2018年10月09日公開
2018年10月09日更新
妄想代理人をネタバレ考察!難解アニメのストーリー・各話あらすじと評価まとめ
今瓶監督と平沢進先生のタッグで作られた最初で最後のTVアニメーションであり、放送当時から話題になっていた妄想代理人。妄想代理人は東京で蔓延する通り魔【少年バット】に関わる人々の日常が崩れる様子や疲弊し摩耗し発狂していくまでを描いています。今回は妄想代理人のストーリーを詳しく紹介し、それを元に考察解説します。ぜひとも妄想代理人の不可思議な世界に興味を持ってください。
妄想代理人のあらすじをネタバレ考察!各話の評価も紹介!
あまりの衝撃的な内容に放送当時は「ヤバいアニメ」と評されていた妄想代理人。同じく「見る麻薬」とまで言われた映画パプリカの監督を務める今敏さんの最初で最後のTVアニメ、そしてアニメが放送されると同時にそのOPについても注目されました。OPはパプリカの楽曲を手がけたことでも知られる平沢進先生です。今回は、この今瓶さんの妄想代理人について、全てのストーリーと内容のネタバレ考察をします。
妄想代理人とは?
さまざまな評価を得ている妄想代理人ですが、あらすじとネタバレを知らないままに評価をするのと、妄想代理人のあらすじとネタバレを知ってから評価するのではまったく印象が違い、評価もまた違ってくるものです。この作品は今瓶さんと平沢進先生のタッグで作られた作品で文字だけで綴る妄想代理人のネタバレあらすじだけでは魅力を伝えきれないのもまた事実です。妄想代理人がどんなアニメかは、ぜひ自分の目で確かめてください。
妄想代理人のあらすじのネタバレを読むと、当たり前ですがこの物語のあらすじをネタバレ込で知ってしまうことになります。ですがこのアニメはあらすじとネタバレを知ってしまってからでも楽しめるアニメです。ぜひネタバレとあらすじをこれから読んだ後、自分でも評価や考察を楽しんでください。ここでの評価や考察はいろいろな意見を交えた評価と考察ですので、ぜひ自分だけの妄想(評価と考察)をしてみてください。
妄想代理人のOPアニメが独特すぎて話題に!
独特だ何だこの歌はと言われているOPの楽曲ですが、平沢進さんのファン…通称「馬の骨」からの評価は、随分と聞きやすい曲だな!というのがなされています。珍しく考察しやすい曲でもあると評価されています。
妄想代理人OP【夢の島思念公園】
まずこの曲は終戦の曲であるという考察が馬の骨の間では通説です。「空に見事なきのこの雲」はもちろん原爆のきのこの雲を表していると考察できます。「波の音をその胸に、憂鬱は沈めて、橋を明日に延ばし津波など案ずることなく」という歌詞は「あるかもしれない危険を知りながらも実際に訪れるなんて事は考えもしない」と考察されているのです。
みなさんは戦争があることを知りながら戦争が明日起こるなんて考えたこともないでしょう。昔の人もおそらく戦争が起こるなんて思ってもいなかった日常を過ごし、ある日突然巻き込まれたのです。それと同じく日々を脅かす危険の可能性を知りながらそれを見て見ぬふりをして過ごしている…という歌詞なのです。そう考えると、このOPの危機的状況で笑っているという映像にもうなずけるという声が上がっています。
妄想代理人のあらすじをネタバレ考察
第一話:少年バット参上
この物語のはじまりは、人気キャラクター「まろみ」をデザインした、鷺月子(さぎつきこ)という女性の身に起きるひとつの事件から始ります。月子は人気キャラクターの「まろみ」をデザインし「まろみ」は日本の中でも爆発的な人気を誇り、月子は次のキャラクターデザインを余儀なくされていました。
