ふたつのスピカは隠れた名作？アニメのあらすじ・登場人物や原作漫画も紹介

名作とまで言われているふたつのスピカ。2001年に連載がスタートし、2003年にはNHKでアニメ化、2006年にはテレビドラマ化まで果たしています。

様々なノベライズをしているふたつのスピカ、アニメ化される際に登場人物がアニメに合わせて変わっている他、アニメ版ふたつのスピカの結末はアニメオリジナルとなっています。そんなふたつのスピカの魅力はどのような点でしょうか？今回はふたつのスピカのあらすじや面白い点、見どころなどをまとめていきます。

「宇宙」が主軸になっているふたつのスピカ。この原作者である柳沼行は19～20歳頃に有名雑誌「週刊少年ジャンプ」に応募し、審査員特別賞を受賞するなど漫画家としての道を歩んでいきます。その後も漫画を描き続け「ビジネスジャンプ」と「コミックフラッパー」に応募、ビジネスジャンプでは佳作をとる優秀な結果を残しますが、コミックフラッパーは最終選考で落ちてしまう惜しい結果となってしまいました。

しかし、漫画家としての才能を見出されふたつの雑誌から担当がつくことになり、迷った末に自身の執筆速度を鑑みて月刊であるコミックフラッパーでの執筆活動を開始します。そして2000年に始めての商業誌デビュー作「2015年の打ち上げ花火」で人気を博し、漫画家柳沼行の名前が有名になっていきます。そして、「2015年の打ち上げ花火」の舞台を受け継いだ「ふたつのスピカ」の連載が2001年から始まり話題になります。

ふたつのスピカが絶大な人気を誇り、現在でも多くのファンがこの作品を支えています。この柳沼行が描く作品は繊細な描写が多く取り入れられ読む人すべてを魅了していきます。衝撃的な点は、漫画家柳沼行は生まれつき聴覚に障害を持っており、聞こえないわけではないですがかなり聞き取りづらいと語っています。その上、アシスタントの経験をせずに漫画家になるという異例があり、自身のこともありアシスタントは取っていません。

ふたつのスピカのあらすじや見どころを紹介する前に、登場人物について紹介していきます。ふたつのスピカには様々な個性を持った登場人物がストーリーを盛り上げていきます。

ファンから意外とされるポイントは神奈川県鎌倉市唯ヶ浜出身（由比ヶ浜）が多く登場するところです。主人公の鴨川アスミは唯ヶ浜出身で宇宙飛行士、それもロケットの運転手になることを夢見て東京宇宙学校に入学し日々邁進していました。身長が平均より低いですが身体能力はかなり高く、足の速さと持久力は宇宙飛行士コースで1位を誇っています。

アスミが幼い頃にロケット獅子号の墜落事故に遭遇し、母親を失いアスミ自身も左腕の握力がなくなる後遺症を患ってしまいます。しかし、後述するライオンさんに日々の地道なトレーニングを勧められそれを実践、中学生になるころにはクルミを割れるほどの握力がつき後遺症を克服したのです。宇宙に対する悲しい思いも強いですが、逆に宇宙に行ってみたいという思いは誰よりも強いのです。そのため日々鍛錬を怠りません。

ふたつのスピカの重要な役割をしている登場人物、ライオンさん。フルネームは明かされていませんが獅子号に乗っていた宇宙飛行士、または幽霊？とも言われています。そしてアスミと同じ唯ヶ浜出身、これも登場人物に関係する要素になってきます。宇宙飛行士になるために血が滲むほどの努力と偶然が重なり獅子号に選ばれますが、幸か不幸かそれが墜落し死んでしまいます。そして、幽霊となって各地を転々と放浪しています。

幽霊になった理由として、現世に未練を残したことにより幽霊となってしまったと言われています。ライオンさんと名付けたのはアスミであり、アスミと出会う前まで名前などなく放浪していたそう。幽霊でも物に触れることはできるため様々な形で宇宙飛行士を目指すアスミのトレーニングの手伝いをしています。謎が多い登場人物となっていますが宇宙飛行士の経験を活かしてアスミ達の手伝いをしてくれる心優しいライオンさん。

