とりかえ・ばやをネタバレ紹介!最終回までのあらすじや感想まとめ

平安時代に書かれた『とりかへばや物語』をコミカライズし、その驚きの内容と作画の綺麗さで話題となったさいとうちほ作の『とりかえ・ばや』。当時の時代背景に忠実な作画と姉弟の波乱万丈な人生を美しく描ききったことで評価されている本作。この記事では『とりかえ・ばや』のあらすじをネタバレを含めて紹介し、見た人の感想と評価もネタバレ紹介しています。最終回を迎えた本作のあらすじやネタバレを多く含んでいるので未読の方は注意してください。

とりかえ・ばやをネタバレ紹介!最終回までのあらすじや感想まとめのイメージ

目次

  1. とりかえ・ばやをあらすじから最終回までネタバレ!見た人の感想は?
  2. とりかえ・ばやとは?
  3. とりかえ・ばやのあらすじをネタバレ解説!
  4. とりかえ・ばやの最終回をネタバレ解説!
  5. とりかえ・ばやを見た人の感想をネタバレ紹介!
  6. とりかえ・ばやのネタバレまとめ

とりかえ・ばやをあらすじから最終回までネタバレ!見た人の感想は?

漫画家であるさいとうちほさんの名作平安時代×男女逆転物語として有名な『とりかえ・ばや』。二転三転するストーリーを一巻から最終巻まで順に、ネタバレも含めてあらすじを解説していきます。また『とりかえ・ばや』をすでに読んだ人の感想もネタバレして紹介していきます。まだ原作を読んでいない方はネタバレに注意してください。

「とりかえ・ばや」さいとうちほ

とりかえ・ばやとは?

『とりかえ・ばや』の内容と感想をネタバレする前に本作についてのあらすじと解説をしていきます。

『とりかえ・ばや』とはさいとうちほさんによる平安時代をテーマにした少女漫画作品。原作は平安時代末期に書かれた作者不明の『とりかへばや物語』で、これをコミカライズしたものが『とりかえ・ばや』になります。月刊フラワーズにて2012年9月号から2018年1月号まで連載されていました。現在は完結しており、単行本は全13巻出版されています。

忠実に描かれた平安時代の貴族たちの生活と、物語の主軸である男女をとりかえるという特徴的なテーマが話題となりまた作者のさいとうちほさんの圧倒的な画力やするすると読めるストーリー構成が評価され、完結した今でも多くのファンがいる人気作です。

とりかえ・ばやの作者は?

『とりかえ・ばや』の作者は漫画家であるさいとうちほさんです。過去作に『円舞曲は白いドレスで』や『少女革命ウテナ』などの有名作を持つ、日本のみならず海外でも高く評価されている漫画家です。

『とりかえ・ばや』の執筆を終えた現在は月刊フラワーズにて『輝夜伝』の連載をスタートしています。こちらも平安時代をテーマにした作品ですので、『とりかえ・ばや』でさいとうちほさんのファンになった方はぜひチェックしてみて下さい。

さいとうちほ - 小学館「月刊flowers」

とりかえ・ばやのあらすじをネタバレ解説!

さっそく『とりかえ・ばや』のあらすじ解説をネタバレ含めてしていきます。原作未読の方は最終回までのネタバレがあるので注意してください。

美しい姉弟の誕生!一巻からネタバレ紹介

時は平安。権大納言藤原丸光(ごんだいなごん ふじわらのまるみつ)という超上流階級の貴族がいました。彼は大きな邸宅を持ち、そこに二人の妻を住まわせていました。同じ日の同じときに二人の妻が同時に産気づき、美しい姉弟の子供たちが生まれてきたことから物語は始まります。

西のお屋敷で生まれた女の子はその庭に咲いていた沙羅双樹の花にちなんで「沙羅双樹の姫君(さらそうじゅのひめぎみ)」と名づけられました。東のお屋敷で生まれた男の子は池に咲いていた睡蓮にちなんで「睡蓮の若君(すいれんのわかぎみ)」と呼ばれるようになりました。

二人は異母の姉弟でありながらまるで双子のようにそっくりに育ちます。しかしここで父親の藤原丸光を困らせることが起こります。それは、沙羅双樹は女の子の習い事や所作などを好まず、外を使用人の子供たちと走り回り、笛や漢詩を嗜む活発な子に。睡蓮は実の父親である藤原丸光のことも怖がるほどの男性恐怖症で、女の子のように屋敷内で人形遊びを楽しむ静かで内気な子に育ってしまったのです。