しかし月子の生み出した「まろみ」は言わば偶然の産物で生まれたもので、月子は次のキャラクターを期待されて心が摩耗していました。疲れ切った月子が帰路につくと通り過ぎたゴミ捨て場で一人の老女がゴミを漁っていました。月子はその老女を気味悪いと思いながらもやり過ごし振り向くとすでに老人は消えていました。
月子は極度の緊張状態からメモを取り落としてしまいます。それは駐車場の車の下に入り込み、月子はそれを取ろうと手を伸ばしました。すると後ろから人影が現れ月子の身体をキラリとした金色のモノが掠めます。月子はどうやら何者かに襲撃されたようでした。
月子が襲撃され、中年の刑事である猪狩慶一(いかりけいいち)と、少し若い刑事の馬庭光弘(まにわみつひろ)が月子の病室で取り調べを行うが、月子は襲撃され怪我を負ったのは腕であり命に別状はないが、襲撃のショックかあるいは元々の性格なのか、取り調べにまともに応じず「赤い…赤いバッグ…気に入ってたのに」「金色…たぶん、バット」「小さかった。五年とか、六年」と、断絶的な証言のみを繰り返していました。
月子は襲撃されたにも関わらず終始スケッチブックに絵を書いており、キャラクターを生み出すことに取り憑かれています。時を同じくして月子が入院している病院に川津昭雄(かわづあきお)というルポライターの男が足を運んでいました。彼は交通事故を起こしており、老人を轢いてしまっておりその慰謝料を払いが追いつかず謝罪のために来ていたのです。川津昭雄は刑事が2人揃って病院にいたことから事件の気配を感じ取りました。
川津昭雄は看護師をうまく騙し、月子との接触をはかりました。そして、通り魔事件について知り勝手に調査をはじめます。川津昭雄が調べると月子襲撃の日からホームレスの老女が行方不明になっている事が解りまそして警察に再度訪れた月子の新たな証言から「バットを持った少年がローラーブレードで通り魔事件を起こしている」という結論に行き着きます。
川津昭雄はあの手この手を使い、月子とさらなる接触を試みました。深夜に自宅に押しかけ月子を追い回し、逃げる月子を追うその途中でバットを持った少年の襲撃に合い、そして、第二の被害者になってしまうのでした。襲撃した少年は月子の前に来ると「ただいま」と言い、ローラーブレードでその場を去りました。次の日の朝、またたく間に世間に「少年バットの通り魔事件」が背びれ尾ひれをつけて広まっていきます。
第2話:金の靴
妄想代理人2話は、鯛良 優一(たいら ゆういち)という少年の物語です。勉強も優秀、スポーツ万能な小学生で、優一の名前の通りに優秀で何をしても一番な少年でした。金色のローラーブレードがトレードマークで、クラスの人気者であり憧れの的でした。しかし昨日起きた「少年バット」の事件の容疑者の容姿が「ローラーブレード」「小学生」「野球帽」と報道されたことで、人気を失ってしまいました。
優一はこのいじめの一件から警察に呼び出されるが知恵を働かせ、刑事に全てを話すことで自分は犯人ではないと証明し自分のポジションを回復しようとするが失敗してしまいます。次の少年バットの被害者は奇しくも一緒に下校していた学級選挙のライバルである男子生徒でした。
優一は「次に学校に行ったら必ず俺が疑われる」「俺は元々疑われていました。一緒に居合わせたなら必ず疑われる」と学校に行かず引き篭もりになっていました。小学生ながらに学級選挙を控えていた優一は、ライバルの生徒が自分のことを貶めるために「優一が少年バットだ」という噂を流しているのではないか?
