レッドタートル ある島の物語は爆死?あらすじや感想・評価をネタバレまとめ

ジブリアニメでありながら大爆死してしまったと話題になった『レッドタートル ある島の物語』をご存知でしょうか?海外のスタッフによって制作された『レッドタートル ある島の物語』は宮崎駿監督が手掛けたこれまでのジブリアニメや、日本産のアニメとは一線を画すテイストに仕上がっています。セリフのないアニメであり、映像や音楽であらすじが展開される異色作です。「意味が分からない」という感想も多く挙げられる一方、業界関係者からは非常に高い評価を受けています。この記事ではその理由を探ってまとめました。

レッドタートル ある島の物語は爆死?あらすじや感想・評価をネタバレまとめのイメージ

目次

  1. レッドタートル ある島の物語のあらすじや感想が気になる!
  2. レッドタートル ある島の物語とは?
  3. レッドタートル ある島の物語の興行収入は大爆死?その原因は?
  4. レッドタートル ある島の物語のあらすじをネタバレ紹介!
  5. レッドタートル ある島の物語の意味や謎をネタバレ考察!
  6. レッドタートル ある島の物語を観た人の感想や評価を紹介!
  7. レッドタートル ある島の物語の興行収入は大爆死だったが評価は高い映画だった!

レッドタートル ある島の物語のあらすじや感想が気になる!

世界中から高く評価され、ヒットを連発するスタジオジブリの作品でありながら、大爆死してしまったと話題になった『レッドタートル ある島の物語』。興行的には爆死とネタにされている一方、多数の映画賞を受賞したことでも話題となりました。この記事では爆死した『レッドタートル ある島の物語』のあらすじの紹介や、評価の理由、見た人の感想を紹介し、作品の魅力に迫っていきます。

スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

レッドタートル ある島の物語とは?

監督や公開年などの映画基本情報を紹介

あらすじ、評価、感想の紹介の前に、まずは『レッドタートル ある島の物語』の概要について説明します。『レッドタートル ある島の物語』は2016年に公開されて爆死しました。日本・フランス・ベルギー合作のアニメーション映画作品であり、フランスから公開され始めます。スタジオジブリ作品のひとつではありますが、初めて海外との共同制作となっており、それまでのジブリアニメとは一線を画す仕上がりとなっています。

爆死した『レッドタートル ある島の物語』の監督を務めたのはオランダ出身のアニメ映画監督マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットです。イギリスを拠点とし、短編アニメーションを主に制作してきました。2000年に発表した『岸辺のふたり』は非常に高い評価を獲得し、この作品を観た宮崎駿監督が「海外にジブリアニメを任せるならこの人しかいない」と太鼓判を押したようです。

『レッドタートル ある島の物語』は企画自体は2006年から上がっていたようですが、公開に至るまでは長い時間が掛かりました。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督は自身初の長編アニメーション映画として『レッドタートル ある島の物語』を制作しました。

『レッドタートル ある島の物語』が日本で公開されたのは2016年9月17日です。この時期は、大ヒットアニメである『君の名は。』や『聲の形』といったアニメ作品が劇場公開されていました。他にも理由が考察されていますが、『レッドタートル ある島の物語』は興行的には大爆死します。その一方、数々の映画賞を受賞したことが注目されました。

世界三大映画祭のひとつである、第69回カンヌ国際映画祭ではある視点部門特別賞を受賞してます。また、アニメのアカデミー賞とも言われるアニー賞ではインデペンデント最優秀長編作品賞を受賞しました。アート性の高さが評価の要因となったようですが、賞を取ってなお、「エンターテイメント性に乏しい」といった感想が寄せられています。以下、詳しく解説してきます。

レッドタートル ある島の物語の興行収入は大爆死?その原因は?

『レッドタートル ある島の物語』は興行的には大爆死をしてしまいました。ここではその原因と考えられているものをまとめて紹介してきます。爆死の原因と考えられているのは以下の4項目と言われます。宣伝不足・作風の違い・セリフがない・同時期に公開された大作アニメです。以下、それぞれの爆死の原因について、詳しく解説しています。

公開前の宣伝が不十分だった?