藤原丸光はこれに苦悩し、二人が正しく生きられないのは悪い呪いのせいだと思います。平安時代では呪いや縁を強く信じられていたので、これをお祓いするために鞍馬詣でを決行します。しかし、その途中で天狗の面を付けた山賊たちに襲われてしまうのです。

山賊は二人を売り払う計画を立てますが、身軽な沙羅双樹が睡蓮の男の服を着て、天狗たちと大立ちまわりを繰り広げその場を脱します。そうして一夜明けた頃、使用人を引き連れた藤原丸光がかけつけ二人は保護されます。着物を取りかえていた二人を見て藤原丸光は全てを天にゆだねることにしたのです。

やがて、14歳に成長した沙羅双樹の美しい容姿や才能の噂は帝にまで届くようになります。まだ元服前にも関わらず、出仕した際には五位の位を与えることを約束されます。もう後には引き返せないと覚悟を決めた藤原丸光は沙羅双樹を男として元服させることにします。沙羅双樹もまた自分の力を試したいと進んで承諾するのでした。

一方の睡蓮は女の子の成人の儀式である裳着の儀が執り行われることとなります。ついに二人は性別とは反対の道を進むこととなったのでした。

とりかえた人生の先は?ネタバレ紹介

ついに性をとりかえた二人の姿をネタバレ解説していきます。元服して間もなく昇進した14歳の沙羅双樹の君。美しく、賢く、可愛いその姿に女房たちだけでなく同僚からも慕われる存在になります。しかし実際は男のナリをした女の子。宮中に自分と同じ存在がいないとわかると心細くなる沙羅双樹。

そんな中、駒引きの儀式が行われます。全国の名馬を帝に奉納しそれを近衛などの家臣に分配する儀式ですが、近衛兵の一人である石蕗の中将と出会います。しかしその出会いは沙羅双樹にとって決して感じの良いものではありませんでした。

妹である睡蓮の姫君を紹介してくれと言われた沙羅双樹でしたが、そんなことを承諾すると二人の秘密がばれてしまいます。石蕗に諦めてくれ、と伝えた沙羅双樹でしたが、それを聞いた石蕗は泣き出してしまいます。連れの人に聞くと石蕗は最近女に振られたばかりで、見た目や口では軽くみられるが実際は人一倍傷つきやすいのだということを知らされます。

梅壺のたくらみとは?

沙羅双樹の君の噂はいまや宮中どころか町まで広がっていました。美しく明晰なうえ、帝にも東宮にも気に入られる存在に誰もが心を奪われていたのです。そんな沙羅双樹を快く思っていない人物がいました。それは東宮の妃である梅壺です。梅壺は沙羅双樹の従姉です。沙羅双樹の美しさに物の怪のような怪しさを感じていた梅壺は、その他にも睡蓮の存在にも疎ましさを抱えていました。

二人の存在が気に食わない梅壺にある疑念が生まれます。それは、『実は二人とも女だが片方を男として出仕させているのではないか』ということでした。かつて藤原丸光の邸宅に仕えていた者の話を聞いて確信を持った梅壺は沙羅双樹の秘密を暴いてやろうと行動を始めます。

一年ぶりに行われた野行幸で梅壺が放った刺客の矢が沙羅双樹の腕をかすめます。着物が破れ怪我をした沙羅双樹。そこに現れたのは梅壺。沙羅双樹の傷の手当を自らすることで正体を暴こうとしますが、沙羅双樹はこれを回避しなんとか場をきりぬけます。

沙羅双樹の結婚

思惑に巻き込まれる沙羅双樹のその後のあらすじをネタバレ解説していきます。沙羅双樹の正体を何とかして暴こうとする梅壺は、次に沙羅双樹と自らの妹である四の姫との縁談を進めます。実際に女であるなら結婚は受け入れないだろうと踏んだ梅壺でしたが、そんな企みに気付いていた沙羅双樹は四の姫との結婚を受け入れます。