と疑心暗鬼に陥っていきます。警察では月子が「少年バットの事件にはいずれも月子の近くで起こっており、なにか関連性が」と疑われていました。しかし月子は何もわからない様子であり「川津昭雄は重症だが命に別状なし」という現状を報告するのみで事件の捜査に進展は見られませんでした。
そして優一は「学校に行かないの?」「優一!」「優一!」という母親が扉を叩き怒る声に、自分がいじめられている状況を重ねて恐慌状態に陥り、夢か現か解らない世界へと飛び込んでいきます。そしてぐにゃぐにゃと歪んで見える通学路の向こうから少年バットがやってきます優一は「少年バットだ!僕じゃない!少年バットがいる!」と歓喜の声をあげます。バットが少年に振り下ろされ、鈍い音を立てて物語が幕を降ろしました。
第3話:ダブルリップ
3話目の主人公は、蝶野晴美(ちょうのはるみ)です。2話で優一の家庭教師を努めていた女性であり、彼女は二重人格であり「まりあ」という人格に悩まされています蝶野晴美本人はまりあの存在を知っているが、まりあに人格が変わっている時の記憶はなく留守番電話を介してまりあとの会話を行っています。
とある時、晴美は一人の男性からプロポーズを受けました。その後、まりあからの交信は途絶えて晴美は「これこそが私の居場所だったのだ」と喜んだ。しかし、辞めたはずの風俗店から電話がかかり捨てたはずのケバケバしい化粧品が戻ってきていました。留守番電話に「結婚するからって都合よく私が居なくなるとでも思ったの!?絶対許さないから!」と激高するまりあのメッセージがはいっていました。
結婚式の準備が進む中、まりあの怒りは収まらず「逃さない」「自分だけ幸せになるなんて許さない」「あんたが消えろ」とメッセージを残し続けていました。晴美は憔悴していき、やがて狂っていきます。まりあの責め立てる声から逃げ夜の街へ飛び出し、そして路上で少年バットに襲われます晴美は襲われつつも、穏やかな平穏を手に入れる事ができました。そしてまた、発端の月子もまた日常に戻り通勤前の朝の時間を過ごしていました。
第4話:男道
4話目の主人公は蛭川雅美(ひるかわ まさみ)という警察官です。3話に登場したまりあ(蝶野晴美)の常連であり、風俗狂い、暴力団との癒着をしている男でした。同僚や周りの人間からは家族思いな人間だと認識されており、念願のマイホームを建てている最中でもある。暴力団にすら汚いやり口で金をせしめており、目をつけられてしまいます。
暴力団に200万の支払いを迫られた蛭川はついに犯罪に手を染めてしまいそれを弱みに握られ500万の支払いを迫られます。ひったくりと押し入り強盗に次いで強姦まで行った蛭川の精神は罪悪感に狂いついに夜の公園で「もういやだ!俺を止めてくれ」と叫びます。そして蛭川の元にも少年バットが現れ…彼を襲撃するが、蛭川の襲撃に合い、次のニュースでは「少年バット逮捕、捕まえたのは交番勤務の男性」と報じられたのでした。
第5話:聖戦士
鷺月子、鯛良優一、蝶野晴美、蛭川雅美を次々に襲っていた少年バットが蛭川雅美の手によって逮捕され、警視庁で少年バットこと狐塚誠 (こづか まこと)の取り調べが行われていました。狐塚は自分を人気ファンタジー作品「聖戦士」の主人公「聖戦士」であると思いこんでおり、現実と妄想の区別のついていない少年でした。
狐塚は供述の最後に「老女」というキーワードを口に出します。全てを知っている老婆がいるが、彼女はこの世のものではない…という話です。2人の刑事はふと、一人の老女の存在を思い出すことになります。この物語のはじめ、鷺月子がやり過ごしたホームレスの老女はこの事件の始まりの日から行方不明になっていました。刑事は老女を探しに鷺月子襲撃事件が起こった公園へと足を運びました。
第6話:直撃の不安
