こどものおもちゃの登場人物と魅力は?主人公さな(紗南)の生い立ちも考察

2018年から時代を遡ること20年余り、1994年に集英社の少女向け漫画雑誌「りぼん」にて掲載発表された小花美穂による「こどものおもちゃ」は、「こどものおもちゃ」というタイトルが示す通り、学級崩壊や家庭崩壊、マスメディアなど様々な複雑な世相や社会問題を「子ども」の目線で語った「異色の少女漫画」とも言える作品でした。天真爛漫で無邪気なだけに見えるヒロインが背負っていた過去や心の脆さなど、「単なる少女漫画」では終わらなかった作品の魅力について紹介します。

こどものおもちゃの登場人物と魅力は?主人公さな(紗南)の生い立ちも考察のイメージ

目次

  1. こどものおもちゃの登場人物と魅力に迫る!
  2. こどものおもちゃの漫画作品情報
  3. こどものおもちゃの漫画登場人物と魅力を紹介
  4. こどものおもちゃの主人公さなの生い立ちについて
  5. こどものおもちゃの漫画あらすじネタバレ
  6. こどものおもちゃの最終回はどうなる?
  7. こどものおもちゃを読んだ感想は?
  8. こどものおもちゃの登場人物と魅力まとめ

こどものおもちゃの登場人物と魅力に迫る!

2018年から遡ること20数年あまり昔になりますが、1994年に集英社による小中学生の女児向けに刊行された雑誌書籍「りぼん」に発表掲載された小花美穂による「こどものおもちゃ」という少女漫画は、魅力的でありながらリアルに「子ども」の目線で描いた世界観と登場人物で「こどものおもちゃ」という作品と物語を魅せて読者層を一気に惹き込み主人公であるさな(沙南)やその他の登場人物たちが抱えた問題など多彩に描きました。

今回は「こどものおもちゃ」の魅力にあふれた登場人物たちとヒロインさな(沙南)にまつわる主要登場人物の生い立ちのネタバレとヒロインさな(沙南)のネタバレ、漫画のあらすじネタバレを交えての紹介していきます。日本の少女漫画家、小花美穂が1994年から4年にわたり1998年まで描いた「こどものおもちゃ」。

そんな「こどものおもちゃ」の世界とあらすじネタバレ、さな(沙南)と秋人風花に直純といった「こどものおもちゃ」の子ども達の登場人物ネタバレと魅力を紹介。ティーンエイジャー向け少女漫画雑誌が扱った「こどものおもちゃ」の世界に携わった大人の登場人物が抱えた問題などもリアルに「子どもの目線」で描いて魅せた秀逸な漫画として有名な「こどものおもちゃ」。

「こどものおもちゃ」について、あらすじネタバレ子どもと大人でヒロインさな(沙南)に関わってくる登場人物たちの魅力とネタバレを紹介します。漫画「こどものおもちゃ」とヒロインさな(沙南)と秋人を描いた物語の結末など、「こどものおもちゃ」について紹介します。

こどものおもちゃの漫画作品情報

魅力的な登場人物たちとストーリー展開、ギャグ要素を散りばめながらの切ないラブロマンスと一概には口に出来ないといえるような物語で魅せる「こどものおもちゃ」という漫画の作品について紹介して見ていきましょう。「こどものおもちゃ」は日本の少女漫画家、小花美穂によって生み出された作品にあたる少女漫画で、タイトルをそのまま「こどものおもちゃ」と銘打って大手出版社の看板雑誌、「りぼん」にて連載掲載されました。

集英社の低年齢向け少女漫画雑誌「りぼん」に掲載された小花美穂による「こどものおもちゃ」、通称を「こどちゃ」と呼ばれた作品は、単行本コミックスで全10巻、完全版コミックスで7巻の完結で構成され、作中で登場する物語を番外編として売り出した「水の館」や、その後を描いたコミックスも刊行されており、当時、高く評価された作品は1998年に「第22回講談社漫画賞少女漫画部門」にノミネートされて受賞もしています。

