ガリバー旅行記の映画あらすじと結末は？原作小説や作者・スウィフトも紹介

2010年に公開された映画「ガリバー旅行記」。風刺小説の「ガリバー旅行記」が原作になっている映画だが、映画のあらすじや、作者スウィフトについても調べてみた。あらすじでは、実際の結末に関するネタバレもあり。航海の時に漂流して辿り着いた小人の住む国であるリリパット王国で起こる奇想天外のあらすじ。ガリバー自身が成長していく姿、そしてガリバーの恋の行方も合わせて一挙公開。

ガリバー旅行記の主役。メール係として働く彼は、ダーシーに密かに想いを寄せていた。そしていよいよデートに誘おうと思った彼だが、つい見栄をはって嘘をついてしまう。そのことがきっかけで、彼は海に出ることになるのだが、そこで奇想天外な場所にたどり着いてしまうのだった。

レミュエル・ガリバーのは1969年生まれのアメリカの俳優であるジャック・ブラックだ。代表作は「スクールロック」や「カンフーパンダ」などが挙げられる。また、バンド活動もしておりチケットは毎回売り切れになるほどの人気を誇っていた。

ガリバーが辿り着いた小人の住む国であるリリパット王国の王女。心優しい王女で捕らえられたガリバーを初めてみた時には「かわいそうだわ」と言う。

メアリー王女を演じるのは1983年生まれのイギリス女優であるエミリー・ブラントだ。彼女は「プラダを着た悪魔」で助演女優賞を獲得し実力派女優として高く評価された。

ガリバーが心を寄せている相手で記者の編集係。彼女はガリバーにも常に明るく笑顔で接していた。彼女はガリバーに嘘をつかれていたことで憤慨するのだが、ガリバーに命を助けられるのだった。

ダーシー・シルバーマンを演じるのは、1972年生まれのアメリカ女優であるアマンダ・ピート。「素晴らしき日」や「隣のヒットマン」など多くの映画に出演している。

ガリバーが捕まった時に同じく牢屋に入れられていたホレイショ。彼はメアリー王女に恋しており、そのことが兵隊長にばれてしまい、投獄されてしまっていた。ガリバーとすぐに仲良くなり、一番の友人となる。

ホレイショを演じるのは、1980年生まれのアメリカの俳優であり脚本家でもあるジェイソン・シーゲル。「人生はローリングストーン」で助演男優賞にノミネートされるなど演技にも注目されている。

ガリバーが辿り着いたリリパット王国の国王であり、メアリーの父。ガリバーに命を助けられ、彼に感謝をしている。

セオドア王演じるのは、1942年生まれのイギリス俳優でありミュージシャン、そしてコメンテーターなど幅広く活躍しているビリー・コノリー。「Xファイル:真実を求めて」など数多くの作品に出演している。 

ガリバーが辿り着いた、リリパット王国の兵隊長。そしてメアリー王女の婚約者。ガリバーのことを常に疑っており、王国でガリバーがどんどん人気になていく中、彼だけはずっとガリバーを追い出そうとしていた。

エドワード将軍を演じるのは、1979年生まれのアイルランド俳優であるクリス・オダウド。「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」など数多くの作品に出演している。

ガリバーが辿り着いたリリパット王国の女王でありメアリー王女の母。ガリバーを見ても驚くことなく、肝の座った女性。

イザベラ女王を演じるのは、1968年生まれのイギリスのコメディアン女優であるキャサリン・テイト。「ドクター・フー」などのドラマにも出演している。

ガリバーの部下として入社してきたメール係の1人。しかし入社した翌日にはガリバーの上司になってしまい、ガリバーは口先だけだと叱咤する。しかし、彼の恋も応援しているのだった。

ダン・クイントを演じるのは、1981年生まれのアメリカ俳優でありコメディアンでもあるT・J・ミラー。映画以外にもアメリカドラマで人気のある「シリコンバレー」などにも出演している。

ガリバーはメール係（いわゆる郵便配達員）として働いていた。そんなガリバーは密かに想いを寄せる人物がいる。それは記者で編集係をしているダーシーだ。そんな彼のもとに新しく入社したメール係のダンが現れる。ダンにダーシーへの想いを悟られ、デートに誘うよう言われるガリバーだが勇気が出ずうまく声をかけられない。