妄想代理人の舞台である街は、台風直撃の不安が人々を襲っていました。足早に皆が帰路についている中、猪狩刑事と馬庭刑事は公園にたてられていたテントの中で行方不明と言われていた老婆と向き合いその話を聞いていました。そのテントの中には月子の赤いバッグがあり、刑事はどうしてこの場所にバッグがあるのかと問い詰めます、しかし、ゆっくりと話し始める老女が語ったのは自身の身の上話でした。
しびれを切らした刑事が事件について詳しく話すことを促すと老女はやっと鷺月子襲撃事件についての供述をはじめました。しかし老女の語った供述は今までの捜査を根本から覆すものでした。事件の夜、あの場に居たのは鷺月子ただ一人だったというのです。
出典: https://kaumo.jp
ここで、場面が転換します。物語の主人公の視点が老女の孫娘である妙子へと移っていきます。妙子はショートカットの高校生ほどの女の子です。
彼女は今にも雨が降りそうな公園のベンチに座り自分の家の家計が苦しかったことや、家が狭かったこと、それでも自分が生まれ育った家や両親が大好きだったことを思い出していました。思い出している最中、妙子の携帯電話が鳴ります。「よくかけてこれたね」と妙子は冷たく言い放ちました。
妙子は電話越しに「そこは私の家じゃない」「そんな家なくなっちゃえばいい」と叫びました。同時刻、老婆のテントが業風で吹き飛び、老婆は姿を消して刑事2人は鷺月子の元へと改めて話を聞きに足早にその場を後にします忽然と消えた老婆のことなど気に留めることもなく。警察署に呼び出された鷺月子は「なんですか…?」と刑事に向かい言い、そしてまた視点は妙子へと戻されます。
妙子は再び過去を思い出しています。自分の卒業式、母親と共に写真を撮ったこと、結局、妙子たちは新しい家に住み自分だけの部屋をもらい…そして、その自分の部屋を父親が盗撮をしていたことを知ってしまったこと。父親のパソコンの中には自分の着替えを写したデータが残っていました。彼女は土砂降りの雨の中崩れ落ちました。
同時刻、鷺月子の取り調べが行われていました。鷺月子はキャラクターデザインを生み出すことに苦悩しており、いっそ暴漢かなにかに襲われてしまえば楽になれるのにと心の底で考えていたのではないか、強迫観念に駆られた結果、自分で自分を傷つけ襲撃事件をでっち上げたのではないか…と刑事は月子に詰め寄りました。別の場所、一方の妙子もまた苦しんでおり「忘れたい」「なかったことにしたい」と泣き叫んでいました。
妙子の耳に聞き慣れない車輪を転がす音が聞こえてきます。その方向を見るとバットを持った少年がローラーブレードでこちらに近づいてきました。少年はバットを振りかぶり、妙子に向かって振り下ろしました。それと同時に取り調べを行っていた月子が急に何者かに頭を殴られたように横転、気を失ってしまいます。次に目覚めた月子は記憶を失い、付き添っていた父親に「どちらさまですか?」と笑いかけました。真実はまだ闇の中です。
第7話:MHz
鷺月子が昏倒し猪狩刑事と馬庭刑事に救護室へ連れて行かれてすぐ、猪狩刑事は他の刑事から「病院に頭部に殴打された患者が救急で来たから聞き込みへ行ってくれ」と言われ病院へと向かうことになりました。猪狩刑事が病院へ訪れるとそこにいるのは妙子と、同僚の蛭川雅美であった。父親に盗撮され少年バットに襲われ全てを忘れた妙子は、蛭川の娘だったのです。
結局、刑事は鷺月子の証言を狂言として、狐塚がニュースで騒がれた少年バットの模倣犯として最初の鷺月子以外の全ての犯行を行っていたと結論づけました。狐塚から引き出された証言は「最初の男子生徒と、おじさん(蛭川)だけだ」ということだった。このあたりから、猪狩と馬庭の考え方にすれ違いがおこり、馬庭は一人で聞き込みをはじめました。