小花美穂が描いた漫画「こどものおもちゃ」には、「学級崩壊」や「学校の抑圧社会」、「少年犯罪」と「家庭崩壊」、「離婚問題」に「マスメディアに関連した社会問題」など、様々に抱える社会問題を「こどものおもちゃ」のタイトル通りに「子ども」の目線で見た世界を描いて「子ども」の視点から語り掛けたのが、小花美穂による秀逸作品として話題となった7「こどものおもちゃ」なる作品でした。基本路線は学園視点の漫画です。

こどものおもちゃの漫画登場人物と魅力を紹介

小花美穂による異色の少女漫画「こどものおもちゃ」の主人公さな(沙南)をメインに展開する「こどものおもちゃ」の漫画あらすじネタバレ紹介に触れる前に、「こどものおもちゃ」の魅力的で多彩な登場人物たちと登場人物たちのネタバレをちらっと触れながら、漫画「こどものおもちゃ」の登場人物と登場人物たちの魅力についてメインに置いて触れていきながら紹介していきます。さなを踏まえ「こどものおもちゃ」登場人物紹介です。

こどものおもちゃヒロイン倉田沙南(さな)

「こどものおもちゃ」の主人公でありヒロインでもある倉田沙南(さな)は「こどものおもちゃ」連載スタート時点では神保小学校6年生で、1983年の3月7日が公式な誕生日設定です。劇団「こまわり」に所属しながらバラエティなどをメインに活躍する「人気子役タレント」で、のちに抜群の演技力を買われて女優としての道を開く天真爛漫なお調子者の彼女は、義母である倉田実沙子の養女であり、とても繊細な心を持ち合わせています。

問題児なお相手で羽山秋人

「こどものおもちゃ」からヒロインであり主人公である沙南(さな)の対となるのは、神保小学校の同級生でクラスメートの問題児である羽山秋人です。公式設定、1982年の10月21日生まれで、天敵からマブダチ、そして彼氏へとポジションを変えていく彼は「こどものおもちゃ」と倉田沙南(さな)と深く関与する心の傷から小学校に問題を起こしていましたが、背景には秋人を生んで亡くなった実母を出した姉による虐待がありました。

メインパーソンとなる加村直純

小花美穂による「こどものおもちゃ」の漫画登場人物の中で、物語の展開にも主人公である倉田沙南(さな)の出生などの大きなネタバレにも関わる重要な登場人物として、「超人気売れっ子タレント」としての顔を持つ、誕生日を1982年の2月10日設定で加村直純が役割を担います。途中からの登場人物となりますが、漫画「こどものおもちゃ」にも倉田沙南(さな)にもどちらを語る上でも外せない役どころとしての立ち位置になります。

沙南のよき友となる位置で松井風花

漫画、「こどものおもちゃ」の主人公でありヒロイン、倉田沙南(さな)や羽山秋人たちが神保小学校から中学へと進学して物語の展開と関係を変えていく中で、途中からの登場人物でありながらやはり重要な位置を担うキーパーソンとして、松井風花というクラスメートが「こどものおもちゃ」の舞台を中学へと移してから登場してきます。倉田沙南(さな)と羽山秋人の関係に深く関わることとなり、沙南(さな)の良き友となる彼女です。

大人からメインパーソン倉田実沙子

漫画、「こどものおもちゃ」の主人公でありヒロイン、倉田沙南(さな)の養母である倉田実沙子は「こどものおもちゃ」を語る上にも「倉田沙南(さな)」を語る上にも外せない大人のメインパーソンです。「直木賞」を受賞した人気作家であり「娘と私」という作品を発表する彼女は沙南(さな)の養母となる際にひとつ言葉をかけています。それは「こどものおもちゃ」後編で沙南(さな)が見せる出生の弱さのネタバレに直結します。

同じく大人から相模玲

漫画、「こどものおもちゃ」本編と倉田沙南(さな)に大きく関わり、沙南(さな)へと影響を及ぼす「こどものおもちゃ」での大人のメインパーソンとしてもう一人外せない立ち位置が、相模玲であり、彼は沙南(さな)の「専属マネージャー」であり、沙南(さな)の「ヒモ」として、世捨て人をしていたのを拾われた恩を沙南(さな)の心の寄り辺となることで返し続けていましたが、その献身は犠牲の上にあると沙南は知ることに。

