失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)の内容とは?感想まとめ【吾妻ひでお】

吾妻ひでお自らの壮絶な実体験を描いたノンフィクション漫画「失踪日記」。失踪日記は吾妻ひでお自らの失踪経験やアルコール依存症治療の体験をポジティブに描いた作品です。日本漫画家協会賞大賞や文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞などを受賞し、30万部を記録したベストセラー漫画!漫画家、同人作家としての活動から一躍してホームレス生活。続編にあたるアル中病棟(失踪日記2)では配管工となってからアルコール依存症の治療まで。話題となった失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)について紹介します!

失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)の内容とは?感想まとめ【吾妻ひでお】のイメージ

目次

  1. 失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)の内容に迫る!
  2. 失踪日記の作者・吾妻ひでおとは?
  3. 失踪日記のあらすじとは?
  4. アル中病棟(失踪日記2)のあらすじとは?
  5. 失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)を読んだ人の感想とは?
  6. 失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)の内容まとめ!

失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)の内容に迫る!

失踪日記、アル中病棟(失踪日記2)とは吾妻ひでお自らの実体験を漫画にしたノンフィクション作品です。想像もつかないホームレス生活と配管工としての生活を送った失踪日記、アルコール依存症を中心にしたアル中病棟(失踪日記2)。

失踪日記は、一見壮絶すぎて悲惨すぎる内容をコミカルな雰囲気で描き、リアリズムを排除して表現していることが特徴の漫画です。本記事ではその失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)の内容について迫ります!

失踪日記の作者・吾妻ひでおとは?

吾妻ひでおは1969年に『月刊まんが王』(秋田書店)12月号に掲載の『リングサイド・クレイジー』で漫画家としてデビューしました。当時はSF・ナンセンス色に強い作風を売りとし、徐々にその人気を得てきました。そして、『週刊少年チャンピオン』で当時流行していたハレンチコメディで知られる『ふたりと5人』で大ヒットを果たしたのです。

連載終了後はマイナー誌を中心にマニアックな作品を続々と発表し、「吾妻ブーム」が起きるほどの影響がありました。吾妻ひでおはメジャー誌出身でありながらも同人作家としても活動していました。日本初のロリコン誌『シベール』に同人作家として作品を発表し、メジャー誌出身から同人作家としても活躍するというのは異例の事態と言えます。吾妻ひでおは人気漫画家として、その名を徐々に広めていきました。

しかし、吾妻ひでおは1985年頃から低迷期に入り、そこから自殺未遂事件や失踪事件を起こしホームレス生活を送ることとなります。二度に渡る失踪事件の後、今度はアルコール依存症治療のために精神病院へ入院をすることとなります。2005年に失踪事件を中心に描いた失踪日記、続編としてアルコール依存症治療のアル中病棟(失踪日記2)を出版し、再び注目を浴びました。

失踪日記のあらすじとは?

失踪日記は吾妻ひでお本人が経験した2回の失踪事件のことと、配管工として働いたことを中心とした作品です。重い題材でありながらも、コミカルな雰囲気を保つ漫画ならでは表現の数々を交えながら紹介します。

失踪日記:夜を歩く

失踪日記は取材という名のホームレス生活の場面から始まります。吾妻ひでおは仕事が嫌になり、原稿をほったらかしにして姿を晦ました。行く当てもなく、職場にも家にも帰らず、ただひたすら酒を飲んでは寝るという生活を繰り返していました。

次第に鬱と不安に襲われた挙句、全てに耐え切れなくなっていました。お金も底をつき、最後のお酒を飲み干して気が変わらないうちに山の斜面を利用して首つり自殺を試みました。しかし、自殺は失敗に終わり命拾いすることとなります。だが、吾妻ひでおは自殺に失敗したことを恥ずかしんで、結局家に帰ることはできませんでした。そしてここから、本格的なホームレス生活を始めるのでした。

ホームレス生活は壮絶でした。まずは飢えを凌ぐために畑から大根を奪って食べます。穴だらけのシートで一晩過ごすものの、寒風に晒され悪夢を見ながらも更には大雨に打たれ続けました。大根だけでは飢えを凌ぎきれず、とにかく食べ物を探さなければなりません。その為にも平然とゴミ箱を漁ったり、てんぷら油を飲んでみたりと、飢えを凌ぐためなら手段を選ぶことはできなかったのです。

ホームレス生活では食事だけではなく、寝床の確保も大事な要素です。このままだと寒さも雨も凌げず不便なので、状況を改善すべく朝早くからゴミ漁りをしに行きました。寒さを凌げる毛布を確保し、更には浸水を防げるお風呂マットを手に入れ、徐々に寝床を改善。さらには手にしたうどんをゆでるために焚火をするなど、吾妻ひでおは徐々にホームレス生活に慣れていきました。

そんなホームレス生活をしばらく続けていたのですが、ある日警察に職務質問をされてしまい、交番へと連行されました。住所と名前を書かされ、吾妻ひでおのことが知られるのも時間の問題でした。結局、吾妻ひでおの奥さんから捜索願が出されていたことから強制的に家へ連れ戻されました。