『レッドタートル ある島の物語』の爆死の原因と考えられている要素のひとつが、「映画公開前の宣伝不足」です。『レッドタートル ある島の物語』は公開前にCMなどがほとんどありませんでした。これまでのジブリアニメでは公開される前に、大々的にCMを展開したり、過去のジブリアニメを放送して観客動員数を挙げる試みがあるのが通例ですが、『レッドタートル ある島の物語』はひっそりと上映開始されたと言われています。

ジブリといえば宮崎駿監督が有名ですが、同じくらい名を知られたスタッフに鈴木敏夫プロデユーサーがいます。キャッチコピーの決定にも携わる重要なポストの人物ですが、『レッドタートル ある島の物語』については「ヒットを狙っていない」という旨の発言もありました。これまでのジブリアニメとは作風だけでなく、宣伝方法も含めて大きく方針が違っていたようです。

これまでと作風が違い過ぎる

「宣伝が不充分でも内容が良ければ口コミで高く評価される」という感想もありました。しかし、『レッドタートル ある島の物語』は従来のジブリアニメと作風が違い過ぎたため、「ジブリファンの琴線に触れないまま爆死した」という感想も挙げられています。『レッドタートル ある島の物語』の作風の違いや、あらすじやセリフが無いといった部分だけには留まりません。見た目からして大きく違います。

『レッドタートル ある島の物語』はキャラクターデザインが非常にシンプルになっています。人間は3人しか登場しませんが、全員目が点のように表現されています。ジブリアニメはもちろん、日本のアニメでは目の大きなキャラクターが一般的なので、一見してすぐに海外製という雰囲気が感じられると言われます。このため、内容を確認するまでもなく、日本人の興味関心を獲得することができずに爆死したと考えられています。

セリフの無い映画

『レッドタートル ある島の物語』の特徴のひとつはセリフが無いということです。『レッドタートル ある島の物語』は叫んだり、泣いたりする声はありますが、明確な言葉を発することはありません。こうした特徴は娯楽性の高いアニメ映画に慣れた日本人には敬遠されてしまったようです。登場人物のセリフを想像するのが面白いという感想もありますが、大衆向きとは捉えられていません。

ただし、『レッドタートル ある島の物語』はもともとはセリフのある映画であったことが明かされています。どうやら、完成直前に制作に携わった鈴木敏夫らの判断で全てセリフを削ったようです。結果として、大衆性が損なわれましたが、アーティスティックな作風が批評家たちに受け入れられたようでした。この決断は『レッドタートル ある島の物語』を見た日本人の感想でも意見が割れています。

他の大作アニメに埋もれてしまった

『レッドタートル ある島の物語』の爆死の原因と考えられているのが、「他の大作アニメに観客の注目が集まっていた」ということです。『レッドタートル ある島の物語』が公開された時期は日本アニメ史に名を残すヒット作となった新海誠監督作品『君の名は。』が絶賛公開されていました。また、同時期に公開開始された『映画 聲の形』もアニメファンから高い注目を集めていました。

『君の名は。』は爆発的なヒット作であり、普段アニメを見ない人からも関心が寄せられていました。『君の名は。』が公開されるまで、日本で制作された映画の興行収入ランキングではジブリアニメ(『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『もののけ姫』)が上位を占めていました。しかし、『君の名は。』は『千と千尋の神隠し』に次ぐ興行収入を上げます。まさしく記録的な大ヒット作でした。

一方、『映画 聲の形』もアニメファン、漫画ファンから非常に注目度の高い作品でした。聴覚障害を持ったヒロインとの交流が描かれた原作漫画は、映画公開前から評価が高い作品でした。アニメ映画の制作が『けいおん!』や『たまこラブストーリー』で知られる京都アニメーションと公表され、映画への期待はさらに高まります。『映画 聲の形』は見た人からの評価も高く、公開規模が拡大されるヒット作となりました。

このように、『レッドタートル ある島の物語』が公開された時期は、日本のアニメ市場には作品内容、注目度共に非常に高い作品が揃っていました。宣伝不足やアート系の作品としての印象が強い『レッドタートル ある島の物語』は、観客の関心を引くことができず、公開初週から週末興行収入ランキングの圏外という大爆死となってしまったようです。

レッドタートル ある島の物語のあらすじをネタバレ紹介!