こどものおもちゃの主人公さなの生い立ちについて

「こどものおもちゃ」の主人公でありヒロイン沙南(さな)は出生に秘密を抱えています。倉田沙南(さな)を名乗る沙南(さな)の母である倉田実沙子は育ての親、沙南(さな)は彼女の養女です。あらすじの中で詳しく触れますが、これが彼女の物語後半に大きく関与していきます。

こどものおもちゃの漫画あらすじネタバレ

小花美穂原作「こどものおもちゃ」と主人公でありヒロイン倉田沙南(さな)と沙南(さな)を取り巻いてあらすじネタバレと「こどものおもちゃ」に深く大きく関わってくる登場人物たちを紹介したところで、ここからは「こどものおもちゃ」本編のあらすじとネタバレを「こどものおもちゃ」のタイトルが示すものや「こどものおもちゃ」が投げ掛けた問いなどをも交えて、沙南(さな)と羽山の関係や物語の展開をネタバレ紹介です。

漫画、「こどものおもちゃ」の舞台は神保小学校6年3組から始まります。天真爛漫でテレビでも活躍中の明るい人気者の女の子として登場する主人公、ヒロインである倉田沙南(さな)は、相模玲や優しい母の実沙子のもとで元気いっぱいに活動中ですが、倉田沙南(さな)の通うクラスは羽山秋人という男子生徒によってめちゃくちゃに荒れた様相を醸し出しており、担任いじめ、クラスメートへの暴行ははびこる毎日が続いていました。

羽山秋人

自分の通うクラスの有り様にとうとう黙っていられなくなった倉田沙南(さな)は、ついにクラスの中に君臨する男子生徒と対峙します。いがみあうことになる2人、羽山明人と倉田沙南(さな)の対決の中で、クラスも巻き込まれていき、担任教師は投げ出した始末でしたが、羽山秋人の担任いじめには隠された羽山の涙と哀しみが背景に家庭問題として浮かび上がって、沙南(さな)は羽山の誰に言えない沈痛な叫びを知ることになります。

沙南(さな)と羽山のクラス担任は女性で、羽山秋人はクラス担任や女子生徒たちというよりも「女性」そのものに「嫌悪感」と「トラウマ」を抱えていたことが、羽山の家庭に置ける立ち位置に浮き彫りになります。十ほど離れた姉を持つ羽山家の姉弟関係は歪で、病弱であった羽山秋人の実母は秋人を生んで直ぐに他界しており、逆恨みとしか言えない形で羽山秋人は物心ついた時から姉に「悪魔」と罵られ事実上の虐待を受けていました。

漫画、「こどものおもちゃ」、羽山の裏の事情を知った沙南(さな)は当然ながら持ち前の正義感に立ち上がりました。沙南(さな)の奮闘と介入に、それまで事態を知らずに家庭から遠退いていた羽山の父や姉ときちんと秋人を向き合わせて、父親が初めて知った事実や実情、息子が置かれていた立場は自らが家庭を蔑ろにしたことへの娘の寂しさから来たものでもあると、家庭崩壊と向き合わなかった自分に責があるのだと父親が出ます。

亡き妻がどれだけ子ども達を愛していたか、それはもちろん秋人をもです。父親が家庭と向き合ったことで、姉の寂しさからの弟への虐待と暴力は沙南(さな)の介入と奮闘に終わりを告げたものの、「こどものおもちゃ」が訴えかける「こどもの視点」です。謝られたから10年にも及んだ虐待の傷が癒えるほどに子どもも羽山の心も単純ではなく、沙南(さな)はそれを知りながら寄り添い、少しずつ羽山の信頼と心を開かせて勝ち得ます。

玲君と「娘と私」

羽山に寄り添い信頼と心を勝ち得ていった沙南(さな)でしたが、今度は問題が起こったのは沙南(さな)の側にでした。沙南(さな)の「拾ってあげたヒモ」という名前に沙南(さな)が恋心を向けていた相模玲の昔の恋人が「チャイドル」として活躍する沙南(さな)との共演に現れ、玲君とよりを戻します。「こどものおもちゃ」の神髄発揮と言えるこどもの恋と大人の嘘の組み合わせに心を揺らしてショックを受けた沙南(さな)です。

