親なるもの断崖は実話?衝撃のあらすじと感想をネタバレ紹介【曽根富美子】

「親なるもの断崖」は、1988年から1989年にかけて秋田書店の「月刊ボニーダイブ」で連載されていた曽根富美子の漫画です。1991年に発売された単行本は長らく絶版状態が続いていましたが、2015年に電子書籍で再版されると遊郭に売られた少女たちの悲哀を描いた物語が反響を呼び、書籍版の再版も行われました。この記事では、「親なるもの断崖」のあらすじと読んだ人の感想をネタバレ紹介し、この物語は実話なのかという疑問の真相にも迫ります。

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目次

  1. 親なるもの断崖は実話?あらすじや感想をネタバレ紹介!
  2. 親なるもの断崖とは?
  3. 親なるもの断崖のあらすじをネタバレ紹介!
  4. 親なるもの断崖の結末をネタバレ紹介!
  5. 親なるもの断崖は実話だったのか?
  6. 親なるもの断崖を読んだ人の感想とは?
  7. 親なるもの断崖は実話ではないが素晴らしい物語だった!

親なるもの断崖は実話?あらすじや感想をネタバレ紹介!

2015年に配信された電子書籍版で注目を集めた漫画「親なるもの断崖」。「たった25円で売られた友達」、「自ら女郎に下った醜女の幼馴染」といったコピーが踊る衝撃的な広告を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。この記事では、「親なるもの断崖」のあらすじや読んだ人の感想を紹介し、この物語は実話なのかという疑問も検証していきます。

親なるもの断崖とは?

連載は1988年から1989年

「親なるもの断崖」は、1988年から1989年にかけて秋田書店の雑誌「月刊ボニーダイブ」で連載されていた曽根富美子の漫画です。北海道の室蘭にある幕西遊郭を舞台に、親に売られた少女たちの悲哀を描いたこの作品は、1992年に第21回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞しました。1991年に発売された単行本は長らく絶版状態が続いており、2007年に宙出版から文庫版が刊行されましたが、こちらも現在は絶版となっています。

2015年に電子書籍化され、再び注目を浴びる

2015年4月に電子書籍版で再版されると、「親なるもの断崖」はダウンロード数が47万件を超えるほどの注目を集めます。この反響を受けて、2015年7月には宙出版から新装版が刊行されました。さらに現在は単行本未収録の読み切りを収録した特装版も配信されています。

「親なるもの断崖」の作者・曽根富美子とは?

「親なるもの断崖」の原作者である曽根富美子は、北海道室蘭市出身の漫画家です。1975年、「りぼん」の第8回新人漫画賞で佳作第2席に入選し、年末の正月増刊号に掲載された「千聖子」(北原智名義)でデビューを果たしました。当時は高校3年生たっだ曽根は卒業後一度就職するものの、漫画家への夢を捨てきれず1年で退職し、アシスタントを経て20歳の時にサンリオが発行していた雑誌「リリカ」で再デビューしました。

曽根の作品は自閉症児の成長と葛藤を描いた「この星のぬくもり」、児童虐待がテーマの「子どもたち!~今そこにある暴力~」、戦争に傷つけられた女性たちを主人公とする「女が叫ぶとき~戦争という地獄を見た」など重いテーマを扱った作品が多い一方、自身のパート経験を題材にした「レジより愛をこめて~レジノ星子~」のような笑いと涙を誘う作品も発表しています。また、北乃咲喜名義で油絵作家としての活動も行っています。

この記事では、「親なるもの断崖」のあらすじを最後まで解説するとともに、読んだ人の感想や、この物語が実話であるのかという疑問の答えも紹介していきます。

親なるもの断崖のあらすじをネタバレ紹介!