ここからは『レッドタートル ある島の物語』のあらすじを結末までネタバレ紹介していきます。『レッドタートル ある島の物語』の簡単なあらすじは「無人島に流れ着いた男が、アカウミガメの化身である女との出会い、やがて命果てる」という人生を描いたものになっています。セリフによる説明がないため「難解」という感想も少なくありません。ここではあらすじを詳しく紹介しているのでネタバレにはご注意ください。

冒頭のあらすじ

まずは冒頭のあらすじの紹介です。名も無き男が海で嵐に遭っています。小舟にしがみ付きますが、大波に飲まれて小舟は壊れてしまいました。その後、男は浜辺で目を覚ましました。辺りを散策しますが人の気配はありません。カニやアシカが生息しています。森の中へ入った男は竹林の中で鳥の姿を見ました。そして、森の中の水たまりを手ですくって飲みます。すると、突然の大雨が降りました。

高台へと上った男は何もない水平線を見ます。大声を出しますが返事ありません。男は無人島にいました。探索を続ける男は気になっている果物を割って食べます。崖の上から海に浮かんでいる樽を見つけますが、足を滑らせて岩場の水たまりに落ちます。抜け出すためには潜水するしかないようです。水たまりの奥の狭い通路からなんとか抜け出すことができました。そして、男は樽を回収しますが、すぐに壊れてしまいました。

男は竹林の中から木を集めます。そのうちに辺りは暗くなり、疲れた男は浜辺に寝転がりました。近くをウミガメの赤ん坊が通ってきます。赤ん坊の群れは海に入って旅立って行きました。その晩、島の外へどこまでも続く長い橋を見て男は喜びます。しかし、それは夢でした。翌朝、一匹のウミガメの赤ん坊が仰向けになって浜辺にいました。カニがウミガメの赤ん坊をどこかへ連れて行きます。

いかだ作りのあらすじ

男は集めた材木を使っていかだを作ります。イカダを海に浮かべて一休みしていると、カニの集団が近くにいたので、果物を少し分けてあげました。食事を終えた男はイカダに乗って海へ出ます。しばらくすると突然の衝撃を感じます。何度か衝撃を受けたいかだはバラバラになってしまいました。男は海の中を見ますが、いかだが壊れた原因は判然としません。仕方なく島へ戻ると、カニの集団が迎えました。怒る男は海に叫びます。

男は再び材木を集めていると、突然森が静かになりました。男は海を見ますが、穏やかな景色が広がるだけです。前回よりも丈夫な2つ目のいかだを作ります。海へ出るとやはり奇妙な衝撃を受けました。しかし、海の中には何もいません。そして、再びいかだは壊れてしまうのでした。疲れ果てた男は倒れてしまい、死んだように眠ります。ある晩、奇妙な音が聴こえて目を覚ましました。

なんと、浜辺で楽器を演奏している男たちがいました。男は声を掛けながら走りますがそれは幻です。呆然となり、その場に崩れた男は泣き叫びました。やがて、徐々に動く力を取り戻した男は材木集めを再開します。その途中、アシカの亡骸を見つけました。皮を剥いで洗い、ズボンを作ります。そして、3つ目のいかだはさらに強固なものとなりました。男は周囲を警戒しながら海に出ます。

アカウミガメとの出会いのあらすじ

海に出てしばらくすると、一頭のアカウミガメがいかだの近くに来ました。男が戸惑っていると、アカウミガメは潜水します。そして、いつもの衝撃が起こっていかだが壊れました。海に投げ出されて怯える男にアカウミガメが近付きます。しかし、何もせずに去っていきました。島に戻った男は怒りが収まりません。高台から叫ぶとアカウミガメが浜に上がってくるの見ました。

木の棒でアカウミガメを殴り、ひっくり返し、踏みつけ、怒鳴り、足で砂をかけます。アカウミガメは身動きが取れなくなってしまいました。男はなおもいかだ作りを続けますが、動かなくなったアカウミガメのことが気になります。魚を取って食べさせようとしますが、すでにアカウミガメの周りにはハエが飛んでいます。男の夢の中でアカウミガメは天に昇っていきました。

人間の女となるアカウミガメのあらすじ

目が覚めた男はアカウミガメをひっくり返そうとしますが、出来ません。海水を何度も顔にかけますが何の反応もありませんでした。男は自分の行いを後悔しながらアカウミガメの隣で寝ました。夜、突然アカウミガメの甲羅が割れます。そして、甲羅の中のアカウミガメは人間の女になっていました。男は飲み水を汲んで女に飲ませます。日が昇ると、日除けも作ってあげました。女はひたすら眠っています。