失踪日記:街を歩く

1回目の失踪事件から漫画家としての活動を再開するものの、吾妻ひでおはまたしても失踪し、ホームレス生活へと戻ってしまいました。ホームレス生活に慣れてきた吾妻ひでおは、この生活を気に入っており仕事をしている時よりも健康的な生活をしているんじゃないかとさえ思ってしまいます。

そんな中、配管工を務めていた上森さんから配管工をやってみないかとスカウトされました。しばらく配管工として働くこととなりますが、ホームレス生活が続いていたせいで体力がそこまでない状態でした。しかし、身体を動かし続けまともなご飯を食べ続けていたおかげで肉体も鍛えられます。配管工をやってる間、人間関係に苦しみながらも続けました。

しかし、配管工としての生活もあまり長く続きませんでした。ある日、盗難車の自転車を使っていたことをきっかけに警察へ連行されてしまいました。そして妻から捜索願が出されていたことが発覚し、失踪生活を終えて家へと連れ戻されます。その後もしばらく配管工を続けましたが、半年後にはがき一枚で退職しました。

アル中病棟(失踪日記2)のあらすじとは?

アル中病棟(失踪日記2)は失踪日記の続きではありますが、今後はホームレス生活ではなくアルコール依存症の治療生活を描いています。

アル中病棟(失踪日記2):アルコール依存症の章

過度な飲酒生活を続けた吾妻ひでおはアルコール依存症になっていました。毎朝起きると当然のように二日酔い状態、しかし飲みたいという欲求は収まらず寝起きから一杯。寝酒でも飲むかと一杯、そして止まらず一杯、もう一杯…。ひたすら飲酒を繰り返していくうちに、症状は段々と悪化します。

二日酔いだろうがなんだろうが、とにかく吾妻ひでおは酒を浴びるようにアルコールを摂取し続けます。外出をするときは幻覚に襲われ、常に自分が何者かに狙われているかと錯覚しました。車へ轢き殺される幻覚やいないはずの人物へ怯えます。ひたすら幻覚から逃れるように酒へとしがみつく悪循環へと陥る。そしてついにはアルコール依存症治療のため、精神病院へと入院することとなりました。

入院後、吾妻ひでおはアルコール依存症の治療プログラムを受けます。大好きだったお酒を飲むことができずにイライラし、寝る前にも飲みたい欲求に駆られる毎日。吾妻ひでおは酒が飲めない禁断症状に苦しみながらも、ひたすら耐える日々を送っていました。

アルコール依存者はカルシウム不足に陥っており、歯がボロボロな状態となっていることが多いです。酒ばかりを飲み、ろくな物を食わないことが原因です。吾妻ひでお自身の歯もボロボロになってしまっていて、ほかの患者でも入れ歯で生活している人もいました。また、神経がしびれたり引きつったりと、入院することにより吾妻ひでお自身に起きていた症状はアルコール依存症によるものであることが徐々に発覚しました。

入院生活中は当然ながら同じ治療プログラムを受けている患者仲間がいて、スポットは吾妻ひでお自身ではなく他の患者についてもいくつか描かれています。何度もお酒を飲んでしまい隔離されてしまう患者、ミニラと呼ばれる患者など様々な患者が登場しました。

失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)を読んだ人の感想とは?

失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)を読んだ人の感想をそれぞれ紹介していきます。壮絶なホームレス生活を描く失踪日記、決して他人事ではないアルコール依存症のことが詳細に描かれたアル中病棟(失踪日記2)から、それぞれ一つずつ感想を紹介します。

失踪日記 感想紹介

私たちはホームレスがどうやって飢えをしのぎ、寒さに耐え日々を過ごしているのか考えもしないし、アル中に対しては侮蔑の目しか持っていないと思う。しかし本作を読むと彼らは非常に身近な存在であり、自分も一歩間違えば同じ道を歩んでいた可能性があることを実感できる。

そんな一見すると悲惨なエピソードもリアリズムが排除されており気軽に読むことが出来る。これは抽象化が可能な漫画というメディアならだと思う。

失踪日記についての魅力を、漫画というメディアならではの表現について取り上げています。一歩間違いがあったら自分自身も同じ道を歩んでいたかもしれない。リアリティがあるようでファンタジーな世界を表現していることを現している感想です。

アル中病棟(失踪日記2) 感想紹介

それは依存症の人にとってどんなに辛いことか、依存症癖のある私にはわかる…。
死ぬまで、酒を飲みたいという欲と戦い続ける。
我慢し続ける…。

アルコール依存症のことを詳しく描いたアル中病棟(失踪日記2)には様々な感想がありますが、決して他人事ではなく自らも依存症になりかねない。漫画で描かれた闘病生活を自分に重ねたとき、やはり漫画で表現されている以上に辛いことなのだと言うことが伝わってくる感想です。

失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)の内容まとめ!

失踪日記とアル中病棟(失踪日記2)のあらすじと感想についてまとめましたが、いかがだったでしょうか?失踪日記は壮絶で重みがある内容であるにも関わらず、ギャグマンガとして明るく読めるように描かれた漫画です。

吾妻ひでおは、いかにしてホームレス生活を続けたか?どうやってアルコール依存症を改善していったのか?本記事で少しでも興味を持った方は、ぜひ本編を手にしてご覧になってはいかがでしょうか?

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