寄り添ったのは羽山でした。沙南(さな)の心を聞き、想いを吐き出させて、沙南(さな)の心を癒したのですが、次にも残酷な世界が待ち受けていました。倉田沙南(さな)は公園のベンチに捨てられていたのを養母になる実沙子に拾われた出生を持ちます。養母実沙子から「本を書くのに少し有名になりなさい」との言葉での沙南(さな)の芸能界入りであり、劇団「こまわり」での活躍と「チャイドル」の倉田沙南(さな)誕生でした。

養母である倉田実沙子が発表した「娘と私」の中で触れられた倉田沙南(さな)の生い立ちネタバレ、「チャイドル」倉田沙南(さな)の出生の秘密とネタバレ、チャイドル誕生のネタバレは大きくマスコミに反響を及ぼし、そこに沙南(さな)はエッセイ発売の前に「沙南(さな)の出生とエッセイの内容を知っている」と公言する加村直純という沙南(さな)よりも知名度を誇る子役タレントの出現を受け大きく心を動揺させていました。

実母

揺れて動揺する心を羽山の支えと寄り添いに持ち堪えた沙南(さな)でしたが、エッセイの発売を受けて今度は「倉田沙南(さな)の「実母」であると名乗り出た女性の出現となります。沙南(さな)をベンチに置き去りにしたのは、赦されない恋に命を宿し、育てられない赤ちゃんを産み落としながら自分では引き受けることが出来ず、公園のベンチに置き去りにするという道を選んだ十代の母が辿った道と選んだ選択肢の末のものでした。

「実母」を名乗る女性の呼び出しに、沙南(さな)は羽山と友人たちを付き添いに選びました。羽山と友人達の見守る中で「実母」の存在に「決別」を答えとして選んだ沙南(さな)がこの親子関係の終焉とネタバレです。「実母」に「決別」して、養母である実沙子を「母親」として慕い、絆を深める道を選んだ沙南(さな)と、ここまでの中で倉田沙南(さな)に惹かれて恋心を自覚していた羽山は告白を沙南(さな)に伝えようとします。

行き違いの始まり

羽山は沙南(さな)に想いを告げられないままに季節は廻り、沙南(さな)は少し恋や好意に対して鈍感で、そのままに沙南(さな)と羽山は神保小学校を卒業し、神保中学へと進学しました。小学生までを大阪で育ったという明るい新たな友人松井風花との出逢い、風花が抱えていた小学生時代の過去、沙南(さな)の僅かに残酷とも言える鈍さと絡まりだし、行き違いがほんの少しずつ誤解を生み始める歯車が2人に動き出していきます。

神保中学に進学した沙南(さな)は「チャイドル倉田沙南(さな)」としての人気と活躍の場を確かに増やしており、番組内での演技を買われて、加村直純、例の恋人である麻子との共演による長期にわたる映画の撮影に学校を暫く離れることとなります。出発の朝、羽山が沙南(さな)を見送りに来ていましたが、羽山の心をは告げられることなく、また、沙南(さな)の方も何ら羽山の想いに気付けることなくと別れの朝となりました。

マスメディアの抱えた問題点が「こどものおもちゃ」に描かれます。人気子役タレントとして名を馳せる「加村直純」と人気急上昇中のチャイドル「倉田沙南(さな)」の同い年の長期ロケと共演をメディアが放置するわけもなく、無責任なメディアによって沙南(さな)の与り知らないところで「加村直純」と「倉田沙南(さな)」の熱愛報道と「恋人宣言」がスクープとして報じられることとなり一般人である羽山はそれを信じてしまいす。

漫画、「こどものおもちゃ」中学編、「倉田沙南(さな)」と「加村直純」の「恋人宣言」のメディア報道を信じ込んでしまいショックを受けた羽山は告白されて風花と付き合うことを選びますが、それを沙南(さな)も知ってしまいます。羽山と風花が付き合い始めたと聞き、ショックのあまりに仕事も何も手に付かない状態に陥った沙南(さな)を支えて立ち直りまで導いたのは、母の実沙子で、やがてロケを終えて学校へと復活します。