「親なるもの断崖」は2部構成

「親なるもの断崖」は、昭和2(1927)年から昭和9(1934)年を描く第1部(第1話~第8話)と、昭和9(1934)年から終戦後までを描く第2部(第9話~第15話)で構成されています。主人公は梅ですが、梅と一緒に売られてきた武子と道子、娘の道生といったキャラクターにもスポットが当てられ、奥行のあるストーリーになっているとの評価を受けています。ここでは「親なるもの断崖」のあらすじをネタバレ解説していきます。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第1話あらすじ

昭和2(1927)年4月、4人の娘が室蘭の幕西遊郭にある富士楼に売られてきました。まだ雪の残る道の冷たさに足の感覚がなくなりしゃがみこんだ梅を、姉の松恵はおんぶしてやります。それを見た武子は「いいべさァ梅は おらァはじめっから売りもんにされるために親に育てられたんだ」と嘆きますが、松恵は「おめえの評判はこっちの村まで聞こえてたわ ”孝行娘を持つと金になる” ”あすこの親は幸せ者だべ”ってな」と慰めます。

容姿に恵まれない道子は、それを聞いて自分がたった90円でしか売れず、泣きながら「親不孝もの」と繰り返す父の姿を思い出していました。女衒の下田は4人をポロ・チケウ(親である・断崖=地球岬)に連れて行き、室蘭の町を見せて「決して見失うな自分の存在を そして犬死にはするな!」と言います。富士楼に着くと、待ち構えていた女将・お滝は4人の娘の品定めを始めます。

女将は松恵と梅のことは「器量よしの姉妹」、武子のことは「幕西一の芸妓になれるかもしれん」と褒めちぎりますが、道子への評価は「酌婦が女郎がせいぜい」というものでした。16歳の松恵は、その夜から早速客を取らされることになります。梅と道子が番頭に連れて行かれる松恵を見て怯える一方、武子は頭を下げて女将に挨拶をします。それを見た女将は、道子に大成の可能性を感じるのでした。

11歳の梅と道子は、客と女郎の間で何が行われるのか知りませんでした。13歳の武子だけはそれを知っており、梅と道子に教えてやります。その頃、「初見世」で客をとらされた松恵は武子の説明通りのことをされていました。男性経験などあるはずもない松恵は、ショックの余り首を吊って自殺してしまいます。姉の死を哀しむ間もなく松恵の分の借金を背負わされた梅は、松恵の墓を建てるため自ら女郎の道を選びます。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第2話あらすじ

「夕湖」という源氏名で働き出した梅は、瞬く間に人気の女郎となりました。先輩の女郎たちは梅に客を取られて怒る者もいれば、悲惨な境遇に同情を寄せる者もあり、美しく育った梅には「松恵の魂が乗り移っている」と噂します。

武子は半玉(芸妓見習い)として唄や踊りの修行を始めましたが、同じ青森出身の船乗りの男と駆け落ちします。しかし、地球岬で心中しようとしていたところを捕えられ、男は逃げてしまいました。武子を自分の分身のように可愛がっている女将は、武子の一本(一人前の芸妓)のお披露目の準備を進めます。お披露目まで1ヶ月あまりとなったある日、武子は宴の席で倒れてしまいます。

武子は船乗りとの子供を身ごもっていたのです。別室に運ばれた武子はその場で出産しますが、女将は生れた子の首を絞めて殺害してしまいます。その後、「九条」という源氏名と落ちぶれた家の為に売られてきた公家の娘という偽りの出自を与えられた武子は、先輩芸妓の嫌がらせにも耐えて幕西一の人気芸妓となり、民政会の大林盛康という後ろ盾を得ました。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第3話あらすじ

富士楼で下働きをしていた道子は、華やかな装いで賞賛を受ける梅や武子への羨望と、両親に孝行したいという思いから女郎への憧れを捨てきれずにいました。梅は道子の願いで彼女が店に出られるよう掛け合いますが、女将は首を縦に振りません。女将は道子が病気で長くは生きられないことを見抜いていたのです。その後、道子は劣悪な環境の山羊楼に売られていきました。

ある日、梅は足抜け(脱走)の疑いをかけられてしまいます。折檻を受けながら、梅は自分たち女郎は物でしかないのだと実感します。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第4話あらすじ

