ヒメアノ~ルの漫画をネタバレ解説!最後の結末や実写映画との比較・違いまとめ

「ヒメアノ〜ル」の漫画は古谷実によって2008年から2010年にかけて週刊ヤングマガジンにて連載されました。今回はそんな「ヒメアノ〜ル」の漫画についてあらすじや結末のネタバレ付き解説、読者の感想といった様々な角度から徹底調査していきます!また、2016年に森田剛主演で公開された映画版「ヒメアノ〜ル」との違いについても載せていきます。ネタバレを含みますのでこれから漫画を読むという方はご注意ください。

ヒメアノ~ルの漫画をネタバレ解説!最後の結末や実写映画との比較・違いまとめのイメージ

目次

  1. ヒメアノ〜ルの漫画について徹底調査!
  2. ヒメアノ〜ルとは?
  3. ヒメアノ〜ルの漫画の最後の結末をネタバレ解説!
  4. ヒメアノ〜ルの漫画と実写映画の違いを比較!
  5. ヒメアノ〜ルの漫画の感想や評価を紹介!
  6. ヒメアノ〜ルの漫画ネタバレまとめ!

ヒメアノ〜ルの漫画について徹底調査!

「ヒメアノ〜ル」は2008年から2010年にかけて週刊ヤングマガジンにて連載された古谷実の漫画で、単行本は全6巻発刊されています。「わにとかげぎす」以来、1年振りの連載となりました。また、2016年にV6の森田剛の映画初主演作品となったことでも話題となりました。全くの別物という「ヒメアノ〜ル」の漫画と映画の最後の結末についてもネタバレありで解説していきます。

ヒメアノ〜ルとは?

清掃会社でパートとして働く冴えない主人公、岡田進。ある日同僚の安藤勇次に想いを寄せるカフェ店員の阿部ユカとの仲を取り持つように頼まれます。安藤の手助けのためにユカに話しかけていた岡田でしたが、いつしかユカと仲良くなってしまいます。

そんな時、岡田はユカの働くカフェで高校の同級生である森田正一と再会します。森田がユカのストーカーをしていることを知り不安になった岡田でしたが、ユカと付き合うことになり幸せな日々を送ります。しかし裏ではサイコキラーとなった森田が突発的で理不尽な殺人を繰り返していました。そしてそんな森田の魔の手がユカにも忍び寄っていました。

作者は古谷実!

「ヒメアノ〜ル」の作者である古谷実についてご紹介します。古谷実は埼玉県浦和市(現さいたま市)の出身で、埼玉第一高校(現開智高校)を卒業しています。中学時代は卓球部、高校時代はラグビー部に所属していました。その後、ハリウッド美容専門学校に進み、漫画家になる前に1年間美容師として働いていたこともある異色の経歴の持ち主です。

漫画家としては1993年に「週刊ヤングマガジン」でギャグ漫画の「行け!稲中卓球部」でデビューしました。こちらの作品は大ヒットし、アニメ化もされています。2001年から2002年にかけて「週刊ヤングマガジン」で連載した「ヒミズ」ではギャグ要素を完全に排除し、サスペンスホラー漫画となっています。

ヒメアノ〜ルの意味は?

漫画のタイトルとなっている「ヒメアノ〜ル」という言葉は普段あまり聞きなれないですが、いったいどんな意味があり、どんな思いが込められているのでしょうか?造語であるこの言葉について、詳しく解説していきます!

アノールとはイグアナ科アノール属に含まれるトカゲの総称のことを指します。つまりヒメアノ〜ルとはヒメトカゲを指す造語ということになります。また、ヒメトカゲは体長10cmほどで猛禽類の餌になることもあり、このことから「ヒメアノ〜ル」とは「強者の餌となる弱者」を意味するといえます。

ヒメアノ〜ルの漫画の登場人物

まずは主人公の岡田進です。清掃会社のパートとして働いていますが、上の画像に書いてある通り何もない平凡な毎日に不満や不安を感じています。その不安を同僚の安藤に相談し、ユカと出会うことで平凡な彼の日常は大きく変わっていくこととなります。また、ユカのストーカーである森田は高校の同級生です。

続いて岡田の同僚の安藤勇次です。岡田の仕事以外の時間は何をしているのかという質問に対し「恋をしている」と答えるほど、カフェ店員のユカに惚れています。そのユカへの恋心を成就させるために岡田に協力を求めますが、ユカは安藤に見向きもしません。しかし、そんな安藤にも彼を運命の人だという人物が現れ、新たな恋が訪れます!