聞き込みを行った馬庭はその日の終わりに猪狩に自分の考えを伝えます。馬庭の考え方は「被害者にはそれぞれ共通点がないようで共通点があり、鷺さんは次回作のプレッシャー、川津は損害賠償、蝶野晴美は何も話さなかった、しかし牛山(男子生徒)には悩みは何もなかった、少年バットは強迫観念のようなものを抱えた人間の元に現れているのではないか、故に狐塚が襲ったのは牛山と蛭川だけだったのではないか」ということです。
しかし猪狩は「狐塚が牛山と蛭川だけしか襲っていないなら、他の奴らを襲ったのは誰だ」と頭を悩ませる。猪狩も馬庭も行き詰まっていました。警察はもはや狐塚を全ての犯人とするしかなく過剰な取り調べを進めていきます。何度取り調べても狐塚から取れる証言は蛭川と牛山の犯行についてのみで他の事は知らないと言います。そのうち、刑事として事件に関わっていた馬庭もまたゆっくりとこの事件に追い詰められ狂い始めていきます
馬庭は少年バットは現実に存在せず「精神的に追い詰められた人間の元に現れて人を襲っている。あのとき昏倒した鷺月子と妙子は二人共同時に精神的に追い詰められ、結果2人の元に同時に少年バットは現れて2人を同時に襲った」と喚き倒しました。精神的に摩耗している馬庭に猪狩は休職届けを渡し「休め」と突き放しました。
一人で帰路につく馬庭は追い詰められた人間を探していました。少年バットは追い詰められた人間の元に現れ襲うのだから、追い詰められた人間を特定すれば少年バットを捕まえられると思ったのです。そして馬庭には追い詰められた人間に心当たりがありました。連日の取り調べを受けた狐塚です。馬庭は猪狩に電話をし2人で留置所へと足を運びます。すると狐塚の独房の前からローラーブレードに乗った少年が立ち去るのを目撃しました。
馬庭と猪狩が慌てて狐塚の独房を覗くと、血の海に浸るようにして狐塚が倒れていました。息はなく、一連の事件は被疑者死亡のまま送検、そして馬庭と猪狩は責任をとって警察署を辞めることになってしまいます。馬庭はそれでもなお少年バットを探すため、追い詰められた人間を探す必要性を説きます。少年バットはまだ必ずどこかにいる、と言葉を残しました。
第8話:明るい家族計画
さて、妄想代理人のあらすじをネタバレしつつ考察、評価するにあたって8話に物語の進展はあまり望めません。第8話は妄想代理人のストーリーからひととき外れて、妄想代理人の少年バットに関連する話が挟まれているのです。これは終わったはずとされていた少年バットの事件が再び始動する事を表す物語です。
自殺フォーラムで仲良くなった3人が、一緒に自殺をしようと企てるが尽く失敗し、自殺を試みるために何度も何度も3人で合ううちに3人の絆は深まり、奇妙な関係ができあります。最後、3人はまるで本物の家族のように明るく朗らかに手をつなぎ歩きます。妄想代理人の物語の中では終始和やな雰囲気で始まるが、妄想代理人らしく奇妙な伏線を残して終わっていきました。
第9話:IQ/LDK/EBM/OH/HR/TKO/UMA/SOS/HH/ETC
妄想代理人の9話は、少年バットの噂話に取り憑かれた主婦達の話です。少年バットはさまざまな人の元へと訪れ、そして人を襲っていました。その事件は主婦の井戸端会議にはもってこいの話のネタであり、どこの誰が少年バットに殺された、襲われた、と楽しそうにお喋りをしているのです。
井戸端会議を楽しむ主婦のうち一人は団地に新しく引っ越してきた新妻であり、どこかまだ馴染めていないようでした。話の輪の中になんとか入ろうとするが、結局はかなわないままになってしまいます。少年バットの噂話がどんどんと披露される中、自分だけが取り残されている疎外感を感じていました。
しかし疎外感を感じ寂しく思っていた彼女の元に華々しいスポットライトがあたる出来事が起こります。物語の最後、彼女が帰宅すると彼女の夫が血まみれで倒れています彼女は夫の心配よりも少年バットの生き証人を得たことに興奮し夫を揺さぶり「少年バットにどうやってやられたの!!!」
出典: http://himado.in