道子が売られた山羊楼は、あばら家の前に茣蓙を敷いて女郎たちが客引きをするような「女郎のタコ部屋」と呼ばれるような場所でした。しかし、念願叶って女郎となった道子はどんな客も拒まず相手をしてやり、梅や武子とは違った意味で幕西で知れ渡った存在となっていました。

一方、梅は落としたかんざしを届けてくれた学生・中島聡一と恋に落ちました。中島は梅の元に通うようになりますが、手を出そうとはしません。労働者が貧困に喘ぐ現状への怒りや新しい時代への情熱を語る中島に梅は惹かれていきますが、中島は反戦・反政府を掲げる運動家としての顔を持っていました。梅は民政会の実力者・大林を後援者に持つ武子を頼り、手紙を送ります。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第5話あらすじ

梅は下働きの茜から道子の様子を知らされます。病魔に蝕まれた道子は目が見えなくなり、着物を着ることもできず茣蓙を体に巻いているという有様でした。茜は涙を流しながら「あそこは地獄ですだよ」と感想を漏らします。その頃、中島の恩師であり、反政府運動の同志でもあった久光進が妹の光子と共に愛国翼賛会の襲撃を受け、惨殺されるという事件が起こりました。

久光の死を知った中島は、このままでは特別高等警察の手が回るのも時間の問題だと言い、梅は中島と逃げる決意をします。梅は一度中島と別れ、道子を迎えに行きます。2人が店を出てから数時間後、特別高等警察が富士楼に押しかけ家宅捜索を行うと、梅の部屋から久光の原稿が大量に発見されました。梅の部屋が反政府主義者たちの活動拠点として使われていた事を知り、店の者は青ざめました。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第6話あらすじ

もはやまともに動くこともできなくなった道子を引き摺り、梅は地球岬に辿り着きます。しかし、中島は特別高等警察に捕まり拷問を受けます。梅と道子にも捜索の手が及び、道子は梅と間違われてナイフで刺された上、断崖から突き落とされてしまいました。富士楼に連れ戻された梅は、隠し部屋で質の悪い客を取らされることになります。

武子は大林に梅を助けるよう頼みますが、思想犯ばかりはどうにもならないと断られてしまいます。梅は武子に大量の手紙を送っていました。そこには女郎たちの悲惨な暮らしの様子と、「何年……いや何十年後になってもええ おらの手紙を本にして欲しい」という願いが綴られていました。武子は梅の懇願を受け止めた上で、「これからのおまえの生きざまで人間に問え 女の強さを深さを見せつけてやれ」と手紙を燃やしてしまいます。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第7話あらすじ

自分は道子だと言い張り、特別高等警察の手から逃れた梅は隠し部屋で産気づきます。女郎たちは中島の子だと噂しますが、富士楼に連れ戻された時に3人の男から暴行を受けた上、隠し部屋では性器の洗浄ができないため誰の子か分かりません。梅は死んだ赤ん坊を産み、体も元に戻らないうちから再び客を取らされます。そんな梅に、番頭の直吉は身請けの話を持ってきます。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第8話あらすじ

3年後、18歳になった梅は身請けの話を承諾します。中島は1年前に釈放されましたが、拷問の末に右目と左足を失い、一度梅に顔を見せたきり姿を消してしまいました。梅を身請けした大河内茂世は日本製鉄の社員で、梅を妻にと望んでいました。この縁談を勧めたのは武子でした。武子は松恵、道子、そして殺された自分たちの子供、すべての魂を宿す子を産めと梅に告げました。

一方、武子はかねてより計画していた人気芸妓の引き抜きを成功させ、富士楼の乗っ取りを果たします。武子は船乗りの男との心中事件の時、我が子を殺された怨みを忘れていなかったのです。梅は花嫁姿で富士楼を去り、茂世に連れられて大河内家に嫁いでいきました。こうして、梅は女郎生活を終え、茂世の妻として新しい生活を始めることになります。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第9話あらすじ

茂世に嫁いだ梅は、道生という女児を出産しました。しかし、梅の素性を知っている近所の男たちは下卑た視線で大河内家を覗き込みます。茂世の母は梅を罵倒し、祖母は何度も首を吊っては一緒に暮らせないと泣き叫ぶため、茂世と梅は道生を連れて家を出ました。茂世と梅は道生に愛情を注ぎ、大切に育てていましたが、ある時梅は道生が近所の子供とその親たちに服を脱がされいじめられている現場を目撃します。