そして翌日、ダンはまさかの昇進をしガリバーの上司となってしまう。ガリバーに対し、先輩は口先だけ達者だと言われ、ガリバーは悔しい思いをする。そして思い切ってダーシーをデートに誘うことにするのだ。ダーシーのデスクへ行き、話をするが、ついカッコつけてしまい、自分も記事を書くと話してしまう。そしてあなたの記事を読みたいとダーシーに言われてしまうのだ。

ガリバーはネットに公開されている記事をコピペして翌日ダーシーに見せる。その文章をみて「すごい」と感激したダーシーは、ガリバーに他国に行って記事を書いてほしいとお願いする。断ることもできず、引き受けてしまったガリバーは、すぐ航海することになった。

ガリバーは3週間航海することになってしまう。そんな航海の途中で、ガリバーはついうっかり寝てしまう。冷たい水しぶきで目が冷めると嵐の中に飲み込まれてしまっていた。必死に足掻こうとするガリバーだったが、そこに現れた巨大な竜巻に飲み込まれてしまう。

目が冷めると体にチクチクと痛みがある。蟻に噛まれたとかと思ったガリバーだったが、よく見ると蟻くらいの大きさの小人たちに全身拘束されていたのだ。ガリバーは小人たちの王国にある牢屋に入れられてしまう。

牢屋の中には、小人の中では一番背の高いホレイショも捕まっていた。彼はガリバーに対しても優しい青年だったが、メアリー王女に恋をしたことがバレてしまい、メアリー王女の婚約者であるエドワード将軍に投獄されていたのだ。重労働をさせられるガリバーだが、そんな時、別の国から敵襲を受ける。メアリー王女がさらわれそうになった時にガリバーが助け、メアリー王女に感謝される。

しかし、国王の住んでいる場所に火を放たれ、国王の命が危なくなってしまう。どうにかしてくれと頼まれたガリバーは火に向かって放尿で火を全て消し、国王の命も救ったのだった。そのことで国王や国民から感謝されるようになる。国王から感謝のパーイティに参加してほしいと言われたガリバーだが、ホレイショも解放して一緒に参加するのであればと返事する。そしてホレイショは無事解放されたのだ。

パーティではガリバーの船を探してくれることになり、さらに見つかるまではリリパット王国でゆっくりできるようにと大工総出でガリバーの家を建ててくれることになった。またガリバーは自分の国では総理大臣だと嘘を言ってしまう。みんなその話をしていたが、エドワード将軍だけはずっと疑っている。ガリバーの今までの人生でも、スターウォーズやタイタニックの主人公のように話すガリバー。

そんな話はあり得ないとエドワード将軍は意見するのだが、他のみんなはガリバーのことを信用しており、エドワード将軍はどんどん力を失ってしまっていく。また、ガリバーの協力により、ホレイショとメアリー王女はどんどん接近していき、お互い心を通わせるようになる。

ガリバーの船が無事発見され、リリパット王国の人たちが船を直してくれることになった。そして船には携帯も残されており、留守番電話をチェックする。するとダーシーからの連絡が入っていた。ウキウキしながら聞くと、記事がコピペしたものだということに気づいた怒りのメッセージだった。それを聞いてガリバーはショックを受ける。

一人で落ち込んでいると、メアリー王女がやってくる。励ましてくれるメアリー王女だが、王女も落ち込んでいた。そしてホレイショのことを好きになってしまったとガリバーに告白する。メアリー王女がガリバーが行ってしまうのは寂しいと言う。その言葉を聞いてガリバーはもう少しいてもいいかと聞く。そしてガリバーは船が直ってもここに滞在することを決めたのだ。

エドワード将軍は国王にガリバーは嘘つきの野獣であるとことを強く訴える。しかしその話を聞いた国王はエドワード将軍が疲れていると判断し、ガリバーを将軍にして、エドワードを副将軍にすることを命ずる。副将軍になりプライドがズタボロになったエドワード将軍は、ガリバーを困らせるために、王国の防御装置を解除してしまう。

リリパット王国の防御装置が解除されたことをきっかけに敵国は今がチャンスとばかりに大艦隊で攻め込んでくる。国王はガリバーに大艦隊を全滅させるようガリバーにお願いをし、ガリバーは海の中へと進んでいく。見事敵艦隊を撃破したガリバーは更に英雄として名を轟かせていく。

ガリバーは街をニューヨークのようにしたり、小人にマッサージしてもらったり快適な食事をしたりと贅沢三昧。そんな時、ホレイショに再度恋愛のアドバイスをする。メアリー王女はエドワード副将軍に正直に気持ちがないということを伝える。