「どうやって!!やられたのよ!」と叫び、そして夫は気を失います。少年バットは月子の身の回りだけでなくゆっくりと一般人の間にも姿を表しはじめました。
第10話:マロミまどろみ
妄想代理人の第十話は、妄想代理人のなかでも重要なキャラクター「まろみ」の誕生秘話を描いています。妄想代理人の重要キャラクターまろみがこの物語の進行を務めています。妄想代理人の中でまろみが生まれるまでにはたくさんの人々の苦労があり、皆一様に追い詰められていました。
まろみが生まれるにあたりゆっくりと制作に関わる人達の心が壊れていきます。演出、作家、作画監督、まろみに関わる全ての人間が追い詰められ少年バットに襲われました。そうして誰もいなくなり、残ったアニメーションが「まろみまどろみ」として放送されました。この話は妄想代理人らしい人間と人間の摩擦にまみれた、一番気味悪く胸の悪くなる話と評価を得る物語になっています。
第11話:進入禁止
ゆっくりと不気味さを増していく妄想代理人。11話目は一人の女性が病院で診察を受けているところから始まります。女性はどうやら家が裕福ではなく適切な治療を受けられないようです。時を同じくしてまろみのアニメーションが放送され日本にまろみが広がり、そしてまた少年バットの噂もどんどんと広がっていました。
ふらふらと家に帰ってきた女性が居間に入ると、そこには少年バットがいました。女性は少年バットを見て「私があなたを呼んだのですね」「確かに、手術を受ける前に死んでしまいたいと思ったのは確かです」「でも間違っていました」と、追い詰められ逃げようとした気持ちを認め、そしてその上で「逃げることは夫への裏切りになります」と語りだします。少年バットは大人しく女性の話を聞く姿勢をみせます。
一方で少年バットの一件に関わり猪狩も追い詰められ狂っていきました。ふらりと入った居酒屋から出る頃には見える世界は見える景色全てが昭和レトロな景色に変わり、泥棒は唐草模様の手ぬぐいをかぶっていました。家で帰りを待つ妻の元に猪狩は戻らず、猪狩もまた現実ではないどこかの世界へと囚われてしまいました。
第12話 レーダーマン
妄想代理人の登場人物達はゆっくりと確実に正気を失っていきます。馬庭もしきりに「追い詰められてはいけない」「噂が奴を育てる」「考えてはならない」としきりに呟き、奇妙なコスチュームを身にまといフラフラと街を彷徨い歩いていた。馬庭は結局のところ狐塚の二の舞のようになり、現在生きている世界が現実なのか妄想の産物なのか判別ができなくなっていました。
馬庭は猪狩の家に行くと猪狩の妻が少年バットと対峙していたことを知ります。馬庭は猪狩の妻に「少年バットをどうやって退けたんですか!方法は!?」と迫ります。彼女は「言ってやったんです。あの眠そうな目をした犬(まろみ)と、少年バットは同じだと言ってやったんです」と話す。馬庭がテレビに目を向けるとまろみを取り上げており、日本中の人間がまろみに取り憑かれたように、まろみを求めている様子が映っていました。
馬庭は聞き込みと推理をするうちに月子のデザインスケッチの中に少年バットのシルエットをした落書きを見つけます。さらに10年前に少年バットと似た事件が起こっているのを知り、その被害者が鷺月子であったことも知りました。馬庭は月子の過去に何があったのかを知るために奔走します。
月子はまだまろみの次のキャラクターを生み出すことに苦心していました。追い詰められた月子とディレクターの前に現れた少年バットがディレクターを襲い新たな被疑者になってしまいました。
一方の馬庭は鷺月子の実家を訪れ10年前の事件について調べていました。おそらく10年前の月子襲撃事件は狂言なのではと確信を得ます。馬庭は月子に電話をかけるが月子は恐慌状態に陥り妄想と現実の入り混じった世界へと逃げ出してしまいます。妄想と現実が入り交じる中、日本から急にまろみが姿を消し店頭からグッズがなくなり日本中が恐慌状態に陥ったというニュースが流れます。