怒りで我を忘れた梅は、持っていた鎌で子供に怪我を負わせてしまいます。そのことで梅は周囲から激しく非難され、嫌がらせを受けるようになりました。「母親が女郎だから子供がいじめられる」という言葉が胸に突き刺さった梅は、道生を置いて大河内家を出ていきます。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第10話あらすじ

梅が出て行った後、道生は大河内家で祖母に育てられました。梅には辛くあたっていた祖母ですが、孫には優しく、道生は男勝りな少女に育ちます。ある日、友達と遊んでいた道生は幕西遊郭に足を踏み入れ、一人の芸妓と出会います。道生が名乗ると、芸妓は道生の素性に気付き、「お前がお梅を殺した」と言いました。その芸妓は武子でした。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第11話あらすじ

第二次世界大戦の戦況は芳しくなく、室蘭からも毎日のように青年たちが出征していきました。親子が離れ離れになり、人間が可哀相になってしまう戦争を賛美する世間に疑問を持つ道生は、祖母の前でそれを口にしてしまいます。祖母は激怒しますが、道生は母のことを知りたいと言います。それを聞いていた父は、梅が11歳で幕西遊郭に売られてきたことから中島との恋まで、全てを話すのでした。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第12話あらすじ

昭和17(1942)年4月、道生は尋常小学校へ進学しますが、そこでも同級生に女郎の子であることをからかわれ、喧嘩になってしまいます。先生は道生を職員室に呼び出し、「世界をひとつにする戦争の真っ只中で非国民扱いされたら生きていけない」と説きます。やがてその先生も徴兵され、道生たちは日の丸を振って送り出します。先生は「お前が持っているのが一番いい」と言って、兄の遺品である梅の写真をくれました。

戦況はますます悪化し、金品はおろか祖母の金歯まで供出させられる事態となっていました。ある日、大河内家に兵士の防寒具にするため飼い犬・チロの召集令状が届けられます。道生は抵抗し、説得する祖母を「母さんのことも大河内家のために捨てた」と責めます。祖母は激怒しますが、内心では道生のために梅を追い出すしかなかったことに苦しんでいました。道生はチロを逃がしますが、チロはすぐに捕まり殺されてしまいました。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第13話あらすじ

チロを連れて行かせまいと抵抗する道生は、兵隊に突き飛ばされて気絶してしまいます。そんな道生を助けたのは中島でした。中島は断崖の洞穴に道生を運び介抱します。道生が目を覚ますと、そこには武子もいました。道生が母のことを尋ねると、武子は梅が別で温泉卵を売って生きていると言い、「おまえを見守っている人達のことを決して忘れるな」と伝えます。家に戻った道生は、父に「いつかきっと母さんに会えるよね」と呟きます。

「親なるもの断崖」ネタバレ 第14話あらすじ

昭和20(1945)年7月、室蘭も空襲を受け、道生が用を足すため外に出た間に防空壕の入り口が瓦礫で塞がれてしまいます。道生は無事でしたが、祖母は生き埋めになり怪我を負っていました。道生は避難所まで祖母を運びますが、「私の命と引き換えにしたって生かしてやるわ!」という言葉を遺して亡くなってしまいます。駆けつけた父に道生は祖母が死んだことを伝え、もう戦争なんて嫌だと泣き崩れるのでした。

親なるもの断崖の結末をネタバレ紹介!

「親なるもの断崖」ネタバレ 第15話(最終話)あらすじ

終戦から12年が過ぎた昭和33(1958)年、幕西遊郭は前年に施行された売春防止法によりその歴史に幕を下ろしました。22歳になり小学校の先生になった道生は、幼馴染の田中つぐじに嫁ぐ日を迎えます。その前夜、父と二人きりになった道生は、育ててくれたことへの感謝と、何も知らず母のことで父を責めた謝罪を口にします。

梅は道生が中学生の頃には既に亡くなっており、当時梅と暮らしていた見ず知らずの姉妹は梅のたった一つの持ち物だった道生のへその緒を届けてくれました。その時から道生は父を責めたことをずっと悔やんでいたのです。父に見送られ嫁いでから10数年後、ポロ・チケウには4人の子供たちにその言い伝えを教える道生の姿がありました。

親なるもの断崖は実話だったのか?