メアリー王女がエドワード副将軍に婚約破棄を伝えた時に、ガリバーはホレイショにもっと余裕を見せるようにしろと提案していた。翌日、メアリー王女はホレイショの元に笑顔で姿を現すのだが、ホレイショはガリバーに言われた通りそっけない態度をし、メアリー王女は傷ついてしまうのだった。

エドワード将軍は敵国に出向き、ガリバーを倒すべく協力を求める。ガリバーは変わらず贅沢な日々を過ごしていた。その時、緊急のベルが鳴り、広場に出てきたガリバー。そこには小さいロボットに乗ったエドワード将軍だった。エドワード将軍の裏切りに国王は腹を立てていたが、ガリバーが簡単に倒すから大丈夫だと言う。そして決闘を受けると言った途端、エドワード将軍のロボットが大きく進化した。

結果としてガリバーはエドワード将軍に破れてしまう。また、その時に今までの嘘を全て認め、国民全員から悲鳴があがった。嘘がバレてしまったガリバーは「忌み嫌われし島」への島流しの刑に処されてしまう。忌み嫌われし島に漂流したガリバーは何者かにとらわれてしまう。リリパット王国ではメアリー王女が無理やりエドワード将軍と結婚させられそうになっていた。

そしてなんとダーシーもリリパット王国に漂流してしまい、エドワード将軍に捕まってしまい、ホレイショはガリバーに伝えなくては！と船に乗り忌み嫌われし島に向かう。ガリバーは」「忌み嫌われし島」という巨人が住む島で、巨人に捕らえられ、人形にされてしまっていた。もう全てを諦めたガリバーは逃げることもなく巨人のままごとハウスで眠っていた。

すっかり腑抜けになっていたガリバーの元にホレイショがやってくる。ホレイショはリリパット王国が大変な状況になっていること、そしてダーシーも捕まってしまっていることを伝え、ガリバーは再びリリパット王国へ行くことを決意して忌み嫌われし島を抜け出すのだった。

リリパット王国に戻ったガリバーは早速ダーシーの元へ向かう。投獄されていたダーシーだが、国王や女王もその場におり、ガリバーがダーシーのことを彼女だと話していたことを知る。そしてガリバーはダーシーに素直な気持ちを伝えるのだった。素直な気持ちに喜ぶダーシー。そしてガリバーは国王にもう一度チャンスを欲しいとお願いし、再度エドワード将軍に決闘を申し込んだ。

エドワード将軍のロボットには電流も追加されており、コテンパンにやられるガリバー。しかしホレイショの華麗なアシストによりガリバーは反撃を始める。そして遂にエドワード将軍を倒すのだった。ガリバーは今までの嘘を全て謝り、そしてダーシーにも正式にデートの誘いをした。

決着はついたが、すかさず敵国の王が「戦争だ」と言い再度戦いが始まりそうになる。しかしガリバーはそれをなだめ、戦争なんて必要ないと歌い出す。国民も国王も戦争なんてしない方がいいという意識に変わり、みんなで歌って踊って楽しいエンディングをむかえた。

ガリバーとダーシーは無事帰国した。そしてガリバーはメール係から記者になり、ガリバー旅行記を執筆した。ダーシーともラブラブで、メール係のダンとも良好な関係を築いていくのだった。

ガリバー旅行記の映画を見て出演している俳優のことを好きになったという意見も。その俳優の出ている映画もチェックするほど、ガリバー旅行記での演技力の高さが評価されている。

ジャック･ブラックの演技力や、そしてパロディが多く笑いところの多いところも高く評価されている。コメディ映画を探している人におすすめという意見もあった。

内容の面白さはもちろんだが、印象に残るシーンとしてガリバーが大艦隊に砲弾を放たれた時に、贅肉のおかげで全て跳ね返る描写がある。そのシーンに共感したというユニークな意見もあった。

ガリバー旅行記の映画に寄せられる意見には、もちろん良くないという評価もある。良くないという意見をしている人は、ガリバー旅行記の小説を読んだことのある人が多いようで、やはり物足りなかったとのこと。映画では、4部小説の1部がメインで２部はほんの少しだけ、そして3部と4部は出てこない。そこに不満があるという意見もある。

