に道を示し、『コドモ』達はそれを見て大切な何かを受け取り成長していくんです。

獣の騎士団の『コドモ』達は、『オトナ』達によって作られた社会のことをあまりよく思っていません。この世界は守るべき価値があるものだとは積極的には思っていないのです。その歪みは主人公である夕日やさみだれの心情に色濃く現れています。でなければ地球を守った後、地球と心中するという考えにはならないでしょう。

『コドモ』達は、自分が強い不信感を抱いている世界が本当に守るべき価値があるものなのか、そしてこの世界は自分が大人になるに足る世界であるのかを戦いのなかで見極めていくことになります。この『オトナ』の渋い働きが良い、面白いと評価が高くなっています。

テンポも良く、まとまりもあるストーリー

『惑星のさみだれ』は月刊誌で約5年間連載をしていました。ものすごくご長寿連載というわけではありませんが、コミックスは10巻発売されており短いというわけでもありません。連載をしているとやはり話に中だるみが出てきますが、この漫画では話の中盤から話が収束していき右肩上がりに面白さが増していきます。

序盤はストーリーが壮大過ぎて置いてけぼりを食らったという印象を持つ読者も多く、人によっては少し序盤は退屈に感じるかもしれません。ですが、中盤から終盤に向けて怒涛の展開を見せており、伏線なども回収されてスッキリするとともに物語は緊張感がピークに達したままクライマックスを迎えます。終盤の盛り上がりは凄まじく、特に最終巻である10巻の展開は圧巻である、最高の漫画だと評価も高いです。

惑星のさみだれの漫画あらすじまとめ!

いかがでしたでしょうか?『惑星のさみだれ』(ほしのさみだれ)という漫画のあらすじや面白いという評価の要因と言われる伏線の回収などについてネタバレを踏まえてご紹介しました。コミックスは10巻でスッキリとまとまっており、4巻あたりからの右肩上がりで面白くなっていくため一気に読めてしまいます。『それでも町は廻っている』の石黒正数先生もイチ押しの面白い漫画です。

悪い魔法使いアニムスと、その破壊を止めようとする姫アニマの闘いと、更にそれさえをも飲み込んでしまう主人公達の野望を描く壮大なファンタジー漫画です。姫に選ばれし騎士達のそれぞれの思い、成長していく様が細かに描かれており、『少年から大人になるってのはこういう事だ!!』ということを熱い展開満載でお届けしている漫画です。

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