続いて「ヒメアノ〜ル」の漫画のヒロインでもある阿部ユカをご紹介します。茶髪の美人でカフェで働いており、その店の客でもある安藤に惚れられています。森田にストーカーされていることをきっかけに、安藤や岡田と接点を持つようになります。そして、実は岡田のことが気になっています。

そしてこの物語のキーパーソンである森田正一です。学生時代に壮絶ないじめを受けていた経験を持ちます。人の首を絞めて殺すことで性的興奮を得るサイコキラーで、自分が邪魔だと思った人間はすぐに殺してしまいます。ユカに異常に執着し、週に何回もユカの働くカフェに行ったり家を訪ねたりしてなんとか殺そうと試みています。

最後に「ヒメアノ〜ル」の漫画では5巻で初登場する高橋健です。売れない漫画家で、喫茶店で漫画を描いていたところバレバレの変装をしながらユカを監視する森田を見つけ、興味を持ち尾行します。その後も勉強と称して森田の正体を暴こうと独自で調査を進めていきます。

ヒメアノ〜ルの漫画の最後の結末をネタバレ解説!

森田に目をつけられた岡田とユカはどうなったのか?殺人を繰り返す森田は物語の結末でどのような最後を迎えることになるのか?ここからは「ヒメアノ〜ル」の漫画の結末をネタバレありで解説していきます!

森田はサイコキラーのため、人を殺すことに抵抗を感じないどころか、首を絞めることに関しては性的興奮をしていることが描かれています。そのため、自分の行動の邪魔になるものは殺してしまいます。ここでは物語の終盤で森田が殺害を計画した人々をネタバレしつつ紹介していきます。

岡田の殺害を計画!

ユカを狙う森田ですが、そのためにはユカを守ろうとする岡田が邪魔になり殺そうとします。警察に自分がこれまで犯してきた罪がばれていることに勘づき、早く手を打つ必要があると考えました。森田は岡田のアパートの部屋の前に立ち、ナイフを片手に持ってドアをノックします。しかし、岡田はこの時まだ外出中でスーパーにいたため、命拾いすることができました。

ユカの殺害を計画!

「ヒメアノ〜ル」の漫画の6巻で森田は当初からの目的であるユカの殺害を達成しようと、あの手この手でユカに近づこうと試みます。6巻ではユカを仕留めるためには手段をいとわない森田の様子が描かれています。

森田はついにユカに直接接触するためにユカが働くカフェを訪ねます。しかし、ユカの姿はありませんでした。代わりにユカの家も訪ねますが、ここにもユカの姿はありません。諦めきれない森田は、再びユカの家に向かいます。ここでも会うことができなかったため隣に住む男性を殺害し、その部屋で待ち伏せすることにしたのです。しかしユカはその間に引っ越してしまったため、結局殺すことはできませんでした。

高橋の殺害を計画!

森田を独自に追いかけていた高橋は根性なしの自分から変わるために森田に喫茶店で声をかけます。森田の目の前で警察に通報するも取り合ってもらえず、店を出た森田を追いかけ二人は人気のない夜の公園で対決することになります。高橋は少年野球のバットで森田と戦おうとしますが、拳銃を持っていた森田に撃たれあっけなく殺され、側溝に埋められてしまいました。

森田の絶望

森田は中学時代に自分が「フツーじゃない」ことに気づき、涙を流し悔しくて死にたくなったと語っています。つまり森田は頭のどこかでは自分の行動の異常性に気づき、悩んでいたことになるのです。また、この「普通」という言葉は「ヒメアノ〜ル」の漫画の一つのテーマでもあります。普通の日々に不満を抱く岡田と普通にはなれない森田は実は対比されていたのです。

漫画版の物語の結末

警察に声をかけられ、涙を流す森田が描かれています。夢で医者に「フツー」の人間に戻れるか聞いたり、中学時代の絶望を思い出したりしていたことからも、やはり森田は自分がフツーではないことに悩んでいたと考えられます。最後に泣いていたのは警察に捕まることで、自分の行動が止められるという安堵もあったのかもしれません。

ヒメアノ〜ルの漫画と実写映画の違いを比較!

2016年に公開された「ヒメアノ〜ル」の映画ですが、原作とは違う最後の結末やキャストのリアルな演技が話題となりました。イタリアの「ウディネ・ファーイースト映画祭」でも公式上映されています。ここでは映画の登場人物や「ヒメアノ〜ル」の漫画と映画の違いをネタバレありでご紹介します!

登場人物

岡田を演じたのは濱田岳です。漫画では細くてひょろっとしたイメージでしたが、監督の吉田恵輔も彼の演技をパーフェクトだと絶賛するほどのはまり役でした。安藤役のムロツヨシとは10年来の友人だそうで、岡田と安藤の距離感や仲のいい演技もとても自然なものとなっています。

続いて安藤勇次を演じたのはムロツヨシです。映画の予告では「キモイ先輩」と紹介されていますが、映画でも絶妙にその「キモさ」がふんだんに出ています。

ちなみに話題になった安藤の超個性的な髪形ですが、こちらのツイートにもあるように地毛だそうです。体を張ったムロツヨシに対し、「面白い」「役者魂がすごい」などと絶賛するコメントが多く見られました。