ある時、大雨が降り、男は森に避難しますが、その時女は初めて動きました。男が浜辺に戻ると抜け殻となった甲羅しかありません。男は女の姿を探し回りますが、見つかりません。翌日、男が目を覚ますと、女は海にいました。男は服を脱いで浜辺から離れます。しばらくすると服を着た女が、甲羅を海に流していました。それを見て男は作りかけのいかだを海に流します。

島からの脱出を諦めた男が海に潜ると、女が近付いてきました。女に誘われるように浜に上がり、ふたりで貝を食べます。アカウミガメを殴ったことを男が思い出していると、女は優しく男に触れました。そうして、ふたりは島で共に暮らすようになります。

新しい家族が生まれてからのあらすじ

時が経ち、ふたりには息子が生まれていました。やんちゃな子供と一緒に家族3人で平和に暮らしています。ある時、息子は波打ち際で小瓶を見つけました。島では見慣れないモノに息子は興味津々です。男は島の向こうにたくさんの人や動物がいることを描いてみせました。女はカメの絵を描きます。そんなある日、崖からカメを見つけた息子は岩場の水たまりに落ちてしまいます。

女が潜って脱出するように命じると、息子はかつて父親がそうしたように自力で脱出しました。そこで、ウミガメと出会います。さらに時が流れ、息子はどんどん大きくなってきます。青年と呼べるほど大きくなる頃にはウミガメたちと仲良く泳ぐようになっていました。

大きな津波のあらすじ

ある日、鳥たちがずいぶん騒がしく鳴いていました。男と女は貝を集めています。息子は幼い頃に見つけた小瓶を持って飲み水を汲みに行きました。しばらくして鳥たちの鳴き声が止みます。そこで女は、島に津波が迫っていることに気付きました。息子も異変を察知して小瓶をそのままに走り出します。女は男を連れて波から逃げました。しかし、津波は竹林をなぎ倒し、島を蹂躙します。

なんとか無事だった息子は、変わり果てた島を駆けまわり、両親を探します。散々走り回って母親の姿を見つけました。母親は足に怪我をしていましたが命に別状ありません。そのまま父親の姿を探します。海に潜るとウミガメたちがいました。息子はウミガメの助けを借り、はるか沖で流木に捕まっていた男を見つけ出します。親子はウミガメに連れられて島に帰りました。女は男の無事を喜びます。

荒れ果ててしまった島を家族で力を合わせて片付けます。散らばっていた木を集めて火を付けました。ある日、息子は津波の時に失くしていた小瓶を再発見します。外の世界への関心を取り戻した息子は、夢の中で島を取り囲んでいる波の壁の向こう側を見ました。そして、息子は旅立ちを決意し、両親に別れを告げます。ウミガメたちに迎えられ、息子は外の世界へ泳いでいきました。

レッドタートル ある島の物語のあらすじの結末

再びふたりきりになった男と女は、互いに慈しみ合いながら年月を重ねます。いつしかふたりとも白髪になっていました。ある晩、男は満月が浮かぶ海を見ます。そして目を閉じると2度と目を覚ましませんでした。女は男の死を悲しみます。一度海に潜った後、女は男の手をさすります。女の手はアカウミガメの手に戻りました。アカウミガメの身体に戻った女はゆっくりと男から離れていきます。そして、ひとり、海へ還るのでした。

レッドタートル ある島の物語の意味や謎をネタバレ考察!

なぜいかだは壊れた?

『レッドタートル ある島の物語』の謎のひとつに、「主人公のいかだはなぜ壊れたのか?」という疑問があります。無人島に流れ着いた男は、何度かいかだを作って島からの脱出を試みますが、ことごとくいかだは壊されてしまいました。男は怒りつつ、なんどもいかだを作り、次こそは壊されまいと重々警戒して海に出ます。しかし、どれだけ男が努力してもいかだは壊されました。しかし、理由は明確には描かれていません。

いかだが壊れた理由は見た人によって解釈が違います。中には「いかだを壊したのはアカウミガメ」という感想があります。1度目と2度目のいかだの損壊時には、なんらかの衝撃があったことを示されていますが、海中には何もありません。3つ目のいかだが壊される前には、アカウミガメが現れました。このため、アカウミガメが壊したと考えるのが自然、という感想が挙がってます。