すれ違いの果て

長期のロケと撮影を終えて学校に戻った沙南(さな)に羽山はメディアが書き立てて騒いだ「人気子役タレント加村直純」と「チャイドルタレント倉田沙南(さな)」の「恋人宣言」の報道のデマの真実を知り、沙南(さな)の恋は羽山秋人に有ったことを、そして沙南(さな)も羽山の心が本来は己に向けられていたことを知ることになります。本当なら倉田沙南(さな)と羽山秋人は両思いであったのだとお互いが知ったことになります。

沙南(さな)と羽山が両想いだったとしても、羽山には既に松井風花という「彼女」が存在していて、風花は沙南(さな)の大親友でもありました。風花を思って風花に身を引いた沙南(さな)でしたが、辛い心を癒せるものもなく、仕事だけにのめり込んでいきます。一方で、もう一人、状況にやるせなさを抱えた羽山の存在がありました。次第に荒れ始めた羽山は風花とも距離を作り、停学処分を受ける事態にまで発展していくことに。

そんな中で、事件は起こりました。クラスメートの小森という少年が「羽山秋人」の名前を残して失踪します。行方をくらました小森は少し心に闇を弱さを抱えていて、探しに出た羽山は小森を連れ帰りましたが、小森は羽山に向かって刃をふるい、中学に入り空手を習い始めていた羽山秋人の腕に重傷を背負わせて、小森を連れて戻った羽山は入院、一命は取り留めたものの、空手家としては致命的な利き腕へのマヒが残る事態になります。

もう一度

入院中に、羽山は風花と話し合いを設けていました。荒れ始めた羽山を静観する風花をけしかけていた沙南(さな)とも再び向き合いなおします。羽山と沙南(さな)が両想いであった事実を前にして向き合い出した風花、沙南(さな)、羽山が描かれて、子ども達は自分たちのけじめを付けます。羽山と風花は別れを選択して、沙南(さな)と風花は羽山を挟んだ立場にありながら「親友」の立場でも向き合いきちんと本音での話を設けます。

再び交わることになった沙南(さな)と羽山の道に、羽山秋人と倉田沙南(さな)は正式に付き合い出します。全ては順調に動き出したかのように見え始めた運命の歯車でした。沙南(さな)の母親である実沙子は、エッセイ第2弾「娘と私2」の企画を打ち出し、風花は小学生の頃にすれ違った元彼氏と沙南(さな)に仲を取り持たれたり、沙南(さな)と羽山自身も幸せいっぱいにデートを楽しんだりと続いた平和の中に持ち出された話。

沙南(さな)

沙南(さな)にとっても羽山にとっても寝耳に水の状態で飛び込んできた話は、羽山の父の転勤から、羽山の家族一家で秋人がロサンゼルスに旅立ち、そちらに移住して暮らすことになるというものでした。明るく無邪気で天真爛漫な倉田沙南(さな)の虚構が剥がれ落ちてしまう仮面に、沙南(さな)が無邪気で天真爛漫な明るい沙南(さな)の背後に閉じ込めていた誰よりも繊細で傷付きやすい弱さを秘めた「子ども」を隠せなくなります。

羽山のロサンゼルス行きの話に、沙南(さな)は隠し持っていた弱さと繊細さを仮面で繕えなくなり、心を閉じて病んでしまいます。驚いたのは沙南(さな)を知る周囲の人々でしたが、本当に沙南(さな)を知っていた沙南(さな)の母である実沙子は沙南(さな)の隠し持つ一面を知っていて、まるで表情を見せなくなった状態の沙南(さな)を指して幼いころの沙南(さな)に同じ出来事が起こったと語り、物語は終盤へと加速します。

こどものおもちゃの最終回はどうなる?