ここからはあらすじを紹介します。ふたつのスピカの始まりは日本で初めて打ち上げられた有人ロケット「獅子号」が打ち上げられました。様々な期待を背負って宇宙に旅立とうとした獅子号でしたが打ち上げ直後に謎の原因により操作不能に陥り唯ヶ浜に墜落し、乗員が全員死んでしまい街にも多大な被害を及ぼしてしまいました。その被害を受けた住人の中に今作の主人公である鴨川アスミとその家族も受けていたのです。

そして、何とか一命を取り留めたアスミですが…。後遺症を残す大怪我を負ったアスミ、しかし何とか一命は取り留めました。ですが、一緒に巻き添えとなった母親は意識が戻らずかなり重篤な状態となってしまいます。目を覚ましてほしいと願うアスミの思いも虚しく意識を失って5年の月日が経ち、母親はこの世を去ってしまうのです。

母親の葬式の日にアスミは母親の遺骨を持って向かう途中、ライオンの被り物をしている奇妙な人と出会います。何とその人は獅子号のパイロットでした。ライオンさんは死んだあと、この世にまだ未練があるため幽霊となって各地を放浪していたそう。姿を見られたことは今までなく、アスミが初めてというライオンさん。この出会いは偶然ではなく運命だったのかもしれません。

アスミはライオンさんと話しているうちに気が合い、ライオンさんはアスミについていくことにしたのです。そして、ライオンさんから宇宙のことを聞かせてもらったアスミは次第に宇宙に惹かれていきます。そして、ライオンさんの願いを受け継ぎアスミは「ライオンさんを宇宙に連れて行ってあげる」と約束したのです。ここから宇宙を目指す物語が幕を開けます。

アスミは中学を卒業して新しく新設された宇宙飛行士を養成する高校「東京宇宙学校」に様々な関門を突破し入学を果たします。その学校は宇宙飛行士を目指して努力してきた人がたくさんおり、同じ夢を持った者同士気が合い、アスミはライオンさん、幼馴染以外の友達を得ます。

明るくおせっかいなところが玉に瑕ですがムードメーカー的な存在である近江圭、アスミの幼馴染でアスミのことが心配で一緒に東京宇宙学校についてきた府中野新之介、通称ふっちー。過去の暗い経験を持っており、他人との関りを自分から避けていた宇喜多万里香。色々なタイプの友達ができ訓練も互いに支えあって乗り越え充実な訓練生活を送っていました。その友達と宇宙に絶対行くと約束もし結束も固くなりました。

ふたつのスピカのあらすじを紹介する上で、決して無視できない存在とされるライオンさん。とある事情でアスミとライオンさんの二人は東京から唯ヶ浜に戻ってきます。

久しぶりに帰ってきたため郵便物がたくさんポストに詰まっていました。その中に一つ、衝撃的な手紙が入っていました。内容はアスミの小学生の頃の担任だった鈴成が結婚するという内容でした。その手紙を見て涙を流したのは、何とライオンさんだったのです。ライオンさんが死ぬ前に付き合っていた女性であり幽霊になる一因ともなっていたのです。

獅子号に乗る前にプロポーズをするつもりだったライオンさんですが、照れてしまい、獅子号のキーホルダーを渡すだけで何も言わなかったのです。そして、獅子号が墜落しライオンさんは死んでしまいます。そのことを背負い続けてほしくなかったライオンさんは、鈴成が雨に進んでいることを知り泣いてしまったのです。過去の未練を断ち切ったライオンさんを見てアスミも決意を固め、唯ヶ浜から東京に帰っていきました。

ふたつのスピカも佳境に入り、色々と厳しい訓練を受けながらも仲間と共に成し遂げていくアスミ達。そんな時、かなり厳しい訓練が幕を開けます。それはサバイバル訓練だったのです。4日分の食料と水が与えられ1週間以内に目的のポイントにたどり着かなければいけないという、今までの訓練の集大成とも言える訓練となっています。いつも周りに仲間がいたアスミにとって孤独というのは久しく、心細くなっていき泣いてしまいます。

それでも前に進み続けるアスミ。朝になり煙があちこちに上がっていることに気づきアスミは一人で頑張っているんじゃない、他の仲間も頑張っていることを知り、再び走り出します。しかし、マリカにとってはいつ死ぬかも分からない身体、訓練中に吐血してしまい動けなくなってしまいます。しかし、アスミ達と約束したことを糧に必死に前へと進み、ゴールにたどり着くのでした。一方ライオンさんはマリカを見て思うことがありました。