少年バットに襲われた全ての人の元に不幸が再来し蝶野晴美の元にまりあが再び現れ人を轢いた川津の元に多額の損害賠償が突きつけられます。猪狩の妻もまた意識を失い死の淵にいました。そんな中猪狩の妻は「夫の元へ行きたい」と願います。妄想代理人は佳境を迎え最終話へと繋がっていきます。
第13話 最終回。
現実か何なのか、街中で「まろみはどこだ」「まろみを!」と暴動が起こっています。9話で現実ではない場所へ足を踏み込んだ猪狩は月子と共にそしてモダンな町並みを歩いていました。その中でブラウン管のテレビを見つけます。
そのブラウン管の向こうから馬庭が、猪狩と月子に向けてメッセージをおくっていました。「猪狩刑事そこにいますね?月子もそこにいますね?月子を返してください。まろみに縋れなくなった人々が少年バットを無限大に増長させてしまった!」「奴を倒すには月子が必要です」「まろみと少年バットは同じです。大本は月子だ!」「元々まろみは彼女の飼い犬で、とある時に彼女の過失で」と、ここでブラウン管を猪狩が叩き割りました。
その一騒動の後、猪狩はこの異様な世界で猪狩は妻を見つけます。まろみが動き出し猪狩の妻に攻撃的な言葉を浴びせかけます月子は猪狩を引っ張り走り出すが、死んだ妻の言葉を聞いて猪狩がこの世界が妄想の世界だと気づいてしまいます。
・妄想代理人【少年バット】の真相は
結局、この物語は月子の妄想から始まった物語でした。10年前、小学生だった月子は金属バットを持った少年に襲われ、一緒にいた飼い犬のまろみのリードを離してしまい、まろみは車に引かれ死んでしまう事件が起きました。しかしこの事件の真相は、まろみのリードを不注意で離してしまった月子がついた嘘だったのです。
その事から月子は追い詰められました。そして少年バットの妄想は肥大化し、そして…。しかし、妄想代理人を最後まで見た後に感じるのは「結局、少年バットはどこに?」という疑念のみでした。月子の狂言であるはずの少年バットは確かに被害者を次々と出しました。この物語の最後に月子は少年バットと再び会い、そして彼は「さよなら」と口にしました。
ボロボロになった街並みは現実のものであり、そしてやっと復興した先の未来では誰も彼もが一見元通りに生活していました。しかし、犠牲になった人々の姿はありま物語の幕はこうして閉じるが「少年バットの正体」は有耶無耶になってしまいました。
妄想代理人のネタバレ考察やあらすじ評価まとめ
いかがでしたか?妄想代理人のあらすじとネタバレを終えましたが、物語は妄想の産物でありなかなか考察や評価をしようにも難しい点が多いでしょう。妄想代理人の物語は一体何だったのか考察しても追いつかないと言われています。全ては鷺月子の狂言だったのか。妄想代理人のあらすじやネタバレを読むとそう感じるかもしれませんが、あらすじやネタバレを深く読み解きつつ考察をすると、物語がいくつかのパターンにわかれます。
1つ目は妄想代理人の物語の全てが鷺月子の心の中で起こった事、という解釈があります。2つ目は少年バットは実在しており、10歳の鷺月子が目の前で飼い犬を失い追い詰められた時に実際に少年バットがやってきていたのでは、という解釈です。これはさまざまな評価がありますが、妄想代理人というタイトルの通りにさまざまな妄想(考察)が成り立つと言われています。
妄想代理人まとめ
以上が妄想代理人のネタバレのあらすじ、そして考察です。あらすじのネタバレを読んでも、評価的にまだまだ考察がしきれないあらすじで、難解なお話だなと評価されるかもしれません。
ですが、アニメで見るととても素晴らしい作画で見入ってしまうという声も少なくありません。ぜひあらすじのネタバレを読んだあとでアニメをおさらいしてください。違った評価や考察ができたりあらすじのネタバレで分かりづらかった所が理解できるかもしれません。