小花美穂「こどものおもちゃ」の物語あらすじも終盤です。「こどものおもちゃ」の最終回とはどのように描かれていったのでしょうか? 心を患った状態の沙南(さな)を知る人がもう1人だけ存在していました。幼いころに沙南(さな)が実沙子曰く「人形病」と名付けた今の状態に陥ったときに沙南(さな)を救い出したのが「加村学園」という児童養護施設で沙南(さな)と同じく孤児として育った「加村直純」だったと明かされます。

漫画、「こどものおもちゃ」終盤、最終回に向けて加速していきます。本人である沙南(さな)に病状の自覚はなく、母の実沙子の判断で学校を休学、タレント活動も暫くの休養を発表し、自宅で療養しながらもどんどんと病を酷くしていく沙南(さな)を見守り傍で支えるのは羽山と実沙子、自宅に招くことを許された沙南(さな)の友人たち、実沙子が呼び招いた精神科医と玲君、沙南(さな)の心が開かれることはなく時間が進みます。

実沙子たちが一縷の望みにかけて招いた「加村直純」は却って沙南(さな)の病を追い詰めていく結果を生み出してしまいました。「心の病」に沈んだ沙南(さな)はとうとうある日の朝に、羽山を指して「誰だ」と訊いて訴えてしまうところまで陥ります。恐慌状態の沙南(さな)でしたが、羽山の方も限界に近いところまで来ていました。「加村直純」に縋った沙南(さな)でしたが、直純は沙南(さな)を落ち着けながらも泣き出します。

直純は小さなころから沙南(さな)を知っていて、沙南(さな)を愛して想い続けていました。「人形病」に「心」をすっかりと「病んでしまった」状態の沙南(さな)はあまりに残酷な言葉を突き付けます。すれ違いに行き違いを経て疲れ切っていた中で、ようやく掴んだ羽山の隣の幸せを突如と壊される形になった沙南(さな)には何もかも受け入れ難くて耐え難く、傍に居られない羽山ではなく直純が好きだと泣き縋ってしまうことに。

沙南(さな)の言葉に泣いた直純は「沙南ちゃんが好きだよ」と告げながら、羽山の存在を想い出させるように言葉を紡ぎ、「僕を好きな沙南ちゃんは僕が好きな沙南ちゃんじゃない」と告げて、その言葉と涙に沙南(さな)は羽山秋人の存在を想い出し、羽山にバトンタッチした直純から渡された中に、自分の告げた台詞の重みと直純の言葉を泣いて、自分を責めるしかできない沙南(さな)を「直純は俺達よりも強い」と羽山があやします。

「こどものおもちゃ」最終巻終幕です。直純の言葉と存在は確かに沙南(さな)の心を揺り動かしはしました。「子どもだからなのだ」と泣くのは、「子どもという存在だから大人の都合で動かされてしまう」という沙南(さな)の哀しい本音で、「大人になる方法」を探して怪しい言動を繰り返す沙南と(さな)とそれを見守りながら付き従う羽山に、子ども達を見守るしかできない母の実沙子と沙南(さな)の大事な玲君たちと描かれます。

「大人になる方法」を模索して、「お酒」に手を出す、「煙草」に手を出す、果てにはと無茶ぶりの単純回路で「子ども」を抜け出そうとする沙南(さな)の行動に、羽山も驚きの言動が飛び出しますが、見守る大人も堪ったものではない中に「いつか2人で行こう」と約束した「チャイドル倉田沙南(さな)」の番組での戦利品である、宿泊を伴わなければ行けない「子どもには不可能」な遊園地のチケットが沙南(さな)の目に留まります。

抜け出す2人を知りながら、沙南の母である実沙子と玲君は、背後から手をまわして子どもたちを見守る道を選びました。「子どもであるから」と泣く2人にとって、それは「離れる覚悟の儀式」なのではないだろうかと、抜け出した2人に慌てた玲君に、母である実沙子は告げて、そこには羽山家も同席していました。息子の行動に泡を吹く羽山父に実沙子が申し出たのは沙南(さな)のために彼は付き合っていること、そして一つの申し出。