「親なるもの断崖」は史実に基づいたフィクション

「親なるもの断崖」を読んだ人の中には、この物語は実話なのだろうかという感想を抱く人が多いようです。これについて、作者の曽根富美子はITmediaに掲載されたインタビューの中で「史実に関しては実際のものをベースとしています。ただ、キャラクターやセリフは9割方フィクションですね」と答えています。「親なるもの断崖」は、史実を元にしたフィクションであると考えるのが適当と言えるようです。

「親なるもの断崖」は実話ではないが、限りなく実話に近い

「親なるもの断崖」は実話ではありませんが、時代背景や舞台となった室蘭の風景は再現されています。作者の曽根は「親なるもの断崖」を描くにあたって11冊もの資料を参考にしており、このような時代考証の緻密さが「この物語は実話なのか?」という感想を抱かせる要因となったようです。ここでは、「親なるもの断崖」のストーリーが限りなく実話に近い根拠として、当時の世相を簡単に解説します。

梅の夫となった大河内茂世の務める日本製鉄は、昭和9(1934)年に複数の製鉄会社(製鉄所)を合同し発足しました。「親なるもの断崖」に登場する室蘭の製鉄所もその一つで、全身は北海道炭鉱汽船の輪西製鉄場でした。この背景には日露戦争以降高まった鉄の需要があり、室蘭にも沢山の労働者が集いました。しかし、茂世のようなエリートは一握りで、多くの人々は過酷な労働を強いられていました。

幕西遊郭に来る男たちの中には、そのような労働者も多くいたようです。女郎たちもまた一日に十人以上の客の相手をさせられ、病気になったり望まぬ妊娠をしても医者にかかることもできず、逃げ出して捕まれば激しい折檻が待っているという現実がありました。「親なるもの断崖」にはそんな人々の姿がまざまざと描かれており、実話でないとはいえ実話であってもおかしくないという感想を抱かせます。

親なるもの断崖を読んだ人の感想とは?

「親なるもの断崖」感想 ①誰の立場になっても辛い

「親なるもの断崖」の感想として「辛い」というものがあげられるのは自然なことでしょう。梅たち女郎はもちろん、それを取り巻く人々の生活や心情も描写されていますが、過酷な現実に苦しめられていない者はおらず、「誰の立場になっても辛い」との感想も見られました。

「親なるもの断崖」感想 ②女性史の名作

親に売られ、女郎として生きる他になかった女性の苦しみを生々しく描いた「親なるもの断崖」は「女性史の名作」との評価も受けています。学会での発表や論文で取り上げたという声もあり、学術的な観点から見ても優れた作品と言えるようです。

「親なるもの断崖」感想 ③足の重みが変わる

北海道を舞台にした作品としては「ゴールデンカムイ」も人気で、そこから北海道の歴史に興味を持つ人も少なくないようです。「親なるもの断崖」と「ゴールデンカムイ」では作風もテーマも大きく異なりますが、それぞれ違った切り口で北海道の文化や歴史を伝えてくれる作品として高い評価を受けており、「北の大地を踏みしめる足の重みが変わってくる」という感想を持つ人もいました。

親なるもの断崖は実話ではないが素晴らしい物語だった!

「親なるもの断崖」は実話ではありませんが、実話であってもおかしくないくらいのリアリティを持って女郎として生きるしかなかった女性の悲惨さを語り掛けてくる物語です。決して明るい話ではなく「辛い」という感想も少なくありませんが、この記事では紹介しきれなかった女郎を取り巻く人々の心境や生活まで描写されているので、一度「親なるもの断崖」を読んで戦争や人間の生について考えてみるのも良いのではないでしょうか。

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