一方で、「アカウミガメが壊したのではない」と考える人もいます。確かに、アカウミガメはいかだが壊れる直前に姿を現しましたが、直接危害を加えるシーンは描かれていません。また、アカウミガメは不思議な存在ですが、いかだを壊すような凄まじいパワーを持っているようには描かれていない、と考える人がいます。このため、いかだが壊れたのは何か別の理由があると考える人がいます。

では、その理由は何かと言えば「島の意志」というような意見です。何らかの超常の力の影響で男は島から出られない状態にあり、その力の理由は無人島の意志のようなものと捉える考えがあります。この考えには『レッドタートル ある島の物語』の絵本で、島が擬人化されて表現されているという根拠がありました。作中の主人公はアカウミガメが壊したと考えていたようですが、それは勘違いだったという考察です。

息子が島を出て行った理由

『レッドタートル ある島の物語』の主人公と女の間には息子が生まれ、親子3人で仲良く島で暮らします。しかし、息子はやがて島を出て行ってしまいました。息子が出て行った理由は、幼い頃に見つけた小瓶が関係していると考えられています。小瓶を見つけた時、男は息子に外の世界にも人や動物がたくさんいることを教えました。そして、母親はカメの絵を描いています。それから息子は海の向こうに関心を示していました。

息子は青年となってもまだ小瓶を持っていました。飲み水をすくうために使えるからです。しかし、大津波が発生して一度は小瓶を手放します。その後、島の復興をしている時に再度小瓶を発見して幼い頃の気持ちを思い出しました。島の外へ行く夢を見た息子は、両親に別れを告げ、ウミガメと共に島から離れていきました。親元から子が旅立つのは普遍的な生命の営みだと捉えられているようです。

アカウミガメの目的は?

『レッドタートル ある島の物語』の謎として大きく意見が割れているのが「アカウミガメの目的」です。アカウミガメが男にとってどのような存在であるのかは、見た人によってかなり解釈が違うようです。まずひとつの解釈として挙げられているのが「アカウミガメは男に呪いをかけた」というものです。この考えは「アウアカウミガメがいかだを壊した」という解釈に立脚しています。

アカウミガメは男に好意を抱いており、いかだを壊してでも男を島から逃がしたくなかった。しかし、男は怒ってアカウミガメに暴力を加えて死なせてしまう。人間の女に生まれ変わったアカウミガメは、割れた甲羅を捨てることで男から脱出する気持ちを奪い、死ぬまで島に閉じ込めた。男が死ぬとアカウミガメは本来の姿に戻り、男の元を離れていったというものです。アカウミガメの目的は復讐と捉える人もいました。

その一方で、男とアカウミガメの純粋なラブストーリーと捉える人もいます。この考えは「いかだを壊したのはアカウミガメではない」という解釈に立脚しています。孤独にあえいでいた男は、いかだを壊したのはアカウミガメだと考え怒ります。しかし、後に自らの行いを反省してアカウミガメ、及び生まれ変わった人間の女に愛情を支えました。甲羅といかだという互いにの過去を水に流すことによってふたりは結ばれます。

その後の暮らしは幸せな家族の風景でした。ふたりの間には偏見や差別、文明や文化が無く、純粋な男女として互いを慈しみます。やがて息子が旅立ち、老いてなおふたりは仲良く暮らしました。ただひとつ違うのはアカウミガメの寿命は人間よりも長いということです。愛する男が亡くなると女はアカウミガメに戻って島から出ていきました。

こうした解釈をする方は、『レッドタートル ある島の物語』を普遍的な愛の物語と捉えています。男女の恋愛だけでなく、津波などの被害にあっても逞しく生きていく人間、そして島の生態系の営みにも愛を感じるという感想です。アカウミガメは想い人と添い遂げ、死に別れました。しかしそこで終わりではなく、アカウミガメは生き続けます。ラストシーンは温かみを感じさせる感動的なものという感想がありました。

レッドタートル ある島の物語を観た人の感想や評価を紹介!