沙南(さな)の描いた脚本に従った設定で、子ども達の「家出」だとは見抜けないようにと向かう列車の道中や、メイクを施して「大人を演じる」ことでホテルの宿泊を通す沙南(さな)と羽山が描かれる中に、向かった目的地のテーマパークです。はしゃいではしゃいで回ったはずで、沙南(さな)の目に映る写真の自分はきちんと笑っていました。鏡を見て笑ってみれば笑っていると沙南(さな)には映りましたが悲鳴を羽山が挙げました。

「倉田沙南(さな)」が「子ども」であったのなら、「羽山秋人」も「子ども」であると上げられた悲鳴は、沙南(さな)に病を隠してやれという「大人」の「嘘」を破って、表情を落としてしまった状態で、笑っているつもりなのは沙南(さな)当人だけで笑ってなんかいない、「心の病」が見せている幻覚だと指摘しながら、どうしてなのだと泣いていました。離れるのが辛いのは羽山だって同じでそこでどうして沙南(さな)が壊れると。

沙南(さな)に現実を見せれば「弱い」あの子は「壊れてしまう」と「大人の嘘」を守り続けていた「羽山」もまた「子ども」だったのだと、壊れた沙南(さな)に傷付いて、離れなくてはいけない距離に傷付き不安で、それでも何一つ動かせない「現実」を飲み込むしかない立場だった「子どもの言葉」と涙は沙南(さな)の心に何より響いたと「こどものおもちゃ」は描きます。合流した母の実沙子と羽山の父の前で、明かされる事実。

羽山の父のロサンゼルスへの出向を秋人だけ倉田家で預かれはしないかと持ち掛けていた実沙子に、奪われた空手家の利き手を治療出来るかもしれないドクターをロサンゼルスに見つけての羽山の父の想いであったこと、ホテルに宿泊が通ったのは裏で実沙子たちが手をまわしていたこと、明かされていく「大人」の「保護」に、やはり自分たちは「大人に保護されて生きる存在」なのだと思い知ったと笑う沙南(さな)に変化が起きました。

利き腕の治療が出来る方法があるなら行かなきゃだねと告げる沙南(さな)には表情が戻り、驚いた周囲や精神科医はそれを指して何があったと問い掛けたのに、羽山秋人が答えた言葉、羽山の涙と心の悲鳴が沙南(さな)に響いて取り戻したと分析する精神科医の言葉は誰にとってももう意味のないもので、きちんと別れを受け入れた2人は毎日をそれぞれの場所で慌ただしく過ごしながら忘れていくかと思えば、ちゃんと思い合っています。

子ども達の持つバイタリティーとは適わないと見守る母の実沙子やその後の2人が少しだけ描かれて、小花美穂による漫画、「こどものおもちゃ」は完結を迎えました。

こどものおもちゃを読んだ感想は?

小花美穂が描いた繊細で豊かな世界観を持つと言えるでしょう作品「こどものおもちゃ」の感想とはどうなっているでしょうか? ネット上のレビューから取り上げれば、読んだ年齢で感じ方を変えさせてくれたり、新しい発見を与えてくれたりする「秀逸作品」と呼ぶべき存在の「少女漫画」で、「こども」や「大人」を考えさせるなどといった言葉や羽山と沙南の関係に涙が止まらないなど、評価も高いと言える感想ではないでしょうか。

こどものおもちゃの登場人物と魅力まとめ

2018年から遡り、20年余り。大手出版社が誇る低年齢向け少女漫画雑誌に連載掲載された、小花美穂による漫画、「こどものおもちゃ」について、あらすじのネタバレや物語の迎える結末のネタバレ、「こどものおもちゃ」という作品が描いたものや、否もなお愛される作品としての「こどものおもちゃ」の魅力や登場人物、「こどものおもちゃ」を読んだ人々の感想など紹介してきました。いかがでしたでしょうか?

小学生当時に読んだ時と大人になってから読むこの作品はまた違った見方と発見があるとレビューサイトにも記載される「秀逸作品」との声も高い「こどものおもちゃ」です。子どもの頃に読んだかなというあなたも、これを機会にもう一度手に取られてみて、「大人」の目線での「こどものおもちゃ」はどう響くのかなど、当時の感想と振り返りながら読み比べられてみてはどうでしょうか?

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