ライオンさんは唯ヶ浜のとある森にいました。そして探していたものを見つけたのです。それは昔、ライオンさんが少年だった頃に自身で作ったロケット「オリオン2号」そして、小さい頃にライオンさんとマリカは会っていて宇宙について話していたのです。苔の下に隠れていた文字「オリオン2号　らいおんさん　マリカ」今宇宙を目指して頑張っているマリカは昔に会ったまりかだったのです。

ライオンさんと二人で約束をしていたマリカ。その約束を果たすためにいつ死ぬかもわからない身体に鞭を打って訓練に臨んでいたのです。さらに苔を払うとマリカの確か意志で強く「宇宙へ」そう一言書かれていたのです。ライオンさんとの関係はどうなるのでしょうか？アニメ版ふたつのスピカでは明かされていませんので気になった方はぜひ漫画の方を読んでみてください。そしてふたつのスピカは最終回を迎えます。

ゴールについたアスミは圭たちと喜びましたがマリカがまだゴールしていないことを知り探しに行きました。その途中、血の跡を見つけすぐにマリカのものだと悟ったアスミはひたすらマリカを探します。ケイ達も後を追って探しますがアスミとマリカは見つかりません。そしてしばらくしマリカがテントの方にやってきてアスミが森の中にマリカのことを探しに行ったと聞きマリカも探しに行ったのです。

見つからず倒れてしまったアスミ。そして傍らにはライオンさんが佇んでいました。そして、ライオンさんの特技であるハーモニカを吹き始め、それを聞いたアスミは不思議と宇宙を感じたのです。そして仲間たちと協力し脱出、ふたつのスピカは幕を閉じました。

アニメの方ではアスミ達が宇宙に行ったのかなどは語られませんが、それまでの苦労と仲間たちとの絆、そして夢を諦めないという姿勢を主軸に語られています。これがふたつのスピカのあらすじとなります。

ここまでで、ふたつのスピカのあらすじを紹介しました。ここからは、ふたつのスピカの作品をオープニングテーマについて紹介します。

ふたつのスピカの作品をオープニングテーマである「Venus Say」この曲もふたつのスピカを盛り上げる重要な役割を果たしており、聞いた人たちも曲に魅了されたと感想を残しています。歌詞もとても綺麗で表現されており「宇宙」というテーマにぴったりとはまっています。またこの「Venus Say」にはカップリング曲「鯨」も存在しており、この二つはとても関連性がありどちらを聞いても心が落ち着くと話題になっています。

昔懐かしい思いを感じさせてくれると評判のふたつのスピカ。一癖も二癖のある登場人物で物語が展開していき目が離せない作品と言われていますが、アニメ版ふたつのスピカを見た人はどのような感想を抱いたのでしょうか？

その感想や評価などをまとめていきます。一番多く感想に残されているのがアスミやマリカといった登場人物が夢に向かって一生懸命に頑張っている所に心打たれたという人が多く見受けられました。

アスミは大系が小さいながらもライオンさんに訓練を付けてもらったことにより持久力や宇宙に対する知識や勉強ができるようになりますが、英語だけはどうしても苦手のままでした。その努力している点や苦手に対して四苦八苦しているアスミのひたむきな姿に感動、可愛いと思った方も多いと言われています。謎の登場人物のライオンさんもインパクトがかなり強く、素顔がいつか明かされるのではないかと注目が集まっています。

さらにこのふたつのスピカを見た方はライオンさんが主人公とも言えるのでは？と考察する方もいます。ライオンさんの謎の雰囲気に興味を惹かれる方が後を絶たない作品となっています。他にも過去に悲惨な経験をしてしまったマリカも人気を集めています。ツンデレと評価されるマリカも登場時はかなりきつめの性格をしていましたが、アスミ達と関わっていくうちに徐々に内面の可愛さがみられるのもふたつのスピカの見どころです。

今回はふたつのスピカのあらすじや面白い点、見どころなどをまとめました。昔の漫画ですが今も根強い人気を誇り漫画を読むとかならず感動できるとまで言われているふたつのスピカ。登場人物も個性豊かで見ていて飽きない漫画と言われています。

宇宙というテーマで少年少女が努力し、時に協力し同じ夢に向かって頑張る姿が魅力のふたつのスピカ。ライオンさんが幽霊になった理由やアスミが宇宙を目指そうと思ったきっかけなど知れば涙する漫画と言われていますので、今回のあらすじ等を読んで気になった方や、まだ読んだことない方はぜひご一読を。