しかし親友の石蕗は四の姫との不倫関係を持ってしまい、ついに子供も生まれます。それによって沙羅双樹にばれてしまうのです。行き場の無くなった石蕗でしたが、実際はずっと沙羅双樹に恋心を寄せていたのでした。その想いが抑えきれなくなった石蕗は、沙羅双樹を襲い、子供を身籠らせてしまうのです。

石蕗に女であることがばれた上に子供まで出来てしまった沙羅双樹は宮中を離れ、一人遠く離れた場所で子供を産もうとします。しかし結果流産となってしまいます。全てに絶望した沙羅双樹は入水を決めますが、そこへ沙羅双樹を探していた睡蓮が止めに入るのでした。睡蓮は沙羅双樹が消えた後に女東宮の内尚として東宮に仕えていたのです。

あるがままの性へ戻る二人。ネタバレ紹介

二人の大きな秘密であった沙羅双樹の性別が女であるということがばれてしまった前回。その後のあらすじをネタバレ解説していきます。

梅壺の刺客や企み、石蕗の行動、帝への想い、そして睡蓮の東宮への想いなどさまざまなことが交差し、ついに二人はかつてとりかえた性を戻すことを決めます。あるがままの、なりたいようになってゆく性へと戻るのです。

そうして、かつて沙羅双樹の君と呼ばれた姉は、東宮に仕える内尚に。睡蓮の姫君と呼ばれた弟は右大将として帝へ仕えます。二人の入れ替わりに梅壺はいち早く怪しんで帝へ言及しますが、かつて沙羅双樹が受けた矢の傷跡を見てもなにも言わず、二人の入れ替わりを黙認するのでした。しかし胸中では沙羅双樹への淡い想いを抱えながら、二人の入れ替わりを疑っていたのです。

とりかえ・ばやの最終回をネタバレ解説!

長かったとりかえ・ばやもついに最終回です。まだまだ二人に降りかかる試練はやみそうにありません。13巻のあらすじをネタバレしながら解説していきます。

魔の出現に荒れる都

都ではまた違う思惑が渦巻いていました。僧である銀覚が謀反を起こし、帝の命を狙っていたのです。それに気づいた睡蓮は銀覚を追放しますが、その追放先で銀覚によって都へ呪いをかけられます。都は次第に荒れはじめ、政治もおかしくなり始めます。そんな中吉野の宮が銀覚への呪詛返しを行い都は難を逃れます。

呪詛返しのおかげで銀覚は再起不能となり一件落着に思えましたが、その弟子であり唯一の肉親を語る幻覚が行動に出ます。幻覚にとって銀覚は幼子の自分を助けてくれた救世主であったのです。その銀覚の死を知ったことで更に勢いを増した幻覚は、沙羅双樹に掴みかかり、殺害しようとします。

首を絞められ苦しむ沙羅双樹でしたが、持っていた小刀で幻覚の息の根を止めるとそのまま主人のもとへと走り出します。途中で睡蓮に託された男の衣装を着て、再び性を取りかえ主人の前へ躍り出るのです。その姿を見た主人は一瞬で沙羅双樹であることを見抜きます。

尚侍から右大将に戻った沙羅双樹は主人に御銅座を願います。部下たちはみんな拒否するように反論しますが、主人は少し悩んでからそれを受け入れます。そして沙羅双樹に「常に私の傍にいて離れないように」と言うのです。沙羅双樹は、自分が睡蓮の恰好をしていることがばれているのではないかと冷や汗をかきますが、二人の空気を破るように後方から敵が現れます。沙羅双樹は主人を避難させ、自分は敵の方へと向かっていくのでした。

そんな中で、石蕗と共に宮を離れていた睡蓮もまた敵の存在に気づき沙羅双樹と同じ方向へ向かいます。しかし今、二人は同じ右大将の恰好をしているのです。睡蓮は沙羅双樹に服を預けただけなのでそのことはついぞ知らず、そしてついに、二人は主人の前で出くわしてしまいます。

今までうやむやにしていた二人の秘密も、ついに主人にばれてしまいました。沙羅双樹は涙を流しながら「都や帝を欺いたことを謝罪して出家させてほしい」と伝えます。しかし主人はそんな沙羅双樹の御髪をなおし、右大将の衣装を脱がせ、自分の上着を着せます。「二人が男のなりをしてようと、女のなりをしてようと、中は沙羅双樹と睡蓮であり、それこそが尊い」と言うのです。その言葉に沙羅双樹も睡蓮も涙を流します。