感動的で泣ける

『レッドタートル ある島の物語』を見た人の感想には「感動的な泣ける映画」という意見が多くありました。『レッドタートル ある島の物語』は様々な解釈ができる作品であり、明確な答えのわからない作品ではありますが、あらすじの結末に涙した人は多くいました。

自分なりの解釈を添え感動したという方もいれば、よくわからないけど最後は自然と泣けてきたという方もいます。

さまざまな解釈ができるのが良い

『レッドタートル ある島の物語』を見た人の感想には「解釈を視聴者に委ねられているのが良い」という意見がありました。『レッドタートル ある島の物語』では、セリフによる説明を省いていることもあり、見る人によって場面の印象が異なると言われます。無声映画は「登場人物のセリフを想像して楽しめるという魅力がある」と考える人も多く、『レッドタートル ある島の物語』にセリフが無いことを評価する感想がありました。

また、「明確な答えがないだけに、物語を読み解く楽しみがある」という感想もありました。小説や詩、映画にしろ、特定の解釈以外は間違っているという作風を好まない方もおり、『レッドタートル ある島の物語』の場合は自分なりに物語を楽しめることが魅力と言えるようです。この点は、特定の解釈や正解がない作風を嫌う方もいるため、真っ向から感想が割れている部分でもありました。

映像と音楽でイマジネーションが膨らむ

『レッドタートル ある島の物語』を見た人の感想には「映像と音楽でイマジネーションが膨らむ」といった意見がありました。無声映画であることは大きな特徴のひとつですが、それゆえに映像や音楽による演出が素晴らしいという感想です。『レッドタートル ある島の物語』では男の行動以外にも、さまざまな島の様子が映されます。カニの集団のようなコミカルな存在もあれば、ドキュメンタリーのような食物連鎖の場面もあります。

夢なのか現実なのかわからないような場面も多くあります。こうした映像の意味をどう捉えるのかが面白いと考える方もいます。単に背景描写としてではなく、象徴的な意味合いや、何らかの隠喩と考えるのが面白いということです。こうした演出は絵だけでなく、音楽にも多々あります。突然環境音が消えたり、登場人物の心情を音楽で表していると考えられる場面など、見る人の想像力を刺激してやまないという感想がありました。

レッドタートル ある島の物語に対する不評

『レッドタートル ある島の物語』を見た人の感想には好意的な評価が多くある一方、不評な感想も少なくありません。例えば、「80分の無声アニメは見ていてツライ」という感想があります。現在一般的にヒットする映画に無声映画はほとんどありません。声優が人気職業となっている日本の場合は、誰を声優に起用するかも見る人にとって重要とされています。その点、『レッドタートル ある島の物語』の無声というのは異例です。

無声映画は見慣れていないということもあってか、「80分の長編は苦痛だ」という感想がありました。「せめて短編だったら評価できた」という方も珍しくありません。映像や音楽から作品の内容を解釈するにも、80分の長編だと疲れてしまうと感じ方もいました。

また、『レッドタートル ある島の物語』への否定的な評価には「何が言いたいのかわからない」という感想もあります。通常の映画の場合は、セリフによる状況や心情の説明や、場合によってはテロップによる解説があります。しかし、『レッドタートル ある島の物語』の場合はそうした説明的な要素が一切省かれているため、理解が出来なくて面白さを感じられないという方もいました。

『レッドタートル ある島の物語』は「大人のジブリ」と喧伝されていますが、子供はもちろん、大人でも解釈が難しいと感じられる難解な映画なようです。誰が見ても楽しめる、という作風ではないため口コミでの高評価も広がりにくく、爆死するのも納得できるという感想が多くありました。

レッドタートル ある島の物語の興行収入は大爆死だったが評価は高い映画だった!

『レッドタートル ある島の物語』のあらすじや評価、感想をまとめました。『レッドタートル ある島の物語』はとある男の半生を描いたあらすじでした。その解釈にはさまざまあり、真反対の解釈や考察がみつかることも珍しくありません。映画を見た人の感想も、人ぞれぞれです。こうしたアート性の高さから、興行的には爆死となってしまったようです。

一方で、考察のしがいがある映画という感想や、普遍的なテーマから何年も語り継がれる名作になるという感想まであり、高い評価を受けている一面もあります。映画の内容については自ら読み解く力が求められるという評価もあるため、万人向けの作品と捉えている人はほぼいませんが、何度も見たいという感想も多くありました。まだ見ていないという方は、ぜひ一度ご覧ください。

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