ガリバー旅行記は作者であるジョナサン・スウィフトが書いた風刺小説だ。作者のスウィフトは1667年にアイルランドで生まれた。彼は勉強も良くでき、ダブリン大学で学士号を取ったのだが、名誉革命によりイングランドへ移ることになってしまう。また、彼は今でいうメニエール病により眩暈に悩まされていたのだ。

作者であるスウィフトはイングランドへ移ったあとも博士号を取るため勉学に励み、見事神学博士を取得する。そして1702年にアイルランドに戻ることとなる。そして彼は小説を執筆し始めたのだ。ガリバー旅行記は革命などによる政治的論争の経験に基づいて描かれているもので、戦争などを皮肉に表現している。特に「戦争なんで馬鹿馬鹿しい」などという発言も小説の中にあり、彼の気持ちを表したものだと言われている。

波乱万丈の人生を送っている作者のスウィフトだが、1742年に会話することもできないほど病気が悪化していき、会話ができなくなると共に、作者のスウィフトは精神も病んでいってしまう。そして1745年、作者のスウィフトは息を引き取った。

船医であるガリバーは船で旅をする話。1部「リリパット国渡航記」、2部「ブロブディンナグ国渡航記」、３部「ラピュタ・バルニバービ・ラグナグ・グラブダブドリッブ・日本への渡航記」、４部「フウイヌム国渡航記」の4部作の作品だ。今回のガリバー旅行記の映画では、1部のリリパット国渡航記が題材となっている。小説では毒殺か餓死の刑に処せられそうになりイギリスへ逃げる話だ。

2部「ブロブディンナグ国渡航記」はリリパット王国ではなく、映画では忌み嫌われ島として表現された巨人の島である。映画では小さい少女のままごと人形にされていたが、実際の小説では、王女に使える女官たちに性的なおもちゃにされている描写が多く、スウィフトが女性に対して嫌悪感を抱いていることがわかると言われている。

３部「ラピュタ・バルニバービ・ラグナグ・グラブダブドリッブ・日本への渡航記」では石の持つ磁石の力によって空中に浮いている島の話。ニュートンの意見を皮肉った描写になっている。そして日本の場面では江戸時代にあった「踏み絵」が出てくるのだ。

４部「フウイヌム国渡航記」では国民が馬の姿をしており、いわゆる動物がしゃべっている国だったのだ。フウイヌム国では戦争や疫病などに対し恐怖したりすることはなく、真面目でエリート思考の人種の集まりで、見事なカースト制を表現している。フウイヌム国はイギリス人を風刺して描かれているようだ。

作者のスウィフトが執筆したガリバー旅行記の第3話のあらすじにラピュタが出てくる。作者のスウィフトは政治や社会風刺として、あらすじの中にラピュタを描いていたのだが、作者のスウィフトにとってラピュタは「科学」「教育」に大した風刺で、空に浮かぶ島など存在しないという概念に対しての皮肉であった。そんな作者であるスウィフトの執筆したラピュタが、映画「天空の城ラピュタ」とどんな関係があるのだろうか。

実は、作者であるスウィフトが執筆したあらすじのラピュタと、宮崎駿監督が手がけた映画「天空の城ラピュタ」は非常に似ている。だが、あくまでも作者であるスウィフトが執筆したガリバー旅行記をそのまま真似たものではなく、宮崎駿監督のオリジナル映画であることは間違いないようだ。ただ、宮崎駿監督は、作者スウィフトのガリバー旅行記をもちろん知っており、その話に感化されて映画を作ったようだ。

特にガリバー旅行記では島は特別な石の磁石の力で浮いているという話になっており、これが天空の白ラピュタに出てくる飛行石だというもの。シータが船から落ちる時に浮いていたのはこの石の力であるが、石に浮く力があるという構想自体が、ガリバー旅行記を元にしていると言われる所以だという意見も多い。

作者スウィフトの作品のあらすじが宮崎駿監督に影響を与えたことから、ガリバー旅行記は映画「天空の城ラピュタ」と関係があると言われるようになった。宮崎駿監督にインスピレーションを与えた人物である作者スウィフトの感性は素晴らしいという意見もあるようだ。

ガリバー旅行記のあらすじは、非常に明るいコメディで見る人を楽しい気分にしてくれる。あらすじを知ってから見ても楽しめるという意見も多く、小人と巨人など多くの非現実的な世界をたっぷり味わえる映画となっている。映画は小説のあらすじの一部だが、楽しく、ハッピーエンドが好きな方におすすめできる映画という感想も多い。