そして帝は沙羅双樹を抱き上げ、輿に乗り込みます。止める藤原丸光や、他の人々に「今日より私の女御にする」と宣言をするのです。

長かった二人の恋路

突然沙羅双樹を攫うように輿の中へ引き入れ、女御にすると宣言した帝。二人の淡い恋時は実るのでしょうか。その後のあらすじをネタバレ解説していきます。

夕刻に沙羅双樹の家に着いた輿。主人に手を差し出され輿から降りる沙羅双樹。藤原丸光は自らの寝殿である主寝殿を帝にあけ渡し、沙羅双樹に案内するよう諭します。また帝は沙羅双樹に後でここへ訪れるよう告げその場を去ります。

夜が更け、沙羅双樹は帝のもとへ訪れます。帝は都の状況を伝え、沙羅双樹は帝のもとへ訪れるまでを語ります。二人きりの状態でさえ都のことを心配する沙羅双樹。そんな彼女を帝は寝台まで運びますが、そこで沙羅双樹は泣き出してしまいます。沙羅双樹はかつて石蕗に襲われ身籠った子供を流産してしまったことを告げます。

そのことで帝に愛想をつかれるのではないかと悲しむのですが、帝はそんな彼女を受け入れ、愛しみ、ついに二人の長かった恋路を実らせたのでした。のちに沙羅双樹は無事に男の子を生みます。また、睡蓮も想い合っていた東宮と結婚することとなりました。

性をとりかえ、世間を欺いて帝のために、都のためにその身を投じてきた二人。様々な苦難が二人を襲いましたがついにハッピーエンドを迎えることが出来たのでした。最後までハラハラさせられた最終回でした。というわけでここまでが『とりかえ・ばや』の全13巻の大まかなあらすじネタバレでした。

とりかえ・ばやを見た人の感想をネタバレ紹介!

『とりかえ・ばや』をネタバレを含めて最終回まで解説してきましたが、そんな『とりかえ・ばや』を読んだ人はどのような感想を持っているのでしょうか?読んだ人の感想をネタバレ紹介していきます。

『とりかえ・ばや』を読んだ人の中には『とりかえ・ばや』から昔の考え方や視点を教わったという感想も多くありました。日食や儀式のシーンなどは特に当時の考え方を知ることができる場面ではないでしょうか。そういった知識を深めることで最終回にかけても楽しんで読むことができると言えるでしょう。

また『とりかえ・ばや』を読んだ人の中には作者のさいとうちほさんの根強いファンであるという人もたくさんいらっしゃいました。昔から多くの有名作を輩出してきた作者が最終回を迎えるということもあって、その感想には熱がこもっています。『とりかえ・ばや』のファンにとっても、さいとうちほ先生のファンにとっても感動的で印象に残る最終回だったのではないでしょうか。

さらに『とりかえ・ばや』の衣装や時代背景の忠実さを評価する感想も多くありました。煌びやかな衣装や荘厳なお屋敷などが多く登場する『とりかえ・ばや』では、ストーリーだけでなく作画の綺麗さでもファンを掴んでいたのです。『とりかえ・ばや』本編以外にも、巻末ページの当時の所作や服装などを図解したコーナーも人気があり、それらを楽しんだという感想も見受けられました。

『とりかえ・ばや』を様々な視点から本作品を見ていることがよく分かります。以上で『とりかえ・ばや』の感想のネタバレでした。

とりかえ・ばやのネタバレまとめ

『とりかえ・ばや』の最終回までをネタバレを交えて解説し、読んだ人々の感想もネタバレ紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。平安時代に性をとりかえて生きた姉弟の人生は、最終回では二人ともハッピーエンドを迎えることが出来ましたが、その最終回に至るまでもさまざまな思惑と苦難が渦巻き、読み手もハラハラしながら追いかける作品でした。

しかし、そこにあるのは性やしきたりなどにこだわらず、あるように生きる姿こそが美しく魅力的であるという私達の人生にも通ずる教えです。平安の時代背景を学びつつ、生き方を教わることができる『とりかえ・ばや』を最終回までのネタバレ解説を参考に、すでに読んでいる人もまだ未読の方も深く考察しながら読んでみてはいかがでしょうか?

関連するまとめ

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