阿部ユカを演じたのは佐津川愛美です。漫画ではきれいで大人っぽい印象を受けますが、映画では監督の希望で可愛らしいタイプに変わっています。天然で小悪魔な「男子の理想」を表現したキャラクターとなっています。映画では大胆な濡れ場も話題となりました。

そして、森田正一を演じたのは映画初主演となった森田剛です。「ヒメアノ〜ル」の漫画で森田正一は25歳の設定ですが、彼を演じられるのは森田剛しかいないと当時37歳でキャスティングされました。サイコキラーというハードな役どころだったため、撮影の合間にペットショップに通って癒されることで気持ちを落ち着かせていたそうです。

映画版のラスト

漫画の最後の結末は過去を思い出す夢を見ていたところで警察に声をかけられ、安堵からか涙を流す森田で終わっていました。では、全く異なるという映画版「ヒメアノ〜ル」はどのような最後だったのでしょうか?ネタバレありで比較していきます。

「ヒメアノ〜ル」の漫画では岡田とユカが直接危害を加えられることはありませんでしたが、映画では岡田の家で待ち伏せしていた森田に先に帰宅したユカが襲いかかられます。母からの電話で森田らしき男が実家に電話して岡田の自宅の場所を聞き出していたことが判明します。嫌な予感がした岡田が通報し、急いで帰宅すると下着姿にされたユカと森田がもみ合っていました。

もみ合っていた岡田と森田ですが、窓を突き破って外に投げ出されます。二人とも怪我を負っていましたが外に警察が来ていたため、森田は岡田を人質に車に乗って逃走します。岡田に過去のことを問われ、動揺した森田は前方から目を逸らします。目の前に犬とその飼い主がいることに気づき、慌ててハンドルを切りますが電柱に激突します。昔飼っていた犬と同じ種類の犬ははねられなかったのです。

事故から少しして森田は事故の衝撃なのか、記憶が高校時代に戻り借りていたゲームを探し始めます。その後警察が追いつき、森田を車から出します。片方の足を失った森田ですが、穏やかな笑みを浮かべ「また遊びに来てよ」と無邪気な声で森田に語りかけます。そして、森田の家でゲームをして遊ぶ高校時代の森田と岡田のシーンで映画は終わりを迎えます。

漫画のラストは夢で森田が中学時代に自分が普通ではないことに気づいて絶望したことを思い出した後、警官に声をかけられて完結しました。しかし、映画版では森田は元々サイコキラーだったわけではなく、警察に捕まった際には過去の優しかった森田に戻っていたことから救いのある最後となっています。このように漫画と映画では最後が大きく違うことが分かります。

ヒメアノ〜ルの漫画の感想や評価を紹介!

ラストシーンや笑いと恐怖が融合した構成はとても話題になりました。中でもラストシーンはファンの間でも賛否が分かれる内容となっています。ここからは「ヒメアノ〜ル」の漫画を読んだ人の感想をネタバレも交えつつ、好評と不評に分けて紹介していきたいと思います。

好評の感想

「ヒメアノ〜ル」の漫画の最初で岡田は平凡な毎日に不安や焦りを抱いているシーンが描かれています。しかし、森田と再会したことで様々な事件に巻き込まれ、物語の最後の方では「平凡な毎日を手に入れること」が夢になったと語っています。そのため、岡田と同じような悩みを抱えている人が読むことで考えさせられることがあるのではないか、という感想がありました。

岡田と安藤の掛け合いは緊張感のあるシーンも多い「ヒメアノ〜ル」の中で人気でした。作者の古谷実は元々「行け!稲中卓球部」のようなギャグ漫画も描いていたので、笑えるシーンも非常にレベルの高い漫画となっています。

賛否両論のラストシーンですが、すっきりしない読後感が良いと感じる人もいたようです。森田が自分の異常性に絶望するシーンから警察に捕まるまではかなりあっけないものでしたが、それも古谷実の良さの一つだという感想も多く見受けられました。

不評の感想

5巻で安藤には新しい彼女ができますが、その彼女をめぐる安藤を主軸とした話が5巻全体の4割以上を占めます。「ヒメアノ〜ル」は全6巻なので終盤で主人公でもキーパーソンでもない安藤の話を長々と描くと間延びしてしまうという感想を持った読者もいたようです。

「ヒメアノ〜ル」で不評の意見のほとんどが結末のあっけなさや唐突さを指摘したものでした。これで終わってしまうのかという驚きの感想も数多くありました。

岡田とユカのその後や安藤の彼女の話など、エピソードが途中で終わってしまったように感じるという感想もありました。そういった点でも物語の結末に納得がいかないと思われているようです。

ヒメアノ〜ルの漫画ネタバレまとめ!

「ヒメアノ〜ル」の漫画についてネタバレを交えながらあらすじや登場人物、結末などを紹介してきました。また、映画との比較や漫画を読んだ人の感想などについても紹介しました。読者の感想や映画を観た上で漫画を読んでみるとより楽しむことができます。

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